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2010.07.26

『ヘヴィーオブジェクト 採用戦争』

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ヘヴィーオブジェクト 採用戦争』(鎌池和馬/電撃文庫)を読んだ。

これは酷い(褒めてます)。鎌池和馬はまったく自重しねえな!ちょっと科学的に怪しげなところとか、強引な展開とかは断固として無視して物語を進めていく豪腕が男らしすぎるだろ…。数ページに一回ぐらい、「ちょ、ありえぬだろ!」とか「ねーよ!」とか思わず口走ってしまうほどにツッコミ待ちな姿勢ながら、しかして、一切を無視して物語を描く。うーん、すげえ。作家として必要な資質として「細かいことを気にしない」(うろ覚え)を挙げたのは米澤穂信だったように思うが、鎌池和馬はまさに生まれながらの作家であろうと思われる。そもそも土台からして、オブジェクトなる超巨大超兵器に対して、裸一貫ろくな武器もない主人公たちが、度胸と機転で破壊していくと言う設定からしてぶっ飛んでいるので、物語もどんどん破天荒になっていくのは当然としても、それでもきちんと物語を制御下に置いている作者はちょっとすごいんじゃないかと思わないでもない。

で、2巻目の内容なんだけど…うん、正直、こいつら何のために戦争をしているのかとか考え出すと頭が痛くなるのでスルーする方向で。そのあたりは舞台背景であり、あまり真面目に考えると粗がいくらでも出てきそう。もちろん、そのあたりは重要なところではないので、それでいいのだ。ピンチにつぐピンチを前に、持ち前の悪魔に愛されたかのような悪運でもって切り抜けていくクウェンサーとヘイヴィアのコンビ。悪態とジョークを友として戦場駆けずりまわる二人の姿は、ハリウッド映画のバディものを思わせる軽快さがあって、実に楽しい。止まらないハリウッド化に引き摺られてか、日本的戦闘美少女であるミリンダがややヒロイン的には後退し、出来る女上司のフローレイティアさんが今巻ではメインヒロインに昇格し、悪運コンビに振り回されて酷い目に遭う役回りになっている。フローレイティアの軍人としての背景が語られ、しかし、そのあたりは戦場でスラップスティックに右往左往しているうちに、なんやかやでうやむやになっていく一連の流れには正直素晴らしいと思いました。なんでそんな展開になったのか、読み終わったあともイマイチわかんねえんだけど、まあそれはそれでいいのだろう。たぶん。

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