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2009.12.14

『シュガーダーク 埋められた闇と少女』読了

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シュガーダーク 埋められた闇と少女』(新井円侍/電撃文庫)読了。

スニーカー大賞<大賞>受賞作。まああらすじとかから暗い話なのかな、と思っていたのだけど、思ったより”甘い”話だった。いわゆるボーイミーツガール。運命を背負った少女と出会った少年が、少女とともに運命に立ち向かおう、と言う話だ。その意味ではびっくりするぐらい王道なストーリーであると言える。少年と少女のどこか不器用なやりとりも微笑ましいしね。

ただ、”ダーク”とあるだけあって、甘さの中に禍々しいものがあるのが大賞の由縁なのかなー。結局、少年は少女を救うことは出来ない。ただ出来ることは少女の抱えている闇を一緒に支えることだけなんだよな。光の中に少女を連れ出す話であると共に、少女と共に闇に生きようという物語でもある。

少女の運命と言うのは、これは完全に”生贄”としての存在だと思うんだ。人類が近代化の光が隅々まで行き渡ると同時に生まれる闇。それをなだめ、鎮める事がまさに少女の役割。日常の裏にある非日常。そこに少年が迷い込んでしまったと言う身近な異界の描写がなかなか良く出来ているように思った。

細かい話。少年が少女対して為す決断の経過にはびっくりしてしまった。結論自体は意外性はないのだが、その過程にものすごい驚いた。これは完全にミスリードされたなあ…。これは見せ方がものすごく上手かったと思う。技巧的と言ってもいい。ただこの技巧は完全に叙述トリックなので(ミステリーの文法のような気がするので)、半分反則のような気もしないでもない。

その辺を考慮しても、すごく古典的な話を現代的にきちんと語りなおしていて良かったように思います。

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