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2012.07.23

『ベン・トー(9) おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円』

ベン・トー(9) おかずたっぷり!具だくさん!香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)

最近のこのシリーズは、どうやら槍水仙の”救済”が焦点に当たっているようだ。彼女が過去に味わった悲痛、そしてその過去に囚われた彼女を救うために、佐藤がさまざまな強敵と戦うと言うのは基本的な路線になるのだろう。などと書いてしまったが、実のところ今回の話を読むまで、そうした側面についてははっきりとは気がついていなかった。ただ、なんとなく槍水仙に物語の焦点が当たっているわりに、物語に積極的に関わってこないなあとは思っていて、不思議には思っていたのだけど、今回の話で納得がいったのであった。

現在の物語は、槍水仙を救うために、主人公の佐藤がさまざまな強敵と戦いつつ、彼らからさまざまなものを受け取っていく流れになっている。彼らから狼としての強さ、人間としての覚悟、そう言ったものを受け取っていく主人公の物語は、成長物語としても王道といったところなのだが、おそらく、彼のこの成長は槍水仙を救うためのものになるのではないか。彼女が抱える過去ははっきりとは明確にはなっていないが、おそらく当事者でなければ分からない事情と言うのがあるのだろう。彼女自身の”傷”の形は、彼女自身にしか分からない。だから、佐藤が出来るのは、彼女の傷を受け止められるだけの力を得ることであって、今の物語はそうした意味での成長物語なのだ。

しかし、仙のトラウマ、すなわちハーフプライサー同好会の崩壊については、なかなかはっきしたことが分からない。これまでにも出てきた登場人物たちが、「あれはこういうことだ」と説明はしてくれているものの、それはその当人が理解しているところの事情であって、その事実に対して仙がどのように関わったのかが、見えそうで見えてこない感じ。まあ、それが明らかになった時が、この話(シリーズではない)の終わる時なのであろう。それを明らかになるのも楽しみである。

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