« 『太陽のプロミア』その2 | トップページ | 『魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>(3)』 »

2012.03.16

『太陽のプロミア』その3

太陽のプロミア』(SEVEN WANDER)

今回はまとめのようなものを書いてみたいと思います。と言っても総括とかそんな大層なものではなくて、単に書き漏らしたことや気になったことを拾うぐらいの意味です。

一通りクリアしたんですが、実はすべてがすっきりと明らかになるタイプの話ではないようで、いろいろと語られていないところも多い。1000年前に何か起こったのか?”ぷぅ”の本当の正体は?など、けっこうあいまいだし、ミルサントという舞台そのものも、今回は一都市の中での話しに終始していて、実際には惑星レベルでの背景があるにもかかわらず、そうしたところには触れないままだった。しかし、それが語り不足というかというと、たぶんそういうことはなくて、ただ主人公たちの現在の話にはあまり関係がないから語らないというだけなんだと思う。そういうのはあくまでも昔の話であって、現在の話の背景としては存在しているんだけど、だからといって過去は現在の代わりにはならない、ということかもしれない。とは言え、過去にあったさまざまな因縁を描くのは、物語的にとても強力だし効果的だと思うのだけど、それをしてしまうと”現在が軽くなる”ということもあって、あくまでも”現在の物語は現在の因縁の中で終わらせる”というのは、勇気のある選択であろうとは思う。

まあ、とは言っても1000年前の北天姫と南天姫、そしてコダマの物語は、それだけでひとつの物語として魅力的な感じもあるので、何か別の形でフォローが欲しいとも思う。

全体としてはものすごく楽しんだという感想にはなるけど、やっぱりエレガノ編とフレアルージュ編については、ちょっと評価しにくいところはあるかもしれない。物語が重層構造になっているからこそ生まれる面白さと、それゆえに難しさが現れてしまったというか。この構造は、ある意味においてヒロインの物語的な地位を固定してしまうもので、その地位が高ければ高いほど、『太陽のプロミア』という”全体の物語”に取り込まれてしまうということにもなる。つまり、”ヒロイン自身の物語”よりも、”『太陽のプロミア』という物語”の方が優先されてしまうということで、これはもうこの構造そのものが持つ力学みたいなものなのか、と思う。

だからといって、この物語が重層的に描かれていることの欠点かというとそうとも思えなくて、そもそも『太陽のプロミア』という物語にヒロインの物語が取り込まれていることは、それ自体は別に悪いことではなく、そもそも大きな物語の中に個人の物語が組み込まれることは普通のことのはずだ。これがギャルゲーというフォーマットがあって、”ヒロインの物語”というものがとても強い力を持っているからこそ生まれた問題なのだろう(ヒロインの物語においては、主人公との間に強い好意の関係が生まれることが主軸となる)。だからまあ、きっと何かやりようはあるはずだ。どうやったらいいのかはわからないけど。

あと、他に何かあったかな……あー、別にこのゲームに限らないけど、主人公とプレイヤーの目線が離れた物語の場合、別に主人公に声をつけないって縛り、別にいらないと思うんだよね。コダマには非常に深いバックグラウンドがあって、無個性タイプの主人公とはいいがたいところがあるのだから。でも、意外とコダマに自己投影する人はいるのかな?まあ、自分は主人公に感情移入をしないタイプなので(というか、登場人物に感情移入はしないタイプなので)、そのせいだと思うけどね。

ファンディスクの方は気が向いたらやります。

|

« 『太陽のプロミア』その2 | トップページ | 『魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>(3)』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/54229380

この記事へのトラックバック一覧です: 『太陽のプロミア』その3:

« 『太陽のプロミア』その2 | トップページ | 『魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>(3)』 »