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2011.06.07

『レイセンFile3:ワンサイド・ゲームズ』

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レイセンFile3:ワンサイド・ゲームズ』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)

ヒデオがあっちこっちで女の子と出会って、ラッキースケベイベントが多発するという、まるでライトノベルの主人公のような活躍をしている。今までのヒデオは、活躍の過程で女の子に出会うことこそ多いものの、登場してくる女の子たちが、どいつもこいつも(良い意味で)常軌を逸しているため、なかなかキャッキャウフフイベントが立ち上がることは少なかったように思える。唯一、美奈子さんだけが、一貫してヒデオに好意を寄せてくれたぐらいだろうか(美奈子さんは男を見る目があるのか、ないのか、それが問題だ)。ところが、今回のヒデオはちょっと違う。海が泳ぎだ水着。半裸の女の子たちに囲まれ、なんというリア充っぷりをさらけ出すヒデオ。美奈子さんや、あと睡蓮にもなんだかんだで構われていて、両手に華とはにくいラノベ主人公ぶり。にくいねーにくい憎い。さらにはエルシアまで毒牙にかけるハーレムぶりだ。しかし、それらとともに失ったものも、大きく、そこは林トモアキ節ではあるので、ラッキースケベはラッキースケベながら、あまり幸せそうに見えないが、きっと気のせいであろう。

そもそも、いままのヒデオはあまりにも報われなさすぎた。それはおそらく、その強面ぶりやハッタリの巧みさのため、ヒデオの”格”が、本人のあずかり知らぬところで上がりすぎてしまったためではないか。ヒデオ本人は、自分が生き残るために出来ることを駆使してきただけであっても、登場する相手すべてに”過大評価”されてしまうため、いつまで経ってもヒデオの身の丈にあった事件が起こらなかった。それが、レイセンに入ってから、ようやくヒデオが毎回毎回、自分の命を担保にしたバクチを打つことなく、ある意味、平凡な日々を送ることが出来ているように思われる。まあけっこう命がヤバイようなときもあるが、それでもマスラオ時代に比べれて雲泥の差と言える。

もちろん、彼の日常の隣には、人間を一息で吹き飛ばす超越者たちがごろごろしているわけだけど、ヒデオは必ずしも彼らの対峙する必要はない。というか、そうした超越者たちも、自分たちの生を生きているに過ぎないのだから、利害の対立が起こらない限りは戦う必要はないのだ。天界や魔界で世界がヤバイ、と言う時も、別にヒデオが無理して頑張らなくても、他にもいろいろな人がいるわけで、別にヒデオが全部背負うことはない、とういう緩さは、今までの林トモアキ作品にはないところだ。自分が思うに、レイセンは、林トモアキなりの日常四コマ空気系と言っても過言ではないと思うのだった。

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コメント

ひきにぱー
ひきにぱー、
ひきにぱー?

投稿: | 2011.06.09 19:02

変な神様をここに召喚しないで下さいw

投稿: 吉兆 | 2011.06.10 23:58

うわぁ…こんな所に召喚されようとはwww

書評を見るに、レイセンはちゃんと後日談となっていると言えるという感じでせうか?

投稿: もじのくまさん | 2011.06.11 11:50

そうですね、そのように言っても良いと思います。

投稿: 吉兆 | 2011.06.14 07:49

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