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2011.05.14

『ベン・トー(7) 真・和風ロールキャベツ弁当280円』

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ベン・トー(7) 真・和風ロールキャベツ弁当280円』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)

槍水先輩はほとんど登場しないものの、実質的には槍水先輩が物語の中核にいるようだ。敵の狙いは槍水先輩への復讐、ウィザードの目的は槍水先輩を守ること、佐藤の目的は槍水先輩に近づくこと。佐藤は自分がモテモテだとか言っていたが、真のモテは槍水先輩であろう。魔性の女にもほどがあると言うものだ。本人に自覚がまったくないあたりが本当に魔性である。

以前から睨んではいたところの、槍水先輩とウィザードのラインが突然、なんの劇的な流れもなく前面にでてきてしまったことにやや動揺した。てっきりもっともったいぶって明らかになると思っていただけに、さらりと流されてしまったことで、先の展開が読めなくなってしまった。はて、ウィザードと佐藤はふたたび対決するものとばかり思っていたが、現状では、普通に”狼”としての接点しか生まれないぞ。槍水先輩側のアプローチがないので、まだいくらでも展開は動かせるとは思うが、あまりにも因縁がなさすぎだ。これはすこし自分の中で展開を考え直した方が良いのかもしれない。

ただ、かつてのHP同好会の崩壊の真実を、かつての関係者だけの内輪でケリをつけようとしたウィザードに対して、それに自分も無理矢理にでも踏み込もうとした佐藤との関係は、なかなかに興味深いところだ。二人の関係は、師匠と弟子とも、ライバルともつかないところがあって、そこに槍水先輩が加わることでよくわからないことになると思うのだが、そのあたりは今後の期待と言うところだろうか。

ウィザードと言えば、いままでさんざん勿体つけていたわりには、再登場は実に地味なものだった。まあふらりとスーパーに現れるだけと考えれば、劇的であるのもおかしいのだが。むしろこの劇的でなさは、ベン・トーらしい、と言えなくもない。彼には彼の生活があって、半額弁当は、むろん、彼にとって重要なアイデンティティーではあるとしても、半額弁当とは関係のない事柄もある。そういうことなのだろう(むろん、だけれども、と言う言葉がついてくるが)。

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