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2010.01.12

『ミスマルカ興国物語(6)』読了

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ミスマルカ興国物語(6)』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)読了。

林トモアキは、なんつーか本当にすごいな…。ノリとハッタリと大法螺で物語を際限なくスケールアップをして行く豪腕には本当に感心するというか。感心を通りこしてもうこれは天才かなんかなんじゃねえか?そもそもここまで後先を考えてない(ように見える)大法螺を吹きながら、きちんと要所要所では物語としてまとまっている(そしてそのまとめるとその下にもう一つの風呂敷があることに気がついたりする)あたり、これは絶対計算してないだろ!と思ったりもするが、続きは次巻を書く自分に任せるぜー!と言うかのような果断な姿勢にはとにかく惚れ惚れするしかない。同人誌ならともなく商業ペースをこの姿勢で書くのって、本当になにか天才か悪魔に憑かれているとか思えないぜ。林トモアキすごいです。

何がすごいって、ノリとハッタリと大法螺で物語を回転させながら、実はキャラクターにブレが見受けられないところがすごい。マヒロ王子やパリエルなどの主要キャラクターのキャラにブレがないのは勿論、ラヒル国王とかエミットとか、脇役を固めるキャラの過去とか本質が見えて来ながらも、それ以前のキャラとの齟齬が全然感じられないどころが納得できるところがすごい(少なくとも僕には納得できた)。さらに物語中で国際情勢もダイナミックに激動しているのだが、ちゃんとキャラの動きとマクロの状況が(たとえ泥縄であっても)きちんと噛み合っているというところもすごい。それらいろいろな要因が重なって、最後のギャンブル勝負につながっていくのんもんな。あのギャンブルがちゃんと国家間代理戦争としての意義を持たせてカタルシスまで繋げていくにいたっては、本当に作者はどこまで天然でどこまで計算のか疑わしくなっているですよ。

お・り・が・みキャラもサービス登場したりして、作者は本当にサービス精神が旺盛ですね。そのサービス自体、作者が楽しんでやっているのが読んでてわかるのでいいですね。作者が物語自体に愛情をもって、物語を書くのが楽しくてしょうがないと言う作品は、読者も幸せな気持ちになりますな。善哉善哉。

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コメント

お久しぶりですシロです。センター終わったんで一旦帰ってきました。
今回吉兆さんえらくベタボメですが、でも本当にそうですね。林さんすごいや。ナナメ角度のままに物語を進めて、キチンと話が収束し始めてますからね。前作とかもそうですが7巻ぐらいでスッパリ完結さす!と最初から(?)決めてるから諸々のブレが生まれないんでしょうね。あとはまあ、「ブラフにならなくてもいいブラフ 」って、スゲーブルジョワな考えだよな。なんとゆーか。シャルロット姫。

投稿: シロ | 2010.01.20 13:03

まあ実際ものすごい無駄と言うか、本当にこれ物語に必要なの?という疑問点は多々あるんですが、細かいことを気にしているこっちが器が小さいんじゃないかと思えてくる作者の漢気には脱帽ですよ。絶対後先のことを考えてないハッタリに塗れているのに、なぜか最後は物語が収束してしまう豪腕には感嘆するしかない感じです。

投稿: 吉兆 | 2010.01.20 21:06

なるほど。ところで思ったんですが、何でクーガー生きてんすかね。あ、マリーチと一緒に実は天界にいるとかかな?
あとミスマルカの正式名はミスマルカ興国でいいのかな。公国の誤植だと思いたいが…

投稿: シロ | 2010.01.25 10:44

いや、もう6巻も続いている作品のタイトルになっているのが誤植とかそりゃないでしょうw。あと作中のミスマルカは「王国」ですよ。

辞書的な意味だと

【興国】
(1)国の勢いをさかんにすること。
(2)新しく国をおこすこと。建国。

とあるので、タイトルの意味はマヒロ王子が新しいミスマルカを興すとか、あるいは中興の祖とか呼ばれるようになるとか、そういう話になると言う意味じゃないかな。

投稿: 吉兆 | 2010.01.25 16:01

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