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2010.02.23

『U.F.O. 未確認飛行おっぱい』

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U.F.O. 未確認飛行おっぱい』(大橋英高/ファミ通文庫)を読んだ。

タイトルからすでに内容の想像がつくが、まあ大体そんな感じの話。おっぱいおっぱい。要するに物語構成要素(主人公の異能、物語に関わる動機、ヒロインの存在意義、物語の駆動要因)のほぼすべてがおっぱいに集約されるという極めてエッジの効いた作品であるわけで、極めてメタフィクショナルな側面を持っていると言わざるを得ない。物語の構成要素を丁寧に”おっぱい”に置き換えているあたり、作者の挑戦的な姿勢がうかがえるのだが、それでいておっぱいによって物語的が動いていくというところに不自然さが少ないあたり、むしろ堅実な手腕を言えるのかもしれない。まあそれによって紡がれる物語が面白いのかどうかと言うのは実のところ分からないのだが、少なくともこの発想と、発想を具体化した点に、極めて”狂気”と呼ぶ他の無い情熱を感じさせられた。その結果はどうあれ賞賛せざるを得ない。作者すげえ。ついでにこんな作品をデビューさせたファミ通文庫編集部もすげえ。ただ、物語の構成要素がおっぱいにすべて置き換わっていること以外、純粋に物語としてみるならまあ普通のライトノベル系異能伝奇であるという点は残念ではあった。自分の期待としては、もっとむちゃくちゃをやっているかと期待していたのだが…。おっぱいパワーがあまり重要な要素になっていなかったのは少し納得がいかない。主人公のおっぱいパワーが血統的なものから生じる異能であるというのは、ライトノベルのパロディとして成立していると思うのだが、個人的にはパロディならパロディを貫いて欲しかった。まあおっぱいビームはだれもが予想しながらも期待していたところだったので、ベタを貫いたという点は評価するべきなのかもしれないが…(バカな設定ですごくベタな事をやるというのは、ある種の批評精神を感じさせる)。ともあれ、いろいろライトノベルと言うものの意義を考えさせられる興味深い作品であったことには違いない。作者にはより一層の批評精神を発揮しての活躍を期待したい。

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