2009年下半期ライトノベルサイト杯
いろいろバタバタしているうちに締め切りがやってきてしまったので取り急ぎ。とりあえず印象に残った作品をピックアップしてみたら、アレ?新規作品ばかりになっちまったぞ?やっぱりあファーストインパクトのイメージは強いのかー。ちゃんと評価するためにはシリーズものは別に集計しないと駄目だなー。
しかし、ガガガ文庫が3作品も入ってしまった。本当、オレってガガガ文庫好きなのなー。
【09下期ラノベ投票/新規/9784094511703】
『君が僕を(2) 私のどこが好き?』(中里十/ガガガ文庫)
いやほんとこれマジスゲーよ。人間ってのは実に深淵な代物だよな。相手はこういう人間だと見切ったつもりになると、さらにその奥が見えてくる。そういう話。
【09下期ラノベ投票/新規/9784094511482】
『ケモノガリ』(東出祐一郎/ガガガ文庫)
ボンクララノベ読みの諸君!ボンクラたちのために我らが東出先生が素晴らしいボンクラ作品をもたらしてくれたぞ!まさにこれはボンクラのための至高のボンクラ小説である!”我ら”に対する圧倒的な肯定を堪能しよう!
【09下期ラノベ投票/新規/9784758040921】
『ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説』(十文字青/一迅社文庫)
これはつまり絶望の話なのよねー。絶望からいかにして人は這い上がることが出来るのかと言う話だけど、個人的にこれが救いであるかどうかは疑問。だって答えのない話だもんな。
【09下期ラノベ投票/新規/9784840130950】
『僕は友達が少ない(2)』(平坂読/MF文庫J)
これはケモノガリとはまた別の違った意味でオタクとしての自己肯定意識に満ちていると思うんだ。ぬるくて平和で平凡な。ラノベやエロゲーからそういった要素”のみ”を抽出したメタラノベ。本当に平坂先生はなんでこんな変化球ばかり投げるんや。でも売れているらしいので、ようやく時代が平坂先生に追いついて来たな!って感じ。
【09下期ラノベ投票/新規/9784094511628】
『絶対女王にゃー様』(J・さいろー/ガガガ文庫)
あまりの素晴らしさに滂沱の涙を流した。オレが。淫靡で後ろ暗い、青春期の性欲に焦点を当てた作品。青春なんて恋愛とかばっかりじゃなくて、行き場の無い性欲だって忘れちゃいけねーぞ!
【09下期ラノベ投票/新規/9784086305228】
『15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと』(新城カズマ/スーパーダッシュ文庫)
死についての物語と言うけど、ここでの死とはもっと広い範囲の話をしているよね。人間の死。都市の死。意味の死。いろいろな角度から”死”について考察し、しかもその考察がエンターテインメントになっているという点が非凡。
【09下期ラノベ投票/新規/9784048682190】
『龍盤七朝 ケルベロス(1)』(古橋秀之/メディアワークス文庫)
オレたちのフルハシが帰ってきた!いや別にオレたちのものじゃねーけど。本当になめらかに物語を紡ぐよなーと言う。エンタメとしての快楽性に特化しているとともに、普遍性もあるとか、古橋先生は本当に小説が上手いですなあ。
【09下期ラノベ投票/新規/9784048682695】
『[映]アムリタ』(野崎まど/メディアワークス文庫)
今回のびっくり箱。本当に読んでびっくりしてしまったよ。普通に面白く、楽しいコメディであり、身も凍るような恐怖もまたそこにある。
【09下期ラノベ投票/既存/9784044729097】
『テスタメントシュピーゲル(1)』(冲方丁/角川スニーカー文庫)
戦闘美少女で現代史の総括をやるんだ…。もうこの作品の目指している境地は全然わかんない!気が狂っている!とか思った。世界はとっくの昔に狂っているのだ、と言うことをラノベできちんと描いていることとかもうね…。ラノベなのに世界に接続している感覚があって、自分が一体何を読んでいるのか分からなくなるよ。気分はもう歴史書を読んでいる感じだ。
【09下期ラノベ投票/既存/9784047261969】
『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』(石川博品/ファミ通文庫)
語り部の饒舌な戯言に乗せて語られる愛と感動の物語…になるはずだったと思うんだけどなあ。打ち切りにならなければもっと語られる物語が読めたのになあ。あーあ残念。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント