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2013.03.20

『瓶詰魔法少女地獄』

瓶詰魔法少女地獄』(安藤白悧/講談社ラノベ文庫)

前回に比べると主人公が驚くほど好感の持てる人物になっていた。少なくとも無意味な上から目線はなくなっているので、それだけでもずいぶん印象が違う。主人公に引っかかるところが少なくなったせいか、今回は全体的の不条理さと言うか、メタフィクショナルなネタをツッコミなしで入れたりと、全体的に作者独自のワールドに目を向けることが出来るようになった。どこまでがネタでやっているのか、どこからがギャグなのか良く分からなくて、独特の不安定感がある。

不安定と言うのは良い意味で使われることは少ないけれど、それは既存の枠に収まらないということでもあるわけで、むしろ積極的に受け入れるべきなんじゃないかという気がする。面白いのか面白くないのか、まだそういうところまで自分の中で咀嚼出来ていなくて、だからこそこれからいくらでも考えていくことが出来る。そういう可能性はすでに評価方法が固まっているものにはない、と言う言い方が出来るのではないか。

まあ、この作品をそうだと言い切るのは難しいけれど(新しいのか、足りていないのか、まだわからない)、作者の中ではきちんと世界が作られていて、それが自分にはまだ良く分からないと言うのは、なかなか面白い感覚だ。 こういうのは巻を重ねていくにつれて”お約束化”していくもので、不安定感を楽しめるのもそう長いことではないのだろうが、少なくともこの時点で、読み手である自分が持っているお約束から外れた物語が描かれているということだと思う。

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