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2012.05.25

『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金(1)』

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金(1)』(鳳乃一真/ファミ通文庫)

言い方は悪いけれども、西尾維新の流れを正しく受け継いでいるという印象がある。まあ、西尾維新フォロワーってのは、もう本当に雨後の筍並にぽこぽこあるんだけど、この作品の場合、きちんと自分の作風に取り入れている感じがあって安心感がある。

安心感という意味では、実に新人離れしているというか、キャラクターの行動と動機が密接に結び付いていて(まあ、探偵の子はいまいち良くわかんないけど、あれは分からないというキャラクターだから良いんだ)、それでいて意外性もちゃんとある。最初は分からなくても後で考えれば矛盾なく説明できるというのは、キャラクターがきちんと動いている証拠だと思う。

などと分析的なことを書いてみたけど、実は自分でも良く分からんレベルでこの作品が好きだ。まあ、ものすごい好き、という感じでもないのだが、なんかこう、ただ好きだなあこれ、みたいな感じ。たぶん、キャラクターがものすごく魅力的に動いていて、魅力的というのは萌えるとか可愛いとかそういう意味ではなく、あるいはキャラにブレがないとかそういうのとも違っていて、要するに”生きている”って感じがあるんだ。

それはつまりキャラクターが読者の予測や予想を逸脱する瞬間があるということで、こっちがだいたいこういう奴なんじゃないかな?って思っているキャラクター像を、ときどき凌駕する瞬間がある。主人公が読者の知らないところで動いていることが分かった瞬間とか、探偵の女の子の真意とか、とにかくキャラクターを構築する流れというものから、わずかに逸脱するところがあって、こちらが予想しているよりも少しだけ頭良かったり逆に隙があったり、そういうのっていうのが好ましいと思う。

まあ、こういう書き方は、巻を追うごとに読者の裏をかくことは難しくなるだろうし、どうなるかわかんないんだけどね。

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