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2012.06.11

『這いよれ!ニャル子さん (9)』

這いよれ!ニャル子さん (9)』(逢空万太/GA文庫)

読者に対して配慮のあることで有名な作者ですが、今回もまた配慮をされているようです。ニャル子の初恋の相手の存在を匂わせながら、最終的に一途なニャル子で終わらせるオチには、読者に対するストレスを限りなくゼロにしようとする作者の見事な接待力が発揮されていると言えます。最近は初恋が主人公ではないだけてビッチ扱いされる世の中ですので、そうした配慮をしつつ、さらにニャル子が真宥さんに惚れた理由が、真宥自身にあるという理由付けをすることによって、ニャル子の肉食系な側面を希釈し、真宥に責任を生じさせるというところも面白い……かどうかは良く分からないものの、まあ上手いんじゃないでしょうか。真宥にとっては外堀が埋まっていく感覚なんだろうけど、ラブコメ的な進展としては確かにありのような気もする。まあ、よくわからんけど。

物語としてはわりとシリアスになっていて、やっぱり物語が動く(時間が流れる)と言うのは変化であって、変化が生まれるところには、それを受容するのかどうかというドラマが生まれてしまうんだな、と言うことを思った。つまり、敵の目的が宇宙スケールで小さいものというフォーマットはあるにしても、そこで語られているのは真宥やニャル子がお互いの関係(過去から現在までに繋がっているそれ)をどう捉えるのかと言う話になっていて、それは決してギャグでは回収しきれないものが生まれてしまっている、と言うことだ。まあ、全体がギャグになっている分、そうした一点が深刻に見えてしまうというところはあるにしても、そうしたことが物語を動かすということなんだろうなあ、と思ったのだが、別にそれに何か意味があるとかそういうわけではなくて、変化と言うのはすごい力なんだなあ、という自分でもよくわからない感傷というか感慨みたいなものがあって、思わず空を仰いでしまうような、そういう感じなのだった。自分でも何を書いているのか良く分からない。

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