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2013.05.05

壁の中の街

最近、すっかりブログを放置気味になってしまっていたが、それもこれも『Fate/extraCCC』のせいである。修理に出していたPSPが戻ってきたのでプレイしてみたところ、ふと気が付けば一週間くらいぶっつづけでやってた。てっきり番外編かと思ったら、今回はガチ。ガチすぎるFate。RPGのくせに初めての戦闘まで二時間かかるという、RPGの定石など完全放置した異形のゲーム。それが『Fate/extraCCC』。Fateシリーズのファンで、前作をプレイしたことがある人はマストバイ。逆に前作をプレイしていない人はやってはいけない。内容がまったく理解出来ない。詳しい内容はまた後日に書きたいと思う。今日はまた別の話。

実はGW中に友人と温泉へ行った。ブログの更新を放置していたのはこれのせいでもある。場所は武田信玄ゆかりの地である甲府。そこの山に分け入ったところにある温泉宿だ。やたらと不便なところにあるせいか、静かで人も少ない穴場めいたところなのだが、まあそれは別にいい。とにかくいろいろ刺激になった。別に刺激的な場所であったわけではなくて、見知らぬ土地と言うのはそれだけで刺激的なもの、という意味だけど。

甲府周辺は四方を山で囲まれている盆地になっていたのだが、その周囲の山と言うのがそれほど高いわけでもないのにひどく峻厳な印象があった。山(と言うよりも”壁”と言った方がいいのかもしれないが)は鋭く垂直にそびえ立っているように見えるのだが、これはおそらく木々の密度が凄まじく高く、それが威圧感めいたものを感じさせたのだろう。これは自分の生活県内ではあまり見かけないもので、奇妙に印象に残った。

周囲を眺めようと高台に上ってみると、周囲の山がくっきりと見えた。それほど高い建物がなく、せいぜい駅前周辺のテナントビル(あまり店舗は入ってない)がそびえ立っているぐらいで、山のふもとまで見渡すことが出来た。そうして見るとそこは本当にぴったりと山に囲まれた場所で、ここから出るためにはトンネルを使うか山道をゆくしかないのようだ。遠くに霞んで見える山は、その向こう側への想像力を不思議なほどに沸かせない。と言うより、その山を境にして世界が切り替わっているような印象さえ受ける。世界はこの内側にしかないのではないか、そう言った感覚は、実のところ地方都市を舞台にした小説で幾度も読んだことがあるのだが、そうした想像力の端緒がここにあるように思えたのだった。

おそらく、この街では隣町へ行くことでさえも、自分が考えているそれとは意味が異なるのだろう。自分にとって隣町とは、きっちりとした境目もないままに、いつのまにか渡り行きてしまうものなのだが、ここでは山を越えるという厳然とした境界があるのだ。そこでは、自分が持っている”隣町へ行く”と言う言葉とはまったく異なる物理的、心理的な意味を持っていると言うことであり、同時にそこに住む人々の時間的な意味も異なるということになる(山に囲まれていないところに住む自分の一時間と、そこでの一時間は、出来ることも行動範囲も異なる)。

そんなことを考えながらひたすら延々と歩いたのだった。宿から送迎バスもあったのだが、なんとなく歩きたい気分だったのだ。もっとも、途中で山道に入ってからは急勾配が続き、その選択にいささかの後悔を覚えたものだけど(一緒に歩いた友人と一緒に愚痴りながら歩いた)。しかし、ちゃんと舗装された道路を歩くだけでもこれほどなのだから、山の持つ意味と言うのは本当に大きなものなのだな、とも思った。

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はじめまして。
アニメ情報サイト「明鏡止水」管理人の花鳥風月と申します。
いきなりで失礼にあたるかもしれませんが、もしよろしければ相互リンクさせて頂けませんか?
検討して頂ければ幸いです。
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投稿: 花鳥風月 | 2013.05.08 15:28

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