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2010.06.23

『ありすとBOBO(2)-下町決戦兵器マスラオ-』

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ありすとBOBO(2)-下町決戦兵器マスラオ-』(川崎康宏/GA文庫)を読んだ。

く、くだらねえ(褒め言葉)。前回がマグロ漁業かと思ったら、今度は下請け工場の話ですよ!おそらく世界初の中小企業ラノベ。さすが川崎康宏は目の付け所が違いますなー。

日本の技術力は世界一ィィ!と言うわけで、まあ確かに日本だったら下町の工場でパワードスーツを作っていてもおかしくない(いやおかしいが自分は積極的に騙されていく所存)。相変わらずアリス自身は物語の核心には迫りそうで迫らない感じ。あくまでも主人公は下町でパワードスーツを作っちまったおっちゃん、じいちゃんたち。彼らに出会ったことで、恋に悩む狂犬女子高生アリスがバトルをしたりしなかったりアメリカのスパイ(変態)や日本の情報部(普通)や自衛隊(この日本だと普通に軍隊のような気もする)がドンパチする話。一人の主人公が超人的なパワーで解決しないと言う作者の冷静さがクレバーだね!アリスはあくまでも敵情報部員の一人をなんとか足止めするぐらいの能力で、切り札はパワードスーツなんだけど、状況が錯綜して(まあ一人率先して状況をややこしくしている人がいるんだけど)誰が敵で誰が味方なのか良く分からん中、状況はどんどん混沌としていくわけです。楽しいのう。

途中でおっちゃんたちが語る下請けの悲哀、苦しさを社会科見学にやってきた高校生たちに語るあたりに奇妙な力の入れ込みがあって、下請けの苦しさとその後にやってくる危機に立ち向かうおっちゃんたちの姿を描くことによって、下請けの悲哀とそれでもなおくじけない誇りを描いている。もうとにかくおっちゃんじいちゃんたちの己の技術に対するプライドがかっこよく、これはプロジェクトXが取材に来るんじゃねえかとか思わないでもないが(犯罪行為をしているから無理だけどな)、その技術の注いだ先がパワードスーツと言うあたりがなんとめ酩酊感を得なくもない。…が、オレはあえて騙されることに決めたのだった。イエー!下町サイコー!

勿論、川崎康宏作品らしく、最後は華々しくも脱力感に溢れる展開に、一部の読者は大喜びであろう(オレとか)。ラストバトルのどうしようもなさはある意味言葉に出来ない気持ちが湧き上がってくるぜ。たぶんそれは感動ではない。そしてそれが良い。

まあアリスは相変わらず恋にテンパったりアワアワしていたりしてかわいーのでみんなも読めばいいんじゃないかな(投げ遣り)。

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