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2010.02.26

買ったもの

1.『真月譚月姫(7)』 佐々木少年 アスキーメディアワークス
2.『バカとテストと召喚獣(7.5)』 井上堅二 ファミ通文庫
3.『サクラダリセット(2)』 河野裕 角川スニーカー文庫

買った。

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2010.02.25

買ったもの

1.『さらい屋五葉(7)』 オノナツメ 小学館
2.『アスカ―麻雀餓狼伝』 吉村夜 スーパーダッシュ文庫

買った。

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2010.02.24

『神さまのいない日曜日』

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神さまのいない日曜日』(入江君人/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

自分は美しいものが好きです。美しいものを見ると泣きたくなります。これはあるところで見た言葉ですけど、それは悲しいから泣くのではなくて、美しいものを見たと思うから泣きたくなると言う言葉があって、自分もまさにそれで泣くのです。なにかがかわいそうだから泣くのではないのです。

で、この作品の話になるんですが、どうやら作者もまた”美しいもの”を愛している人なんだろうな、と思ったのでした。別に感動的な話を書きたいわけではなく、お涙頂戴のを描きたいわけではない。読者を泣かせようとはしていません。アイは決して感情移入できるキャラクターではありません。その行動原理は直感的であり、理性的なものではありません。彼女の言動が読者に理解出来るようになるのは、物語の中盤以降になってからです。また、同様に主人公的な役割を担うハンプニーもまた感情移入の対象となりえません。物語の視点が常にアイに固定されていることもありますが、彼の内語は、本当に最後の最後まで明らかにされず、彼の行動はときに支離滅裂で、理不尽でさえあります。彼の行動原理のブレは実は無く、明らかになるのは物語の最後の方になります。

つまり、作者が描きたいことは、キャラクターそのものではないということです。これは自分の妄想です。あまり論理的な結論ではありませんが、出来ればご容赦をいただきたい。ただ自分が感じたことを書きます。

では何を描きたいのか。アイとハンプニーの、あまりにも短い刹那の関係性であると自分は思ったのでした。”すべての死者が死なない世界”において紡がれる、二人の物語。それは、その異常な世界観だからこそ紡ぐことが許された、奇跡的な出来事であると感じます。世界がこのように異常でなければ、このように二人が出会うことがなかった。そして最後のような救いを得ることはなかった。最後のような別れを味わうことなどなかった。世界は残酷であり無慈悲であり理不尽であり狂っているのだが、そのようになっていなければ二人はこのようにあることは出来なかった。

それを自分は美しい、と感じます。その二人のあり方が美しいと思います。世界は滅亡しており、死者は蘇り、世界はゆっくりと狂っている。醜く、おぞましい世界。だが、おぞましいからこそ、そこに美しいものが生まれる。吐き気がするほどの絶望の上に、人は美を見ることが出来る。作者が描きたかったものは、おそらくそのようなものではなかったないか、と思うのでした。

しかし、あたかも前言を翻すようですが、正直なところ、自分はこの作品はそれほど満足はしていません。一つの作品として考えるとどこか物足りない。絶望が足りない。狂気が足りない。希望が足りない。どこか甘い。そう思います。いろいろラノベ的な不純物も多く、もっと美しく出来たはずだという想いもあります。しかし、美しいものを描こうとした作者の意思は認めざるを得ないし、その意思の下に描かれたラストシーンは、確かに美しかったと思います。何の意味もなく、価値もなく、ただ”終わった”だけの最後は、確かに”きれいなもの”であった。

その一点のみでも、自分はこの作品を肯定したいと思います。

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2010.02.23

『U.F.O. 未確認飛行おっぱい』

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U.F.O. 未確認飛行おっぱい』(大橋英高/ファミ通文庫)を読んだ。

タイトルからすでに内容の想像がつくが、まあ大体そんな感じの話。おっぱいおっぱい。要するに物語構成要素(主人公の異能、物語に関わる動機、ヒロインの存在意義、物語の駆動要因)のほぼすべてがおっぱいに集約されるという極めてエッジの効いた作品であるわけで、極めてメタフィクショナルな側面を持っていると言わざるを得ない。物語の構成要素を丁寧に”おっぱい”に置き換えているあたり、作者の挑戦的な姿勢がうかがえるのだが、それでいておっぱいによって物語的が動いていくというところに不自然さが少ないあたり、むしろ堅実な手腕を言えるのかもしれない。まあそれによって紡がれる物語が面白いのかどうかと言うのは実のところ分からないのだが、少なくともこの発想と、発想を具体化した点に、極めて”狂気”と呼ぶ他の無い情熱を感じさせられた。その結果はどうあれ賞賛せざるを得ない。作者すげえ。ついでにこんな作品をデビューさせたファミ通文庫編集部もすげえ。ただ、物語の構成要素がおっぱいにすべて置き換わっていること以外、純粋に物語としてみるならまあ普通のライトノベル系異能伝奇であるという点は残念ではあった。自分の期待としては、もっとむちゃくちゃをやっているかと期待していたのだが…。おっぱいパワーがあまり重要な要素になっていなかったのは少し納得がいかない。主人公のおっぱいパワーが血統的なものから生じる異能であるというのは、ライトノベルのパロディとして成立していると思うのだが、個人的にはパロディならパロディを貫いて欲しかった。まあおっぱいビームはだれもが予想しながらも期待していたところだったので、ベタを貫いたという点は評価するべきなのかもしれないが…(バカな設定ですごくベタな事をやるというのは、ある種の批評精神を感じさせる)。ともあれ、いろいろライトノベルと言うものの意義を考えさせられる興味深い作品であったことには違いない。作者にはより一層の批評精神を発揮しての活躍を期待したい。

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買ったもの

1.『シドニアの騎士(2)』 弐瓶勉 講談社
2.『XBLADE(9)』 原作:イダタツヒコ 漫画:士貴智志 講談社
3.『シンバシノミコ(1)』 光永康則 集英社
4.『怪物王女(11)』 光永康則 講談社
5.『百舌谷さん逆上する(4)』 篠房六郎 講談社
6.『ローゼンメイデン(3)』 PEACH-PIT 集英社

買った。

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2010.02.22

『夏海紗音と不思議な世界(1)』

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夏海紗音と不思議な世界(1)』(直江ヒロト/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

なんか読んだ瞬間にジャンルを間違えたような気がした。唯我独尊なハルヒ系なヒロインがいるものの、根本的にはこれ児童文学だもんなー。それも海洋冒険小説風の。ヒロインの描き方が記号的ではないあたり、最初からライトノベルを書くつもりもないみたいだ。これはあくまでも異世界に飛んでしまった主人公が、そこで少女と出会い、一風変わった冒険に旅立つという、実に古典的かつ由緒正しい児童文学なのである。過剰なお色気もなく、友情とほのかな交流が軸になってて、なんつーかライトノベル的な割り切りが少ない(皆無ではない)。現代と同様の技術レベルながら、しかし、まだまだ冒険を行う余地を十分に残した異世界と言うのがなかなか楽しい。個人的には主人公が異世界を訪れた際の強烈な違和感と言うか異界感はきちんと評価をしておきたいところだ。”ここではないどこか”に飛ばされてしまった、と言うファンタジーがきちんと描写されている。なんか子供のときに読んだ本っていうのはこういう感じだったような気がするよ。

冒険についても、主人公には特別な力はなくて、あくまでも平凡な少年が、その器を越えないレベルでの冒険と言うあたりも実に児童文学。ちゃんと少年が勇気と機知(…は、あまりなかったような気もするが)で乗り切れる範囲での冒険なんですよね。そのあたりも大変心地よかったと思います。ラストもきちんと行きて帰りし物語になっているし、ヒロインとの一瞬の交錯も、ほんのわずかな幻のような冒険と言う余韻を残しているに、悪くないかなと。

ただ問題は、これ一巻と書いてあることなんだよなー。これで何を続けるつもりなんだよ…。ラノベのお約束とは言え、これで続編を書いたらどう考えても蛇足だと思うんだが…。まあ、どうなるかわからんし、様子を見るかな…。

と言うわけで、この話はまったくライトノベルではないので、読もうと思った方はご注意を。美少女とのラブコメとかオレつえーバトルとかハッタリに満ちたガジェットとかは無いんで。昔、児童文学を腐るほど読んだ人が懐かしむ感じで読むといいんじゃないかな。

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買ったもの

1.『いつか、勇者だった少年』 秋口ぎぐる 朝日ノベルズ

ときどき、どうしようもなく不快なものを読みたくなるときがある。自分にとって秋口ぎぐるとはそういう作家だ。で、買った。

その望みは十分すぎるぐらいに果たされたので、まあ。

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2010.02.20

『ばけてろ 影の大統領はとてつもなく偉いのだ!』

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ばけてろ 影の大統領はとてつもなく偉いのだ!』(十文字青/角川スニーカー文庫)を読んだ。

十文字青の作品の中で、唯一のラブって萌えってコメディな作品…だったはずなのだが、早くもいつも通りになってきたような気がする。一応、今回の賑やかし役と言うかゲストとして影の大統領の大良権有華王(すげー名前だ。変換できねえぞ)が新キャラとして登場してきたけど、今回はあまり深くは関わらず。まあいろいろ便利に使えそうなキャラではあるので、今後の伏線なのかもしれないね…ってのはともかく、いろいろコメディっぽくしてはいるものの、景敦が退魔師をやっている理由がなんとなく匂わされてきて、たんなるコメディでは終わらない予感がしてきました。やっぱり十文字青は少年視点になると途端に物語に屈託と不安が強くなってくるよな。いままでのコメディ調は、千夜子やメルカと言う少女の持つたくましさと言うか、悪く言えば鈍感さによって支えられていたのだな、と興味深く思うとともに、もっと女性視点による十文字青を見たかったような気がする。正直、最近の十文字青はいろいろ書いてはいるものの、どうも閉塞しているというか、なんか精神的にやばいんじゃない?と思わざるを得ないところがって心配になっるんだ。同じところをグルグル回っていて出口が見えてないっていうか。その意味では昨年の多作振り(2009年で13冊だっけ?)もあまり手放しで喜べないんだよ。精神的な追い詰められている感が作品から滲み出ている感じがあって。屈託や鬱屈は十文字青の特徴と言うか個性ではあるけど、そればかり描いてもしょうがない(と、僕は思うんだがなあ)。作品も作者もそれだけだときついので、何とかして明るい方向性を見つられるといいんですが。同じものなどない。万物は流転し、作品も作者も変化して行って良いと思うのです。と言うわけで、その意味でわりあいこの『ばけてろ』には期待しているんですね。今までの十文字青にはない、女性的視点に基づいた、男性的なうじうじを乗り越えてくれる作品になるのではないかと言う意味で(なんだかんだといいつつ、十文字青はわりあいマッチョタイプの作家だと思う)。まあラストの展開からすると、これも同じ傾向に落ち込んでしまう可能性がありそうだけど…どうなるのかなあ。

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2010.02.19

買ったもの

1.『ハチワンダイバー(14)』 柴田ヨクサル 集英社
2.『GENEZ-3 ジーンズ』 深見真 富士見ファンタジア文庫
3.『白夢(3) 異界よりの転校生』 瀬尾つかさ 富士見ファンタジア文庫
4.『中の下! ランク1.中の下と言われたオレ』 長岡マキ子 富士見ファンタジア文庫
5.『SH@PPLE―しゃっぷる―(8)』 竹岡葉月 富士見ファンタジア文庫
6.『蒼穹のカルマ(4)』 橘公司 富士見ファンタジア文庫
7.『絶望同盟』 十文字青 一迅社文庫
8.『クシエルの使徒(2)白鳥の女王』 ジャクリーン・ケアリー ハヤカワ文庫FT

買った。

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2010.02.18

『レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女』

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レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)を読んだ。

いや…林トモアキは本当にすげえなあと思った。楽しすぎる。何が楽しいって、もう活かす気があるのか無いのかさっぱりわからん伏線の張りまくり具合とか、異常にキャラの立ったヒデオの右往左往する日常とか、平凡を愛しながら、どこまでも非日常に愛されたヒデオの活躍とか、成長したものの男性に免疫のない睡蓮とヒデオのやりとりとか、とにかくなんだか知らんが面白い。アレー?なんかヒデオと睡蓮が一緒にいるだけで面白いよ?この二人の関係が面白いというのはすごくびっくりしたな…。なんだ、最初からこの二人のコンビを組ませることが決まっていたかのようなフィット具合じゃないか。見た目と眼光の凶悪さに反して温厚な、しかし、芯には修羅場をくぐり抜けた靭さを持った(まあ世界を一度救っているしな)ヒデオと、神殺しの力を秘めたものの日常では世間知らずの睡蓮。一方的にヒデオが虐げられたり、ときどき気合の入ったヒデオの覚悟に睡蓮が戸惑ったり、まあなんだ、面白いぜ?そこはかとなくラブの香りもするが、まあその辺はまあいいや。とりあえずこの二人がいろいろ動いてくれるだけでも満足です。

まあもともとそうだと言われればそうだけど、今回はとりわけキャラ小説の側面が強く、『お・り・が・み』や『マスラヲ』のキャラの後日談的な側面が強いよな。ある意味、背景にはストーリーは流れているみたいなんだけど(この作者のことだからどこまで真面目に考えているのかわかんねえ…)(信用してねえなー)、基本的に、ひたすらヒデオを中心として繰り広げられるグダグダ話が中心。ま、正直、ヒデオの話がもう一度読めるということだけでもわりと嬉しいので、ネタが尽きるまでは続ければいいんじゃねえかなー、と言うぐらいの姿勢で付き合いますよ。さすがにマスラヲのような奇跡的なバランスで成立した作品を何度も作るのは無理だろ。まあでもどうせ無理矢理にでもやっちまうんだろうな、作者は…。あとがきでは「惰性で書いています」とか書いていたけど、どうせこんなの韜晦だろ。一気にぶち上げる機会を狙っているに決まっている。それで作品をグダグダにしようとも、気にしないんだろうな。さすが林トモアキ、パンクロッカーだぜー(注:勝手な妄想です。本気にしないように)。

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買ったもの

1.『月光条例(8)』 藤田和日郎 小学館
2.『はじめてのあく(4)』 藤木瞬 小学館
3.『絶対可憐チルドレン(20)』 椎名高志 小学館
4.『史上最強の弟子ケンイチ(37)』 松江名俊 小学館
5.『結界師(28)』 田辺イエロウ 小学館
6.『青い花(5)』 志村貴子 大田出版

買った。

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2010.02.17

買ったもの

1.『ゴルフ13』 赤衣丸歩郎 講談社
2.『ながれで侵攻!! 邪神大沼(3)』 川岸殴魚 ガガガ文庫
3.『羽月莉音の帝国』 至道流星 ガガガ文庫

買った。

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2010.02.16

『ベン・トー(5)北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円』

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ベン・トー(5)北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。

今回はベントーシリーズの中でも異質な回でしたね。半額弁当争奪戦と言うどう考えてもバカバカしいバトルを、信念と生き様を賭けた熱い戦いに昇華してきたこのシリーズだけど、しかし、やっぱり半額弁当に思い入れのない人にとってはバカバカしいことなんですよ。今回登場した広部さんは、半額弁当なんてまったく関係のない芸能アイドルで、虚構を築き上げた自分を通り越して自分を見てくれる佐藤に対して屈折した気持ちを抱いているわけです。彼女にとって見れば、半額弁当なんてものに血道を上げている佐藤は本当に頭がおかしい。こういう外部の視点、価値観が存在しているのが今回のベン・トーの面白いところです(もっとも広部さんの気持ちについては判断の分かれるところで、単にあやめに対する競争心のようにも思えるし、独占欲のようにも思える。まあこのあたりは本人もはっきりしていないんだろうな)。

つまり、広部さんは”世間一般の価値観”の象徴として物語に関わってくるんですね(少なくとも最初は)。半額弁当なんて求めるよりも、もっと普通に勉強して、遊んで、なにより佐藤に対して自分と一緒にいて欲しい。そういうことを言ってくるわけです。佐藤にとっては広部さんは最初から憧れの存在であり、好きな相手。さて、ここで佐藤は選択を迫られるわけです。果たして自分は広部さんの手を振り払ってまでも半額弁当を追い求める意味があるのか?そもそも半額弁当に意味などあるのか?

その結末はこの物語の最後のクライマックスに関わってくるわけなんですが、この決着のつけ方があまりにもクールすぎて、正直、びっくりしてしまいました。正直、自分の予想では、単に佐藤はそれでも半額弁当を追い求める道を選ぶとは思っていたんですが、それが広部さん自身の問題、すなわち、”人は何のために生きるのか””他者の価値観のままに生きることは正しいのか”と言う問題を突きつけ、広部さんを単純に佐藤が振るのではなく、広部さんを誰よりも好きであるからこそ、佐藤は広部さんとは一緒にいられないのだ、と言う結論に達する理屈の流れが神が降りているとさえ思った。

佐藤は基本的にバカなんだ。彼が広部さんが好きなのは、別にアイドルだからってわけじゃない。美人で、性格が悪くて、それでも突っ張って、ときどき綺麗に笑う。そんな広部さんが好きなのだ。だけど、広部さんは自分が生きるためにいろいろなものに縛られてしまっている。芸能界の決まりごと。ファンのイメージを壊さないこと。まあいろいろ。ただ、本来は広部さんのやり方は間違ってはいるわけではないんだ。いろいろなしがらみの中で、それでもやらなければならないことがある。ただ、広部さんはちょっと疲れてしまっているだけなんだよね。自分を偽らなくては、だれからも必要とされないのではないか、と言う疑問に支配されてしまっている。そこから、偽らない自分を見てくれる。そんな佐藤に執着している。

ただね…佐藤と広部さんは完全にすれ違っている。佐藤は偽らない広部さんが好きだ、と何度も言っている。けれども、結局、広部さんはそれを信じることが出来なかった。「半額弁当と自分がどっちが大切なの!?(大意)」と言うある意味究極の選択を投げかけた時、佐藤を引き止めるために使ったのは”アイドルである自分”だった。人気アイドルである自分と言うのは、おそらく最大の彼女の武器であったのだろう。最終手段であったのだろう。…だけど、それこそが佐藤がもっとも望まないことであったことに、彼女は気がつかなかった。佐藤はただの広部さんが好きだったのに、彼女はアイドルであることで佐藤を繋ぎとめようとした。佐藤は、結局、自分の想いが何一つ彼女に伝わっていなかったことを、ついに認めざるを得なかったのだ。どうにもならないほどのすれ違いである。

だが。ここで終わったのならば、それはただの恋愛小説である。だが、これは”ベン・トー”なのだ。佐藤は誇り高き狼なのだ。信念のためならば、世間の価値観からばくだらないとバカにされようとも、それでもなお戦うことを選ぶ狼。広部さんに自分の想いが伝わらなかったことを知った佐藤は、最後に彼女を戦場(スーパー)に連れて来る。言葉では伝わらないことを、行動で示すために。想いの届かなかった相手に、最後のエールを送るために。

すなわち”自分の価値は自分にしか決められない”と言うこと。誰かが馬鹿にしようと。世間から外れようと。自分の求めていることが、客観的に見てバカバカしいものであろうと。”自分の求めるものを全力で手を伸ばしたという行為そのものは限りなく「本物」である”と言うことを。クライマックスの戦いは、社会にとっては”くだらない事”以外なにものでもない、しかし、それでもなお彼らには一片の気後れも無い。ただひたすらに誇り高く、勇敢に、力強く、半額弁当を求め続けるのだ。そこには一切の虚飾はなく、ただ己の信念と腹の虫のみが真実。バカにされても、それが大切なことならばそれでいいんだ。それこそが佐藤が広部さんに伝えたかったことなのだろう。

半額弁当争奪戦と、社会で生きることの苦しさの問題を止揚したこの作品は、凄まじい作品であると言わざるを得ないと思うのだ。

(2010/02/17追記)

書き忘れていたけど、途中に出てきた大谷と牧のカップルは、佐藤と広部の関係の写し身と言うか、対比関係にありますね。アイドルと言う虚構に憧れ、傍にいる相手の気持ちにさえ気がつかなかった大谷。守りたいと思った相手が、自分よりも背が高く、腕っ節も強いと言うことで牧を避けていた大谷なんだけど、これもまた相手に幻想を見ていた。そんな二人が、幼き日々の思い出を取り戻し、自分の思い込みに支配されていた大谷が牧に対する曇りなき眼差しを取り戻すと言う点で、この二人は”分かり合えた佐藤と広部さん”を象徴しているのだと思う。広部さんに対するヒントはこの時点ですでに現れていたんだね。

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2010年1Qアニメ視聴状況

なんかバタバタしているうちに(慣用句になりつつある…)2月になってしまったが、最近のアニメ視聴状況などをまとめてみた。コメント付き。

『キディ・ガーランド』

人間には適度なストレスも必要だろうと思い視聴を続けていたが、だんだん胃が痛くなってきたので視聴を止めている。健康状態を万全にしないと視聴するエネルギーが沸かないや。

『天体戦士サンレッド 第二期』

まさに究極の癒しアニメ。これを観ているときだけは身も心もリラックスできる。愛してます。新年になってかよ子さんがイメチェンしているのに地味にショックを受けました。

『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』

わりと貴重な原作なしオリジナルアニメ枠として視聴中。世界観を一切説明しないことで視聴者の想像力を刺激する手法は上手いなあ。最初は雰囲気アニメかと思ったら、意外とベタなこともやっていて、そのくせ終末観も漂わせており、カオスですなあ。どんな展開になるのか予想もつかないところが良い意味でも悪い意味でも面白いね。

『君に届け』

いや4話くらいまでは観ているんだけど、そこからがちょっと。つまらないわけではなくて、登場人物たちのピュアっぷりがまぶしくて、視聴するのに覚悟を要するんだ。そのうちまとめて観るつもり。こういうのもストレスアニメと言うんだな。

『バカとテストと召喚獣』

いろいろ良く動くしすげーセンスをしているなあ、と感心するのだが、一アニメーションとして面白いのかどうかがわからない。どうも原作を読んでしまったせいで、キャラ描写を自動的に補完してしまうんだよね。おかげて面白く観れてはいるんだけど、それがアニメのクオリティの高さを意味しているのかがどうも判別がつきません。

『おおかみかくし』

バカテスに続き、これもAICか!と思った。AICは妙にクオリティが高く感じるのだけど、なんか理由があるのかしら。原作ゲームはやっていないので、素直に観たいところなんだけど、なにか敷居が高いなあ。竜騎士作品にはありがちなことなんだけど…(序盤がつらく、後半が異常に面白くなる)。いささか視聴が止まっているが、そのうちちゃんと観る。

『おまもりひまり』

このオリジナリティのなさは逆にすごい。一週回って逆に面白く感じてきた。もうあらゆる場面に既視感を覚えるあたり、作り手は本気でオタクジャンルのパッチワークをつらぬくつもりらしい。ある意味、冴えた現実認識だよな。次はどんなお約束を投入するのか楽しみで、なぜか毎週観てしまっている。

『デュラララ!!』

本当にブレインズベース作品に外れなしだなー。自分は成田作品は実は苦手なのだが(だってこの人の文章は荒すぎるんだもん。舞城のようなダイナミズムを感じさせる荒々しさではなく、単純に荒い。推敲とかしてないんじゃないか?と疑ってしまう。自分の中では川上稔と同じ箱に入っている)、ブレインズベースの手でアニメ化されると驚くほどスタイリッシュな作品に変貌する。どんなマジックを使ってんだ。毎週、楽しみにしています。

『れでぃ×ばと!』

今期のストレスアニメはこれかなあ、と思ったのだが、ストレスを感じる以前に良くわからない。ん?これどうやって観ればいいんだ?

『テガミバチ』

相変わらず不思議な言語センスをしていて、なんか感覚にひっかかるものがある。ストレスアニメの箱に入れてもいいのかも。

『戦う司書 The Book of Bantorra』

あ、面白いですよ。面白いけど、原作読者としては、どうも原作を薄めた感じがしてしまうね。端折りすぎて、物語が相当に不自然なことになっている感じが…。アニメと原作どっちを観ればいい?と聞かれたら、原作を読めって言っちゃうな。信者の補正が入っているとは思うんだけどね。

『とある科学の超電磁砲』

レベルアッパー編以降の短編集ぶりは、個人的にはありっちゃあり。本当に普通じゃない街でのガールズライフを描くって感じだ。しかし、一続きのアニメとしては、変な構成だよな。素直にレベルアッパーで終わらせるか、分割クールにすればよかったのに。

『ダンスインザヴァンパイアバンド』

新房演出炸裂している一話のインパクトはすごかったけど、それ以降はわりと原作に忠実に描いているみたいですね。相変わらず絵が安定しない感じではあるけど、これはもはやシャフトの個性と割り切るべきか。主演の悠木碧って、なんかすごいね。

『はなまる幼稚園』

まあなんだかんだでよく出来ているのかしら?良くわからないんだけど。面白がるポイントが未だにつかめない。

『聖痕のクェイサー』

物語を理解するのさえ困難なほどの規制には正直困らされる。どうすればいいのかしら…。

『ギャグマンガ日和+』

いや素晴らしいと思います。5分と言う短時間の中に圧縮されたギャグがどくとくな味わいがありますね。

『刀語』

西尾維新をベタにアニメ化するとこうなるんだなあと言う。ひたすら画面が動かず、キャラが雑談をしているだけと言う、ある意味、アニメと言う形式に挑戦的ではあるよね。化物語はこの雑談を技巧を凝らして動きのあるものにしていたけど(そこが化物語の支持の広さの理由か)、こっちはまったく動かさない。毀誉褒貶が激しくなりそうだ。

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買ったもの

1.『少女ゾンビ』 ヒロモト森一 Bbmfマガジン
2.『魔法先生ネギま!(29)』 赤松健 講談社
3.『セピア色の凄惨』 小林泰三 光文社文庫
4.『Self-Reference ENGINE』 円城塔 ハヤカワ文庫JA
5.『虐殺器官』 伊藤計劃 ハヤカワ文庫JA
6.『ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ』 飛浩隆 ハヤカワ文庫JA
7.『分解』 酒見賢一 ちくま文庫

それにしてもゾンビと名がつくとつい買ってしまう性癖はなんとかしないと…いけないとは全然思いませんね。

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100万ヒット達成

どんどんぱふぱふひゅーひゅー。とりあえず自分に祝ってみた。どうやら日曜日には超えていたようだが、うん、気がついていなかったんだ。まあいいじゃん。

6年弱で100万だから…約14000/月ヒットってとこか。うーん、まあ別に早くもなんともねえなー。こんなもんか。

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2010.02.15

『銃姫(10)』『銃姫(11)』

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銃姫(10)』『銃姫(11)』(高殿円/MF文庫J)を読んだ。

これにて完結。ここまで来るのにえらく長かったような短かったような。2004年4月に一巻が出たと言うことは6年近くかかっているのだから、随分と長丁場だったよね。作中でもかなりの時間が過ぎていて、セドリックも変わってきたけど読み手側の意識もかなり変革があったように思う。きっと今から一巻も読み始めたらまた違った感想が生まれるのだろうなー。たぶん、一回ぐらいはやっておきたいな。完結記念と言うことで。

10巻はスラファトに追い詰められたセドリックがアンとともに束の間の平和を得て、そしてそれが突然に終わりを迎えるまで。ついに二人のすべてが通じ合った後の語りはとても平穏なものであって、願わくばこのまま時よ止まれ、と思わせる静寂さがあった。おお、これがロマンスと言うものなんだろうか、と言う感じ。11巻に入って、スラファトに出頭したアンを力を失ったセドリックが追うという展開なのだが、ここでようやく前世代の主役であったオリヴァントやジェスたちが登場する。彼らの力によって、セドリックは再び力を得て、アンを取り戻すことが出来るのか?と言う展開になるわけですが、まあちょっと今回のジェスのやっていることは消化不良な感じですな。伏線をばらまきまくりで結論が語られてないあたりはちょっと気になった。これ、つまりはパルメニアシリーズとのリンクなんだと思うんだけど、正直、またか!って感じ。自分、ちょっとこの作者の世界観の辻褄併せモードって好きじゃないんだ。前にもどっかで書いたと思うんだけど、物語がすごく窮屈に感じられてしまうので、あまり成功しているとは思えないんだよな。いやまあ別にいいんだけどさ。

まああくまでも今回はちょっとしたリンクで留まってくれたのは個人的には安心した。あくまでもセドリックの成長の物語としてはブレてない感じ。オリヴァントとの対話は正直短すぎねえか?と思ったけど、言葉で伝わるものなんてすごく少なくて、オリヴァントのなした行為で感得するのがセドリックにとってもっとも良かったのかなあ、とか思った。

ラストは…これどう解釈すればいいんだ?つまりあれか、「世界よりも君一人を選ぶ!」と言うデジタルデビルストーリーの中島くんみたいな選択をしたと。まあこの場合は歪んだ世界を正常に戻したということでもあるが、それでも世界を一度ぶっ壊したことには違いがなく、後世ではものすごい悪名になりそうですね。ん?ひょっとして作者の他作品で名前とか出てたっけ?もう記憶が定かじゃねえなあ…。

ともあれ、ついに銃姫シリーズも完結。あの生意気なクソガキだったセドリックが、他人の命を背負い、信念に貫き通す男に成長したことにはただ感服します。旅の過程で何度も自分の愚かさ、浅はかさを突きつけられ、のた打ち回りながら前に進んできた過程の描写にまったく妥協のない作者の美学には本当に見事だったと思います。子供だった彼が大人になり、人を愛することを知る。なんと言うか、見事なビルドゥンクスロマンとして完結しましたね。ありがとうございました。

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買ったもの

1.『PSYREN(1)~(9)』 岩代俊明 集英社
2.『白の断章』 鏡征爾 講談社BOX

買った。

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2010.02.14

2009年下半期ライトノベルサイト杯

いろいろバタバタしているうちに締め切りがやってきてしまったので取り急ぎ。とりあえず印象に残った作品をピックアップしてみたら、アレ?新規作品ばかりになっちまったぞ?やっぱりあファーストインパクトのイメージは強いのかー。ちゃんと評価するためにはシリーズものは別に集計しないと駄目だなー。

しかし、ガガガ文庫が3作品も入ってしまった。本当、オレってガガガ文庫好きなのなー。

【09下期ラノベ投票/新規/9784094511703】
『君が僕を(2) 私のどこが好き?』(中里十/ガガガ文庫)

いやほんとこれマジスゲーよ。人間ってのは実に深淵な代物だよな。相手はこういう人間だと見切ったつもりになると、さらにその奥が見えてくる。そういう話。

【09下期ラノベ投票/新規/9784094511482】
『ケモノガリ』(東出祐一郎/ガガガ文庫)

ボンクララノベ読みの諸君!ボンクラたちのために我らが東出先生が素晴らしいボンクラ作品をもたらしてくれたぞ!まさにこれはボンクラのための至高のボンクラ小説である!”我ら”に対する圧倒的な肯定を堪能しよう!

【09下期ラノベ投票/新規/9784758040921】
『ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説』(十文字青/一迅社文庫)

これはつまり絶望の話なのよねー。絶望からいかにして人は這い上がることが出来るのかと言う話だけど、個人的にこれが救いであるかどうかは疑問。だって答えのない話だもんな。

【09下期ラノベ投票/新規/9784840130950】
『僕は友達が少ない(2)』(平坂読/MF文庫J)

これはケモノガリとはまた別の違った意味でオタクとしての自己肯定意識に満ちていると思うんだ。ぬるくて平和で平凡な。ラノベやエロゲーからそういった要素”のみ”を抽出したメタラノベ。本当に平坂先生はなんでこんな変化球ばかり投げるんや。でも売れているらしいので、ようやく時代が平坂先生に追いついて来たな!って感じ。

【09下期ラノベ投票/新規/9784094511628】
『絶対女王にゃー様』(J・さいろー/ガガガ文庫)

あまりの素晴らしさに滂沱の涙を流した。オレが。淫靡で後ろ暗い、青春期の性欲に焦点を当てた作品。青春なんて恋愛とかばっかりじゃなくて、行き場の無い性欲だって忘れちゃいけねーぞ!

【09下期ラノベ投票/新規/9784086305228】
『15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと』(新城カズマ/スーパーダッシュ文庫)

死についての物語と言うけど、ここでの死とはもっと広い範囲の話をしているよね。人間の死。都市の死。意味の死。いろいろな角度から”死”について考察し、しかもその考察がエンターテインメントになっているという点が非凡。

【09下期ラノベ投票/新規/9784048682190】
『龍盤七朝 ケルベロス(1)』(古橋秀之/メディアワークス文庫)

オレたちのフルハシが帰ってきた!いや別にオレたちのものじゃねーけど。本当になめらかに物語を紡ぐよなーと言う。エンタメとしての快楽性に特化しているとともに、普遍性もあるとか、古橋先生は本当に小説が上手いですなあ。

【09下期ラノベ投票/新規/9784048682695】
『[映]アムリタ』(野崎まど/メディアワークス文庫)

今回のびっくり箱。本当に読んでびっくりしてしまったよ。普通に面白く、楽しいコメディであり、身も凍るような恐怖もまたそこにある。

【09下期ラノベ投票/既存/9784044729097】
『テスタメントシュピーゲル(1)』(冲方丁/角川スニーカー文庫)

戦闘美少女で現代史の総括をやるんだ…。もうこの作品の目指している境地は全然わかんない!気が狂っている!とか思った。世界はとっくの昔に狂っているのだ、と言うことをラノベできちんと描いていることとかもうね…。ラノベなのに世界に接続している感覚があって、自分が一体何を読んでいるのか分からなくなるよ。気分はもう歴史書を読んでいる感じだ。

【09下期ラノベ投票/既存/9784047261969】
『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』(石川博品/ファミ通文庫)

語り部の饒舌な戯言に乗せて語られる愛と感動の物語…になるはずだったと思うんだけどなあ。打ち切りにならなければもっと語られる物語が読めたのになあ。あーあ残念。

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2010.02.12

『ななぱっぱ―パパは15歳』

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ななぱっぱ―パパは15歳』(岡崎裕信/スーパーダッシュ文庫)を読んだ。

本当に、この作者はなにも変わらないなー…。よくもわるくも、本当に変わらない。なんと言ったらいいのか…勢いはすごいんだけど、勢いしかないっつーの?物語上で生じるさまざまな、本当にさまざまな矛盾を一切合切無視して、とにかくオレの物語を紡ぐぜ!と言う意欲はすごいんだが、微妙に作品が追いついてこねーんだよなー。まあオレだけかもしれんのだが、狂騒的に物語を紡がれても、やっていることはベタと言うにもおこがましいご都合主義のオンパレードで、勢いでそれらを誤魔化されるには、いささか自分はスレちまったなー。

ていうかよー、この作者の作品はいつもそうなんだけど、ノーガードすぎんだよ。普通の作品の持つ、装飾とか防壁が全然なくって、ものすごく素直に物語を差し出されてしまう。でもなあ、正直、調理もされていない素材そのままを差し出されても、客としては困るわけで。いかに新鮮でおいしいよ!とか満面の笑みで言われたとしても、出来れば最低限の調理をして欲しいなあ…なんて思ったりするわけです(比喩表現)。

まあストーリーなんて気にすんな!キャラがわいわいやってんのを楽しめばいいんだろ!?と言う人もいるのかもしれませんが…これもまた問題で。なにしろキャラの会話が全然楽しそうにみえねーんだよなー。記号的すぎるキャラのハイテンションな会話が、常にハイテンションすぎてどこを楽しめばいいのかわからねえ…。いや、もうオレもおっさんなんだなーと思うのだが、どこかでテンションを落としてくれないと文章のリズムが掴めないんだよ。いくらテンションの高い文章を読ませられても、読み手のテンションはあがんねえんだよな。もうほんと作者には落ち着いてくれとしか言いようがない。読み手を置いてきぼりにしないでくれ。マジで。

と、ここまで書いて気がついたが、一個も褒めてねえ。自分でもびっくりだが、なんだかんだ言いつつ、でも嫌いにはなれないんだよな。作者はすごく良い人っぽい感じはするんだ。人柄が滲むというか、滲みすぎてヤバイと言うか、もう少し自分を抑えるということを知ったほうが上手く世の中を渡れるんじゃねえかとか、際限なくそんなことを考えてしまうぐらいには作者は好きよ。ただ、その物語テーマに全然共感できないだけで。世代が違うのかなあ。なんでこんな物語を書けるんだろ。オレの中にはぜってー無い物語を持っているよなーこの作者。うーん、不思議だ。

と言う感じで思いつくままに書いたが、つまり一言で言うと、何がなんだかさっぱり分からない話だった、と言うことです。でも嫌いじゃないのよ本当に。

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2010.02.11

『ゼロの使い魔(18)滅亡の精霊石』

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ゼロの使い魔(18)滅亡の精霊石』(ヤマグチノボル/MF文庫J)を読んだ。

ついに18巻に達しながら、未だに物語にブレがまったく見られないというのはすごいことなんじゃないかなー。サイトとルイズの関係をひたすら丁寧に描き続けているとともに、物語も着実に積みあがっている。

サイトとルイズの二人は、当初は典型的なラブコメカップルとして描いていたけれど、ここ数巻に至っては、完全にラブコメじゃなくて、恋愛、さらに言えば恋人の関係を描いているのねー。まあ自分は典型的な恋愛関係無頓着者なのでその関係性そのものはどうでもいいんだけど、二人の関係が完全に”夫婦”的と言うか、もう”愛”としか言えないような関係性に突入しているところが、いやもう、なんつーか、すげーなと。誰にでも優しく、ちょっとヘタレなところもあるサイトを、その駄目な部分も含めて受け入れるという心のあり方にまで至っているルイズさんは、もうラブコメヒロインを卒業していますよね。なんつーか、ラブコメのその奥を描いているように思えるので興味深いですね。

ただ、作者としてはサイトとルイズの関係はあくまでも物語の一要素であり、本筋はきちんと積み上げているところが骨太なところなんだ。多くの登場人物がそれぞれの思惑で動き、行動しているという感じがとても良いですね。基本的にはサイトとルイズの目線で物語は描いているけれども、最近はだいぶ群像劇的な側面も持つようになってきて、それぞれ背景を抱えた登場人物たちの多様な物語が綴られていて、すごく楽しいです。ワルドが久しぶりに登場したり、ロマリア教皇の目的が明らかになったりと、サイトたちを取り巻く大きな流れは否応ないものになりつつある。この巻は嵐の前の静けさと言う感じで、サイトとルイズの安らかな一時、というところなのかな。聖地奪還に熱狂する人々、ついに明かされた大陸の危機、エルフたちの思惑など、いろいろなものが動き出し、終局へと向かっていく。うーん、大河ドラマだねー。ファンタジーロマンだねー。豪華絢爛たる悲劇的なドラマへ、物語はなだれ込んでいくという予感がそこかしこにちりばめられているなー。

そんなファンタジーロマンを存分に描きつつ、サイトたちのコメディっぽい日常も描いてしまうところが作者のバランス感覚か。伊達に18巻と言う長丁場を続けてきたわけじゃねーなーと感心してしまった。実にあざとい、あざといが…ラノベでファンタジー大河を描こうと思ったらこれぐらいのことが出来ないと無理なんだろうなー。ここはむしろ作者の手腕を褒め称えたい。

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買ったもの

1.『ありすとBOBO -猫とマグロと恋心-』 川崎康宏 GA文庫
2.『神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト』 高殿円 GA文庫
3.『りーち☆えんげーじ! -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-』 海堂崇 GA文庫

買った。

しかし、いい加減、積み続けているポリフォニカを読まないとなー。問題はもはやどこから読んでいないのかさえわからんと言うことだ。

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2010.02.10

買ったもの

1.『剣闘士 グラディエータービギンズ ザ・コンプリートガイド』 アスキー・メディアワークス
2.『高慢と偏見とゾンビ』 ジェイン・オースティン&セス・グレアム・スミス 二見書房
3.『天龍八部(2)王子受難』 金庸 徳間文庫
4.『ミストスピリット-霧のうつし身-(1)遺されし力』 ブランドン・サンダースン ハヤカワ文庫FT
5.『ゼロ年代SF傑作選』 SFマガジン編集部選 ハヤカワ文庫JA
6.『粘膜蜥蜴』 飴村行 角川ホラー文庫
7.『1/2の騎士』 初野晴 講談社文庫

買った。いやー2についてはもう本当すいませんとしか。だって『高慢と偏見”とゾンビ”』だぜ!?びっくりするだろ!?びっくりしすぎて気がついたらレジで会計をしていたことを誰が責められようか!(誰も責めてねーよ)

きっと、『高慢と偏見』世界にゾンビをぶち込んでヒャッハー!死体は焼却だー!とかやるんだぜ。やっべ、オラ、わくわくしてきたぞ。

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2010.02.09

『RPG W(・∀・)RLD(4) ―ろーぷれ・わーるど―』

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RPG W(・∀・)RLD(4) ―ろーぷれ・わーるど―』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)を読んだ。

楽しいねー。楽しすぎて楽しい以外の感想が出てこないけど、まーいーや。もうアリ・ガチって感じの内容。勇者をロールプレイすることになったユーゴと、その相棒として覚醒しつつあるショウの冒険でごわす。相変わらず非常に教育的な内容になっておりまして、作者の倫理観がそのまま出ている感じなんだけど、まあそれはそれで面白いよね。全体に奉仕するために生きるユーゴの選択があまりにも”勇者”的であり、本当にこれは現代のラノベなのか?と疑ってしまうところもさすが吉村夜(このあたりのストレートさは80年代的だと思います)。

で、まあいろいろ古臭いところもあるし、キャラ造型なんかも相当にテンプレなんですが、なんか良く分からんけど好きなんですよねー。不思議。なんか昔の願望充足を満たしてくれる系の話っつーか、”勇者”であることを肯定してくれる優しさみたいなのがあんのよね。男だったら世界を救うぐらいの活躍してみたいじゃん!勇気を振り絞って戦ってみたいじゃん!それをこの作品は肯定してくれるんです。ああ?正義なんてうさんくせえ?うるせえ黙れ。冷めたことばっかり言っているやつはいつまでもペシミズムに浸ってろ。ああ?願望充足がキモイ?お前の顔の方がキモイわ鏡を見ろ。そうした冷笑を無視して構築しているところにこの作品のすごさがあるのだ!うむ。

と言うわけで、自分は大変にこの作品が好きであり、存分に肯定したいところであります。

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買ったもの

1.『クリプトマスクの擬死工作』 上遠野浩平 ノン・ノベル

買った。本当は『ミストスピリット』も買おうと思っていたのだが、金が足らなかった。『ミストスピリット』、文庫のくせに千円ぐらいすんだもんなー。

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2010.02.08

『ストレンジボイス』

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ストレンジボイス 』(江波光則/ガガガ文庫)を読んだ。

非常に低体温な筆致で綴られる、絶望の話。絶望の中で生き延びようのもがくそれぞれの生き方を、淡々と描いている。

この作品の良いところは”何も起こらない”ってことだと思うんだ。たしかに理解不能なまでに過剰な苛めを行う少年がいる。苛められながらも他者とのつながりを欲し続ける少年がいる。他者との関係を図れない少女がいる。世界は彼女たちに優しくなく、生きることだけでも精一杯。そんな世界でサバイブしようとする少年少女たちに降りかかる試練とは!…書いてみたけど、これが何もふりかからねーんだよ。試練も。事件も。なーんも起こらん。そこには敵はなく、味方もいなく、ただ不毛な現実があるだけ。そしてそれこそが真の意味での絶望なんですね。抗おうにも、何に対して抗えばいいのかさえ分からない絶望。

遼介は自分を苛めた日々希に対して復讐を誓い、その復讐心をよすがに生きようとする。でも、これもただの方便に過ぎないんだよな。彼にとって生きる目的であり、ついに見つけ出した敵でもある。彼自身を絶望させた存在である日々希は、逆に彼の生きる希望ともなっていることが水葉の視点で語られる。彼がもし復讐を果たしたとしたら、一体何が彼に残るんだろうね?不随になった体を抱えて、警察に捕まって、それで何を果たしたことになるんだろうね?その事をうすうす気がついている遼介は、結局、バッティングセンターに逃避することになる。

でもねー、彼が敵としてすがる日々希もまた、別に悪魔でもなんでもない、ただの子供に過ぎないんだよ。狂犬のように危険な性質を持つ日々希も、”学生”と言う地位を引き剥がされればただの”馬鹿なガキ”でしかない。大人に見捨てられ、食い物にされて、ぼろぼろにされるしかないただの子供なのだ。水葉は、なすすべもなく食い尽くされる日々希を見ることになる。日々希はそれでも自分が”食われる側の存在”であることに気がつくこともなく、むさぼられるのだ。

水葉は、そうしたすべてを傍観する。絶望的な世界を見て、絶望する。なんだろうね、この誰も報われない世界は。幸福になることが許されないだけではなく、何かに抗うことさえ許されない。良いことも悪いことも起きない。彼らはただ流されるだけなのだ。自分たちを押し流すなにものかに。

水葉は、そんな世界に抗おうとはしたんだと思う。遼介を炊きつけ、日々希に復讐を果たさせようとする。何も起こらない世界で、”何かを起こそう”とした。事件を生み出し、何事かの波紋を世界に起こそうとした。それさえも世界は、日常は押し流そうとする。彼女にできるのは、それでもなにかを起こそうと、嘘をつく。観察する。自分が押し流されないように、生きる。抗い続ける。

これは、”抗う敵のいない者”が、それでも抗い続けることを選択する物語なのだと思うのだ。僕はそこにどうにもならないほどの痛ましさと悲しさを感じる。世界をこのように見ている人間は、確かにいるのだ。

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買ったもの

1.『ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります』 榎木津無代 電撃文庫
2.『ツマヌダ格闘街(7)』 上山道郎 少年画報社

買った。

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2010.02.06

『クシエルの矢(3)森と狼の凍土』

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クシエルの矢(3)森と狼の凍土』 (ジャクリーン・ケアリー/ハヤカワ文庫FT)を読んだ。

物語もついにクライマックスと言うだけあって、冒険にロマンスに合戦も最高潮、と言う感じ。つうか最終局面だけにほとんど全編合戦シーンだらけと言う感じだったなー。物語もスケールアップしてフェードル個人の物語と言うよりも、テールダンジュ国の存亡を巡る物語に推移して行く感じ。もっとも、完全にフェードルの物語から外れているかというとそうでもなく、テールダンジュの存亡を、フェードルの視点から語るというスタンスは変わらず、思ったよりそのあたりブレがなかった。フェードルはちゃんと主人公だったよ。

ただ、事態が完全に一国の運命を動かす状況になっているのだが、あくまでもフェードルの視点からでしか見れないので、いささか状況が分かり難くくなっていたのは痛し痒しと言ったところかなー。物語はあくまでもフェードルが体験したことだけを描写しているので、フェードルの知らないところで何が起こっているのか、基本的に説明してくれないんだよねこれ。だからフェードルと一緒に読者も状況把握に努めないと、あっという間に物語に置いて行かれてしまう。実にスパルタですなー。

しかし、自分としてはこれは欠点ではないと思うんですよ。フェードルに視点が固定されているのは、テールダンジュと言う異世界を、細かい描写を積み重ねることで立ち上げていくという意図があるわけで、その分かりにくさと言うのは”異世界のリアリズム”の証明であるといえるわけで。なんでも神の視点で解説されてしまっては興醒めですからね。異世界とは、まるでホンモノであるかのように思わせる異世界であって欲しいというのがファンタジーオタクとしてのささやかな願いです。俯瞰視点が駄目とは言わないけど、節度を持って欲しいところです(えー具体的な例はカンベンしてください)。

ただ、この作品については、ちょっとそのあたりの各種要素が噛み合ってない感じはしたな。ちょっとだけだけど。繰り返しになるけど、物語はすでにフェードルの手の届く領域からは離れているんですよ。しかし、物語はあくまでもフェードルの視点で語られる。そうするとどうなるかと言うと、フェードルが積極的に陰謀や外交に関わっていくことになるわけですね。まあ主人公なんだし、いろいろ活躍してもかまわないといえばかまわないんだけど、あまりにも八面六臂の活躍に、いささかご都合主義的な感じはしてしまったなあ…。ダルリアナの双子王を口説き落とすのに、結局、フェードルがたらしこんだ形になっちゃって、それでいいのかよおい、と思わずツッコミを入れてしまったし。つまり、状況のダイナミズムが、フェードルの主人公性と対立していると言う感じ。フェードルが活躍しすぎると国の危機が軽くなってしまうし、かといって国の状況に主眼を置いたらフェードルの物語じゃなくなってしまうし。難しいね。まあこれで国の存亡とフェードルの物語は”関係ない”なんてことをやってしまったら、それは七姫物語だもんなー(今更ながら七姫物語の特異性を感じますな)。

話が逸れました。まあ物語的には実にクライマックスのテンションを最後まで維持していて、絢爛たる物語であったよ。早瀬の主あたりはファンタジックなロマンスがあり、合戦もあり、最後の戦いにおいても機転と勇気で立ち向かうフェードルの姿があり、そして宿敵メリザンドとの対峙と、息をつく暇も与えてくれない。まさに激動よなー。一応最後には綺麗に決着をつけつつも、不穏な動静を残したまま第二部へ。また虚実入り乱れる陰謀劇になるんだろうな。近いうちに読みます。

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買ったもの

1.『月の彼方、永遠の眼鏡(2)』 磨伸映一郎 一迅社
2.『純潔のマリア(1)』 石川雅之 講談社

買った。

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2010.02.05

買ったもの

1.『アクセル・ワールド(4)蒼空への飛翔』 川原礫 電撃文庫
2.『アスラクライン(14)The Lost File』 三雲岳斗 電撃文庫
3.『ヴァンダル画廊街の奇跡』 美奈川護 電撃文庫
4.『幕末魔法士―Mage Revolution』 田名部宗司 電撃文庫
5.『ラプンツェルの翼(4)』 土橋真二郎 電撃文庫
6.『世界平和は一家団欒のあとに(9)宇宙蛍』 橋本和也 電撃文庫
7.『狼と香辛料(14)』 支倉凍砂 電撃文庫

買った。

…つーか、今週はトラブル続きでまともな更新をするだけの気力が沸かん…。こんなときに本がいっぱい出たりするので、ストレスのあまり散財してしまったよ。あーあ。

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2010.02.04

買ったもの

1.『SKET DANCE(12)』 篠原健太 集英社
2.『To LOVEる(17)』 原作:長谷見沙貴 漫画:矢吹健太朗 集英社
3.『ぬらりひょんの孫(9)』 椎橋寛 集英社
4.『めだかボックス(3)』 原作:西尾維新 漫画:暁月あきら 集英社
5.『賢い犬リリエンタール(1)』 葦原大介 集英社
6.『保健室の死神(1)』 藍本松 集英社

買った。

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2010.02.03

『ビッチマグネット』

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ビッチマグネット』(舞城王太郎/新潮社)を読んだ。

この作品の面白いところは、主人公にはとにかくいろいろな出来事が降りかかって、わりと不幸だったりトラブルにも巻き込まれたりするのだけど、「まあそれはそれとして」生きていく”軽さ”があってすごく良かった。軽いといっても、背負うものが軽いわけでは全然ないよ。主人公は父親に対する複雑な心境を語っているし、その結果、情緒不安定になる。弟と喧嘩したり、その弟はビッチにハマって人生狂わされるし洒落になんねえ。でも、それでも”不幸ならばそれと付き合う方法がある”と言うのがすごくカッコいいなあと思う。

トラウマなんて物語なんですよ。不幸なんてのはドラマなんですよ。いや、勿論トラウマは大変だし、不幸はつらい出来事なんです。夫の浮気に苦しむお母さんは人生を擦り切れる思いだったし、主人公も弟もつらい思いをするとしても、「まあそれはそれとして」人間は”生きていかなくてはならない”。これは不幸に対して耐えろ、って言っているわけではなくて、むしろきちんと向き合うから生まれる軽さなのよね。自己憐憫にも陶酔にも陥らないで、きちんと目の前の不幸と向き合って、不幸との付き合い方を考える。ときには攻撃したり、ときには逃げたり、あるいはそもそもそれが敵なのかどうかを見極めたり。

ただ、だからと言って苦しまないわけじゃない。葛藤しないわけじゃない。悩んだり、苦しんだりすることは常にある。だけど、それはそれとして人間は生きなくてはならないのだ。人は生きて、恋愛をしたり泣いたり怒ったりして、ときどき、いやしょっちゅうすげーバカなことをしたり、浮気したり、騙したり騙されたりするけど、それがなにか特別なことかっつーと…いや、まあ、特別なんだけど、当たり前でもある。うん、なんか上手く言えねーな。まあ女の子がビッチかどうかなんてどうでもいいじゃん!問題なのはビッチか否かではなく、その結果が何をもたらすかってことでしょ!?って感じか。違うな。過程を飛ばしすぎて自分でも良く分からん。

少なくとも、この話はすごく断片的な話だということは言えます。確固たる物語はなく、物語の断片が主人公の語りによってすごくダイナミックに語られる。ただ、そこに起こることは別にすごい大事件というわけではなく、人間関係のこじれとか、恋愛の悩みとか、未来の不安とか、そういう小さな出来事なんだ。ただ、物語が進むにつれて、断片的なものでしかなかった物語は、少しずつ主人公の中に積もっていく。彼女が経過していった出来事が、彼女になんらかの作用をもたらしているんですね。これは別に珍しいことではなくて、大人になるにつれてだれもが経験することでもある。父親と母親の関係について、子供のときは世界が終わるような出来事だったのが、成長して自分も恋愛するようになると、その関係性が実はどこにでもある普通の出来事であるとふと気がつく。そうして彼女は世界を知って、許しはしないまでも、さまざまな出来事を許容するようになる。

その過程を綴る筆致がね、深刻ぶらず、しかし痛切で、もうたまらんなあ、と。すごいね。

追記。まあとにかく、最後の方の最後の花さんの言葉は分からん!分かりそうな気もするけど、わかりたくないぜ!って感じだった。おしまい。

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2010.02.02

一月の読書

一月に読んだ本。こうして改めて見るとラノベばっかり。もうちょっとラノベ以外も読むようにしないとバランスが良くないな。気を抜くとついラノベを読んでしまうしな。とりあえず、2月はラノベ以外の本を10冊…は無理かもしれないので5冊を目標にします。

1月の読書メーター
読んだ本の数:60冊
読んだページ数:11965ページ

クロノレイヤーに僕らはいた (TOKUMA NOVELS Edge)クロノレイヤーに僕らはいた (TOKUMA NOVELS Edge)
幻魔大戦を現代を舞台に語り直したような話か。/人を繋ぐのが宗教ではなくMMOと言うところが現代的なのかな。
読了日:01月31日 著者:木本 雅彦
神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)
世界の構築が素晴らしい。たぶん作者は”きれいなもの”が好きなんだろうな(マクベス的な意味で)。
読了日:01月31日 著者:入江 君人
ぽすから (1) (まんがタイムKRコミックス)ぽすから (1) (まんがタイムKRコミックス)
なんという関係性萌えマンガ。属性に回収されない可愛らしさの描写がベネ。
読了日:01月31日 著者:中村 哲也
氷室の天地Fate/school life 3 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)氷室の天地Fate/school life 3 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)
見事な原作レイプ。原形がどこにも見当たらない。
読了日:01月31日 著者:磨伸 映一郎
超人ロック ニルヴァーナ (2) (ヤングキングコミックス)超人ロック ニルヴァーナ (2) (ヤングキングコミックス)
もっと小さな話かと思っていたら銀河の危機レベルの話だった。初期の超人ロックみたいな雰囲気だ。
読了日:01月31日 著者:聖 悠紀
夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)
ハルヒ系のすこしふしぎラノベかと思ったら古典的な海洋冒険児童文学だった。
読了日:01月31日 著者:直江 ヒロト
ばけてろ  影の大統領はとてつもなく偉いのだ! (角川スニーカー文庫 182-52)ばけてろ 影の大統領はとてつもなく偉いのだ! (角川スニーカー文庫 182-52)
なんかいつも通りの自意識小説になりつつあるんだけど。少年が主になるとこうなってしまうんだろうか。/薔薇のマリアはその意味では特殊な位置づけなのかもな。
読了日:01月31日 著者:十文字 青
円環少女  (11)新世界の門 (角川スニーカー文庫)円環少女 (11)新世界の門 (角川スニーカー文庫)
再演魔法のすごさをイマイチ良く分かってなかったということがようやく分かった。反則だなこれ。
読了日:01月30日 著者:長谷 敏司
ドロヘドロ 14 (イッキ コミックス)ドロヘドロ 14 (イッキ コミックス)
グチョグチョでスプラッタなイメージの奔流が相変わらずイカス。
読了日:01月29日 著者:林田 球
医龍 22 (ビッグ コミックス)医龍 22 (ビッグ コミックス)
面白すぎて興奮。体温が上がるわー。
読了日:01月29日 著者:乃木坂 太郎
レイセン  File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)
睡蓮がえろい。/惰性で書いているといいつつ大風呂敷をぶち上げる作者には本当に感心する。
読了日:01月29日 著者:林 トモアキ
自殺島 2 (ジェッツコミックス)自殺島 2 (ジェッツコミックス)
シリアスなシーンで突然出てくる作者にどうしても吹いてしまう。
読了日:01月29日 著者:森 恒二
GIMMICK死神の影武者 (一迅社文庫 く 3-1)GIMMICK死神の影武者 (一迅社文庫 く 3-1)
作者は自分とは別の星から来た人みたい。/中村九郎を初めて読んだ時と同じような印象。
読了日:01月29日 著者:久遠 馨
ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)
部室と言うのは現代のお茶会として機能しているんだろうな。ただし、失われることが前提になっている。
読了日:01月29日 著者:紅玉 いづき
とらドラ! 3 (電撃コミックス)とらドラ! 3 (電撃コミックス)
コミカライズ版は本当に少女マンガっぽいよな。
読了日:01月28日 著者:竹宮 ゆゆこ
いつも心に剣を〈4〉 (MF文庫J)いつも心に剣を〈4〉 (MF文庫J)
二人はやり方は違えども現実から逃避しているに過ぎない。/やっぱりこの二人は一緒にいないと駄目なんだな。
読了日:01月25日 著者:十文字 青
ダイブインザヴァンパイアバンド 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ダイブインザヴァンパイアバンド 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
ここからどう続いていくのかなー。
読了日:01月24日 著者:環 望
ごくペン! 2 (MF文庫 J み 2-2)ごくペン! 2 (MF文庫 J み 2-2)
面白いけどやっていることは一巻の焼き直しですね。
読了日:01月24日 著者:三原 みつき
ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)
狼たちの熱き戦いに、ついに外部の視点が入り込んだのは新基軸?それともネタ切れ?
読了日:01月24日 著者:アサウラ
ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石
ルイズと完全にラブラブになったことに作者の不退転の意思を感じた。もうすぐゼロ魔も終わるんだな。/とか言いながら延々続いたらどうしよう。
読了日:01月23日 著者:ヤマグチ ノボル
ななぱっぱ―パパは15歳 (集英社スーパーダッシュ文庫)ななぱっぱ―パパは15歳 (集英社スーパーダッシュ文庫)
とりあえず落ち着いてください。主に作者。/山と谷って重要だよなー。
読了日:01月23日 著者:岡崎 裕信
金剛番長 9 (少年サンデーコミックス)金剛番長 9 (少年サンデーコミックス)
展開速ええ…。暗黒生徒会とはいったいなんだったのか。
読了日:01月23日 著者:鈴木 央
へうげもの 10服 (モーニングKC)へうげもの 10服 (モーニングKC)
数寄のためなら命も賭ける。ほんと歪みないですわ織部さん。
読了日:01月23日 著者:山田 芳裕
戦う司書と世界の力 BOOK10 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-10)戦う司書と世界の力 BOOK10 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-10)
ものすごい剛速球をど真ん中に投げられたような気分。もちろん三振した。
読了日:01月23日 著者:山形 石雄
RPG W(・∀・)RLD4  ―ろーぷれ・わーるど― (富士見ファンタジア文庫)RPG W(・∀・)RLD4 ―ろーぷれ・わーるど― (富士見ファンタジア文庫)
瞬読。このリーダビリティの高さは異常と言える。安さと紙一重なところはあるが。
読了日:01月21日 著者:吉村 夜
ストレンジボイスストレンジボイス
かつての黒い方の乙一を彷彿のさせる冷たさと美しさを感じる。乙一よりもやや俗的で、人間の見切りが早い感じもするが。
読了日:01月21日 著者:江波 光則
今日もオカリナを吹く予定はない2今日もオカリナを吹く予定はない2
良い。意外とSFであり文学の香りもする。そういう意味でハルヒ的な作品なんだな。
読了日:01月19日 著者:原田 源五郎
人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)
クリケットの真実が明らかになったときの反応で自分がどれだけ真面目に読んでいるか判断できるよね。
読了日:01月19日 著者:田中 ロミオ
15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-6)15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-6)
相馬老人の”たわごと”が魅力的。なぜか涙が出てくる。”人”の物語から”都市”の物語を経由し再び”人”の物語に辿りついた。正確には”人”と”都市”が一瞬の交錯を果たしたということを描いた作品だった。
読了日:01月17日 著者:新城 カズマ
15×24link five―ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック (集英社スーパーダッシュ文庫)15×24link five―ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック (集英社スーパーダッシュ文庫)
物語が一気に広がる。4巻までは”人”の物語だったのに対し、”都市”の物語へ向かいつつある。
読了日:01月17日 著者:新城 カズマ
恋愛遊星 (MFコミックス アライブシリーズ)恋愛遊星 (MFコミックス アライブシリーズ)
いいSFを読んだなあ…と言う印象。ドライな、しかし滲み出るようにリリカルな語り口に痺れます。
読了日:01月17日 著者:倉橋 ユウス
神のみぞ知るセカイ 7 (少年サンデーコミックス)神のみぞ知るセカイ 7 (少年サンデーコミックス)
いろいろ複雑で考え深くもあり多様な要素が絡み合って簡単には言葉に出せないのだがとりあえず天理とディアナが魅力的に描かれていると思います。
読了日:01月17日 著者:若木 民喜
ハヤテのごとく! 22 (少年サンデーコミックス)ハヤテのごとく! 22 (少年サンデーコミックス)
初回限定版の『ヒナギクの生写真付き!』の意味が良く分からなかった。日本語って難しいな。
読了日:01月17日 著者:畑 健二郎
GAMBLE FISH 15 (少年チャンピオン・コミックス)GAMBLE FISH 15 (少年チャンピオン・コミックス)
キノコがマジSUGEEE!キャラ格がうなぎ上りだよ!一瞬だがアビタニさえもたじろがせるとは…。しかもそんな描写があっても「キノコならしょうがないよね」と思ってしまう奇妙な信頼感…。最高だぜ。
読了日:01月16日 著者:青山 広美
バガボンド 32 (モーニングKC)バガボンド 32 (モーニングKC)
しかし、最初は野生児と思っていた武蔵が作中トップレベルに理屈っぽいとは予想だにしなかったな。ある意味、もっとも繊細かつ理性的な(悪く言えば頭でっかち)キャラクターなんだな。
読了日:01月16日 著者:井上 雄彦,吉川 英治
15×24 link four Riders of the Mark City (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-4)15×24 link four Riders of the Mark City (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-4)
物語が収束するかと思ったらさらに広がった。中盤の山場かな。
読了日:01月14日 著者:新城 カズマ
クシエルの矢〈3〉森と狼の凍土 (ハヤカワ文庫FT)クシエルの矢〈3〉森と狼の凍土 (ハヤカワ文庫FT)
大河ロマンス一部完。合戦シーンよりも篭絡や交渉や事後処理の方に紙面を割いているのが興味深い。戦とはそこに至るまでの過程ですでに決まっていると言うが、その意味では実に正しい視点だ。
読了日:01月13日 著者:ジャクリーン ケアリー
ジンキ・エクステンド ~リレイション~ 1 (ドラゴンコミックスエイジ つ 1-2-1)ジンキ・エクステンド ~リレイション~ 1 (ドラゴンコミックスエイジ つ 1-2-1)
なんと言うエロゲー設定…。内容的にはエクステンドの続きっぽいな。
読了日:01月10日 著者:綱島 志朗
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈9〉始まりの未来は終わり (電撃文庫)
ただひたすらみーくんの現実逃避に付き合わされる(だけ)というすごい作品。
読了日:01月10日 著者:入間 人間
バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)
この作品は一体どこに向かっているんだろうな。面白いから問題ないけど。
読了日:01月09日 著者:井上堅二
バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 6.5 (ファミ通文庫)
キャラが奔放に動きすぎてどんどんおかしなことになっている。ついに優子さんまで…。
読了日:01月09日 著者:井上 堅二
無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~双児の子ら~ (講談社ノベルス)
導入部に生硬さを感じるものの、異能と異形が実在するミステリとして良く出来ている。良く出来すぎていてメフィスト賞っぽくはないな。
読了日:01月08日 著者:望月 守宮
ALL AROUND TYPE-MOON~アーネンエルベの日常~ (角川コミックス・エース 253-1)ALL AROUND TYPE-MOON~アーネンエルベの日常~ (角川コミックス・エース 253-1)
嘘かホントかわからん奈須きのこの壮大な内輪ネタ漫画。設定資料集を読み込んでいる人なら楽しめるか。
読了日:01月08日 著者:Bすけ
空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)
なんか土橋みたいな展開になってきた。マリアはかわいいよね。
読了日:01月08日 著者:御影 瑛路
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)
とりあえず言っておきたいのは、オレは黒猫が好き過ぎるということだ。
読了日:01月08日 著者:伏見 つかさ
血界戦線-魔封街結社 1 (ジャンプコミックス)血界戦線-魔封街結社 1 (ジャンプコミックス)
現時点では鬼カッケーバトルアクション漫画。続刊で世界とかキャラの掘り下げをしてくれたら超ゴイスなバトルファンタジー漫画になると思うので口を開けて待ってるお。
読了日:01月08日 著者:内藤 泰弘
SKET DANCE 11 (ジャンプコミックス)SKET DANCE 11 (ジャンプコミックス)
とりあえず姫子はかわいいのはガチ。
読了日:01月05日 著者:篠原 健太
バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
倒れても連載を強行しようとするサイシューはイマイチ共感できないんだけど(体調管理に失敗した自業自得だし、これで病気が悪化したら編集部の信用問題になっちゃうし)、まあこれが若さなのかな。
読了日:01月05日 著者:大場 つぐみ
銀魂 第32巻 (ジャンプコミックス)銀魂 第32巻 (ジャンプコミックス)
鼻水の話が心底くだらなくて良かった。
読了日:01月05日 著者:空知 英秋
イエスタデイをうたってEX~原点を訪ねて 冬目景 初期短編集~イエスタデイをうたってEX~原点を訪ねて 冬目景 初期短編集~
冬目景ってのは基本はエンタメを志向していなんだなーと思った。
読了日:01月05日 著者:冬目 景
バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)
美春がすさまじい暴走をしていて表紙の工藤さんがイマイチ目立っていないような…。あと久保くん…。
読了日:01月05日 著者:井上 堅二
ビッチマグネットビッチマグネット
さまざまな刺激的なテーマをぽんぽん提示しながら、そんなことはたいしたことじゃないんだよーと言わんばかりに締めるオチまでとにかくすげい。
読了日:01月05日 著者:舞城王太郎
アイアムアヒーロー 2 (ビッグコミックス)アイアムアヒーロー 2 (ビッグコミックス)
日常がブチ壊れて非日常に叩き込まれた主人公が非日常にパニックに陥る描写が異常に切迫感がある。頭では理解できても気持ちが追いつかない、そういう混乱を描写している。
読了日:01月04日 著者:花沢 健吾
アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)
最初は漫画家志望の主人公の痛々しい自意識に塗れた妄想不条理漫画かと思っていたら…一瞬で日常がぶち壊される瞬間があまりにショッキングだった。
読了日:01月04日 著者:花沢 健吾
バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣5 (ファミ通文庫)
出てくるキャラがすべて濃い…。しかし魅力的なんだよね。この作者のキャラ立ての手腕はもっと評価されるべき、とかなんとか。
読了日:01月04日 著者:井上 堅二
バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫 い 3-1-5)バカとテストと召喚獣4 (ファミ通文庫 い 3-1-5)
まさかの恋愛模様。意外とシリアスなあたり作品のポテンシャルが伺える。だけどちょっと途中の誤解が解ける展開がイマイチだったなー。それでいいのかよ。
読了日:01月04日 著者:井上 堅二
闇狩り師 キマイラ天龍変 1 (リュウコミックス)闇狩り師 キマイラ天龍変 1 (リュウコミックス)
うんこれはこれで素晴らしいんだけど…荒野の続きはー?
読了日:01月02日 著者:夢枕 獏,伊藤 勢
芙蓉千里芙蓉千里
動乱の時代、場所における少女の数奇な幼年期を描くと言うだけで面白い。作者の語り口の上手さもあって面白くならないわけがないとも言える。
読了日:01月02日 著者:須賀 しのぶ
銃姫 11 (MF文庫 J た) (MF文庫 J た 4-11)銃姫 11 (MF文庫 J た) (MF文庫 J た 4-11)
見事な大団円。すべてが収まるべきところに収まった。
読了日:01月01日 著者:高殿 円
銃姫 10 (MF文庫 J た 4-10) (MF文庫J)銃姫 10 (MF文庫 J た 4-10) (MF文庫J)
主人公の成長物語をここまで煮詰めて書いているのはすごい。
読了日:01月01日 著者:高殿 円

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買ったもの

1.『空色パンデミック(1)』 本田誠 ファミ通文庫
2.『ココロコネクト ヒトランダム』 庵田定夏 ファミ通文庫
3.『B.A.D.(1)繭墨は今日もチョコレートを食べる』 綾里けいし ファミ通文庫
4.『U.F.O. 未確認飛行おっぱい』 大橋英高 ファミ通文庫

買った。

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2010.02.01

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)』

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)』(伏見つかさ/電撃文庫)を読んだんだ。

黒猫ルート!とか新キャラ登場!とかラストに予想外の展開が!とかまあいろいろあるんだけど、とりあえず黒猫がとてもよろしいです。毎回、わりと京介兄貴と距離を縮めていた黒猫さんだけど、今回はついに京介の後輩と言う立場を得て、ますますキャラが輝いています。主に京介兄貴に対して。京介さんは後輩という大義名分を得て堂々と世話を焼けることがたいそう嬉しかったようで、いろいろかまえて楽しそうですね。このあたり、心理描写を抑制する作者の筆致もあって、とても良かったと思います。

ところで、今”心理描写が抑制されている”と書きましたけど、自分はこの作品の特徴の一つだと思っているんですよね。なんと言うか非常にほのめかしが多い。とくに京介を初めとする登場人物たちの心理描写が少ない…ってのはちょっと違うかな。心理描写はあるんだけど、それがどうとでも取れる描写をするので解釈は読者に任せられている。まあこのシリーズは京介の一人称なので、京介の心理描写はある程度わかるんですが…他のヒロインズたちが何を考えているのかについては、この作品は慎重に押し隠しているように思います。

顕著なのが黒猫で、黒猫の考えていることは徹頭徹尾”わからん”。わかるのは、黒猫の行動だけなんですね。京介が話しかけても、それなりに受け答えする場合もあれば、不機嫌に攻撃的になっているときもある。で、この作品において、彼女の心理描写を断定しない、すなわち正解を与えてくれないというところが興味深く思います。黒猫がある場面でなにを感じていたのか、何を考えていたのか。麻奈実の質問にはどういう意味があったのか。この作品は決して読者に回答を与えてくれません。

例えば、クライマックスの黒猫の行為は想像できる範囲が広すぎて自分には把握しきれません。おそらく、本来は京介に対して改めてお礼を言うとともに、何がしかの”覚悟”を決めていたような雰囲気を感じたけど、どんな覚悟なのかはわからんしなあ。果たして告白までいくつもりだったのか?それとももうちょっと淡いしろものなのか?あるいは”兄”に対する親愛のようなものだったのか?まあ可能性としては絞り込めそうだけど、正解は無いっぽい。

じゃあどうすれば良いのか?と言うと…あとは読者が勝手に判断すれば良いということなります。絶妙に描写されない心理に対して、読者は好き勝手にラベルをはることが出来ます。黒猫と京介の恋愛フラグだと思う人にはそのように解釈できるし、桐乃との実妹エンドを希望する人はそのように解釈すればよい。説明されて無いからいくらでも解釈が出来る。つまり普遍性の獲得です。読者一人一人の”俺妹”ストーリーを構築させることを許す曖昧さを作る手際に作者の極めて高度な手腕を感じますね。優れたキャラ小説の定義はいろいろあると思いますが、感情移入をさせるキャラ立てと言うものがありますが、この作品はそれが異常なまでに上手いんですね。それだけでもこの作品は称えられるべきだと思います。

ただ、この心理描写に乏しいあたりは別の意味もありそうな気もするんですが。と言うのは、これ、つまりは”人間は他者を本質的に理解することは出来ない”と言う認識だと思うんです。相手の気持ちをテレパシー的に把握することは出来ず、もし相手の内面を知りたければ、強引な手を使ってでも相手に”言葉”を引き出す必要がある。そこから推測し、予測する。そうして相手を理解しようと試みる。それをしなくては人間は相手を理解することなど出来ないという冷静な認識が、この作品を支配しているように思います。事実、京介は作中で何度も対話をしようとして、その上で相手の行動を”解釈”しようと試みている。その結果としていろいろバタバタしたり、仲違いしたりしているわけですが、最終的に”お互いを理解しようと試み”たこと自体をよすがとして、関係性は構築される。でも、それが本当に相手を理解できたわけではなくて、ただ理解しようとしたことを信じるのみであるという認識を感じます。

このあたり、この作品には”分かり合えないことへの絶望”が前提としてあり、その上でわかりあいたいと思う願い”を実現しようと足掻く物語になっていて、非常に美しい作品になっていると思うんです(まあ考えすぎかもしれないけどね)。

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