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2011.08.04

『スノウピー3 スノウピー、恋愛する』

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スノウピー3 スノウピー、恋愛する』(山田有/富士見ファンタジア文庫)

最近のスノウピーの関心事は、恋なのだという。恋という不思議でわくわくするはずのものを、自分も体験してしてみたいと、スノウピーと撲はいろいろと調べてはじめるのだった。が、明らかにスノウピーは相談する相手も間違っていると言わざるを得ない。いや、あるいはクリティカルに相談相手として正しい相手だったのかもしれない。だが、何ごとも過ぎたるは及ばざるが如し。正しすぎるというのも、問題である。さらに、”撲”は、こういうときに真面目に取り組んでしまうものだから。

恋愛というものをしたことがないスノウピー、不思議でおかしなスノウピー。彼女にとって、いままで他者とは、なんだったのだろう?ただ、あるがままに存在する”だけ”ということを、受け入れられなくなってきた彼女は、ある意味において、とても堕落してしまった。冷たい視線で人間共の振る舞いを観察していた妖精は、いつの間にか、誰かと触れ合いたいと思う、普通の女の子になってしまったのだった。

恋という、なんだかよくわからないけど素敵なものを求めて、彼女は動き出す。しかし、そんな彼女たちに、なにやら不穏な気配が(また邪魔者か!?)。引き離されるスノウピーと”撲”。そのことに、激しいショックを受ける”僕”。なぜなら、彼らは”引き離される”のである。あくまでも、まったく別の存在であったはずのスノウピー、”孤”の存在であったはずのスノウピー、しかし、彼らはいつのまにか、それほどまでに近くに寄りそっていたのだ。引き離されたことで、不安を覚えるほどに。”撲”が怒るほどに。

こうして、かつての妖精は、お姫さまとなった。己を否定することしか知らなかった少年は、王子さまになった。王子は、己の存在をかけて、姫を救う冒険に出る。その冒険の過程で、彼は仲間を得る。それは、彼が不器用に、ときに失敗しながらも向き合ってきた、いろいろなものからのご褒美。そうして彼は仲間と剣をもって、姫のもとに向かい、その結果は、とくに語るべきことはないだろう。正しく犠牲を払ってきたものに、正しき対価を。物語とは、このようにあるべき、であろう。

以下、さして重要ではないつぶやき。

スガモさんはとても面白い人だと思うのだが、ヒロインだったということに驚きであった。なんで囚われのお姫さまAをやっているんだ。というか、貴女の目的はなんなんですか?

可香谷さんの空転ぶりが愛おしい……はずだったのだが、意外と噛みあい始めている。主人公の成長が、あるいは素直になったのか。

続くのだろうか……。

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