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2011.01.30

『死んだ女は歩かない』

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死んだ女は歩かない 』(牧野修/幻狼ファンタジアノベルス)

牧野修と言えば、グチャデロスプラッタホラーの印象が強く、陰惨なの作品ばかり書いている印象があるけれども、実はスケールの大きい爽快エンターテインメントの書き手でもあると言うことは、それほど知られても無い・・・こともない(そうですね)。細部がグロイことはいつもの事ながら、実は完全なバッドエンドと言うのはそれほど多くはないように思います(きちんと確かめたわけじゃないからわかんないけど)。完全なハッピーエンドとも言えないケースもあるけれど、きちんと物語は収まるべきところに収まるので、納得感のある終わり方も多い(納得の行かない終わり方も勿論ある)。

この『死んだ女は歩かない』は、牧野修作品の中でも相当にエンターテインメントに偏った作品になっていて、これはこれで珍しいような気がしますね。とにかく全編がマッチョ&マッシブな強くて美しいヒロイン達がゾンビやミュータントをぶち殺しまくる話です。しかも、この話におけるゾンビ化現象には”医療虫”と言う寄生虫みたいな存在が暴走した結果とされていて、これが男だとゾンビになり、女だと特殊能力を持つミュータントに変異するという女尊男卑も甚だしい設定がなされており、緊急事態に戦えるのは女性のみと言うことになります。このあたり、マッチョな美女にバトルアクションをさせたい!と言う作者の素直な欲望が伝わってきてとても微笑ましいですね。そして、女性しか戦えない舞台づくりはライトノベルには珍しくないだけあって、ああラノベってマッチョなんだな・・・・・・などと思ったりもしました。ライトノベルの多くには拭いがたいほどのマッチョイズムが隠されている、と誰かが言っていたような気もする。が、それは別にどうでもいい。

ともあれ、強いヒロインたちがフリークスたちと殺したり殺されたりする話なわけです。”医療虫”をめぐってなにやら陰謀があったり、その陰謀をぶっ壊すために大立ち回りをしたり、そうした過程で彼女らの異能力を遺憾なく発揮していくと。それぞれの能力が限定的だったり、あるいは極端に強すぎたりするせいで、あまり能力バトル的な駆け引きの妙は感じられませんが、ぶっ殺したりぶっ殺されたりする殺伐とした描写がやけに軽妙な感覚があって、とてもさわやかなグロが展開されるあたりはさすが牧野先生だなあ、と思いました。クリーチャーはキモイし敵の女ミュータントはクレイジーなんだけど、そのグロテスクさにどことなくユーモアが見受けられます。まあちょっと歪んでいるかもしれませんが、僕はそんな牧野先生が好きなんだ。問題ない。

あ、登場するヒロインたちは、まあ牧野作品らしくマッチョでタフなヒロインばかりが揃っているので、見事なまでに萌え成分は欠如しております。個人的には主人公の乾月は登場ヒロインの中では人間的なゆらぎがあって、わりかし萌えるかなあ、と思ったりもするんですけど。つーか、多分登場ヒロインの中では一番女らしい。動機も弟の仇をとるためだし、母性本能らしきものを垣間見せるところもあるし、能力は万能型で、わりとスペック高いです。そうそう、この主人公の能力はちょっとチートくさいというか、いかにもバトル主人公って感じが良いですね。

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