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2010.04.27

『コトノハ遣いは囁かない(2)』

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コトノハ遣いは囁かない(2)』(木村航/MF文庫J)を読んだ。

二巻で終わらないだと!?と言う点にもっとも驚いてしまった自分は相当に失礼な読者であることは疑いの余地がない。申し訳ない。しかし、いまだかつて作者作品の中で3巻に到達しているは、さされさんにぴよぴよに…それぐらいだもんな(てゆかぴよぴよの続きどーなってんの?)。はっきり言って不遇と言うしかない作者がついに再び3巻に到達したかと思うと感無量である。もし4巻まで行ったら奇跡と言うほかない(本当に失礼だなお前は)。まあ続いてくれるといいんだけどね…。

と言うわけで2巻なわけだけど。よしよしよし。やっぱり魔女さんの物語になって来たぞ。予想通りと言うか期待通りだ。そもそもナイトメアそのものは悪でもなんでもない。ただ、それは”人間にとっての悪”でしかない。それではそれを”払う”という魔女とはいったい何者、いや何なのか?魔女であることに誇りを持ちつつも、そうではない自分と言うものに強烈な憧れを秘めている然葉を惑わす新たなる魔女の存在。あの存在は、おそらく魔女の暗黒面を表しているのだろう。もっともワガママに、もっとも欲望に忠実に魔女として生きた場合の然葉の姿だ。魔女。それは一過性の、少女のときにしか使えない力を振るう存在。と言うことは、彼女が”成長”するときには、魔女であることから離れなくてはならない。果たして彼女は魔女でない自分を受け入れることが出来るのだろうかね。おそらく物語はそこに収束していくことになるのだろう。

また、結貴や真弥は、おそらく然葉の対になる存在にして鏡のような存在なのではないだろうかと思える。結貴は、なんと言うか、やたらと成熟している人格なんだよなー。主人公的な立ち位置というか、そもそもこの作品は彼の視点で物語られているにもかかわらず、驚くほど”彼自身”についての記述が少ない。描かれるのは、彼から見たさらばの姿だけと言うところは特筆すべきところではなかろうか。つまり、この作品の主人公は、実質的にはさらばであり、結貴は狂言回しなんだよね。語り部と言うか、傍観者的な立ち位置。では、ヒロインは誰なのかと言うと、これが当然のごとく真弥なんですが、このヒロインは間違いなく結貴に好意を持っているのに、物語的には主人公のさらばに対するヒロイン(と言うより、彼女こそがさらばの対の存在)としてあるのだ。彼女(と結貴)はさらばのたどり着けない領域を見せつけ、さらばを引っ張りあげるところがある。魔法に自分の存在意義を託しているさらばに、別の存在意義を与えることが二人に出来るのかと言うところがこの作品の落としどころになるのだと思うのだが…。

今回の結末はどうなんだろうね。さらばがついに自分の感情を認めたわけだが…果たしてここからどうなるのかさっぱりわからん。まさかここからラブコメになるとは思えないが…。

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