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2012.07.26

『あるゾンビ少女の災難Ⅰ』『あるゾンビ少女の災難Ⅱ』

あるゾンビ少女の災難Ⅰ』『あるゾンビ少女の災難Ⅱ』(池端亮/角川スニーカー文庫)

ゾンビ少女と言うものの、死体から生み出された擬似生命体と言った風情な主人公を見るにフランケンシュタインズモンスター少女、という感じがする。まあ、フランケンシュタインズモンスターだって、ゾンビみたいだと言われたら、そうかなと言う気もするけれど。もっともそれはたいして問題ではなくて、重要なのは、この物語の主人公はいわゆるホラー映画で言うところのモンスター側の存在だということ。『13日の金曜日』におけるジェイソンや、『エルム街の悪夢』におけるフレディ、それに相当するのがこの物語の主人公、ユーフロジーヌだ。

ユーフロジーヌはイタリア生まれの可愛らしい怪物である。育ちが良くて天然ボケでかなりのドジだけど、人間の命を歯牙にもかけぬ恐るべき殺人鬼だ。彼女は別に残酷と言うわけではない。むしろ気立ては良いし優しい良い娘なのだが、人間に対しては恐るべき殺戮者となる。なんとなれば、彼女は”怪物”であり人間とは別の生き物だからであり、感情移入の対象とはなりえない。目的の障害となるのなら、道端にいる小石をどける感覚で、彼女は人を殺すのだ。

この物語は、そうした美しき……いや、ちょっとドジで可愛いらしい怪物が繰り広げる虐殺劇。閉鎖空間に閉じ込められた学生たちの疑心暗鬼を書き立てつつ、一人一人殺戮を始めていく姿はホラー映画の怪物そのものである。まあ、ちょっとうっかりミスは多いけれども、それはまあご愛嬌というものだろう(現代の怪物は愛嬌だって振りまかないといけない)。ただ、彼女にとって誤算だったのは、学生たちの中にも、”怪物”が存在したことである。その怪物は、決して人外の存在ではないが、人間の持つ悪意を凝り固めたような邪悪な存在であった。言うなれば『羊たちの沈黙』のレクター博士のような、人間ではあっても”怪物的精神”を持ったキャラクターと言えるだろう。これもまたホラー映画の”怪物”そのものだ。”怪物”ではあっても善良なユーフロジーヌは、逆に追い詰められていくことなり、そうして物語は”怪物”対”怪物”の物語となっていく。片や人間をやめた人外と、片や邪悪の権化のごとき人間、その戦いは熾烈を極め、最後の戦いに向かうのだった。

個人的な好みで言えば、”精神的怪物”である彼女は、最後まで人間のままでいて欲しかったところなのだが(人間的邪悪のままで”怪物”と対峙して欲しかったが)、それはそれとして、愛しき怪物であるユーフロジーヌが泣いたり笑ったり怒ったり憎んだりしながら学生たちを殺戮していく物語はやっぱりキュートで爽やかなものになっていると思う。

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2012.07.25

『魔法少女育成計画』

魔法少女育成計画 』(遠藤浅蜊/このライトノベルがすごい!文庫)

今のご時勢で魔法少女ものをやると、どうしてもまどかマギカの影響を疑ってしまうのだけど、意外なことにそうでもなかった。どっちかと言うとバトルロワイヤルの影響下にある作品だった(と言うだけにネタバレになってしまうような気もする)。もっとも、まどかマギカがなければ問題作扱いされたかもしれないし、あるいは読者が受け入れられずに無視されていた可能性もある。良くも悪くも、まどかマギカ以降の受け手側には受容が出来ているという事で、その意味ではやっぱりまどかマギカの影響下にはあるのだろう。

まあ、そんなことはどうでも良くて。バトルロワイヤルの系譜と言うだけあって、キャラクターの持っている命の価値が極端に低くて、もうなにか事件が起こるたびにボロボロと魔法少女たちが死んでいく。さすがに死に方にはいろいろあって、状況を理解出来ないままに死ぬもの、信念に準じるもの、愛情のために死ぬもの、絶望から死ぬものなど、いろんなのがいる。あるキャラクターが予想外の死に方をしたり、極限状態の中で隠されていた本性が明らかになったりと、立場がどんどん変化していくところも良いと思う。

特に魔法少女育成計画と書いておきながら、実際に”少女”である魔法少女がほとんどいないのが面白かった。もはや”魔法少女”と言うのはホンモノは存在せず、魔法少女に憧れる人たちによって生み出されているのだと。そこは過剰にデコレートされた偽りの”少女”たちであって、彼女らにとっては失われた(あるいは得られなかった)少女時代の代償(あるいは消費)としてしか”魔法少女”は存在し得ないようにさえ思える。それゆえに、彼女らの持っている”魔法少女観”はさまざまで(彼女たちの青春の投影だから)、それぞれが対立していく。だから、彼女らの戦いとは、彼女たちそれぞれの持つ”魔法少女観”のぶつかり合いともいえるわけで、もはや統一的な魔法少女像というのは存在していない、と言えるのかもしれない。それゆえに彼女たちの戦いは凄惨となるしかなく、どこまでも現実そのままの世界が幻想の世界でも繰り返されるのだ。

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2012.07.24

『銀のプロゲーマー』

銀のプロゲーマー』(岡崎裕信/スーパーダッシュ文庫)

この作者の良いところは、得体の知れないほどのテンションの高さだと思っていて、ときに話を破綻寸前まで追いやるほどの熱量を持っていたのだけど、それゆえに作者の”素”が出やすくて、あまりにも直裁に”素”を出しすぎているところがあった。それゆえ、作者の”素”に共感できない読者を完全に振り落としているところがあって、つまり、悪い言い方をすれば技巧を軽視しているという事でもあった。しかし、今作は、比較的作者の”素”の出し方に技巧が感じられると言うか、良い感じにひねくれた出し方をしていた。良い意味で大人になったと言うか、ノーガード戦法一本だったのが回避を覚えたと言う感じ。決してテンションが低くなっているわけではないが、作者の立ち位置が、作品からだいぶ後退していることもあって、ずいぶんと印象が変わっているように思える。特に作品を一つの思想だけが支配している有無を言わせない感じがだいぶ減っていて、作者もきっといろいろ苦労したんだろうな、などと思ったりもした。失礼な話だが。

全体的に一つの事柄にのめり込んでいる人々の話しているのだが、こういう人たちの話は得てして外面のことを考えないために痛々しくなってしまうのだが、痛々しさと裏腹の楽観的なビジョンのあり方はけっこう幸福なものがあって、主人公のかなり癖のある造形のわりになかなか好感の持てるキャラクターとして描かれているあたりも、そうした楽観さが支えているように思える。それ自体はとても素晴らしいことなのだが、そうした楽観さは、また同時に外部からの介入によって容易く崩れるものであるという事もきちんと示すとともに、「外部の存在を拒絶しよう」という主人公のクライマックスにおける宣言が前向きなものとして描かれているあたりに面白さがあるのだった。

そっちはそっち、こっちはこっちでやっているので干渉するな、っていうのはかなり閉鎖的なものではあるのだけど、そうした閉鎖されていく環境を”肯定する”と言うのは間違っていないし、不健全だとも思わない。楽園と言うのは、どう足掻いても閉鎖的なものになるのだし、閉鎖されていないと繁栄しない生態系というのも存在する。なんでもかんでも開放すれば良いというものではない、と言うような、まあ世間的な価値観からは逆行していることを、あえて断言することには、たぶんきっと大切な意味があるのだ。

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2012.07.23

『ベン・トー(9) おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円』

ベン・トー(9) おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)

最近のこのシリーズは、どうやら槍水仙の”救済”が焦点に当たっているようだ。彼女が過去に味わった悲痛、そしてその過去に囚われた彼女を救うために、佐藤がさまざまな強敵と戦うと言うのは基本的な路線になるのだろう。などと書いてしまったが、実のところ今回の話を読むまで、そうした側面についてははっきりとは気がついていなかった。ただ、なんとなく槍水仙に物語の焦点が当たっているわりに、物語に積極的に関わってこないなあとは思っていて、不思議には思っていたのだけど、今回の話で納得がいったのであった。

現在の物語は、槍水仙を救うために、主人公の佐藤がさまざまな強敵と戦いつつ、彼らからさまざまなものを受け取っていく流れになっている。彼らから狼としての強さ、人間としての覚悟、そう言ったものを受け取っていく主人公の物語は、成長物語としても王道といったところなのだが、おそらく、彼のこの成長は槍水仙を救うためのものになるのではないか。彼女が抱える過去ははっきりとは明確にはなっていないが、おそらく当事者でなければ分からない事情と言うのがあるのだろう。彼女自身の”傷”の形は、彼女自身にしか分からない。だから、佐藤が出来るのは、彼女の傷を受け止められるだけの力を得ることであって、今の物語はそうした意味での成長物語なのだ。

しかし、仙のトラウマ、すなわちハーフプライサー同好会の崩壊については、なかなかはっきしたことが分からない。これまでにも出てきた登場人物たちが、「あれはこういうことだ」と説明はしてくれているものの、それはその当人が理解しているところの事情であって、その事実に対して仙がどのように関わったのかが、見えそうで見えてこない感じ。まあ、それが明らかになった時が、この話(シリーズではない)の終わる時なのであろう。それを明らかになるのも楽しみである。

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2012.07.17

『修羅場な俺と乙女禁猟区(3)』

修羅場な俺と乙女禁猟区(3)』(田代裕彦/ファミ通文庫)

前巻では、すでにゲームは崩壊しているという事を書いたけれども、そこからもう一度ゲームの側に揺り戻した出てきたことには驚いた。もっとも、展開としては意外というわけでもなく、むしろゲームをゲームとしての存続を求める人間がいると言うのは、当然のことではあった。むしろ、「”敵”が存在することで勝利条件が具体化する」ということでもあるわけで、物語(=ゲーム)を終わらせるためには、避けては通れないところであっただろう。

ただ、個人的には「来てしまったか……」と言う感触もあって、実のところもう少しこのゲームとしての体裁をとりつつもゲームそのものが崩壊していくという形の面白さを堪能したかった気持ちもあるのだった。”憎悪”というカードは、容易に”愛”に移り変わることや、”悪意なき悪意”を持つことなど、人間感情の面白さというものを描いてくれたこのシリーズにおいて、他の婚約者を描くにあたって、もう少し掘り下げられそうな雰囲気もあったからだ。今回は駆け足で解決してしまった三人も、実はもっと描かれるものがあったのではないか、と。例えば”正解”とされた彼女(黒幕の彼女とは別ね)は、愛していることは確かながらも、愛ゆえに主人公を損なう存在であって、これをきちんと描いてくれたらどんなものが出てくるのか、と思わずにはいられない。まあ、「あれが欲しいよう!」とねだる子供の我がままであって、ここで閉じることを選択した作者を責めるものではない。ここで閉じたことでしか選択できないものと言うのもあるのだろう。

主人公が”黒幕”と対峙するあたりなどにそれは感じられるのだが、まあ、例によって自分の感情さえも取引の道具にしてしまう主人公の特色(あるいは欠陥)が存分に明らかになるのだけど、なんとなくではあるが、物語が始まった当初の主人公にはない選択があるように思えた。この主人公の”異常性”は感情を道具としてしか扱えない(見えない)のだけど、その一方で、感情とは取引のカードとして扱うことの難しさを学んでいるように思える。はたして、物語当初の主人公は、”黒幕”の少女に対して、最後に手を差し伸べることが出来ただろうか?いや、最終的には手を取る選択には変わりないと思うけど、彼女の感情までを汲んだ選択までは出来ただろうか?そのあたりに、実に微妙なラインではあるが、主人公の変化が感じられる。彼は、感情というものの不安定さ、あるいは人間と言うものの浮遊感とでも言うべきものに、目を向けるようになっている。だから、彼は、すべてを汲んで手を差し伸べることが出来たのではないか、と思える。

これは、この時点でしか選択できないことだと言うのは、あるいはこの物語が5巻とかもっと続くようになったとすれば、主人公は感情の”揺らぎ”を自身でも獲得するのではないか、と思えるのだ。現時点での彼は、自分の恋愛感情でさえ道具として扱える。しかし、これ以上の時間をかけて婚約者たちと向き合っていけば、それが出来なくなる可能性もあったのではないか、と思えるのだ。もちろんこれは可能性の問題であって、あるいはまったく逆に、いくら時間をかけても主人公の揺ぎ無さが確認できるだけかもしれないけれども。だから、この時点で物語を閉じることにも意味があるのだろうし(これ以上続いていたら、この選択が出来ない主人公が立ち上がるかもしれないから)、それを受け入れようと思うのだった。

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2012.07.16

『修羅場な俺と乙女禁猟区(2)』

修羅場な俺と乙女禁猟区(2)』(田代裕彦/ファミ通文庫)

前巻で匂わされていた”心の移ろいやすさ”が前面に押し出されてきた感じがある二巻目。というか、もうある意味において駆け引きは崩壊していると言ってもいいと思う。なぜかと言えば、前回で”不正解”であると明らかになったヒロインが退場しないという時点で、そもそも”正解”を探すゲームではないという事だからだ。主人公を憎んでいると決まったはずのヒロインが、主人公に本当に恋してしまった場合、果たしてゲームの決着はどうすれば言いと言うのか。”主人公を好きになってしまった”という言葉の真偽さえも、主人公には確認することが出来ないのであれば、じゃあ、何が正解なのか。もう、わけがわからない。

そのわけの分からない状態から、それでも確かな証拠を掴もうとする主人公の(無駄な)挑戦が描かれるのが今回の内容だと思う。主人公は、当初、自分が思っていたようなゲームではないという事は理解しつつも、それでも”正解”を求めようとする。これは、本人の立場になってみれば致し方ないところではあるけれど、やっぱりそれは危ういものだと思う。やっぱりこういうことには正解なんてないんだから……などという事を言うまでもなく、そうしたことが存分に語られている。

今回のヒロインは、主人公とは過去の絆があり、かつ本人にも主人公を憎む土台がない。つまり、限りなく正解に近いもののように思えるのだが、しかし、人間なんてものは”憎しみがなくても人を陥れることが出来る”ものなのだ。一切の憎しみがなかろうとも、それでも主人公の”敵”なりうる。これは、”正解”を求めるために、”憎しみの有無”を論理的に証明しようとしてきた主人公の盲点を完全についていたのだろう。主人公は、”愛”を証明することが出来なくても、”憎しみ”を証明することが正解だと考えていたわけだけど、「憎んでいないこと=愛している」ということにはならない。つまり、”愛の反対は憎しみではない”のである。

人の恋愛感情をゲームをコマにしておきながら、恋愛感情の在り方によってゲームが崩壊、あるいは変質していく過程が描かれているあたり、とても面白い。人間を単純化しようとする主人公の限界が描かれるとともに、そうした移ろいやすさを主人公が理解していくという流れがあるのだ。

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2012.07.15

『修羅場な俺と乙女禁猟区』

修羅場な俺と乙女禁猟区』(田代裕彦/ファミ通文庫)

ジャンルとしては、いわゆるゲーム系、あるいは駆け引き系に属する作品だと思われるけれども、この作品の特色として、駆け引きの対象が”恋愛”と言う非論理的なものを扱っていることだと思う。まあ、恋の駆け引きという表現もあるように、恋愛だって駆け引きとは無関係ではないのだろうけれども、それはトランプとか賭け事のように、”勝敗”というものがはっきりと目に見えるものではない、というところは間違いなと思う。つまり、”恋愛”における駆け引きと言うのは、勝利条件がはっきりしない、つまりどのようにすれば勝利となるのかが見えないということなのだ。

主人公の節の前には、突然、5人の婚約者候補が現れ、彼女らの中から伴侶を選べという命令が下される。しかし、彼女らは一人を除いて、節に対して憎しみを抱いており、もし憎しみを抱いている婚約者を選んだのならば、身の破滅となると言われる。つまり、彼女たちの中から主人公を本当に愛してくれている婚約者を選ばなくてはならない、という事になる。ここで駆け引きの条件が提示されており、勝利条件もまた明確であるように見える。

しかし、人の心と言うのは、そもそもが移ろいやすいものだ。今日、確かに彼女らは主人公を憎んでいるのかもしれない。あるいは一人だけの例外は主人公を愛しているのかもしれない。だが、彼女らが果たしてこれからも節を憎み続けるのか(愛し続けるのか)という保証はまるでないのだ。もしかしたら、憎しみを抱きながらも、ある日、主人公に惚れてしまうかもしれない。あるいは、主人公に愛想を付かしてしまうかもしれない。そうした曖昧なものの上で、このゲームは成り立っているのだ。

主人公は、そのあたりのことをいまひとつ理解できていなくて、まるで厳密なルールのあるゲームのように、彼女たちに取り組もうとする。これは、主人公はもともと頭脳明晰でかつ自分の心さえも道具のように扱える人間であって、つまるところ人間に興味が無いタイプ(と言うのは言い過ぎかもしれないけれども、傾向としてはそういうタイプ)だからだろう。彼にとって、感情と言うものさえも道具でしかないのだ。

しかし、彼のやり方はなかなか少女には通じない。なにしろ、好きか嫌いかなどと言うものは、土台が確かめる術などなくて、例えば家庭環境が崩壊しているような少女であったとしても、それが主人公を憎む理由になるのかと言えば、それは本人の心の中にしかわからないことだし、そもそも理由があるのかどうかさえわからない。結局のところ、こうした問題に正解などないのであって、商取引のように収支がつくものでさえない。駆け引きには向かない問題なのだった。主人公がいかに綿密に論理を展開しようとも、それを突き崩してしまう感情があって、そうやって物語が混沌としていくところがとても面白いところだと思うのだった。

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2012.07.14

『僕は友達が少ない(8)』

僕は友達が少ない(8)』(平坂読/MF文庫J)

理科の決定的とも言える言葉によって楽園を維持するための嘘が暴かれたことによって、楽園は崩壊を迎える……かと思ったらそうでもなかった。まさか小鷹が即座に逃亡を選ぶとは……。あそこで逃げを打つあたり、平坂先生のヒネクレ具合が良く出ていたように思う。

あそこで理科の言うがままに自身の欺瞞に向き合う物語は、言ってみればこの世にいくらでもあって、普通の作品ならば、あれでクライマックスに持っていくところを、平坂先生はそこで踏み止まる。「逃げちゃ駄目だ」という思春期的な力学から、あえて逆らうところが、実にロックだ。この手の青春ものだと、逃げずに戦え、という理屈は肯定されるところなんだけど、平坂先生は、敢えて逃げることを選択したのだ。

それは決して奇を衒っただけではなくて(まあ、その可能性もなきにしもあらずだが)、逃げることにだって意味があるという側面を描いてもいると思う。人間は常に戦わなければいけないのではなく、逃げることだって時には必要なことだ。良くないのは、逃げることで状況が悪化することが明らかな場合に逃げることを選択することであって、そうではないのならば選択権は常に自分の手の中にあるはずだ。戦うか、逃げるか、それぐらい自分で選べなくてどうすると言うのか。

今回は、理科の糾弾から逃げ回る小鷹の姿が描かれている。はっきり言ってその姿は非常に格好悪い。決定的な決断を下すことをしないで保留し続けると言うのは、それだけでみっともないものだ。だが、格好良いことが正しいとは限らない、という事も忘れてはならないことではないか(と言うのは個人的な意見ではありますが)。格好良く決断して、その結果すべてを不幸にすることもある。決断とは多かれ少なかれそういうものであって、小鷹が決断を回避したことが無条件で悪いことかというのは、わからないものなのだ。

まあ、小鷹がヒロインたちに不誠実なことをしているのは否定できないわけで、その意味では理科の糾弾はまったくもって正しい。ただ、その言葉はまた”女性側”の意見であって、小鷹の想いを汲み取ったものとはいえない。小鷹にだって嘘をつかなくてはならない理由も必要も言い分もあって、そうした彼の言い分を描くのが今回の物語なのだと思う。

小鷹は理科の前から逃げ出して、結局、隣人部からさえも逃げだしてしまう。これは理科の糾弾が潜在的に隣人部の共通理解となっていることを示していて、つまり、ヒロインたちは小鷹に「自分を選んで」と言ってきているわけだ。しかし、小鷹にはそれが出来ない。なぜなら彼が大切なものは”隣人部”という関係だからであって、その中から一つを選ぶことは出来ないのだ(あるいは選びたくないだけかもしれないが)。けれども状況はそれを許すことなく、変化しようと動き出す。それを押し留めることは出来ない。

それゆえに、物語は最後に理科に対して小鷹が返答をすることを要請する。逃げ続けた小鷹が理科にどのような返答をするのかについては読んでみればわかるので省くけれども、少なくとも単純に”決断”に寄った答えを返すものではなかったのは、きっと大切なことなのだろう。まあ、別の意味で決断を下すことは避けられないにしても、出来るだけ決断によって生まれる”痛み”を減らそうとする決断になるのだろう。いわゆる決断主義(いや、良く知らないんだけど)とは違うのは、たぶんそういうところにあるのだろう。”痛みを伴う決断が正しい”という価値観に対する抵抗が、そこにはあると思うのだ。

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2012.07.11

『千の魔剣と盾の乙女(7)』

千の魔剣と盾の乙女(7)』(川口士/一迅社文庫)

メインヒロイン(のはず)であるエリシアさんのパワーアップ回であり、ようやく前に踏み出す話になっている。こう書いて気がついたが、このシリーズでは主人公のロックの人格的な部分についてはほとんど成長がなくて、彼の精神はほぼ完成されているようだ(あるいは未だスポットライトが当たっていないのかもしれないが……)。物語上では、ことあるごとにエリシアの迷いや成長に焦点が当たるようになっているので、むしろエリシアの方が(成長物語としては)主人公っぽい扱いになっている。まあ、タイトルを思い起こしてみれば、ロックとエリシアのダブル主人公を意図している可能性は、確かに考慮しても良かったかもしれない。

ともあれ、今までヘタレ一直線であったエリシアが、遅ればせながら魔王と戦う決意と力を得たことで、恋愛面においてもナギに迫ることが出来るのかどうかと言うところが今度の課題と言ったところでしょうか。これまで、魔王に挑む決意が出来なかったことは(ツンデレなのもあいまって)いまひとつロックに踏み込みきれない壁を作り出していたため、”騎士”としてロックに仕えようとするナギの後塵を拝する結果となっていた。だから、彼女の成長はラブコメ面における情勢も動かしていく可能性がある。一歩リードしている感じのあるナギの牙城を突き崩すことが出来るのかどうか。ただ、個人的にはナギにはもう少しがんばって欲しいというか、前巻までの関係性で言えば、もっと”押して”も良かったんじゃないかと思っていたのだけど、それが出来ない律儀さことがナギのキャラクターでもあって、難しいところなのかもしれない。そこが良いところなのだけれど。

そして、次はフィルのパワーアップ展開になるようで、そうなればヒロインたちの力関係は並ぶと言って良く、そうしてようやくヒロイン戦線も本格的な交戦に入るのかもしれない。でも、素直にならないとエリシアの戦力不足は決定的なので、切り札は早めに切っておく必要があるはずで、戦況は予断を許さないところである。

これで「全員俺の嫁だぜ」ENDだったらどうしよう。

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2012.07.10

『RPF レッドドラゴン 第一夜 還り人の島』

RPF レッドドラゴン 第一夜 還り人の島』(三田誠 他/星海社FICTIONS)

RPFってなんだろうと思ったけど、どうやら新しく作られたTRPGルールのリプレイのようだ。なにか説明はされていたけど詳しい設定はわからないけれども(どっかにあるのかもしれないけどまだ調べてません)、プレイヤーたちがわいわいがやがややっている雰囲気はつかめる楽しいTRPGリプレイになっている。まあ、わざわざRPFと名づけられているあたり、どうやらかつてのTRPGとは違うものを作ろうとしている意図のようなものを感じられのだが、なにぶんルールや設定がわからないので、いまのところははっきりとは掴めない感じ。ただ、プレイヤーの面子が異常に豪華なものになっていて、ゲームマスターの三田誠を始めとして、虚淵玄、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟など、小説家、あるいはイラストレーターなど”物語を作ることも職業にしている”人たちが集められているところに、おそらく意味があるのだろう。

一読して感じられるのは、この作品内におけるゲームマスターの地位の低さだ(これは自分の感じただけなので、実際の意図とは違う可能性はあるのだが)。従来のTRPGにおいて、物語を紡ぐのはゲームマスターの役目であって、とは言っても、プレイヤーたちはゲームマスターの用意した世界で冒険して共に物語を作っているのだけど、それでも物語の根幹を語るのはゲームマスターの役目だったはずなのだ。しかし、このリプレイにおいてはそうではない。ゲームマスターはその役目を半ば放棄しており、その代わり、プレイヤー自身が、まるでゲームマスターのようにキャラクターごとの物語を語っているように見えるのだ。プレイヤーは、自分自分のロールするキャラクターの設定や能力や裏事情や真の目的など、とにかくさまざまなものを作り出す。つまり、プレイヤーは自身のキャラクターの”物語”紡ぎだしている、という事も出来るだろう。

これは、プレイヤーたちが”物語を作ることを空気のように行える”人たちであることと無関係ではないのだろう。プレイヤーはそれぞれゲームマスターと協力しながらキャラクターの物語を紡いでいくのだけど、しばしば、プレイヤーの持つ物語がゲームマスターが意図する物語とぶつかりあってゆく。ゲームマスターである三田先生は、物語を自在に紡げるプレイヤーに対して、むしろ積極的にキャラクターが持つ物語を個別に紡がせる手助けをしていく。そこには、陰鬱な暗殺者が死山血河を築き上げんとする暗い渇望の物語があり、呪いを受けた騎士が能天気な態度と裏腹の歪みを背負った物語があり、あるいは他者に流されるだけであった王子が自分の意思で運命に立ち向かう物語があり、侮蔑と恐怖によって世界から拒絶されていた少女が王子とともに歩き出す物語がある。そこには個別の物語が存在しており、時にゲームマスターの持つ物語を、すわ食い破ろうとするほどの強度があるのだ。

例えば、虚淵先生のキャラクターは、およそ人倫と呼べるものを一切もたないスラッシュダーク・ウロブチキャラであって、プレイヤーキャラでありながら物語の裏で暗躍するという変り種。積極的に仲間を騙し、彼らの知らぬところで策を練る。そうして自分の目的を達しようとするのだ。一方で奈須先生のキャラはのほほんとした昼行灯でありながら、ある呪いと契約によって無双の力を得た、しかし、力によって歪みを抱えた抱えた人物としてロールされる(つまり、いつものきのこキャラである)。さらに、しまどりる先生や紅玉先生のキャラクターが紡ぐ気弱な王子と献身的な魔物使いの少女が寄り添う物語があって、これもいつもの紅玉作品のようである。つまり、ここはウロブチ作品のキャラクターと、奈須きのこ作品のキャラクター、紅玉作品のキャラクターのクロスオーバーが発生していると言っても良い状況が生まれている(しまどりる氏は良く分からないが、この人のイラスト力は侮ることは出来ない)。ざっくり言ってしまうと、「コン・タオローと衛宮士郎が競演したらどうなりますか?しかも、それぞれのキャラの台詞や行動は全部作者本人が書きます」という感じだ。

正直、この試みはものすごく面白いことだと思う。もちろん、ある程度の方向性は決まっているのだろうけど、それぞれのキャラクターが持つ物語は、これからどのように対立し、あるいは止揚されていくのか否か。ウロブチ的暗黒バッドエンドが物語を飲み込むのか、または奈須きのこ的歪んだ成長譚が打ち勝つのか、あるいは紅玉いづきの叙情が世界を満たすのか。先の見えない物語の幕は始まったばかりであって、ただ静かに次の物語を待ちたいと思う。

これがRPFというものなのか、あるいはプレイヤーの力によって偶発的に出来上がったものなのかは良く分からないにしても、ひどくエキサイティングな代物に仕上がっている。こんな作品がポコポコ出来るとは思えないが(ゲームマスターとプレイヤーの力量に依存する度合いが極めて高そうだし)、それでもとても興味深いものを見れているように思う。

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2012.07.09

『飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』―』

飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』―』(架神恭介/講談社BOX)

自分が思うにダンゲロス(と言うか架神先生の作品)の面白いところとは、徹底的に理屈先行型であるところを極め過ぎてしまっているために、結果的に理屈から外れてしまうところであって、要するに”理”に非常に偏った作品を作っているということです。架神先生の手にかかれば、人間とは完全に理屈で説明できる存在であり、感情などはノイズに過ぎないのだ、というような乾いた感触があるんですね。もちろん、物語上で登場人物たちは泣いたり笑ったり恋をしたりするんですが、そういう感情が物語的にはあまり重視されないと言うか、人間の持つ乱数性として機械的に処理しているような感じさえ覚えます(まあ、僕の勝手な解釈ですけどね)。

こういう描き方をする作家は決して珍しくなくて、ミステリの分野ではむしろ主流派だったりするわけですが、架神先生の場合物語を理屈の上に積み上げていきながら、途中でそういう理屈を飛び越えてしまうところがあるのです。いや、飛び越えると言うよりも、人間の持つ乱数性に物語を丸投げしてしまうところがある、と言ったらいいのかもしれない。要するに、個々のキャラクターはそれぞれ合理の権化として、常に(本人にとっては)最善の選択肢を選択しているわけですが、あまりにも”個人にとって”最善の選択をしているために、結果的に各人の選択がバッティングしていって、結果的に物語が捻じ曲がってしまっていって、あるいは脱線したりする。まあ、作者はキャラクターの行動を完全に掌握しているのかもしれないけど、少なくとも読者である自分にはそのように見えてしまう、ということです。物語が何かの拍子でズレてしまうような不安定感があるんですよ。良い意味で”居心地が悪い”と言う感じ。そこがすごく面白いと思います。

今回はミステリとして描いた、というようなことをどこかで見たような気がするのだけど(うろ覚えですいません)、確かに物語はミステリとして進んでいくことになりますが、しかし、ミステリのようには進まない。登場人物は犯人の意図以外のところでも死んでいくし、登場人物たちの異能も役に立ったり立たたなかったりする。そうしたガジェットが”過剰”であるという言い方をしても良いのだろうけれども、物語の要素が過剰であるために、要素を使い切ろうと思えばいくらでも別の使い方が出来るために、読者(自分)は物語がどこに落とし込むのか(あるいは落とし込まれないのか)が分からないところがあって、それが不安定感に繋がっているというところはあるかもしれませんね。

ただ、今回は物語が短いだけに、物語は大きく崩れることなく端正さを保ち続けていました。最初に提示したミステリという枠内から、それほどブレることなく最後まで突き進むことが出来たと言うか。ただ、その分、大銀河超一郎など魅力的なキャラクターが登場しつつも(ここで魅力的と言うのは、物語を破壊しかねないキャラクターという意味で)、特に物語に影響を与えることなく終わってしまったようにも思います。ただ、こういうチートキャラクターをミステリという物語が”封殺”したと捉えれば、これはこれですごく面白いところのようにも思えますね。複数の物語がせめぎ合って最終的にミステリが勝利した、みたいな。個人的にはこれはこれで”ダンゲロス的”という感じ。まあ、もっと長い話でダイナミックにブレる話を読んでみたいとは思います。

あ、前回に比べると触手やエログロを控えめにしていると言う話を聞いて「ハハ、バカな」と思っていたことは内緒です。架神先生、エログロなくても小説書けたんですね……というのは冗談ですけれども(良い子の君主論もあるしね)、なぜかこの作者と言えば触手+エログロという認識が刷り込まれていました。個人的な印象では「それを捨てるなんてとんでもない!」というところですが、一般性は増しているように思います。まあ、変態度はたいして変わらない気もしますけどねー。

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2012.07.06

『烙印の紋章(11)』

烙印の紋章(11)』(杉原友則/電撃文庫)

ここに至るまで、オルバは着実に成長してきている。それは何のために権力を求めるのかという問いの答えを得るためのものであって、当初は自身の虐げられたものの憎しみから始まり、その後持てるものの義務へ繋がり、いま世界の未来を見据えるところまでやって来ている。彼のあり方はかなり理想に近く、仮に正解ではないにしても、正解を追い求めようとする意思はあって、それはとても価値あることなのかもしれない。

しかし、ここに来て彼の過去が彼の足を引っ張ろうとする。虐げられたものを含めてすべてを背負おうとした彼自身のすべてが、彼にその未来を奪おうとしてくるのだ。結局のところ、人間にとって最大の敵は”過去”であり、過去に為したこと為されたことが、そのまま本人のところへやってくるものだ。過去は絶対に消えないし、絶対に逃げられないものなのだろう。

まあ、ちょっと穿った見方をするならば、物語的には過去からの刃とはオルバが成功するためには避けては通れないものであって、これを乗り越えることによってオルバの英雄伝説はクライマックスを迎えることになる。そういう風に考えてみると、後は”乗り越え方”の方法をどのような形を取るのかという事になって、それがグール皇帝との直接対決となったのは実にドラマティックだったし、納得のいくところだった。

ただ、少し読みきれないところがあって、それはイネーリの存在が良く分からない。彼女はヒロインなのか、あるいはラスボスなのか、その辺りが自分の中では結論が出てないところがあって、先ほども書いた”過去との対決”というオルバの物語にとって極めて重要なところに介在したあたりはかなり驚いてしまった。そこまでオルバの物語に深く関わっちゃうのかよ、という感じ。まあちょっと関わりが強くなりすぎてしまったので、これはヒロインと言うよりラスボスかなーという感じもするけど。その辺りを注目しながら、物語の行方を見ていこうと思う。

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2012年6月に読んだ本

思ったより読んでた。漫画ばっかりだけども。

 

6月の読書メーター
読んだ本の数:50冊
読んだページ数:10720ページ
ナイス数:78ナイス

Landreaall 20巻 限定版 (ZERO-SUMコミックス)Landreaall 20巻 限定版 (ZERO-SUMコミックス)
DXは強くしなやかで、それゆえに腹立たしいところもあるな。
読了日:06月30日 著者:おがき ちか
JUNK LAND (メガストアコミックス)JUNK LAND (メガストアコミックス)
人々の息遣いが持つ”間”が表現されているのが好きだ。
読了日:06月30日 著者:紙魚丸
ガーデンI  (TENMA COMICS) (TENMAコミックス)ガーデンI (TENMA COMICS) (TENMAコミックス)
これは弱さのもつ”暴力”についての物語であり、弱者たちが弱さゆえに他者を傷つける物語だ。
読了日:06月30日 著者:緑のルーペ
レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)
同僚には蛇蝎の如く嫌われ、外部の年上の男たちから愛される主人公です。
読了日:06月30日 著者:高村 薫
アニメ『化物語』副音声副読本(下) (講談社BOX)アニメ『化物語』副音声副読本(下) (講談社BOX)
実は忍野さんは撫子にそれとなく説教あるいは忠告をしてあげてるところが…。
読了日:06月29日 著者:西尾 維新
おれはキャプテン(29) (講談社コミックス)おれはキャプテン(29) (講談社コミックス)
敵の策略が上手くいかない描写があるのは面白いなあ。
読了日:06月27日 著者:コージィ 城倉
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)
まどマギかと思ったらバトルロワイヤルだった。
読了日:06月27日 著者:遠藤 浅蜊
銀のプロゲーマー (集英社スーパーダッシュ文庫 お 3-10)銀のプロゲーマー (集英社スーパーダッシュ文庫 お 3-10)
岡崎先生の試行錯誤の後が見えて好印象。応援しています。
読了日:06月26日 著者:岡崎 裕信
放浪息子 (1) (BEAM COMIX)放浪息子 (1) (BEAM COMIX)
アニメから入った身としては千葉さんのキャラに戸惑う。こういう子だったのか。
読了日:06月26日 著者:志村 貴子
ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
茉莉花ちゃんマジ肉食系。佐藤君を逆調教してるわ。
読了日:06月24日 著者:アサウラ
修羅場な俺と乙女禁猟区2 (ファミ通文庫)修羅場な俺と乙女禁猟区2 (ファミ通文庫)
人間の心なぞ移ろい易く曖昧であり、論理では制御出来ないってことよ。
読了日:06月24日 著者:田代裕彦
げんしけん 二代目の参(12) (アフタヌーンKC)げんしけん 二代目の参(12) (アフタヌーンKC)
笹原くんがすげー大人っぽくてかっこ良くて眩しい。
読了日:06月24日 著者:木尾 士目
百舌谷さん逆上する(8) (アフタヌーンKC)百舌谷さん逆上する(8) (アフタヌーンKC)
前巻と併せて完全に映画みたいな話だ。良いね。
読了日:06月24日 著者:篠房 六郎
修羅場な俺と乙女禁猟区 (ファミ通文庫)修羅場な俺と乙女禁猟区 (ファミ通文庫)
恋愛感情が絡むとシビアな駆け引きな崩壊しかかるあたりがすげー面白かった。
読了日:06月23日 著者:田代裕彦
僕は友達が少ない 8 (文庫J)僕は友達が少ない 8 (文庫J)
ふと気がついたらすごい場所まで来ている、みたいな感じだ。
読了日:06月22日 著者:平坂読
ハチワンダイバー 25 (ヤングジャンプコミックス)ハチワンダイバー 25 (ヤングジャンプコミックス)
ジョンス・リーって地上最強のかませ犬だよね。
読了日:06月22日 著者:柴田 ヨクサル
わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 4 リア充ですが何か? (ファミ通文庫)わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 4 リア充ですが何か? (ファミ通文庫)
理不尽なところがまるでないラブコメ。素晴らしいぞこれ。
読了日:06月21日 著者:やのゆい
千の魔剣と盾の乙女7 (一迅社文庫)千の魔剣と盾の乙女7 (一迅社文庫)
主人公たちの逆境感の皆無っぷりが逆にすげえ。
読了日:06月20日 著者:川口 士
妹と幼なじみがヤンデレすぎてハーレム修羅場! (美少女文庫えすかれ)妹と幼なじみがヤンデレすぎてハーレム修羅場! (美少女文庫えすかれ)
新機軸。サイコホラーエロ小説。サイコホラー要素がガチ過ぎて感動したよ。
読了日:06月20日 著者:葉原 鉄
RPF レッドドラゴン 1 第一夜 還り人の島 (星海社FICTIONS)RPF レッドドラゴン 1 第一夜 還り人の島 (星海社FICTIONS)
いろいろ言いたいことはあるけど、読み物としては抜群に面白いです。
読了日:06月17日 著者:三田 誠,虚淵 玄,奈須 きのこ,紅玉 いづき,しまどりる,成田 良悟
天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)天使の3P! (電撃文庫 あ 28-11)
小学生を描きたい、っていう作者の意思、そして業。まさに純正の作家だな。
読了日:06月17日 著者:蒼山 サグ
装甲悪鬼村正 魔界編 3 (BLADE COMICS)装甲悪鬼村正 魔界編 3 (BLADE COMICS)
最後の、どっちが喋っているのかわかり難いんだけど。
読了日:06月14日 著者:銃爺
血まみれスケバンチェーンソー 4 (ビームコミックス)血まみれスケバンチェーンソー 4 (ビームコミックス)
どんなに情けなくて駄目なキャラにもスポットを当てる作者の優しさを感じる。
読了日:06月14日 著者:三家本礼
ジゼル・アラン 3 (ビームコミックス)ジゼル・アラン 3 (ビームコミックス)
なんかドラマティックになってきた。
読了日:06月14日 著者:笠井スイ
エンジェルお悩み相談所 新装版 (ヤングキングコミックス)エンジェルお悩み相談所 新装版 (ヤングキングコミックス)
再読だけど「こういうのでも良いんだ」って思ったのを思い出した。
読了日:06月14日 著者:水上 悟志
つぐもも(8) (アクションコミックス(コミックハイ! ))つぐもも(8) (アクションコミックス(コミックハイ! ))
「関係を変えたくない」って言ってるけど、これってもう一線を越えてね?思春期ってのはよう…。
読了日:06月14日 著者:浜田 よしかづ
照柿〈下〉 (新潮文庫)照柿〈下〉 (新潮文庫)
二人の男が愛と憎悪にねじれてドロドログチョグチョする話。濃厚過ぎるBL。
読了日:06月14日 著者:高村 薫
照柿〈上〉 (新潮文庫)照柿〈上〉 (新潮文庫)
高村先生はいつだって社会に上手く適合出来ない男を描いているんだよな。
読了日:06月14日 著者:高村 薫
烙印の紋章 11 (電撃文庫 す 3-25)烙印の紋章 11 (電撃文庫 す 3-25)
人間、最悪最強の敵はいつだって過去なのよねー。
読了日:06月13日 著者:杉原 智則
一路平安!(2) (講談社コミックス)一路平安!(2) (講談社コミックス)
二人で旅をしている感がいいね。
読了日:06月12日 著者:小林 尽
オイレンシュピーゲル(6) (シリウスKC)オイレンシュピーゲル(6) (シリウスKC)
すげえテンションだ。作者、今確実にノッている。
読了日:06月12日 著者:二階堂 ヒカル
スプライトシュピーゲル 2巻 (ヤングキングコミックス)スプライトシュピーゲル 2巻 (ヤングキングコミックス)
今のところいい感じだ。原作に忠実過ぎるのが気になるところだが…。
読了日:06月12日 著者:冲方 丁
怪物王女(18) (シリウスKC)怪物王女(18) (シリウスKC)
SFでありミステリーでありホラーでもある。引き出し多いな。
読了日:06月12日 著者:光永 康則
シンバシノミコ 3 (ヤングジャンプコミックス BJ)シンバシノミコ 3 (ヤングジャンプコミックス BJ)
作者のエロに対するセンス、嫌いじゃないね。
読了日:06月12日 著者:光永 康則
マルドゥック・スクランブル(7)<完> (講談社コミックス)マルドゥック・スクランブル(7)<完> (講談社コミックス)
ここまで改変を許した原作者も、改変した上で面白いものを作った作者もすげえ。
読了日:06月08日 著者:大今 良時
戦闘破壊学園ダンゲロス(1)初回限定版 (プレミアムKC)戦闘破壊学園ダンゲロス(1)初回限定版 (プレミアムKC)
作者、漫画がもの凄くうめえな……。
読了日:06月06日 著者:横田 卓馬
血界戦線 5 ─Zの一番長い日─ (ジャンプコミックス)血界戦線 5 ─Zの一番長い日─ (ジャンプコミックス)
スタイリッシュでボンクラって作風には憧れるにゃー。
読了日:06月06日 著者:内藤 泰弘
CLAYMORE 22 (ジャンプコミックス)CLAYMORE 22 (ジャンプコミックス)
ミリアさんはマジでジャンプ主人公の器。ちょっと真面目すぎるけどね。
読了日:06月06日 著者:八木 教広
レセプタクルレセプタクル
病み崩れ、溶け逝く。これは愉悦ですなあ。
読了日:06月04日 著者:黒咲 練導
飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』― (講談社BOX)飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』― (講談社BOX)
作者の恋愛ドラマの興味のなさが如実に現れているなあ。
読了日:06月04日 著者:架神 恭介,門脇 聡
アリョーシャ! 3巻 (ヤングキングコミックス)アリョーシャ! 3巻 (ヤングキングコミックス)
いい感じになあなあになってきた。
読了日:06月04日 著者:近藤 るるる
宇宙大帝ギンガサンダーの冒険―水上悟志短編集Vol.3 (ヤングキングコミックス)宇宙大帝ギンガサンダーの冒険―水上悟志短編集Vol.3 (ヤングキングコミックス)
水上先生の作品には、ギャグとセンチメンタリズムの違いはなくて、同じものなんだ。
読了日:06月04日 著者:水上 悟志
小説版 めだかボックス (下) 朳理知戯のおしとやかな面従または椋枝閾の杯盤狼藉マニフェスト (JUMP j BOOKS)小説版 めだかボックス (下) 朳理知戯のおしとやかな面従または椋枝閾の杯盤狼藉マニフェスト (JUMP j BOOKS)
結局、めだかちゃんに”負けなかった”のって久々原先生だけじゃね?本編だとどうなってんのかね。
読了日:06月04日 著者:西尾 維新,暁月 あきら
エバーグリーン 1 (電撃コミックス)エバーグリーン 1 (電撃コミックス)
女の子って、未知の存在だなあ……って言う話だと読んだ。
読了日:06月03日 著者:竹宮 ゆゆこ
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (1) (カドカワコミックス・エース)機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (1) (カドカワコミックス・エース)
もう完全にいつもの長谷川先生だ。ガンダムをやっているという気負いさえ無くなってる。
読了日:06月03日 著者:
シュトヘル 6 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)シュトヘル 6 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
「王は、こうではない」って、なんて悲しいことを言うんだこのジジイ。
読了日:06月03日 著者:伊藤 悠
男子高校生の日常(6) (ガンガンコミックスONLINE)男子高校生の日常(6) (ガンガンコミックスONLINE)
ここに入っている話、アニメオリジナルかと思っていたわ…。
読了日:06月02日 著者:山内 泰延
ジャイアントロボ~バベルの籠城 2 (チャンピオンREDコミックス)ジャイアントロボ~バベルの籠城 2 (チャンピオンREDコミックス)
りょ、りょ、呂布だぁー!!
読了日:06月02日 著者:横山 光輝,今川 泰宏
カンピオーネ! 12 かりそめの聖夜 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)カンピオーネ! 12 かりそめの聖夜 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
このヒロインたちは、どんな出会い方、どんな状況でも、絶対に護堂さんに惚れるんだね。
読了日:06月02日 著者:丈月 城
無限の住人(29) (アフタヌーンKC)無限の住人(29) (アフタヌーンKC)
三者三様の強さのあり方が良いんじゃないかな。
読了日:06月02日 著者:沙村 広明

2012年6月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

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2012.07.04

『カンピオーネ!(12) かりそめの聖夜』

カンピオーネ!(12) かりそめの聖夜』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)

ヒロインたちの護堂に対するメロメロぶりに震撼したというか、あるいは好感度0の状況からでもあっという間に熱愛までパラメータを持っていく護堂のフラグ構築能力に畏怖の念を抱いたと言うか、別の言い方をすればどんな出会い方をしようともこのヒロインたちは護堂に惚れるのだと言うところに絆を感じたと言うか、まあ表現の仕方はいろいろあるけれども、概ねそんな感じの感想を抱いた。つまり、彼らの関係は偶然によってのみ育まれたものではなくて、大袈裟に言えば運命的というか、そもそもお互いに好意を抱きやすい相性の良さがあって、何度出会ったとしても惹かれあう存在なのだということだ。一度関係がリセットされたことで、返って彼らの関係の深さが強調される結果になっているのだ。

個人的には今回のメインヒロイン的存在がリリアナになっているところは面白いところで、本来の物語としてのメインヒロインは護堂と”最初”に出会ったエリカであるのだが、今回のリセットされた物語で”最初”に護堂と交流を深めるのがリリアナとなっている点で、もし”ここ”から始まる物語である場合、メインヒロインはリリアナとなってしまうほどの存在感があって、本来のメインヒロインであるエリカがまるで次席ヒロイン(物語的にメインヒロインに主人公を奪われる立場)みたいな存在になっているのがものすごく面白かった。メインか次席かというのは、こういった物語においては出会ったのが先が後かによって意味付けされてしまうのか、という面白さがあるように思えたのだった。

もし、これが”始まり”の物語であれば、メインヒロインはリリアナであっただろうが、最後に記憶を取り戻したことから関係は再び元に戻ったような気がしないでもないが、なんとなく自分の中でメインヒロインの上書きが発生したような印象がある。いままでリリアナと言えば、エリカに良い様に弄ばれる不遇な次席ヒロインという印象だったのだが、むしろエリカと対等な、なにより護堂にとって最も身近な、……あれ、最初からリリアナってメインヒロインだっけ……??

これは体験した出来事はなくならないということで、つまり、一度リリアナがメインヒロインであるという”認識”がされてしまうと、関係性が元に戻ったところで容易に認識が覆せないのではないか。これはすごく面白いことで、人間関係と言うものは、そう言った認識、ある意味思い込みみたいなものが強い影響を与えるものなのだ、と思った。

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2012.07.03

『RPG W(O)RLD(11)-ろーぷれ・わーるど-』

RPG W(O)RLD(11)-ろーぷれ・わーるど-』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)

魔神たちの意図が明らかになったり、ユーゴたちのパワーアップイベントをこなしたりとわりと重要な回のようなのに、ファミコン時代RPGをモチーフにしたノスタルジック溢れるものになっている。今にも電子音のピコピコが聞えてきそうな雰囲気で、そういうゆるい雰囲気の中で重要なイベントをこなすのも乙なものと言える。シリアスな話を真顔でされても困るしねえ。

魔神の意図、って言っても世界を破壊することぐらいしか七大神の人たちも把握していないみたいなので、これから本当の意図が明らかになっていくのだろう。まあ前からこの世界がプログラミングされたものの雰囲気があったから、その辺りの話になっていくんじゃないのかしら。そのあたりは今後の展開次第という事で。

まあしかし、ここまで正調なRPGストーリーを正面からやられると、なんだかムズムズしてしまうね。主人公たちの”善”の側に立っている感と言うの?敵は徹頭徹尾邪悪であり、主人公は常に正しい、というあれ。それが悪いと言うわけじゃなくて、むしろ勇者とはそういう存在なんだという事に自覚的な作品なんだな、と思うのだった。勇者とは常に正しくあらねばならない、たとえ失敗するときでさえ正しくなければならない。そうした抑圧があって、ユーゴはひたすらそうした抑圧に耐え続けていて、それが仲間たちにも波及していく。そうした成長モデルが育まれているわけですね。それ自体の正しさは保留にするにしても、そうした描きに手を抜かないのには感心してしまうのだった。

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