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2010.03.07

『ラプンツェルの翼(4)』

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ラプンツェルの翼(4)』(土橋真二郎/電撃文庫)を読んだ。

ユーロランド編完結(作品自体が完結しているのかどうかは知らん)。当初は寄生獣+美少女同居もの+バトルロイヤルで始まったこのシリーズも、最終的にはいつもの土橋を経由し、最後は派手なバトル展開に。なんとも贅沢な構成をしているとも、統一感がない構成とも思える。まあ、作者の作品的にはいつものことではあるんだけど…いつかネタ切れを起こすんじゃないかと心配だな。余計なお世話だと思うけど。

で、ようやくユーロランド編におけるクーデターが終わったわけだけど…うん、正直これが物語的にどういう意味があったのかよくわからんな。天使と人間はお互いに理解しえるのかと言う問題…ではなく、理解しあうことは出来ない別種でありながら、それでもお互いに理解し合えるのかと言うところがこのシリーズのメインテーマだと思っていたんだけど、ここまで来ると天使と人間の差異なんてまったくないじゃん。冷たい合理性を是としていたはずの天使も全然合理的な判断をしないし(”お姉様”も結局憎悪で行動しているしな)、天使と言っても普通の女の子でしかないような描写がされている。これをどのように判断すればいいのか、正直、よくわからねえんだよなー。その、本来、ディスコミュニケーションしかありえない天使と人間も、お互いを信頼することで、友情もあり、愛情も育めるということ、なのか?たしかに、今回の事件において、お互いを信頼できないことによって次々と問題が悪化していくことになったわけだけど、それを解決出来た理由が、本当にただの信頼によるものでしかない、言い換えれば”信頼”と言うものが無謬であるところが、どうもその、釈然としない。うーん、でも、自分でも上手く解釈できていない部分があるので、もっと別の意味があるのかもしれない。

しれないのだけど、正直、現時点では、かなり作品が恣意に流れていると言うか、既存の結論に回帰してしまったかな、と言う印象が強い。もう天使がただの女の子にしか見えないんだもん。一巻の頃の、少女にように見えながら、昆虫めいた人外の存在との、一歩一歩さぐるようなコミュニケーションに感心した自分としては、どことなく釈然としない。まあ極限状態において、何を信じるべきか分からない状況で、ギリギリの判断をしていかなければならないと言うサスペンス的な部分はさすがの作者と言う感じだったので、そのあたりには不満は無いです。その辺は誤解のなきようお願いします。

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