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2012.05.21

『背約のキャバリアー』

背約のキャバリアー』(六塚光/一迅社文庫)

主人公が事件にかかわる動機が強すぎず弱すぎず、適正な感じがあるのが好ましい。「何が何でも困っている女の子を命に代えても助けよう!」みたいな突き抜けたヒーローという感じでもなくて、だからと言って「女の子の仲良くなってあんなことやこんなことやー」みたいな(まあこんな主人公はあんまりいないが)軽いものでもないし、しかし消極的というよりは前向きに姿勢がある。つまり中庸ということなのだが、前のめりな、悪い言い方をすると異常な義侠心みたいなものとは無縁の感じが、まあなんと言うか、安心感がある。

あまり熱血すぎたりテンションが高すぎるノリについていけないおっさんにとっては、誰かを助けるために頭に血を上らせて叫ぶ、みたいな感じはちょっと勘弁して、というところがあって、むしろ「彼女が困っているなら助けて上げたいなあ」という感じの(あくまでも例えだけど)乾いたところの方が、とても信頼感のあるものに思える。あんまり熱血に叫ばれると、お前本当に覚悟あんの?なんか誤魔化そうとしてんじゃないの?みたいな、ちょっと嫌らしい感情が湧いてきてしまうのだ。

その点、この主人公の”動機”のあり方は、いわゆる強引なところがあまり感じられなくて、とても信頼が出来る気がする。まあ、好みの問題だろうと思うのだが、いわゆる分を弁えているというか、自分に出来る勇気を振り絞っているように感じられるのだ。そこから主人公がバトルに入る展開と、動機の結び付き方も納得的というか無駄がなくて、別に独創的なことをやっているという感じもしないけど、すごく自然な流れみたいなのが感じられて、とても癒されるのだった

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