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2011.12.01

雨の日は散歩の日

雨が降っていたので図書館に本を返しにいった。雨と言っても霧雨に近く、出かけるときにはほとんど止みかかっていたけれど、空気が水を含んでいるような感じと、それでも地面は乾燥しているような独特の冬の感じの相容れなさに楽しくなってきた。図書館に行くときにいつも通る公園をわざと遠まわりをするようにぐるっと回って歩くと、雨に濡れた匂いがするかと思ったけども思ったよりもしなくて、あの独特の匂いは、やはり生き物の匂いなんだと思った。けれど雨の日の公園には人気がほとんどなく、匂いも音もなかった。”あずまや”のような屋根の下を通り抜け、階段を登っていくと小さな広場のような空間があって、周囲には森みたいになっていたけれど、やっぱり匂いというものがしなくて、まるで木々がプラスティックで出来た偽物なんじゃないかと思った。左手にもう一つ階段があるのでそちらを降りていくと、少し開けた場所があって、左右に道が分かれている。右手に向かうと木立が道の左右に配置されていて、ふと見ると巨大な蜘蛛の巣があった。一メートルぐらいの巨大な蜘蛛の巣で、良く見てみると中心にこれまたでかい蜘蛛がいて、やっぱりここには生き物がいるんだと思った。しばらく歩くと突然木々が騒がしくなって、何事かと思って見渡してみると、スズメの一群が雨宿りをしているみたいだった。ピイピイものすごく鳴き声がしたので、数十匹はいるみたいだったけど、いくら見ても葉と枝に隠れていて姿は見えなくて、でも、見ないほうがいいのかもしれないとも思った。一分くらい騒がしい鳴き声を聞いて、公園を抜けた。公園は山の上にあるので、出ると下り坂があるのだけど、その道は秋頃まではものすごい雑草で覆われてて、アスファルトのひびから一メートルぐらいの草がものすごい勢いで生えていたはずなのだけど、久しぶりに見たらすべて綺麗に刈り取られていた。歩くのにも邪魔になるぐらいの雑草だったのだけど、なくなってみるとすごく”ない”という感じが強くて、でも、自分はわりと”ない”という感覚も好きなのだった。冬は”何もない”という感じが凄く強くて、雨の日はそれがはっきりするような感じもある。だから自分は雨が好きだし、冬も好きなのだった。

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