『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金(4)』
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金4 (ファミ通文庫)』(鳳乃一真/ファミ通文庫)
龍ヶ嬢七々々の過去エピソードにはいろいろ新鮮な感じだった。別にキャラがぶれているとかそういうのではなくて、なんか生きて動いているだけでこんなにも印象が変わるものなんだな、と。
なんというか、キャラクターと言うのは(そしてたぶん人間も)わりと曖昧な存在であって、重護や天災と会話している七々々と、参差と話している七々々は同じではあるが、やはり違うんだと思った。これは別に相手によって態度を使い分けているというのではなく自然に変化してしまうもので、少なくとも自覚的なものではありえない。人間にはいろいろな側面がある、という言い方もしてもいいけれど、なんとなく感覚が違うようにも思う。なんというか光の当たり方で屈折率が変化するプリズムのようなまので、同じものでありながら見方によってありようが変わってくるもの、というか。
まあ、こんな小難しい言葉を使わなくても、こういうのは誰しもが感じていることだろうね。良く知っていると思っていた友人があるきっかけでぜんぜん別人に見える、などというのはわりとありふれたことだろうし。ただ今回の話を読んでそういう感覚を覚えたのは、きっと意味があることだし、もしかしたら重要なことかもしれない。”人”というのはおそらくプリズムのようなもので、おそらく”それそのもの”には意味はない。光を通した時のきらめきや、さらに言えば”光の屈折率”こそが人間というものなのだと感じる。これはいささか先走りすぎのような気もするので後できちんと考えたいが、少なくとも人間を見るときに”人格≒キャラクター”そのものを見ることには意味がないと思えるのだ。人間とは”キャラクターを通して生み出される反応”なのではないか…と。まあ、人間とキャラクターをごっちゃにしてしまっているので混乱していますね。とりあえず保留。
内容について何一つ言及しないまま終わり。
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