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2011.11.28

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)』

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)』(伏見つかさ/電撃文庫)

今回は番外編のようである。第二シーズン終了後の幕間であり、前回までに固まった人間関係を確認する回となる。桐乃と京介の関係は、ただの兄妹というには距離感が近く、それはぶっちゃけ気持ち悪いくらいなのだが、しかし、それが彼らにとって正しい距離なのであろうというべき自然な距離感となっている。他者から見てどうこう、という視点で語るのは野暮であるし、同時に彼らの関係を侮辱するものとなるだろう。それは彼らが紆余曲折を経て作り上げた唯一のものであるからだ。さらに、関係を一度リセットしてしまった黒猫との関係の後始末も描かれたり、あまりに言及の少なかった沙織に対してフォローを行ったり、人気があるから出来る寄り道とはいえ、丁寧に登場人物たちの救済措置を行っており、相変わらず伏見先生はマメな人だな、と思うのだった。

さらにあやせや麻奈美など、おそらく第三シーズンにおいて物語の重要な役どころとなるであろう人々にもスポットが当たっている。この辺りがどのように関わってくるのか、実はあまりよくわからないのだけど、まあきっとまたしても桐乃とぶつかり合うのではなかろうか。ただ個人的な予感としては、京介の物語が発動する頃合ではないか、とも思える。もっとも、彼には現在、発動するべき物語は存在しない。彼はあくまでも対応者であり、他者とのかかわりを持つことによって動くタイプである。それゆえに、彼はヒーローとして振る舞うことが出来たのだが、前巻においては、彼がついに救われる側になったことが、一つの転換にあたるのではないか、と思えるのだ。つまり、京介の試練に対して桐乃がヒーローとなるのではないか、という予感だ。まあ、桐乃が動く場合は、黒猫や沙織も動くと思うけれど、まあそういうところだ。

この辺りはまだまだわからないところではあるが、そうなると物語として美しいな、と思うのであった。だって兄妹ってのは、そういうものだろ?

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