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2012.07.11

『千の魔剣と盾の乙女(7)』

千の魔剣と盾の乙女(7)』(川口士/一迅社文庫)

メインヒロイン(のはず)であるエリシアさんのパワーアップ回であり、ようやく前に踏み出す話になっている。こう書いて気がついたが、このシリーズでは主人公のロックの人格的な部分についてはほとんど成長がなくて、彼の精神はほぼ完成されているようだ(あるいは未だスポットライトが当たっていないのかもしれないが……)。物語上では、ことあるごとにエリシアの迷いや成長に焦点が当たるようになっているので、むしろエリシアの方が(成長物語としては)主人公っぽい扱いになっている。まあ、タイトルを思い起こしてみれば、ロックとエリシアのダブル主人公を意図している可能性は、確かに考慮しても良かったかもしれない。

ともあれ、今までヘタレ一直線であったエリシアが、遅ればせながら魔王と戦う決意と力を得たことで、恋愛面においてもナギに迫ることが出来るのかどうかと言うところが今度の課題と言ったところでしょうか。これまで、魔王に挑む決意が出来なかったことは(ツンデレなのもあいまって)いまひとつロックに踏み込みきれない壁を作り出していたため、”騎士”としてロックに仕えようとするナギの後塵を拝する結果となっていた。だから、彼女の成長はラブコメ面における情勢も動かしていく可能性がある。一歩リードしている感じのあるナギの牙城を突き崩すことが出来るのかどうか。ただ、個人的にはナギにはもう少しがんばって欲しいというか、前巻までの関係性で言えば、もっと”押して”も良かったんじゃないかと思っていたのだけど、それが出来ない律儀さことがナギのキャラクターでもあって、難しいところなのかもしれない。そこが良いところなのだけれど。

そして、次はフィルのパワーアップ展開になるようで、そうなればヒロインたちの力関係は並ぶと言って良く、そうしてようやくヒロイン戦線も本格的な交戦に入るのかもしれない。でも、素直にならないとエリシアの戦力不足は決定的なので、切り札は早めに切っておく必要があるはずで、戦況は予断を許さないところである。

これで「全員俺の嫁だぜ」ENDだったらどうしよう。

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