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2010.05.31

『ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~』

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ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。

ベン・トーシリーズの今回は番外編ですねー。全体的に非常にゆるい感じでありつまるところグダグダで、まさに箸休めにはぴったり。連作短編集みたいなつくりをしているけれども、各短編の繋がり方も非常にゆるく、そこらへんもベン・トーらしさのようなものを感じた。あと、本編のシリアスな部分だとどうしても物語に食い込めないあせびちゃんがわりとメインと言うかキーキャラと言うか賑やかしと言うか…あーまああんまりいつもと扱いは変わらない感じだけど、まあ出番が多くなっているのは、あせびファンには嬉しいところなのではないだろうか。需要がどれくらいあるのか知らないケド・・・(石を投げないで!やめて!)。

しかし、あせびさんは、そのキャラクター性、設定があまりにも強力すぎるので、中心に据えて物語を動かすと、すごい勢いでカオスになっていくのが良く分かりました。一番、まっとうにメインであった「鳥になった男だち」については、あせびさんが登場したことによって物語がひどい方向に向かってしまい、最終的に誰も幸せになれないと言う空前のバッドエンドに向かってしまうのでした。お祭り回とは言え、他にもいろいろなキャラが出てきているのに、すべて影が薄くなってしまうあたり、あせびさんのキャラつえーなー。

「首無しの白き巨人」とか、これはヒドイ、とか思った。まあキャラ全員コンバートでファンタジーをやりたいって言うのはわりと良くある欲望の形だとは思うんだけど、ここまで素直にやるなんて・・・と感心。内容は普通に面白い(ギャグではない)ファンタジーだったよ。ギャグではなく真面目にこういうのをやるということそのものがギャグですよな。続きを読みたくなっちまったじゃねーか。

あとはまあ、イマイチ本編だと何を考えているのかわからん白粉の日常のフォローとか、佐藤と奢我の関係とか、関係性が描き出されていて楽しいですね。つーか、佐藤と奢我の関係はプッシュされすぎだろ。恋人よりも親密で、家族と言うには緊張感のある、不思議な関係で、今回、槍水先輩の出番があまり多くなかったもので、もはや奢我がもう一人の主人公みたいな扱いになっているような気もしますな。しかし、あんまりヒロインと言う印象がないのは興味深いところです。

グダグダな感想ですが、まあそんな感じー。

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買ったもの

1.『六百六十円の事情』 入間人間 メディアワークス文庫
2.『初恋彗星』 綾崎隼 メディアワークス文庫
3.『アップルジャック(2)』 小竹清彦 幻狼FANTASIA NOVELS
4.『バガボンド(33)』 井上雄彦 集英社
5.『アイアムアヒーロー(3)』 花沢健吾 小学館

買った。

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2010.05.28

買ったもの

1.『ミスマルカ興国物語(8)(7)』 林トモアキ 角川スニーカー文庫
2.『くあっどぴゅあ』 木本雅彦 ファミ通文庫
3.『ココロコネクト キズランダム』 庵田定夏 ファミ通文庫

買った。まさか木本雅彦の作品をこんな短期間で続けて読めるなんて・・・。

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2010.05.26

『グリモア―俺の脳内彼女日記』

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グリモア―俺の脳内彼女日記』(卑影ムラサキ with 企画屋/幻狼ファンタジアノベルス)を読んだ。

これは事前に予想していたよりも遥かに良く出来ていた。すいません、これは卑影氏を見くびってましたね。主人公が陥った出来事で読者の気持ちを掴んだあと、ヒロインのお約束な萌えキャラ的造型であざとくアピール、そして最後は主人公の行動で好感を持たせる。作品が足し算だけで出来ていて、引いているところが無いという贅沢な作品だった。まあ、足し算だけで出来ている作品にありがちなんだけど、少々品位に欠けるところがないでもない。読者に快楽を与えるためだけに作られた作品の、ジャンクな感じ。まあオレはジャンクフードも好きなんで、これはこれで悪くはないんだけどなー(なら言うなよ)(うるせえ!ツンデレなんだよ!)。

なんだかんだで主人公らしいところ見せる主人公には好感を持たずにはいられない。それゆえに最終的に迎える主人公のご都合空間にも一定の納得が得られるところはきちんと物語を設計している作品の強みではないだろうか。少なくとも自分はこの結末に納得したよ。ご都合に至る物語に、きちんと理屈が通っているところも良いと思うし。それまでに語られた並行世界のルールに則ってご都合が生み出されている。

あと思うのは、なんでこれエロゲーじゃねえんだ、ってことなんだが…(言っちゃったよ)。ここまでハーレムエンドだってのに、エロスなシーンが無いことがむしろ不自然すぎるというものですよ。SFとしては並行世界の理屈が無理矢理すぎるっつーか、クレバーじゃないんだけど、ギャルゲナイズされたエロゲだと思えば、むしろ佳作と言える作品なので、なんか納得がいかないのだが…。まあ訓練されたラノベリストならば、充分に萌え萌え出来る作品ではあるので、そのあたりは問題ないんですけどね。

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買ったもの

1.『放課後プレイ2』 黒咲練導 アスキーメディアワークス
2.『ランドリオール(16)』 おがきちか 一迅社
3.『粘膜兄弟』 飴村行 角川ホラー文庫
4.『共和国の戦士』 スティーヴン・L・ケント ハヤカワ文庫SF

買った。

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2010.05.25

『月見月理解の探偵殺人(2)』

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月見月理解の探偵殺人(2)』(明月千里/GA文庫)を読んだ。

前作がゲーム小説としてはアンフェアと言うか、そもそもゲーム小説ではないと言う内容だったので、もう騙されんぞ!と思いながら読んだ。思い切り騙されたよ!クソーどうせゲーム小説じゃねえだろ、と最初から疑ってかかっていたのに、最初にミステリのお約束であるゲームのルールが詳細に載っているので、「お、これは…」とか期待したオレの心を裏切ったな!そしてその裏切られっぷりに感心してしまったので文句も言えない!くやしい!でも…!(ビクンビクン)

まあでもいいんだ。面白かったから。おそらく作者の意図するところに、どのように読者の思考をミスリードするかと言うところがあり、それはたぶん成功しているのではないかと思われる。そして、読者を無理矢理騙そうというのではなく、あくまでも読者に対して(少なくともオレに対して)はあからさまなミスリードはなく、あくまでも勝手にミスリードされるように作られている。それは主人公と理解の愉快な会話だったり、アクの強い登場人物たちが織り成す行動など、このあたりは実にエッジの効いたラノベッぽさがあって、これだけでもなかなかにレベルが高いのだが、おそらくはそれすらも迷彩としているのであろう作者の手腕の巧みさには敬意を表したい。…が、ひょっとしたら自分が単に考えすぎているだけの可能性もあるので、まあそのあたりは保留にしておくとしよう。

えっと、内容は…どう説明すればいいんだ?ともあれ、冒頭は京極夏彦のアレを思わせるところもあり、きちんと過去作品を継承しているところはあるようではある。新キャラクターも登場し、彼女に協力する形で主人公は事件に関わり、誰を信じていいのか分からないという疑心暗鬼の中、真相を追い求めていくことになる。果たして真実はなんなのか…と言う展開が、アレだもの。読んでいたときは、正直、マジか!?とか思った。別に意外だったというわけではないのだが…なんか、ジャンルエラーっていうか…解決法がそれかよ!と言うか…。上手く言えねーんだけど、ミステリかと思ったらホラーだったと思ったら伝奇だった、みたいな。わからん?まあ分からないうように書いているから当然だけど。

でも、何度も言うけど面白かったからいいんだ。ルール違反だというのは簡単だが、これはルールが存在しているのではないかと読者に誤認させたことが偉いのではないかと思うのである。

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買ったもの

1.『東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN』 あざの耕平 富士見ファンタジア文庫
2.『夏海紗音と不思議な世界(2)』 直江ヒロト 富士見ファンタジア文庫
3.『ミノタウロス』 佐藤亜紀 講談社文庫

買った。

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2010.05.23

『RPG W(・∀・)RLD(5)―ろーぷれ・わーるど―』

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RPG W(・∀・)RLD(5)―ろーぷれ・わーるど―』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

相変わらず非常に啓蒙的な作品でした。今まで主人公のユーゴが完璧なまでの勇者ぶりを発揮させつつも、それは仲間(とくにショウ)の支えあってのことであるということを今まで(ユーゴの勇者物語を阻害しないさりげなさで)描写していたが、とうとうユーゴの歪みが表層に現れてきました。勇者をロールプレイすることを決意し、それを実行できるだけの実力と機転を持ち合わせているユーゴに感情移入しているとこの作品は実に読者の願望充足を満たしてくれる作品なんですが、そのような安易な”英雄的行為”と言うものに対する危うさと言うものに足を踏み入れつつあるようだ。

勇者たらんとしているユーゴの責任感が、だんだんと化けの皮が剥がれて来るというか、自らに課した責任感のために、行動に焦りが伴ってきている。この状況に陥っても飄々と女の子にもていることしか考えてないショウ(ブレのない男だ)が今までユーゴの足りない、余裕の無さを補いつつあったが(特に前巻あたりから意識的にショウもその役目を自分で担おうとするところがあった)、それでもまだ”足りない”と言うことが明らかになりつつある。

まあこれはユーゴがそれだけ重い責任を負っており、その重荷をだれも肩代わりを出来てないということでもあるのだが、プレッシャーを跳ね除けようとするユーゴを、それを支えようとして、それでも支えきれないという構図が出来上がってしまっている。結果、ますますユーゴの負担は増えつつある。今回は言うなればインターミッションの回であるのだが、そうした脇道に逸れることにさえユーゴは自らの焦りを露にしてしまっている(これは、結果を受け止めるだけの覚悟がユーゴに出来てないということも出来る)。

結局、この作品において、ユーゴは常に先駆者であり、だれもその先を指し示してくれないというところが、非常に厳しい物語であるのだよな。本来、この手の英雄物語には主人公を導く”賢者”が存在するのだが、なぜかこの作品には存在せず、賢者と勇者の両方の役割を、ユーゴは求められてしまっている。それは、それまでゲーム好きな普通の高校生だった少年にはあまりにも重い役割であろう。

おそらく、ユーゴがプレッシャーに押しつぶされるのもそれほど遠くないと思われるのだが、そのとき、彼のパーティーは彼を支える、あるいは道を指し示すことが出来るのかと言うところが重要になってくるのではなかろうか。

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買ったもの

1.『護樹騎士団物語 幼年学校編Ⅱ ビアンは大嫌い』 水月郁見 徳間ノベルスエッジ
2.『ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日(7)』 原作:今川康宏 漫画:戸田泰成 秋田書店
3.『ヒストリエ(6)』 岩明均 講談社
4.『無限の住人(26)』 沙村広明 講談社
5.『さよならペンギン』 大西科学 ハヤカワ文庫JA
6.『ブレイク ブレイド(8)』 吉永裕ノ介 ソフトバンククリエイティブ
7.『魔乳秘剣帖(5)』 山田秀樹 エンターブレイン
8.『剣の女王と烙印の仔(5)』 杉井光 MF文庫JA

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2010.05.20

買ったもの

1.『ヨルムンガンド』 高橋慶太郎 小学館
2.『GANTZ(28)』 奥浩哉 集英社
3.『惑星のさみだれ(9)』 水上悟志 少年画報社
4.『ハチワンダイバー(15)』 柴田ヨクサル 集英社
5.『天使から百年』 野梨原花南 富士見ファンタジア文庫
6.『SH@PPLE ―しゃっぷる―(9)』 竹岡葉月 富士見ファンタジア文庫
7.『神様のいない日曜日Ⅱ』 入江君人 富士見ファンタジア文庫
8.『スキュラ・ダークリー』 六塚光 一迅社文庫

買った。

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2010.05.19

『B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない』

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B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない』(綾里けいし/ファミ通文庫)を読んだ。

前作よりも、良くも悪くもラノベっぽくなった印象。まあでもこれが正しい選択なんだろうな。ラノベ的には。ひたすら妖しの気配に満ちた作品を描きつつ、小田桐を中心にLOVE寄せを図っている感じがあって、まあ一応ラノベにしているつもりなんだろうな。まあ登場している女の子はどれもこれも”アレ”だったりするが、さすがにそこは譲れない線なのだろう。

繭墨の行動原理は相変わらず語り手である小田桐には理解が出来ないようで、大分読者をイライラさせる要素になっていたように思うが、これまたわかりやすい行動をしてしまっては興醒めであるので、繭墨さんには今後も飄々と人間を救いもするが地獄に突き落としもする独自の倫理観を貫いて欲しいところだ。

だけど、この方向性を続けていくのは相当厳しいのだろうな…と2巻目を読んでいて思ってしまうのも確かで。小田桐くんって、こんなに熱血漢だったかしらー?と驚いてしまった。まあ前巻で彼の怪異に対する感情に一区切りがついて、周りに目を向ける余地が出てきたという事なのかもしれないが、雄介とのやり取りには違和感を感じざるを得ず…。そんな無理に会話の掛け合いなんてしなくてもいいのに…と思ってしまうのだった。なんなの、ラノベには必ず笑える箇所がないといけない、みたいな縛りは。いつからこんなにラノベは偏屈なジャンルになったの?低体温な価値観の持ち主が揃っているのだから、無理に熱くしなくても、低体温のまま進めてもいいと思うんだけど。いや、最初にも書いたけど、これは仕方のないところなんだろうとは思いますよ。思いますけど、一巻で面白いと自分が思ったところはそこではないので、まあしょうがないところではありますがね。

ちょっと文句ばかりつけてしまったので、立て直す。

作中の怪人たちの動機がさっぱり分からないあたり、相変わらずよろしいですね。金魚の人なんて、壮絶に趣味が悪く猟奇的な性格をして悪意にも満ちているというのに、小田桐に作中で唯一”忠告”をする。それは一般人でありながら、自ら望んで怪異に関わろうとする人間に対するシンパシーのようなものかもしれないが、そのような悪意に満ちながらも奇妙な親愛を感じさせる人物の描写が大変素晴らしかったように思います。そしてそんな老人に関わる雄介の屈託ない態度。いやーいいですね。この理解を拒絶した展開。そこに確かに理屈と感情の流れが横たわっているのに、その理屈が異形の形をしている。それが実感できる。あと、今回から登場した新ヒロイン(小学生)の描写もまた、いわゆるヤンデレとは一線を画している。まあラノベらしく、小田桐に好意を持っているっぽいお嬢さんで、小田桐の住んでいるアパートの大家であるというそれなんてエロゲ的存在でありながら、その精神がどこか破綻しているような、いや、破綻はしておらず、どこか怪物的な理性の存在を感じさせるあたり、実に僕の好みにあっておりました。今回のメインである水無瀬家の方が実にわかりやすい情念劇であったので、こっちで伝奇物としての成分を補給していた感じですかな。メインを分かりやすく、細部を趣味に走っているという構成は、なんとなく混乱している印象を受けるものの、わりと上手くやった感じではあるやもしれんね。

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2010.05.17

『高慢と偏見とゾンビ』

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高慢と偏見とゾンビ』 ジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミス 二見文庫

マッシュアップ小説!そういうのもあるのか!と、なにやら新し物好きでゾンビ大好き本読みの間で話題を集めている今作ですが、万が一、知らない人のために説明すると、『高慢と偏見』と言うジェイン・オースティンの原作(映画にもなっていますね)を、文章の8割だか9割だかはそのままに、随所にゾンビを落とし込むことによって別物に仕上げてしまうという斬新なアイディアなのだ!まあ商業ベースに乗った原作ファックだと思ってもらえれば大体間違いはない。

文章は原作のものをほとんど使っているとの事ですが、そんな印象は欠片も無いほどにゾンビゾンビのゾンビパラダイスさ!主人公たちであるベネット一家も、中国まで言って荒修行をこなしてきたという筋金入りの戦士であり、この世界の価値観もまたいかに戦士であり、ゾンビどもをぶち殺せるかと言うところが尊ばれている。道を歩けばゾンビにあたり、はっきり言って世界終焉は近いんじゃねーの?と言うぐらい最悪な状況なんですが、ゾンビ小説の基本として、ゾンビはあくまでも状況であり、ゾンビが存在する世界で人はいかなる社会を構築しうるのかと言うところまで描いており、たんなるジョーク小説ではない深みを感じるのだ。

まあこの作品の面白さの半分以上は原作のおかげであることは言うまでもないのだが、18世紀のイギリスの田舎における人間の偏見や思い込みによるすれ違いと言う原作のテーマをきちんと活かしつつ、ゾンビはびこる世界を構築しているところはすごいよなあ。読み始めて数十ページもするとゾンビの存在が必要不可欠な物語構成要素に思えてくる。原作を読んだのは何年も前の事のせいか、もうすでに原作がどんな内容だったか思い出せない…。完全に記憶が上書きされてしまった…。ん?人の恋路を邪魔するのはゾンビだったよな?ゾンビが人の偏見を助長するわけですよな?ゾンビなくしてこの恋愛物語は成立しないんじゃないか、と思い始めてきたら、おそらくその人はこの作品の意図の思う壺にはまっていることでしょう。オレのように。

誤解と偏見と勘違いですれ違うカップルのコメディ調な雰囲気と、バタバタとゾンビに食われていく殺伐としたグロテスクさが入り混じった不思議な感触が、なにやら癖になる作品。ヒロインも超強いし(忍者相手に空中戦やったりする)。原作レイプもここに極まりって感じだな。

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買ったもの

1.『ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック』 深見真 ガガガ文庫
2.『黄昏世界の絶対逃走』 本岡冬成 ガガガ文庫

買った。

深見先生の新作はこれまたボンクラの香りが匂い立つあらすじで大変よろしゅうございますな。

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4月に読んだ本

4月は50冊しか読めなかった…などと言うのは戯言以外のなにものでもないのでスルー推奨。

4月の読書メーター
読んだ本の数:50冊
読んだページ数:10438ページ

ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手 (ハヤカワ文庫FT)ミストボーン―霧の落とし子〈3〉白き海の踊り手 (ハヤカワ文庫FT)
グレンラガンじゃねーか…。グレンラガンじゃねーか!大事なことなので二回言いました。物語とキャラクターとか、グレンラガンだよなあ。
読了日:04月29日 著者:ブランドン サンダースン
ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)ミストボーン―霧の落とし子〈2〉赤き血の太陽 (ハヤカワ文庫FT)
主人公を大人のケルシャーと少女のヴィンに分けることで、一つの世界に閉塞しないあたりバランス感覚がよろしいですね。
読了日:04月28日 著者:ブランドン サンダースン
セイジャの式日 (メディアワークス文庫)セイジャの式日 (メディアワークス文庫)
軽やかな残酷さ、甘酸っぱい悪意、と言う表現がぴったり来る感じ。
読了日:04月27日 著者:柴村 仁
舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)
乾いた笑いをあげた後、溜め息をついて、最後にまた大笑いするような話。少なくとも僕にとってはね。
読了日:04月26日 著者:野崎 まど
ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)
これ、用語をそれっぽくしたら完全に重厚なライトノベルファンタジーだよね。
読了日:04月25日 著者:ブランドン サンダースン
いつも心に剣を 5 (MF文庫J)いつも心に剣を 5 (MF文庫J)
ひ、ひどい。と言うかむごい。誰一人救われず、誰一人報われないスーパーバッドエンド。それでも人は生きなければならんと言う結論がきついなー。
読了日:04月25日 著者:十文字青
柳生陰陽剣 (新潮文庫)柳生陰陽剣 (新潮文庫)
ひどいひどいと話は聞いていたけど、予想以上のひどさでした。古代と朝鮮をつければなにをやっても良いと思ってんだろ。
読了日:04月25日 著者:荒山 徹
今日の早川さん3今日の早川さん3
作中でどんどん時間が経っていて驚く。延流ちゃんも大学生ですか。
読了日:04月25日 著者:coco
ベン・トー  5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫)
終わってみれば表紙通りあせびプッシュの回でした。嘘はついてない。
読了日:04月25日 著者:アサウラ
鎧光赫赫 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)鎧光赫赫 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
後味が悪いというか唐突感のある最後が多いが、それが物語を終わらせないで「続いていく」という感覚があって興味深い。
読了日:04月25日 著者:久慈光久
ゆるゆる (ヤングキングコミックス)ゆるゆる (ヤングキングコミックス)
タイトルの通り、ゆっるー。毒にも薬にもならんけど、最初からそれを意図しているので文句も言えん。
読了日:04月25日 著者:たかみち
鋼の錬金術師 25 (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師 25 (ガンガンコミックス)
アルの肉体との対峙がさらりと流されていて、もうそんなところにこの物語の視座は無いんだ、と改めて思った。
読了日:04月25日 著者:荒川 弘
羽月莉音の帝国 2 (ガガガ文庫)羽月莉音の帝国 2 (ガガガ文庫)
荒唐無稽でありながらリアリティがあると言うあたり、作者の嘘のつき方は詐欺師レベルだ。
読了日:04月25日 著者:至道 流星
羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)
『事実』と言うのは何よりも強い『フィクション』だなあ、なんてことを思った。
読了日:04月25日 著者:至道 流星
星灼のイサナトリ (一迅社文庫)星灼のイサナトリ (一迅社文庫)
モンハンを徹底してシミュレートした世界で繰り広げられる極めて現代性に溢れる作品。エンタメ性も高い。
読了日:04月22日 著者:大樹 連司
ZETMAN 14 (ヤングジャンプコミックス)ZETMAN 14 (ヤングジャンプコミックス)
うーんなんか話が錯綜しているな。メインラインはどこだ?
読了日:04月20日 著者:桂 正和
ミカるんX 5 (チャンピオンREDコミックス)ミカるんX 5 (チャンピオンREDコミックス)
第二期か…。序盤からいきなりクライマックスだがまあいつもの高遠るいなので、つまるところ「いくらでも来い!」な心境
読了日:04月20日 著者:高遠 るい
鋼殻のレギオス15  ネクスト・ブルーム (富士見ファンタジア文庫)鋼殻のレギオス15 ネクスト・ブルーム (富士見ファンタジア文庫)
冲方丁なら30頁で終わらせる内容を、15冊もかけて「終われない」あたり、この作品の屈託が良く表れている。説教したくなる主人公だなあ。
読了日:04月20日 著者:雨木 シュウスケ
RPG W(・∀・)RLD5  ―ろーぷれ・わーるど― (富士見ファンタジア文庫)RPG W(・∀・)RLD5 ―ろーぷれ・わーるど― (富士見ファンタジア文庫)
インターミッション回。しかし、ユーゴが危うい。責任感と虚栄心(と敢えて書く)でかなり身動きが取れなくなっている。ショウが今までフォローしてきたが、そろそろ限界か?
読了日:04月20日 著者:吉村 夜
地球美紗樹(3) (ビームコミックス) (BEAM COMIX)地球美紗樹(3) (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
第一部…未完!結局、すごく小さな話で終わってしまった。まあ小さな話であることに意味があるのかもしれない。
読了日:04月18日 著者:岩原裕二
バニラスパイダー(1) (少年マガジンコミックス)バニラスパイダー(1) (少年マガジンコミックス)
作中で一番グロイと思ったのは、化物が人を食った後にきちんと後始末しているところ。社会性のある人食いなんて最悪だよ。
読了日:04月18日 著者:阿部 洋一
神のみぞ知るセカイ 8 (少年サンデーコミックス)神のみぞ知るセカイ 8 (少年サンデーコミックス)
落とし神はまったくブレないまま成長の兆しを見せつつあるのが上手い。帯には鬼気迫るものがある。
読了日:04月18日 著者:若木 民喜
絶対可憐チルドレン 21 (少年サンデーコミックス)絶対可憐チルドレン 21 (少年サンデーコミックス)
なんか話が学校内で完結し始めてきたぞ?いつのまにこれは学園物になったんだ?(作者は本当に融通無碍だよな)
読了日:04月18日 著者:椎名 高志
月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)
最初にルールを設定しながら平気でそれをやぶるあたり、この作者は実にフリーダムだなあと思いました。すげー。
読了日:04月18日 著者:明月 千里
セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)
とてもオモチローイ。それにしても「現代」についてまで語るとは勇敢すぎるなあ(叩かれそうだ)。
読了日:04月18日 著者:前島 賢
魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)
妖美にして残酷な物語…なのだがクライマックスで突然ジョジョになるのはどういうことだ。
読了日:04月13日 著者:越前 魔太郎
戦国妖狐(4) (BLADE COMICS)戦国妖狐(4) (BLADE COMICS)
降りかかった不幸を嘆くのか前に進むのかの瀬戸際。それでも立ち位置がブレない(ブレることが許されない)たまがつらい。
読了日:04月13日 著者:水上悟志
3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)
決して届かないと思われる高みに向かって足掻き続ける生に痺れる。その結末の無常感も美しい。
読了日:04月13日 著者:羽海野 チカ
ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
褒める事も貶す事も自由自在な作風が極端に現れていてコメントに困りますが、面白い事は間違いないです。
読了日:04月13日 著者:川原 礫
少女ノイズ (光文社文庫)少女ノイズ (光文社文庫)
最終話はほとんどバカミスの領域だよな。そのストイックな物理トリックの拘りはすごいけど。
読了日:04月11日 著者:三雲 岳斗
とらドラ・スピンオフ!〈3〉―俺の弁当を見てくれ (電撃文庫)とらドラ・スピンオフ!〈3〉―俺の弁当を見てくれ (電撃文庫)
掲載された媒体のためか、ファンタジックだったりパラレルだったり一風変わった印象。能登君の話はああ男子高校生だなあと思った。
読了日:04月09日 著者:竹宮 ゆゆこ
ストラトスフィア・エデン (HJ文庫)ストラトスフィア・エデン (HJ文庫)
ありがちなガンパレ・マブラブ系かなあと甘く見ていたら、あにはからんや、良く出来たガンパレ・マブラブ系でした。
読了日:04月08日 著者:鳥居羊
高慢と偏見とゾンビ(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)高慢と偏見とゾンビ(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
名作古典がツンデレロマンスゾンビアクション小説になってます。翻案者は本当にいい仕事をした。素晴らしい。
読了日:04月07日 著者:ジェイン・オースティン,セス・グレアム=スミス
グリモア―俺の脳内彼女日記 (幻狼ファンタジアノベルス)グリモア―俺の脳内彼女日記 (幻狼ファンタジアノベルス)
凄まじいまでにご都合主義的決着を論理的にたどり着かせた手腕はすげえ。ちゃんとご都合に至る道筋が出来ている。
読了日:04月05日 著者:卑影 ムラサキ,企画屋
マップス・シェアードワールド 2 ―天翔る船― (GA文庫)マップス・シェアードワールド 2 ―天翔る船― (GA文庫)
もう新城カズマ氏の短編が読めただけで感涙もの。乾いた筆致で描かれる壮大な物語。不条理なる世界の中でそれでも意思を示す”ヒト”の命。
読了日:04月04日 著者:葛西 伸哉,笹本 祐一,新城 カズマ,友野 詳,西野 かつみ,山本 弘,あろ ひろし
クリプトマスクの擬死工作 (ノン・ノベル)クリプトマスクの擬死工作 (ノン・ノベル)
映画と言うフィクションの持つ神秘性は既に剥ぎ取られている。それでもなお神秘を求めますか?と言う話だと読んだ。
読了日:04月04日 著者:上遠野 浩平
スプライトシュピーゲル (ヤングキングコミックス)スプライトシュピーゲル (ヤングキングコミックス)
絵は綺麗。女の子可愛い。ただ「動きの描写」がね…。/あれ、一冊で終わり?
読了日:04月04日 著者:冲方 丁
オイレンシュピーゲル 1 (シリウスコミックス)オイレンシュピーゲル 1 (シリウスコミックス)
予想以上に丁寧なコミカライズぶりに安心の一言。絵で読みたい部分をきちんと描写している。でもこれ終わるまでに何十巻かかるのかな。
読了日:04月04日 著者:二階堂 ヒカル
サンクチュアリ-THE幕狼異新- 1 (ジャンプコミックスデラックス)サンクチュアリ-THE幕狼異新- 1 (ジャンプコミックスデラックス)
ふむ新撰組を題材にした山風忍法帖かな、と思ったらマーベルヒーローズでした。
読了日:04月04日 著者:野口賢,冲方 丁
保健室の死神 2 (ジャンプコミックス)保健室の死神 2 (ジャンプコミックス)
当初、ただのモブと思われていた安田君にスポットが当たるとは。次の巻にあたる話でも活躍?すんだよね。オレ、スゲー彼が好きなんだ。
読了日:04月04日 著者:藍本 松
SKET DANCE 13 (ジャンプコミックス)SKET DANCE 13 (ジャンプコミックス)
初っ端からウンコネタですげえな小学館漫画賞受賞作…と思ったら序の口だった。メル友やら透明人間やらネタがキレ過ぎる。
読了日:04月04日 著者:篠原 健太
To LOVEる-とらぶる 18 (ジャンプコミックス)To LOVEる-とらぶる 18 (ジャンプコミックス)
最後まで徹底したぬるま湯ぶりが見事。リトくんがハーレム系主人公の中ではトップクラスに好感の持てる主人公ですね。
読了日:04月04日 著者:矢吹 健太朗,長谷見 沙貴
賢い犬リリエンタール 2 (ジャンプコミックス)賢い犬リリエンタール 2 (ジャンプコミックス)
誰も悪人がいない世界でほんわか。でも、悪人がいないからといって「悪」がないとも限らないよね、って話。
読了日:04月04日 著者:葦原 大介
ぬらりひょんの孫 10 (ジャンプコミックス)ぬらりひょんの孫 10 (ジャンプコミックス)
う、美しすぎます!(羽衣狐様的な意味で)/妊婦女子高生VSヤクザの若頭ってすごい勝負だな。
読了日:04月04日 著者:椎橋 寛
銀魂 第33巻 (ジャンプコミックス)銀魂 第33巻 (ジャンプコミックス)
クリスマスネタは抱腹絶倒/陰陽師編の方は…その…キン〇マネタが衝撃的で…。
読了日:04月04日 著者:空知 英秋
めだかボックス 4 (ジャンプコミックス)めだかボックス 4 (ジャンプコミックス)
楽で確実な道よりも痛みを受ける不確実な道を選ぶという極めて倫理的部分を作品内で回収している点が最高にすごい。
読了日:04月04日 著者:暁月 あきら,西尾 維新
B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫)B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫)
ううん…。ちょっと作者が手癖で書いている気が…。別にキャラの掛け合いなんてこの作品に期待してないんだけどなあ。
読了日:04月04日 著者:綾里 けいし
笑わない科学者と時詠みの魔法使い (HJ文庫)笑わない科学者と時詠みの魔法使い (HJ文庫)
主人公の無表情設定の意味が最初分からなかったのだが、その異常性を演出するためだったのだな。
読了日:04月04日 著者:内堀優一
石霊(せきれい)と氷姫〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)石霊(せきれい)と氷姫〈下〉 (幻狼ファンタジアノベルス)
主人公たちのやる事なす事が尽く裏目に出て行くのだが、そこで弱気にならず最後までペテンを貫き通すところが偉い。
読了日:04月01日 著者:西魚 リツコ
薔薇のマリア  13.罪と悪よ悲しみに沈め (角川スニーカー文庫)薔薇のマリア 13.罪と悪よ悲しみに沈め (角川スニーカー文庫)
SIXを打ち砕くのは汚濁を知り屈辱に塗れなお意思を捨てない「彼女」か。それがSIXにとっての希望だったのか
読了日:04月01日 著者:十文字 青

読書メーター

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2010.05.13

『少女ノイズ』

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少女ノイズ』(三雲岳斗/光文社文庫)を読んだ。

文庫版を購入したのだけど、帯の有川浩のコメントがひどい。ひどすぎる。一応ミステリ作品に対して、「ぶっちゃけミステリ部分はどうでもいい」とか書いちゃうのかー。まあそれをのせる作者や編集者も相当なものだと思うけど。まあつまりあざといわーと言いたいだけなんだけど。

犯罪現場の写真を撮ることに固執する主人公や、人間の闇にしか興味を示さないヒロインなど、乙一のGOTHを思わせる暗黒青春ミステリのような印象を読み始めた当初は持ったのだが、読み進めていくうちに、これはものすごくまっとうな恋愛小説なのかもしれないと思ったのだった。少なくとも、人間の闇とか怪物性そのものには焦点が当たっていない。そうした描写はあるにはあるが、そんなものは人間の存在には当たり前であり、誰もが持っているものに過ぎないという割り切りを感じさせられた。そこには諦念とも取れるその描写でありながら、しかし、物語は一貫して明るさを失わない。犯罪を描きながら、犯人の異常性をことさらに書き立てるのではなく、するすると受け入れる軽さがある。それは見方によっては描写の浅さと取れなくも無いが、同時に飄々とした軽さを作品に与えてもいるように思う。例えば、トリック関連については、あくまでも事件そのものはトリックありきで作られているのが興味深い。トリックと言うか事件そのものは主人公たちには何の関係もない(最初の事件を除く。あれだけは唯一主人公の事件だ)、この世のどこにでも起きている悪意と誤解が招いた悲劇に過ぎない。それを過剰に賛美も貶めもしない中庸な態度は好ましく感じるのだ。

事件を通じて、主人公とヒロインは、少しずつその距離を縮めていくことになる。ミステリ部分と並ぶ、この作品のもう一本の軸であるキャラクタ小説的な側面がそこにある。事件の一つ一つが、主人公とヒロインの内面を揺さぶるものになっており、そのことによってお互いを意識していく(主人公側は最初からヒロインに魅せられたところがあるが)。こうした関係性の変化を、丁寧に描いているところは評価したいと思う。

ただ、最終話はミステリ的にもキャラクタ小説的にもやや強引であったように思えた。事件のトリックはものすごい強引というか強弁だし(ほとんどバカミスだぜ)、ヒロインのキャラもやや崩壊気味で、まるでラノベのツンデレみたいになっている。それまでは極めて抑制の効いた描写であっただけに、突然の弾け具合に(とは言っても同作者のラノベシリーズに比べればはるかに抑制されてはいるのだが、相対的な問題として)違和感を感じないでもない。もしかすると本当はもっと続けるつもりだったのが、何らかの事情で最終回にせざるを得なかったのではないか、とか邪推をしてしまったりもするのだが、まあバカミスもラノベキャラ造型も自分は嫌いではないので、これはこれでいいんじゃないかと思わなくも無い。

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買ったもの

1.『闇狩り師キマイラ天龍変(2)』 原作:夢枕獏 漫画:伊藤勢 徳間書店

買った。

最近、体調が優れないというか、意識が夜中まで持たなくて困る。仕事が終わった時点で疲労困憊。なかなか疲れが取れないのはもう歳ってことなのかねー。

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2010.05.12

買ったもの

1.『ありすとBOBO2 -下町決戦兵器マスラオ-』 川崎康宏 GA文庫
2.『シャギードッグV 虹の幕間』 七尾あきら GA文庫

買った。

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2010.05.10

『ストラトスフィア・エデン』

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ストラトスフィア・エデン』(鳥居羊/HJ文庫)を読んだ。

読む前の先入観として、あーガンパレやマブラブっぽいなー、と思っていたらそのとおりだったでござる。ただ、作者はわりと丁寧に作っているようでなかなかに好感が持てる。例えば、なんだって主人公たちのような子供がロボットに乗っているの?と言うところにもそれなりに説明をつけているところや、なんと言っても組織としての人類軍を描いているところはさすがミリタリー系を好む作者らしい。主人公たち以外にも、当然ながら軍人はたくさんいるし、また敵に対する考え方も千差万別なのだ。まったくこれは当たり前のことなのだが、主人公たち、子供たちだけの狭い世界の話だけに収めていないところは、このジャンルの作品としては好感が持てるのだった。安易なセカイ系に陥りがちな部分は今のところ回避はしているんじゃないかな(セカイ系が悪いといっているんじゃないよ。一概に良いとも思わないけど)。

物語としては導入も導入。主人公たちの紹介と世界の説明。主人公が繊細なようで図太く、鈍感なようで敏感なけっこう面白いキャラクターなので、彼を中心に話を動かしていくだけでもけっこう面白く読める。ただ、ボーイミーツガールの物語としてはやや弱く、ヒロインが主人公に接近していく(あるいはその逆)が感覚的に理解し難いという点はあるかもしれない。と言うか、僕はよくわからんかった。だけどまあ、作者の興味と言うか語りたいことは、ボーイミーツガールと同じくらい世界とロボットと軍の描写の方にあるらしく、そのバランスは面白いのではないかと思った。このあたり、前作が美少女とのラブコメと特殊部隊ものの両方を描こうとした前シリーズを思わせるところもあり、作者独特のバランス感覚を改めて感じるのだった。まあでもわりと自分は好きよ、そういうバランス。

あとはどんだけミリタリー部分が評価されるかと言うことかねえ。このあたり、ラノベでやってもあまりウケが良くないから…。作者が将来妥協してラブコメオンリーの作品を書いたりしないか、今から心配だ。そんなタイプは腐るほどいるんでいらんのですよ!作者は作者の独自路線を貫いて欲しいわけですよ!などと適当なことを囀るのであった。

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雑記

・『スノウピー』の感想を書いたら、作者の山田有先生についったーで反応していただいた。作者の方もここを見ているのだ、と思うとなんとも言えない緊張感が。ありがたいことである。

・最近話題の『魔王と勇者』を読む。大変面白く、正直、最後あたりは涙が出てきそうになったことは明記しておかなければなるまい。しかし、読み終えるのに1週間ぐらいかかった。かなり重い。

・『いばらの王』劇場版を観てきた。実にB級ハリウッド映画に仕上がっていて、ある意味感動的だった。違うのは主人公が眼鏡の女の子ってだけだな(ハリウッドアクション映画で少女が主人公と言うのはほとんど見ないし)。特徴的なのがマルコさんの扱い。ものすごいハリウッドヒーローっぷりに感心。

・最近、ループとパラレルの話でいくつかのエントリがブクマされていることに気がついた。ブクマされて初めて自分がこんなことを考えていることに気がついて、ちょっと驚く。それぞれの記事について関連して書いたつもりはまったくなかったのだが、一連の流れに自分の思考の推移が見えて、面白かった。ばらばらだったものが一つに繋がっていく快感とでも言えばいいのか。

・上のブクマに関連して。シュタインズゲートについてもブクマされていたのだが、その1と堂々と明記しておきながら、その2を書くのをすっかり忘れていたことに気がついた。まあPC版を買ったら続きを書こう。

・『WHITE ALBUM2』を買おう買おうと思いつつ毎日忘れる。実はあまり欲しくないんじゃないだろうか。そうかもしれない。

・エンジェルビートを観ていると頭がくらくらしてくるのだが、これについてはそのうち書くかもしれない。書かないかもしれない。

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2010.05.08

『スノウピー(1) スノウピー、見つめる』

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スノウピー(1) スノウピー、見つめる』(山田有/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

とても可愛らしい作品で、自分はわりと好き。文章表現に面白いセンスがあって、冒頭から「ポッキーチョコレートのようにまっすぐ前に進むしかない」みたいな表現があって、面白いなあ、と。強い決意のわりにすぐ折れそうなふわふわした感覚。愛らしいとさえ言える文章です。この文章表現のセンスは、ライトノベルと言うよりも児童文学的であり、さらに言えば子供の頃に読んだジュブナイルファンタジーを思わせる。

そして物語もまたとてもとても愛おしいタイプの物語であった。人間関係に不器用で、人の心を推し量ることの苦手な少年がいる。彼は上手く誰かと交流することが出来ない。なぜなら、彼は生まれつき不思議な出来事に巻き込まれやすい体質の持ち主であり、生まれながらにして他の人間とは違う世界を見ながら生きている。それゆえ彼は生まれてこの方”自分にとって紛れも無い現実を他人に理解してもらえない”と言う経験ばかり積んできてしまったからだ。最初から人の心が理解出来ないから人とは違うものを見てしまったのか、あるいは人とは違うものを見ていたから人の心が理解出来なくなったのか。それは実は正しい問いではない。人の心などは最初から分からないものなのである。なので、必要なのは”成功体験”による”共同幻想”に他ならない。誰かと同じ現実を見ているということ、それは錯覚である。人は誰しも別の現実を生きている。ただ、それが同じものであるという”錯覚”をしているに過ぎない。それを支えているのは、幼いときからの”成功体験”、すなわち”肯定されること”である。過去、自分の現実を肯定されているからこそ、現在の現実もまた肯定されるという認識を得ることが出来るのだ。

ならば、生まれてから”自分の現実を否定され続けた”としたら?現実を共有するという”錯覚”を肯定されることがなかったとしたら?それこそが妖精の眼(グラムサイト)の持ち主の悲劇である。他者と同じ現実を見ることが出来るという、”自信”と”自覚”が育まれることはない。それゆえに誰かのやる事を同じように出来ない。誰かの感じるように物事を感じられないのだ。

そういう人間に充分ではないのは、つまるところ”自己を肯定する”と言う体験であり、そしてこの主人公に足りないのもまたそれなのである。主人公は自分の空気の読めなさっぷりにほとほと愛想が尽き果てており、もはや諦めの境地に達しているものの、それでも失敗が堪えないというわけではない。むしろ失敗するたびに、自己の否定感を深めていく。ただし、これは間違えてはならないところだが、そこには己の実存に対する大袈裟な葛藤とか、苦しみとかがあるわけではない。ただ、「ああ、またか」と思うだけだ。「また伝わらなかったのか」と思うだけなのだ。つまりこれは苦しみではなく、”絶望”の問題なのである。それはまさに軽薄な絶望(穿った見方をすれば絶望とはすべからく軽薄であり素っ気無いものであると言える)。

なので結論を言うと、この作品は”絶望”についての物語であり、”絶望”を乗り越える物語なのである。自己肯定感を欠いている主人公が、己の自己否定の呪縛から一歩前に踏み出すのだ。そんな主人公を導くのが、主人公よりもさらに他者との関係から外れている”スノウピー”。スノウピーは、そもそもが他者と交流することのない、”孤”の存在であるらしい。そんな彼女は主人公にとっては初めて自分の現実を肯定してくれる存在なのであるが、同時に他者でもある。他者との関係には摩擦があり軋轢が存在するが、その摩擦の存在こそが交流の証。主人公はこれまでぶつかり合うことさえ出来なかったのだから。

しかし、ここで終わらせなかった点を自分は評価したいと思う。すなわち異界の住人であるスノウピーによって主人公の自己肯定が満たされてしまうのは、いささか危ういものを孕んでいると思うのだ。スノウピーによって肯定感を満たしてしまうのは、他者との現実を共有しているという”錯覚”から抜け出すものではなく、むしろ”錯覚”を助長する。ただ、他の現実と共有できなかったから自分にとって都合の良い現実を選んだに過ぎない。そこで重要になるのが可香谷さんである。彼女は主人公とは延々とすれ違い、最後まで二人の関係は噛み合うことはなかった。そのことによって事態を悪化させることもあった。お互いの現実を共有するということに対して”肯定”を得ることが出来なかった。それでも、スノウピーの存在がテコになり、”お互いが現実を共有することはなくとも、それでも一緒にいることは出来る”と言うことを、”物語”を通じて見出した結末は、見事な落としどころだったように思うのである。

それは異世界を描きながらも夢想を語らず、正しく冷酷な真実を受け入れながらも希望を紡いでいくという点で、まさしく正しき意味で”ファンタジー”そのものと言えよう。

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買ったもの

1.『星の舞台からみてる』 木本雅彦 ハヤカワ文庫JA
2.『七花、時跳び!―Time-Travel at the After School』 久住四季 電撃文庫

買った。

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2010.05.07

買ったもの

1.『いちばんうしろの大魔王act1~9』 水城正太郎 HJ文庫
2.『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(6)』 伏見つかさ 電撃文庫
3.『神様のメモ帳(5)』 杉井光 電撃文庫
4.『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』 哀川譲 電撃文庫
5.『天龍八部(5) 草原の王国』 金庸 徳間文庫

買った。

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2010.05.06

『カンピオーネ!(6) 神山飛鳳』

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カンピオーネ!(6) 神山飛鳳』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。

冒頭のアメコミヒーロー風展開は、文体まで改造していて作者はやたらと器用だなあと感心してしまった。テンションもやたらと高いので、作者もノリノリでやっているみたい。それってイエスだね!ジョン・プルートー・スミスは突然出てきたにしてはその行動といい正体といい異常なほどキャラが立っており、さすがカンピオーネは存在力が違う、などとどうでもいいことに感心したりもした。

ともあれ、今回はカンピオーネたちの奇人変人話としても非常にレベルが高かったのが嬉しいところだった。もちろん羅豪教主のことである。今まで大概に変人ばかりだったカンピオーネの中でも突き抜けておかし…いや面白い人でした。ある意味浮世離れしているというか、独自の世界観を持ち、さらにそれを押し通すだけでのエゴと、実力を兼ね備えているという、まさに触るな危険!と言う言葉を体現した人物である。物語の登場人物としてはこれほど魅力的な人物もあるまいと思わせられるが、実在していたら半径10キロ圏内には絶対に近づきたくねえな。他にもカンピオーネとして黒王子が出てきたけど、この人はふつーだなあ。ちょっとした出番が無いので、本質がまだ見えてこないだけかもしれないが、ふつーに権力者で実力者っぽいのだが…。キャラが圧倒的に薄いのだが、今後どうにかなるんだろうか?

まあそのあたりはおいておくとして、とにかく楽しい作品。全編に渡って羅豪教主が大活躍…するとともに大迷惑を掛け捲るという展開で、護堂を始めとして草薙ハーレムの面々も振り回されまくる(命の危険込みで)。それに必死で対抗する護堂が、抵抗すればするほどにどんどん機嫌が良くなって愛想が良くなって攻撃はさらに苛烈になるという作者曰くデレ拳の使い手である教主は本当に魅力的だなあ、と思いました。無論実在したら(以下略)。

毎回注目している草薙ハーレムの人間関係にもわりと大きな展開があり。前回はすっかり駄目子ちゃんだったリリアナがようやく自分の立ち位置を見定めたらしく、エリカの一人勝ちの現状を切り崩しにかかりました。まだエリカの方が切り札は多いと思うけど、護堂との賭けの勝敗次第ではパワーバランスをひっくり返すことも可能だろうか?まあ護堂との賭けは読者から見れば賭けになっていないので(と言うより賭けが成立していると思い込んでいるのは護堂だけなのだが)、そこからどのように対処するかが重要になるのかもしれない。バトルの行方とともに、ハーレムの行方も気になる。ものすごい気になる。むしろバトルより気になる。

羅豪教主も大変面白い人なので、今後も登場して欲しいものだなあ。ジョン・プルートー・スミスもどうやら次の巻で登場してくる(のかね?)ようなので、果たしてカンピオーネが3人も揃ってしまった日本で何が起こるのやら…。復活した猿猴神君の動向も含めて期待していきたい。

以下雑感。

アーシェラはどうなったのかなあ…。そもそも、自分が生贄になることを承諾するなんて、残りの寿命が少ないからといって、一体どんな理由があれば出来ることなんだぜ?そこがどうしても納得がいかないので、この作品における神祖と言うものの立ち位置になにか関係があるのかもしれない。

護堂と羅豪教主の決着は、どーなんだろうな。かなり単純なフェイントであったとは思うのだが、教主としても超々高速戦闘は集中力を消費するものと考えておけばよいのかな。

護堂の新たな権能っぽいやつは、やっぱり天叢雲剣ですかねえ…。

猿猴神君の事件を解決したら、間違いなくひかりはハーレム入りになっちゃうよな。ああ、エリカよ、状況は極めて不利だぞ!頑張るんだ!

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買ったもの

1.『少女素数(1)』 長月みそか 芳文社
2.『ジンキ・エクステンド ~リレイション~(2)』 綱島志朗 角川書店

買った。

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2010.05.04

『烈風の騎士姫(2)』

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烈風の騎士姫(2)』(ヤマグチノボル/MF文庫J)を読んだ。

超王道な騎士物語の古典、と言うか三銃士を現代ラノベナイズするとこうなるという見本ですね。古い酒を新しい袋に、という感じ。そしてそれはまったく悪いことではなく、むしろ古典的な物語を現代に蘇らせたという意味で、ヤマグチノボルの志は高い。古典作品は実は無類に面白い作品が山ほどあるのに、それを読まないでいるのは勿体無いことこの上ないと常々思っているので、ヤマグチノボルが古典的な物語の面白さに着目してくれたのはとても嬉しいことだ。世間一般においてはヤマグチノボルといえば美少女ラブコメ小説ばかり書いているという印象だが、きちんと物語の面白さと言うものに拘っている作家でもあるという認識を新たなものにした(まあ売れているからこそいろいろ実験的なことも出来るのだろうけど)(もちろんネタに困って古典からネタを持ってきただけと言う可能性もあるが、別にそれはそれでも良い)。

古典古典と連呼してしまったが、それに違わず物語は超王道。悪い言い方をするとベタである。自分の過失によって死んでしまった恋人が目の前に現れ苦悩するサンドリオン、自分の未熟さに歯噛みしながらも持ち前の勇敢さ(無謀さ)で陰謀に立ち向かうカリンの物語は実に王道であるし、ありがちと言えなくも無い。だけど、それは物語の面白さにはなんの瑕疵にはなっていないと自分は思う。サンドリオンの苦悩はファンタジー的な描写ではあるが、非常に普遍的な苦悩であって、人々の共感を得られるであろうし、カリンのように未熟さに苛立ち、無謀な行為で失敗をしてしまうことも多くの人が経験していることであろう。つまり、”王道”とは”ベタ”とは、言い換えれば”極めて普遍的な真実”であると言うことが出来る。誰もが通り過ぎる物語であり、誰もが経験する真実なのだ。誰もが経験するからこそ、それは王道と呼ばれ、ときに陳腐とさえ言われることもある。しかし、たとえいかに陳腐と言われようとも、その普遍性はだれにも否定することの出来ないものであることもまた、事実であろう。

これは自分の妄想としか言えないものであるが、ヤマグチノボルはあえてベタを志向しているように思う。ゼロの使い魔は世界が広がりすぎて半ば群像劇的な要素を持ち始めた大河ロマンの様相を呈してきているが、烈風の騎士姫においては、もっと小さく、個人的で、現代人とは異なるメンタリティを持つ異世界の、しかし共感の持てるキャラクター(ここが現代ナイズされている部分)が活躍する冒険物語を描こうとしているのではないか。最初にも書いたが、無類の面白さを誇るデュマの精神を現代に蘇らせようとしているのではないか、と思うのである。

この作品を読んで面白かったと思った人は、是非古典にも触れていただきたい。アレクサンドル・デュマは、とても面白いですよ。

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2010.05.02

『アンシーズ(3) ~刀侠戦姫飛恋録~』

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アンシーズ(3) ~刀侠戦姫飛恋録~』(宮沢周/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。

あとがきを読む限りでが一応完結らしきことを書いてあったけど…なんか続きそうな感じもあるな。売り上げか?続編は売り上げの問題なのか?それとも他に理由があるのだろうか。まあどうでもいいが。

一風変わった設定のバトルロイヤルとして面白かったのだけど、とりあえず生徒会長がラスボスとして出張って来てくれたので、なんとか収まりがついたような気がする。そもそも、なんでこのバトルが起こっているの?とか、この空間はなんなの?とか、誰が管理しているの?とか全然何にも明らかにされないまま、とりあえずヒロイン(?)と因縁のある悪い奴をぶちのめしてハッピーエンドだぜ!で締められております。根本的な問題にはほとんど言及せず、か…。まあそこまで突っ込むと3巻で収拾をつけるのは不可能だったろうし、そもそも主人公がとにかく流されやすい(作中でも突っ込まれている)性格なので、現状に適応するだけで、そこから根本的な問題にまでは目が行かないタイプなので、素直に読んでいるとそれほどそちらには読者の目は行かないようになっていたのは、個人的には上手く誤魔化したなあと言う感じ。

その中でミツウさんがただ一人世界の謎と対峙したりしているところを見ると、むしろこの人がメインヒロインなんじゃないかとか思えてくるな。いや、これは単に自分がミツウさんが好きなだけなんだと思うけど。でも、基本的に彼女は主人公一筋なので、世界の謎にアクセスできる高みにまで届きながら、結局、主人公を助けることに尽力してしまうあたりも、作者の手腕が光っていた。確かにミツウさんなら世界の謎なんて漠然としたものよりも、主人公を助けることを選ぶよ。間違いないね。と言うわけで世界の謎はここでも棚上げと言うことに…。

個人的にはね、冒頭の少女二人の会話にはドキリとしたんですよ。お?作品をそっちに持ってちゃうの!?ひょっとしてセカイ系の最先端をいっちゃうの?みたいな。まあ結局ミスリードだったわけだけど…ん?実はそうでもないのかな?あのあたり、どうも不自然なところが多くて(”先輩”の存在とか)、なんかいろいろ示唆的なんですよね。もしかするとあのあたりに世界設定の裏が匂わされているのかも。ちょっと機会があれば読み直してみよう。

最後のクライマックスで絶体絶命に陥った主人公たちが復活して反撃する展開も、お約束といえばお約束なんだけど、きちんと1巻からの伏線を解消する形になっていたのは良いのではないか。理屈を一つつけるだけで、ご都合主義も随分印象が変わるものなんだな、と感心させられてしまった。あるいはミツウさんの介入もあったのかもしれない(ミツウさんの介入範囲はどの程度なのかは、描写されていることを疑ってみるのもいいかもしれない。もしかしたらもっと根本的な”何か”にアクセスしている可能性も…いやさすがにこれは妄想か)。

まあ、ただ現時点で確定しているのは、この世界は「思い込みの世界」だということですよな。ヒカルさんが戦うことが出来た、と言う時点で、そもそもこの世界のルール自体がまやかしの可能性がある(そもそもルールを誰が決めたんだよ、と言う疑問があるがそれを言っていては話が進まない)。そして、彼ら(彼女ら)の主観に基づいて世界が書き換えられている(ここも不思議なところで、世界が書き換えられているから主観も変わっているのか、はっきりしない)。なんかすごく恣意的な世界なんだよな。なので、冒頭の少女たちの会話には、おお!と思ったのだが…ううむ。これはどう考えればいいのだろう…。

で、さっきも書いたけど、一応、悪の親玉の生徒会長は滅びた!俺たちの戦いはこれからだ!で終わりました。うーん…まあ良いんだが。良いんだが、釈然とせんなー。僕が興味を持っていたもののほとんどが放置されてしまった。これは是非第二部、あるいは続編、またはスピンオフ、せめて同一世界の話を書いていただくしかございませんね。いきなり要求してしまったけど、ともあれお疲れ様でした。

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買ったもの

1.『MUSIC』 古川日出男 新潮社

買った。

ようやく仕事が一段落して、ほっとしました。忙しいというより、意識のすり合わせで苦労したという感じ。昨日はちょっとぼんやりして過ごしてしまった…。

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