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2012.07.04

『カンピオーネ!(12) かりそめの聖夜』

カンピオーネ!(12) かりそめの聖夜』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)

ヒロインたちの護堂に対するメロメロぶりに震撼したというか、あるいは好感度0の状況からでもあっという間に熱愛までパラメータを持っていく護堂のフラグ構築能力に畏怖の念を抱いたと言うか、別の言い方をすればどんな出会い方をしようともこのヒロインたちは護堂に惚れるのだと言うところに絆を感じたと言うか、まあ表現の仕方はいろいろあるけれども、概ねそんな感じの感想を抱いた。つまり、彼らの関係は偶然によってのみ育まれたものではなくて、大袈裟に言えば運命的というか、そもそもお互いに好意を抱きやすい相性の良さがあって、何度出会ったとしても惹かれあう存在なのだということだ。一度関係がリセットされたことで、返って彼らの関係の深さが強調される結果になっているのだ。

個人的には今回のメインヒロイン的存在がリリアナになっているところは面白いところで、本来の物語としてのメインヒロインは護堂と”最初”に出会ったエリカであるのだが、今回のリセットされた物語で”最初”に護堂と交流を深めるのがリリアナとなっている点で、もし”ここ”から始まる物語である場合、メインヒロインはリリアナとなってしまうほどの存在感があって、本来のメインヒロインであるエリカがまるで次席ヒロイン(物語的にメインヒロインに主人公を奪われる立場)みたいな存在になっているのがものすごく面白かった。メインか次席かというのは、こういった物語においては出会ったのが先が後かによって意味付けされてしまうのか、という面白さがあるように思えたのだった。

もし、これが”始まり”の物語であれば、メインヒロインはリリアナであっただろうが、最後に記憶を取り戻したことから関係は再び元に戻ったような気がしないでもないが、なんとなく自分の中でメインヒロインの上書きが発生したような印象がある。いままでリリアナと言えば、エリカに良い様に弄ばれる不遇な次席ヒロインという印象だったのだが、むしろエリカと対等な、なにより護堂にとって最も身近な、……あれ、最初からリリアナってメインヒロインだっけ……??

これは体験した出来事はなくならないということで、つまり、一度リリアナがメインヒロインであるという”認識”がされてしまうと、関係性が元に戻ったところで容易に認識が覆せないのではないか。これはすごく面白いことで、人間関係と言うものは、そう言った認識、ある意味思い込みみたいなものが強い影響を与えるものなのだ、と思った。

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