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2010.06.22

『シャギードッグV 虹の幕間』

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シャギードッグV 虹の幕間』(七尾あきら/GA文庫)を読んだ。

前回で大介にまつわる一連の事件に一区切りがついたこともあって、今回はインターミッション的な連作短編集となっている。まあ妥当と言えば妥当だし、今まで2巻ぐらいで打ち切りられていた作者の苦節を思えば、インターミッションが出来るほどに安定した人気があると思えば感無量。悪いけど、デビュー作の『ゴッド・クライシス』から読んでいるけど、こんなこと初めてだからね!(歳がばれそうだ)

まーそれはどうでもいいんだが。問題の内容はっつーと…七尾先生、めっちゃ趣味に走っていますよね!元々がこのシリーズはサイバーと超能力と武術の達人が入り乱れる作者の趣味に走りまくった作品だけど、それぞれのキャラクター一人一人のこれまでの積み重ねを丹念に描いた作品は、キャラクターとその背景にある世界の描写まで届いているようで、大変にやにやしました。この世界でサイバーな技術力とは、超能力とは、武術とは、遺伝子改良とは、どのような意味を持ち、価値があり、人々は生活をしているのか。つまり今回は”日常”の話なのであって。と言うより、そのような社会が成立した世界での”日常”ですね。今までも描写されてはいたけど、どうしても物語の方が優先されがちではあったけど、そのような社会では人はどのような価値観で生活しているのか、と言うあたりの描写に力が入っているのが大変よろしゅうございますな。アブドーチャさんの話とか、あの世界ではむしろ平常人に近い(まあ裏稼業にも近い)けど、そうした一般人やチンピラがどのようにサイバーと超能力と遺伝子改良と付き合っているのかと言うスタンスが仄見えるのが好みなんです。結局、自分は”異世界”を描写してくれる作品にスゲー弱いんだよなー。と言うわけでめろめろー。

個人的にはカイの話が一番楽しかったなー。ソフトウェアによって強化された超人と、ナチュラルボーン達人の対決。天才と呼ばれるものの無邪気な横顔。うーん、これは萌えるんじゃね?と言う戯言はともかくとしても、なんとなく先に繋がる伏線っぽいものも張られていたし、カイのこれから気になりますね。

それを言い出すと、今回の短編集は基本的にメイン登場人物のこれまで積み上げてきた成長を明らかにするところと、未来に向けて一歩を踏み出すと言う展開になっていて、まさにインターミッションと言うか、一区切りと言う感じで、作者はこの物語をじっくりと大切に積み上げていくつもりなんだなーと思うと大変うれしゅうございました。

あとはまた続編が2年後とかにならないよう、切に願います。おしまい。

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