2009.08.02

2009年上半期ライトノベルサイト杯

2009年上半期ライトノベルサイト杯に投票いたします。よろしくお願いいたします。

予想以上に新規作品が多くなった。やはりイメージ的には新規の方が印象が強くなるのかね。不思議。

【09上期ラノベ投票/新規/9784840127875】
『いつも心に剣を(2)』(十文字青/MF文庫J)
十文字青の新シリーズ。現在2冊まで出てます。この人、いくつもシリーズを抱えているので、既存部門とどっちにしようかと思ったけど、地味ながらとても好きなこの作品をプッシュいたします。今回は作中ではなんの変わらない人間同士が、人間と魔女に別れて対立し、善が人を虐げ、悪が人を助ける倒錯した不条理な世界で、身を寄せ合うようにしていき少年少女の数奇な運命を描く。主人公二人のキャラ描写も特異で、いわゆる”キャラ萌え”の出来る登場人物が一人もいないのがポイント。どの人物も鬱陶しくて不快な部分と、それと同じくらいに生きることに苦痛を覚えながら必死で生きている部分を併せ持っている。そこを受け入れられるかどうかもまた、この作品の評価を決めるポイントだろう。

【09上期ラノベ投票/新規/9784044743017】
『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』(河野裕/角川スニーカー文庫)
終始、叙情的で繊細な描写をしているのにやっていることはジョジョ。淡い恋と、不器用な生と、生きることの孤独を描いているのに、やっぱりジョジョ。なんだこりゃ…。乙一×荒木飛呂彦というやってはいけない悪魔合体をやってしまった作品という表現も出来るな。結果として極めて繊細かつケレンに満ち溢れた作品だった。主人公の歪み方がなかなかまるで乙一かと思わせておいて、能力の駆け引き、意外な結末などまるでジョジョ。変な話だなあ。
個人的にとても好きな新人として今期の一、ニを争う作品です。

【09上期ラノベ投票/新規/9784758040686】
『星図詠のリーナ』(川口士/一迅社文庫)
読む前はねえ、マッピングファンタジーとかまた編集部はヘンテコなキャッチコピーをつけるよなーと斜に構えて読んでいたんだけど、読んでみたら本当にマッピングファンタジーとしか言えない話だった。マッピング、という行為が物語の主題にがっちり組み合っているんだよな。キャラといい物語といい派手な部分はまったく無いのだが、良作という言葉のぴったりな作品。

【09上期ラノベ投票/新規/9784840127844】
『原点回帰ウォーカーズ(2)』(森田季節/MF文庫J)
不思議なというしかないセンスをした森田季節がキャラに特化したラノベを書いたらなんか得体の知れないものが出来てしまいました!キャラは立っている。確かに立っているんだが…立ち過ぎ!物語も相乗効果でよくわからんテンションに包まれている。

【09上期ラノベ投票/新規/9784757749320】
『耳刈ネルリと奪われた七人の花婿』(石川博品/ファミ通文庫)
オレ、これ好きー。主人公の一人称で語られている作品なんだけど、その一人称が嘘をついているという、非常に先鋭的な作品。読者は、主人公のエロとバカな発言の奥にある真摯な思いを汲み取る必要があるのだ。それを汲み取ると、物語は途端にシリアスかつ熱い物語に変貌するのである。本当だよ?

【09上期ラノベ投票/新規/9784048674676】
『プシュケの涙』(柴村仁/電撃文庫)
これはねえ…。冷たく理不尽な世界であったほんのわずかな希望が叩き潰されたところから物語が始まると言うところに凄みを感じた。希望がすでに失われた後に、その希望がどのようにして生まれたのかを語るなんて凶悪すぎる…。希望が無いことを嘆くなんてレベルの話じゃないぞ…。

【09上期ラノベ投票/新規/9784048678438】
『アクセル・ワールド02 紅の暴風姫』(川原礫/電撃文庫)
ソードアートオンラインと同時にシリーズが始まっているけど、個人的にはこっちが完成度は高いような気がするなー。いや、どっちも上手いし面白いんだけど。作者の最大の魅力は、バトル描写でもなく、キャラ萌えでもなく、人間の関係性の描写なんだと思うのだけど、こちらのシリーズは本当にその点が素晴らしい。デブでさえない主人公に、ヒロインが好意を持つ過程にきちんと納得の行く理由付けを行っているところも良い。きっかけは才能だけかもしれないけど、そこから構築していくものもあるのだ。

【09上期ラノベ投票/既存/9784048675307】
『悪魔のミカタ666(6)ノットB』(うえお久光/電撃文庫)
本当に悪魔のミカタという物語はどこに到達してしまうんだろうなあ。読者が予想する最終回予想を、どんどん上回っていく作者の覚悟には痺れる。ど、どこまで作者はハードルを上げていくんだ…?無印一巻の時点でこの展開を予想できた人は神(つまり不可能)。

【09上期ラノベ投票/既存/9784829133798】
『宝仙娘娘追宝録(11) 天を決する大団円(下)』(ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫)
つ・い・に宝仙娘娘追宝録、完結!もうこれだけでなにも言うことが無い。あの混乱したクライマックスを本当に大団円に持っていく力技がすごい。敵も味方にも”悪人”がいなくて、それでも悲劇が止められないというやるせなさが良かった。そのやるせなさもきちんと回収されているところも見事だったな。終りもただ終りというわけではなく、これからの物語の広がりを感じさせられて、美しい。信者補正が入っているかもだけど、きちんと完結したので、多くの人に読んでもらいたい。

【09上期ラノベ投票/既存/9784488451066】
『秋期限定栗きんとん事件(下)』(米村穂信/創元推理文庫)
これもすごかった。夏の話で別れてしまった主人公二人が一年間をいかに過ごしたかが描かれる。本当にこいつらはタチが悪いよな。ただ、ひねくれた、社会に対して冷笑的な展開にならないかとひやひやしていたので、予想以上に前向きな終わり方にはほっとした。いや、ひどい目にあわされた人はいるんだけどね!でも、こういう社会に反抗するのでもなく、シニカルになるのでもなく、(主人公の特異性を受け入れた上で)自己を肯定出来る前向きさがとても良いなあ、と思うのだった。大抵のラノベだと、自分が逸脱していると思うと、すぐに社会を排除する方向に行くからな。その点、作者の誠実さが感じられるのがよかった。

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2007.02.07

夢のようなシステムだ

本が好き!」(Something Orangeより)と言う企画が素晴らしい。まさに僕のためにあるようなシステムだ。どうにか軌道に乗って欲しいものだし、参加してみようかな。

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えー、まじっすか

セクシーボイス アンド ロボ』(黒田硫黄)がテレビドラマ化ですかー。まあアニメにはそれほど特化しているわけでもない作品なので別に問題ないといえば問題ないのかもしれないが。原作に思い入れがあるだけに不安は大きいなあ。たぶん見ないけど、一応チェック。

あ、実は僕は黒田硫黄が大変に好きで好きで好きでたまらない人なのです(唐突なカミングアウト)。

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2007.01.31

2006年下半期ライトノベルサイト杯

いつの間にやら締め切りまであと一時間。いろいろ忙しくてすっかり忘れていた。と言うわけで「2006年下半期ライトノベルサイト杯」に参加してみる。
とりあえず投票は以下の通り。
僕が投票しなくても人気のありそうなのは基本的に除外しており、またライトノベルとは一概に言い切れない作品さえあるが、ライトノベル読者にオススメする境界線上の作品と言う意味で投票する。ひょっとしたら票が無効になったりするのかしらん。

・新人、新作部門の投票は以下の通り。
 
『煌夜祭』(多崎礼/C★NOVELSファンタジア)【06下期ラノベ投票/単発/4125009481】
 
あまりにもきちんと作られている職人芸的な作品。冒頭から終幕まで完璧に作者の制御が行き届いていて、いささか閉塞的とも取られかねないけど、それでも完璧に構築された美しさは誰にも否定できないものだと思う。
 
 
『ボトルネック』(米澤穂信/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103014717】

青春の挫折とSFとミステリの融合を果たした奇跡的な作品。狭義の意味での『青春ミステリ』を描いているのは、おそらくライトノベル業界では米澤穂信以外にいないと思う。そして、それに成功している例は、本格全体を見渡しても数少ない(ような気がする)。
 
 
『TOY JOY POP』(浅井ラボ/HJ文庫)【06下期ラノベ投票/単発/4894254581】

全くこれは素晴らしいジャンク小説ですね。クソッタレで生ぬるい日常を送る若者たちの、平凡たる地獄を描いている暗黒日常小説。文体、内容、キャラクターとすべてにおいてぶっ壊れたゴミの山のような小説。全く最強で最悪で最高の小説だぜひゃっほう!
 
 
『空色ヒッチハイカー』(橋本紡/新潮社)【06下期ラノベ投票/単発/4103007524】

橋本紡って、ムチャクチャ小説が上手いよなあ…。もう完璧としか言いようが無い。この主人公はこの旅をしなくてはいけなかったのだと言うことに、読者が全く疑いをさしはさむ余地が無いのが凄い。
 
 
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登見彦/角川書店)【06下期ラノベ投票/単発/4048737449】

誰がなんと言おうと森見登身彦はライトノベル読者にも読まれるべきである。主人公であるストーカー気質の大学生眼鏡男子先輩と天然ふわふわ黒髪の乙女後輩の二人があまりにもベリーキュートであり、作品全編に満ち溢れる汗臭くも可愛らしい妄想の氾濫には一見の価値ありだ!うーんらぶりー。
 
 
・シリーズ作品部門の投票は以下の通り。
 
『マルドゥック・ヴェロシティ3』(冲方丁/ハヤカワ文庫JA)【06下期ラノベ投票/複数/4150308713】
 
まあこの作品を上げなくては2006年の下期のライトノベルは語れまい。まあはっきり言ってライトノベル読者と前作主義者をはっきり拒否したストーリーと文体ではあるんですが、冲方丁の現時点における集大成と言っても過言ではない。重苦しく未来が無いやり場の無さが生み出す底なしの暴力に、僕はどこかリリカルさを感じてしまうのだ。
 
 
『化物語(下)』(西尾維新/講談社BOX)【06下期ラノベ投票/複数/4062836076】

西尾維新はただ西尾維新であるだけで面白いのだと言うことを如実に現した作品であり、小説と言う形式をすべてうっちゃってキャラクターと言うものに特化させたこの作品は、もはやある種の事件であると言ってもいいでしょう。だってさあ、薄い、軽いと揶揄されてきた西尾維新だけど、この人が本気になるとここまで「重さが無」くなっちまうとは。軽いなんてもんじゃねえ。無いんです。何にも無いんですよこの作品は。そしてそれなのに面白いというのが異常。いやー西尾維新を僕は完全に見くびっていたわ。すまん。
 
 
『カーリー ~二十一発の祝砲とプリンセスの休日~』(高殿円/ファミ通文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4757729111】

物語の快楽って言うのがこんなところで味わえるとは正直思わなかったよ。大戦前のインドにおける恋と友情と嘘と裏切りにも負けない女の子の冒険小説って言うの?あと真夜中のお茶会。そういうことです。
 
 
『ラギッド・ガール 廃園の天使 II』(飛浩隆/ハヤカワ文庫 JA)【06下期ラノベ投票/複数/4152087676】

廃園の天使シリーズはもっと多くの人に読まれてもいいと思うんですよ。淫靡で残酷で凄烈なキャラクター小説はこの世にそうそうあるもんじゃない。本当、この作品はある種の奇跡だと僕は思うよ。
 
 
『薔薇のマリア VI. BLOODLY SINGROOVE』(十文字青/角川スニーカー文庫)【06下期ラノベ投票/複数/4044710082】

この作品って、いわゆるロックっつーか、ヘビメタっつーか。なんかそういう世界に喧嘩を売っているアウトロー系の作品であって、斜に構えているくせにロマンティックなところとか、なんかね、異常に好き。
 
 
以上でした。

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2006.07.16

2006年上半期ライトノベルサイト杯

平和の温故知新@はてな主催【2006年上半期ライトノベルサイト杯】に投票をしてみる。まあ半年分だしたいしたことないだろうとたかを括っていたところ、予想外に難航し現在に至る。うーんうーん選べないよー。

以下、偏りまくった投票リスト。
1.【06上期ラノベ投票/4044710066】
2.【06上期ラノベ投票/475772604X】
3.【06上期ラノベ投票/475772716X】
4.【06上期ラノベ投票/4840234957】
5.【06上期ラノベ投票/4757726279】


1.『薔薇のマリアⅤ.SEASIDE BLOODEDGE』(十文字青/角川スニーカー文庫)
2005年度版で投票するのをうっかり忘れていた。不覚。(感想
 
2.『荒野の恋 第二部 bump of love』(桜庭一樹/ファミ通文庫)
荒野って本当に戦闘的だなあ、などという感想は多分的外れなんだろうけどそれぐらいしか言えないや。(感想

3.『ジャンクル!』(木村航/ファミ通文庫)
もう何がなんだかわからん!最高だ!!(感想
 
4.『シフトⅡ -世界はクリアを待っている-』(うえお久光/メディアワークス)
ゲームファンタジーハードボイルドの秀作。値段が高いのがネックだが、それを補って余りある。(感想
 
5.『永遠のフローズンチョコレート』(扇智史/ファミ通文庫)
僕の好みのど真ん中に剛速球で来た。(感想
 
 
 
えーと、以下選考に上がったもの。多すぎ。
一応全部感想は書いている…はず。

『二〇〇二年のスロウ・ボート』(古川日出男/文藝春秋)
『マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号』(東亮太 /角川スニーカー文庫)
『タマラセ 幼馴染はドラゴンを喚ぶ』(六塚光/角川スニーカー文庫)
『円環少女(3) 煉獄の虚神(下)』(長谷敏司/角川スニーカー文庫)
『されど罪人は竜と踊る Assault』(浅井ラボ/角川スニーカー文庫)
『狼と香辛料』(支倉凍砂/電撃文庫)
『ぼくと魔女式アポカリプス』(水瀬葉月/電撃文庫)
『とらドラ!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)
『私立!三十三間堂学院(3)』(佐藤ケイ/電撃文庫)
『半分の月がのぼる空(7)』(橋本紡/電撃文庫) 
『天使のレシピ』(御伽枕/電撃文庫)
『トリックスターズD』(久住四季/電撃文庫)
『ソラにウサギがのぼるころ』(平坂読/MF文庫J)
『侵略する少女と嘘の庭』(清水マリコ/MF文庫J)
『青葉くんとウチュウ・ジン(3) やってきた迷惑王女』(松野秋鳴/MF文庫J)
『銃姫(7) No more Rain』(高殿円/MF文庫J)
『ランブリング・カレイド <星穹の女帝>戦』(高瀬彼方・黒鉄アクセル/ファミ通文庫)
『カーリー ~黄金の尖塔の国とあひると小公女~』(高殿円/ファミ通文庫)
『夏期限定トロピカルパフェ事件』(米澤穂信/創元推理文庫)
『煉獄のエスクード(3) RHYTHM RED BEAT BLACK』(貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫)
『ブラック・ベルベット 菫咲くころ君を想う』(須賀しのぶ/コバルト文庫)
『上手なミステリの書き方教えます』(浦賀和宏/講談社ノベルス)
『銃とチョコレート』(乙一/講談社ミステリーランド)
『ガジェット・ポップ ~蒸気帝国騒動記~』(川崎康宏/GA文庫)

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2006.02.19

『ライトノベル読みに本当に聞いてみたい10の質問』

ライトノベル読みに本当に聞いてみたい10の質問 Ver.1.5 』に勝手に答えてみた。

1.尊敬するライトノベル作家は?
冲方丁
そのアグレッシブ過ぎる行動力と格好良すぎる文体は憧れるが、僕とほぼ同時代人と言う事実に打ちのめされます。尊敬と嫉妬ですな。

2.あなたの人生に影響を与えたライトノベル作品は?
いろいろあって特定出来ない。『ロードス島戦記』…と言いたいところだけど、僕の人生観にまで影響を与えたという意味では久美沙織の『精霊ルビス伝説』かなあ。人間とは不完全な生き物で、善でもあり悪でもあると言う当たり前の事実を教えてくれた作品です。それでも人は生きていかなくてはならないのだ。絶望的な(しかし僅かな救いをもたらされた)エンディングは僕のトラウマだったりする。

3.読んだけど生理的に受け付けなかった、どうしても好きになれなかった作品は?
渡瀬草一郎と川上稔。

上手い下手を超越したところのおそらく人生観とか現実認識のレベルで好きになれない。自分でも不思議なくらい好きになれない。はっきり言ってムカツク。大抵の作品は笑って許せる自分が何でここまで拒絶反応が出てしまうのかを自分でも知りたくなって、渡瀬草一郎は『パラサイトムーン』を5巻か6巻ぐらいまでと『空ノ鐘の響く惑星で』を2巻まで、川上稔は都市シリーズを『パンツァーポリス』から『電詞都市DT』(つまりほぼ全部)と『終わりのクロニクル』を3巻くらいまで読んでみた(…我ながら随分読んだな…)がやっぱり駄目だな。何でだ?

4.最も優れたノベライズ作品は?
久美沙織『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』

おそらく僕が今まで読んだノベライズの中で最良の一つ。ゲームのノベライズでありながらゴシック・ファンタジーの様相すら漂わせた豪華絢爛かつ退廃に満ちたファンタジー。本来倒されるだけの存在である魔族が単に邪悪なだけではない愛憎を備えているあたりが素晴らしかった。また、本来プレイヤーの分身である勇者に、愛と憎悪と復讐を備えた人間性を付与したのも子供心に衝撃的だった。

5.あなたにとって優れたノベライズとはなんですか?
原作をきちんとリスペクトしながら自分独自の解釈を大胆に込められたもの。原作そのままじゃ駄目だし、好き勝手をやっていいわけでもない。バランスが重要だと思う。

6.ライトノベルに挿絵は必要だと思いますか?
まあ要ると言えば要るが無くても別にかまわない。ただ、読者のイメージの補填としてのイラストは良いけど、イラストが先行しているのは個人的にはマイナスかな。イラストで作品の出来不出来まで判断されてしまうのはいただけない。

7.ライトノベルにあとがきは必要だと思いますか?
まあ要ると言えば(以下略)。でもまあ、作者は作品の中だけで語れば良いんじゃないの?という気はする。

8.書店で知らない作家のライトノベルを買う時の一番の基準は?
冒頭を立ち読みし文章が好みに合うかどうか調べる。あとは勘。

9.おかゆまさき著『撲殺天使ドクロちゃん』について一言(作品を知らなければ「知らない」と答えて下さい)
一言で言って天才の仕事だと思う。ただ才能が枯れるのもそう遠くは無いと思うけど。

10.あなたにとってライトノベルとはなんですか?
どうしようもない人生における暇つぶしと一時的な安息の手段。
溺れた時の藁。
そんな感じ。

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2006.02.13

電撃大賞ファーストインプレッション

電撃文庫の新人賞である電撃小説大賞の大賞、金賞、銀賞受賞作を読んだ。印象を忘れないうちに書いておく(2/13に追記をしたので上に持って来ました)。

『お留守バンシー』
大賞受賞作。
さすがに大賞だけあって小説としての完成度は4作品のうちダントツ。良くも悪くも新人らしくない内容で、受賞作の中では唯一”商品”としての価値がある(言葉は悪いが)。言い換えればプロの作品と言える。これがデビュー作と考えればすごいものだけど、ただ、きちんとまとまりすぎていて将来性についてはなんとも言えない。向上の余地があるのか?

『哀しみキメラ』
金賞受賞作。
大賞に比較すると明らかに作品としての完成度で一段も二段も下がる。やりたいことは分かるのだが、明らかに描写が届いていない感じだ。バランスが悪いと言うか。ただ、それは作者の理想像が非常に高いと言うことを意味しているので、今後の成長次第では凄いものを書くかもしれない。帯にもコメントがある有川浩のデビュー作『塩の町』を読んだ時とよく似た印象を受けたな。ハードカバー向けかも。

『火目の巫女』
銀賞受賞作。
好きか嫌いかで判断すれば、『狼と香辛料』を除いた3作品の中では一番好きかもしれない。ただ、やっぱり描写が足りてないのは金賞と同様で、主人公たちの物語が書き込み不足のまま終わってしまった印象を受けた。でも、単純な成長物、あるいは擬似家族ものに終わらせない作者の物語に対する哲学は非常に気に入った。うん、やっぱけっこう好きかも。

えーと、あと銀賞受賞作がもう一つあるんだけど…買い忘れていたので明日買ってきます。

(2006/2/13追記分)
で買ってきました。
『狼と香辛料』
これは凄く好きなタイプの作品だな。実はこれは一番好き。こう言う何にも起こらない話をきちんと描けるところに作者の並々ならぬ力量を感じさせる。正直に言って、あんまりケチをつけるところが見当たらないんですが…まあ電撃文庫的にはややマイナーな流れか(七姫物語とかの系譜か?)。やや異世界の風土、文化の描写が中途半端なところがマイナスかもしれないが、主人公とヒロインの会話だけで十分に楽しいので問題ないな。
 
 
しかし、今回の電撃文庫はレベルたけーな…。どれを読んでも外れが無いと言うのは素直に感服。読み手の好みの差こそあれ、どれも凄く高度な事をやっている(あるいはやろうとしている)し、続きが非常に楽しみな話ばかりだ。素晴らしい。

どれも面白かったけど敢えて順位をつけるとするなら、単品作品としての完成度(読んでいてどれだけ不満を感じなかったか)で言えば『お留守バンシー』-『狼と香辛料』-『火目の巫女』-『哀しみキメラ』。
将来凄いものを書きそうな予感をさせられた順番では『哀しみキメラ』-『狼と香辛料』-『火目の巫女』-『お留守バンシー』。
今後、もっとも売れそうな作者の順番では『火目の巫女』-『お留守バンシー』-『狼と香辛料』-『哀しみキメラ』。
個人的に自分が好きな順番は『狼と香辛料』-『火目の巫女』-『哀しみキメラ』-『お留守バンシー』。

と言うところか。
『狼と香辛料』が強いなー。

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2006.01.14

評価と言うのは千差万別。だからこそ面白い。

世界史上の人物をコーエー数値化するスレまとめを読んでいたら時間を立つのを忘れる。歴史上人物を数値化するなんて簡単に出来るもんじゃないと言う意見もあるだろうけど、評者それぞれによって人物の事績の解釈に差があって、その違いを比べてみるのがめっぽう楽しい。

でも注意しなければならないのは、これはあくまでも評者の視点を通してみた判断であると言うところ。あまり鵜呑みにはしないで、自分で調べてみないとね。

でも、世界史に興味を持たせるという意味ではこれ以上のものは無さそうだ。こーゆーのを学校の教材にしてみたら面白いんじゃないかな、と思った。

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