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2010.01.25

『バカとテストと召喚獣』

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バカとテストと召喚獣』(井上堅二/ファミ通文庫)を最新刊まで読了。

アニメを見る前にどんなものかと思って手にとってみたらやたらと面白かったので最新刊まで読破しました。読む前はなんとなく苦手意識があったのだけど、これはテストと召喚獣の間に因果関係を成立させるための想像がつかなかったためであると自己分析。自分、きちんと世界構築に”意味”を欲しがるタイプだからして、多分自分の苦手な作品であると言う思い込みがあったんだ。えー、例えるならば、ブリーチって自分大嫌いなんですが、これが駄目な理由って、結局、”主人公が死神である必要性がまったく理解できない”と言うところが根幹にあるんです。他にも話が進まないとかバトルの意味がわからんとかいろいろあるんだけど、駄目な理由の根本的な原因はこれ。世界観と主人公の関わりが完全に浮いているんだよ!死神が宇宙人でも異世界からのパワーに引き換えても全然問題ないじゃねえか!…まあそういうことなんです。

話が逸れた。まあつまり、この作品にも同じような匂いがして、なんとなく避けていたわけです。しかし、ラノベ道を行くにあたっては、きちんと売れ筋も抑えておく必要があろうと思い、今回手に取ったわけです。それで結果としては…作者はセンスあるなあ、と。

特徴としては、試験召喚戦争の設定…はまあおいておいて、とにかく個性豊かなキャラクターを書き分けているというところでしょうね。とにかくキャラが異常に立っている。しかもやたらと人数も多い。1巻だけでもメインキャラだけでも10人以上、脇役を含めれば20人ぐらいいるんじゃないかな。それらのキャラクターをきちんとそれぞれ個性を書き分けているというのは単純にすごい。さらにキャラクター同士の関係性が複雑に絡み合って、関係性から生まれる切れ味のあるギャグセンスがあり、これがまた見事と呼ぶしかない。難点としては、キャラクターが魅力的過ぎ、ギャグの切れ味が良過ぎるために、あっという間に試験召喚戦争がどうでもよくなってくるところかな…。このシステムのヒドさ(常識的にありえない過剰な競争原理)や、物理的に痛そうなギャグ(お笑い芸人的なセンスかな)とか、いろいろツッコミどころはあるのだが、それらをすべて吹き飛ばすほどに、この作品には確かに魅力があると思います。少なくとも、多くの人がラノベに求めるものがそこにはある。一巻だけでそれなりにまとまっているし、キャラの魅力の表現もきちんと行われているので、これは確かに一読の価値はあるかもしれない。まあただ面白い”だけ”の作品なので、その辺は好みで判断する必要があると思いますけどね。

とりあえず、最新刊まで読んだ感想としては以上。メンドイので一冊づつは感想は書かないけど(次巻以降から書きます)、概ね同じような印象を受けました。

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コメント

初期ブリーチは普通に良作だった事を忘れないであげて欲しい……!

投稿: hatikaduki | 2010.01.26 23:09

一応自分も印象だけで否定するのはどうかと思ったんで10巻ぐらいまでは読んだんですが、結局、物語の冒頭部分から違和感を感じたんですよ。主人公が力を得る理由に”意味がない”というのにたまらなく耐えられないものを感じました。なんか作者の価値観とは相容れないものがあるみたいです。

投稿: 吉兆 | 2010.01.26 23:26

>力を得る理由に意味がない
ちょっとよくわからんです。ハヤタがウルトラマンになるのも交通事故だしなあ。

初期のブリーチは「僕らの町が危ない!」っていう読者との感覚的距離の近さと言うか、日常の薄皮一枚下に「死」がひそんでいる「ひやひや」感はすごくよく表現できてたと思うんですよね。ブギーポップや灼眼のシャナと同じ時代の物語として。
そっち方向を伸ばしてプシュケの涙みたいな無惨系青春ものにするとか、あるいはドン観音寺やコンみたいな怪人物が空座町を跳梁する成田良悟系の話にしてみるとか、いろいろ選択肢はあったと思うんですけどね。少々残念。

投稿: hatikaduki | 2010.01.27 00:19

どうも自分には”死神”と言う存在の扱いが軽すぎる気がするんです。なんか世界観と言うか物語から浮いているというか、あからさまに「主人公に力を与えるためだけに設定を作りました」的な軽さを感じるんですね。死神が虚を倒すというのはあくまでも設定であって世界観じゃねえだろ、って言う(実際には分かりません。もしかしたら作者はものすごく設定を詳細に考えているかもしれない)。

まあ作者の世界観の描き方に肌が合わなかっただけ、といわれればそれまでですが…。

投稿: 吉兆 | 2010.01.28 00:42

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