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2010.06.17

『七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School』

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七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School』(久住四季/電撃文庫)を読んだ。

おおーまともなSFジュブナイルだ。かなりの正統派と言うかコテコテと言うか。タイムリープってのは、最近だといろいろと深刻でシリアスな設定が混じっていたりするけど、この作品は徹頭徹尾、タイムリープすることに対して衒いがないのがよろしおすなあ。そうだよねーオレも突然自分の周辺でタイムリープなんて事象が起こったらいろいろ遊びそうだもん。…ごめん、ちょっと嘘ついた。オレが高校生だった頃は、いろいろと深読みするタイプだったので、もしかしたら遊ぶこともしなかったかもしれん。まったく、昔の自分はどうしようもないなー。

そんなことはどうでもいいんだけど。久住四季の過去シリーズと比べてみると、すごく物語のカラーが前向きでびっくりしました。前向きと言うか、健康的と言うか、健全と言うか。心を病んだ登場人物はいないし、みんなどこにでもいるような(能力は別にして)普通の学生っぽい感じがある。そのあたりもジュブナイル的な印象が強く感じますね。また、今回のキモとなる”タイムリープ現象”についても、それほど複雑なものではなく、とても素直な展開になっています。SFの素養がある人は、あのタイプのタイムリープなのね、とすぐに気がつくかもしれませんね。すくなくともその辺でオリジナリティを出すつもりないみたいです。

ただ、この作品が優れている点は、タイムリープ現象と、それに関わる主人公の日常に対する満たされない想いがきちんと噛み合っており、彼が感じていた虚ろをタイムリープによって暴き出し、虚ろを埋めるのもタイムリープによってであると言う展開が実に端整である。論理として美しくね?と思うわけです。

正直、テーマ的なものはきちんと描いてしまっているので続きはあるとも思えないが、それで充分だと思えるほどにきちんと一冊で完結しているSFジュブナイルでした。ライトノベル的には貴重な作品ですね。

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