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2013.10.06

『巡ル結魂者(1)』

巡ル結魂者(1)』(秋田禎信/角川スニーカー文庫)

秋田禎信が女の子いっぱいのハーレム系ラノベを書くなんて、エイプリルフールは半年前だぞとしか思わなかったけれども、実際に読んでみれば確かに秋田禎信らしくはあった。確かに女の子はいっぱい出てきているけれども、どれもこれも一筋縄ではいかない奇人変人だらけであり、つまるところオーフェンの牙の塔時代を思わせるものになってる。

リンカと呼ばれる異能の持ち主である女学校みたいなところに主人公が暮らす、という設定はどこにでもあるようなライトノベルと言う感じなのだが、出てきてる少女たちは少しも萌えないレベルに奇人度が高い。まあ、秋田禎信作品に奇人変人はつきもので、そうした変人たちが楽しそうに共同生活しているあたり、確かに懐かしい匂いがあるのだった。

主人公がいちいち状況に対してリアクションを取らないのも良い。ライトノベルにはお約束がいくつかあって、ギャグシーンものその一つなのだが、どうもギャグの見せ方が大仰なリアクション芸に偏っているところがある。これは絵がないからこそ、オーバーアクトによって印象を強める必要があるからかもしれないのだが、あれはあまり良くないと思う。いちいち話の流れが断ち切られる感覚があるし(まあ描き方次第ではあるのだが)。

話が逸れた。とにかく、主人公が大仰なリアクションを取らないため、物事がひたすら奇人によってかき回されていく展開にもするりとした軽さがあって、上品な語り口になっていると思う。物語としてはまだどうなるかわからないのだが、まあこういう風に軽い秋田禎信もたまにはいいんじゃないだろうか、と思えたのは良かったのだろう。

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