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2012.03.21

『レイセン File4:サマーウォー』

レイセン File4:サマーウォー』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)

レイセンという作品は基本的にマスラヲの後日談として位置づけられていて、基本的にはヒデオの非日常的な日常をだらだらと描くというスタンスが堅守されていて、どんなに事件が起ころうとも大抵は元通りのグダグダな(貶し言葉ではない)展開になる。しかし、そういうことを4巻まで続けてきたことで生まれた”撓み”と呼ぶべきものがあって、それは正体のわからない”組織”の存在が表に影響を与えつつあることや、マックルイェーガーと呼ばれるウォーモンガーな神霊がヒデオに接触してきたりすることに現れている。これらは、決して表立って波乱を匂わせているわけではないが、ヒデオたちとは関係のないところで暗躍しているような何かがあって、それが”撓み”と呼べるような気配を生み出しているように思う。一巻冒頭で明らかにされた対精霊の特殊部隊もようやく物語の表に出てきそうな様子ではあるし、今後に関わってくるのだろう。だけど、ひねくれものの作者のことだから、それで素直に大災害とか大破壊とか世界の終わりが起こすのかというと疑問を感じるところもあって、マックルイェーガーや”組織”が何を目的にしているのかとか、そもそもこの二者が協調しているのかさえ不明であって、もしかしたらそういうことを全然考えていない可能性もあって、つまりはただの気配でしかないとも言える。たぶん、作者もどうするか考えていないんじゃないか、と思うのだけど、それはそれで問題はなく、どこに物語が転がっていくのかを待ち構えているべきなのだろう。

そうした影も形もない気配だけの話をしている一方で、ヒデオのイロモノハーレムは順調に拡大傾向にあってとても楽しそうなのだが、今巻ではまったく登場しなかったのに最後だけ登場して悠々とおいしいところを全部かっさらっていくエルシアさんが筆舌に尽くしがたいほどにずるくて素晴らしい。まるでメインヒロインのすることじゃないか。

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コメント

お久しぶりです。
まだ読んでないんです(涙)

なんかヒデオがモテ始めてますが、「日和ったなぁ…」とか思ってる僕はだいぶヒネテてますかね。

もっぺん世界救わないかなぁ。ヒデオ氏。

投稿: もじのくまさん | 2012.03.29 21:03

まあ、世界なんて一回救えば十分でしょw

ヒデオ君は不幸な方が面白いと言うのは、確かに否定できないけど(ひどい話だ)、それでも多少の報いがない可哀想だし、それに世界の危機が一人の人間に何度も救われると言うのも不健全ですしね。

投稿: 吉兆 | 2012.03.29 21:46

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