『龍盤七朝 ケルベロス(1)』読了
『龍盤七朝 ケルベロス(1)』(古橋秀之/メディアワークス文庫)読了。
すごいねーこれ。血と暴力と夢と希望と絶望が入り混じった一大武侠アクションロマン…の序章。これほど面白く最高潮に達しながらもあくまでも序章にもほどがあるのが憎いぜ。なんとしても続きが読みたくなる。ほんと頼みますよ。一年ぐらい余裕で待つから、きちんと続編を書いてください…ッ。そして完結させてください…ッ。
さて内容。いわゆる武侠小説を日本向けに落とし込んだ感じですな。もともと武侠小説は日本のオタク文化と非常に高い親和性を持っているのだが(とりあえずケルベロスが面白かった人は金庸の作品も読んでみることをおススメする。50年前に萌えを先取りしているんだぜ?)、これは秋山瑞人のドラゴンバスターも同じだけど、もっと少年漫画テイスト、換言するとボンクラ度が非常に高くなっています。ド派手なアクション、超越的と言うのもはばかられる鬼神か天災のような敵役の存在力。そしてそれに立ち向かうことになる”三首四眼五臂六脚の怪物”の物語。
なんつーか、古橋秀之の文章は、かっこいいよな。冒頭のレンパのエピソードからしてかっこいい。いかにも天下人を夢見る英雄の一歩を思わせる愉悦がある。そしてその夢のような物語を一瞬で打ち砕くラガン皇帝の獰悪さを見よ。人知を超えた荒ぶる神の如き崇高ささえ感じられる絶対の暴力。それを語る古橋秀之の文章は、どこまでも美しく、切なささえ感じられると思うのだ。美しさと切なさ。それはいかに残酷を描いても、暴力を描いても、どこかしら漂わせる哀切さが作者の文章にはあるように思う。
最後にもたらされる破壊と絶望。王の道を歩むはずだったランカたちの道は粉微塵に打ち砕かれた。彼らの道は、”怪物”への道。怪物を殺す怪物の物語が、ついに始まった。その結末を、ただ期待して待ちたい。
…あと、ドラゴンバスターの続きマダー?
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