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2009.12.31

今年もいろいろありました(コミケとか)。

と言うわけで年末です。あと一時間くらいで2009年も終りですね。こうして思うと今年一年もいろいろありました…あったような気がする。まあ終わったことは振り返らないをモットーにしておりますので、来年もまたいろいろやっちゃうんだろうなー。あーしんど。と言うわけで来年もよろしくお願いします。

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『おーい!キソ会長』読了

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おーい!キソ会長』(柴村仁/トクマノベルスエッジ)読了。

このほんわか系の表紙、脱力感をかもし出すタイトル。これだけでああいつもの柴村仁なんだな、とだれもが予想すると思う。我が家のお稲荷さまとかのあの辺ね(続きはどうなったんだろ)。そういうほのぼのラノベは作者の得意とするところなので、別に違和感はない。自分も最初そう思っていた。暇つぶしにはちょうどいいかな、と言うレベルの認識しかなかった。

と・こ・ろ・が。読みはじめてびっくり、読み終えてまたびっくり。このタイトルでこの表紙にして、実はこれ『プシュケの涙』の系譜に属する暗黒青春ミステリだったのである!それどころか、ただ系統に属するだけでなく”世界観も『プシュケの涙』とつながっている”様子さえあるのだ!レーベルが違うせいか、はっきりと名前が出てこないのだが、『プシュケの涙』に登場したある人物が登場するのだ(たぶん)。

いやもう自分はてっきり学園コメディを読ませられるものだとばかり思っていたので、”その人物”が登場したときにはガツンと頭をぶん殴られたようなショックを受けるとともに、実はこの作品はコメディではないのか…?と言う疑いを抱きつつ読んだ。…予想は大正解だったよ。これぐらいびっくりさせられたのは、予備知識をまったく持たずに読んだ自分のような柴村仁のファン(少なくとも別レーベルで新刊が出てもためらわずに買うレベル)だけだろうなー。この感想を読んでしまった人はこの驚きは味わえないと思うとこうやって書くこと自体が良くないのかもしれないが、まあこればっかりはしょうがないよな。これを除外しては感想なんて書けないもんな。

で、内容は最初にも書いたとおり、暗黒青春ミステリ。主人公の木曽くんはビビリだけど好奇心旺盛な生徒会”副会長”。今日も今日とて雑用を押し付けられながらも忙しい毎日を送っている。そんな彼がふとしたきっかけで友達になったクラスメイトの勝村。彼はいわゆる不良とみなされており、エスケープや喧嘩に明け暮れているらしい。ある日、クラスで盗難事件が起こり、彼にかかる疑いを晴らすために木曽は奔走するが…と言うのが”導入”。中盤までは人は良いけどおっちょこちょいな木曽と、強面だけど頭の回転が速く面倒見の良い勝村の凸凹コンビが学園で起こるちょっとした事件を解決していくと言うフォーマットを取っているんですが…物語が進むにつれて、それまで木曽が当たり前の日常と考えいた世界が、実はものすごく不安定で、人間の悪意にさらされていくことが分かっていく展開がものすごくサスペンスフル。一つ一つ、それまではただの不良と思われていた勝村の行動に理由がわかっていくにつれて、それまでの出来事が反転してラストになだれ込む展開はびっくりしてしまった。

今回はわりと登場人物紹介みたいなところもあって、登場したキャラクター全員にスポットが当たっているとは言いがたいのだが、『プシュケの涙』と違ってこの決着のつけ方なら続編もありそう。その分、作品としては冗長な部分もあって作品としての完成度と言う意味ではそれほど高くはないのだが、これは続編の内容次第で変わってくるところだと思うので期待したいところです。

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2009.12.30

『プールの底に眠る』読了

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プールの底に眠る』(白河三兎/講談社ノベルス)読了。

第42回メフィスト賞受賞作。こーれーはー傑作。メフィスト賞は一時期ハマってたものの最近はさっぱり読んでいなかったんだけど、こういう作品が出てくるのならまだまだ捨てたもんじゃねーなーと思いました。偉そうですねすいません。いや、これは本当に素晴らしい作品でした。悲劇的な物語を淡々とした語り口であくまでも美しく語る文体にはとにかく素晴らしい。どこかで男の子が主人公の『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』(桜庭一樹/角川文庫)と言う形容をされていたけど、自分は『カッティング』(翅田大介/HJ文庫)を連想した。あれのラノベ的設定を排除して、より純化された感じ。会話のやり取りや主人公の思考の流れを拾い上げるのが非常に上手く、ラストまで悲劇的な色のままに突き進む物語は息もつけぬ緊張感を孕んでいる。いや、これはg本当にすごいなー。ラノベ的な軽さはあるし、悲劇的なんだけど、とても美しい。

感想を書くために再読してみたんだけど、実は伏線の張り方と言うか、情報の出し方にすごく気を遣っているなと思った。最初からクリティカルな情報が出ているんだけど、それを読者には気がつかせないさりげなさが心憎い。最後まで読んだ後に読み返すと、作者は何一つ嘘をついていないのに騙されていた事に気がつかされる。後半に向けて明かされていく事実に驚かされるのだが、その驚きが物語とリンクしているのもいいよね、などとミステリ的素養がないのに語ってしまった…。まあいい。

読者を引きずりこむような強引さはないけど、一度読み出すと目が離せないような印象的な物語ですね。文章も平易でありながらも美しく、物語の持つ破滅的でひんやりとした雰囲気が読者を安心させてくれない。そしてそこまで積み上げたものが、ラストですべて引っくり返る展開には賛否両論ありそうだけど、これはこれで素晴らしいものなのではないかと思います。深刻な顔で深刻な話をして深刻な結末を語られても何にも解決もないんだよ!すべての失敗も悲劇も、すべてを抱えて生きていくしかないんだよ!すべてを失くしてしまったとしても、失われたものは無意味ではなかったと信じなくては失われたもの自体が無意味になっちまうんだよ!とか思いました。

この作品はもっと話題になってよいと思います。

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買ったもの

1.『バカとテストと召喚獣(3)』 井上堅二 ファミ通文庫
2.『バカとテストと召喚獣(3.5)』 井上堅二 ファミ通文庫
3.『プリンセスハーツ 誰も代わりにはなれないの巻』 高殿円 ルルル文庫

買った。

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買ったもの

1.『バカとテストと召喚獣(1)』 井上堅二 ファミ通文庫
2.『バカとテストと召喚獣(2)』 井上堅二 ファミ通文庫

買った。面白いねーこれ。

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2009.12.29

『ピーチガーデン(1)キスキス・ローテーション』読了

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ピーチガーデン(1)キスキス・ローテーション』(青田八葉/角川スニーカー文庫)読了。

これは実にヒドイ設定だと思いました。いや面白いんだけどね。面白いんだけど、作中ヒロインに対してはあまりにもひどすぎる設定です。なにがヒドイのかと言うと、ヒロインの存在意義を”主人公と恋愛すること”のみに貶める設定なわけです。まあフィクションの存在に対してこんなことを言い出すのも我ながらどうかと思うんですが、この作品はあまりにフィクションとしてそのあたりの意識が意地が悪い。フィクションとしてヒロインを”消費”することに対して自覚的過ぎるともいえますな。つまりラブコメストーリーにおいて、「なんで主人公はヒロインにモテモテなのー?」という問いを物語上の設定で回収してしまっている。そのため、普通のラブコメでは好きなものは好きだからしょうがないで済ませるところも、この作品においては「呪いだから」と言うことで物語上で回収してしまっている。そのあたりに主人公と言うか、”「ラブコメを読みたい」と欲望する読者”の身勝手さが浮き彫りになってしまっている。お前ら、こういうラブでコメって入るの好きだろ?なあ?と言う作者の薄笑いが目に見えるようだ。そのラブでコメっている世界では、ヒロインの心を容赦なく踏みにじっていると言う事実を作者は浮き彫りにする。主人公が呪いを発動させなければ(願わなければ)、ヒロインたちはそれぞれ自然に主人公と出会っていただろうし、そもそも出会わなかったかもしれないし、出会っていたとしても恋愛感情は持たなかったかもしれない。そうしたありうる可能性をすべて潰して、それぞれのヒロインたちは主人公との恋愛感情を持つことを”強制”されてしまっている。これは本当にヒドイ。ただ、作中でもそのあたりは回収されていて、「巳の少女」のとった行動は明らかにラブコメに対するアンチテーゼだと思うんですよ。ラブコメに翻弄されると言うのは、読者からしてみたらご褒美ですが、ヒロイン達にしてみればあまりにも残酷で苦しいこと。「巳の少女」はその残酷に対して立ち向かったわけです。その手段が暴力的なのは、ラブコメの持つ暴力的な論理に対抗するために必要なことだったのでしょうね。もっともそのあたりの葛藤は止揚には至らず、先送りすることになってしまったけれども、主人公はいつかかならず答えを出さなくてはいけないでしょう。その意味で、この作品は”メタ”ラブコメ小説と言える作品であり、この論理がどこに帰着するのか非常に興味深く思いました。

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2009.12.28

『月見月理解の探偵殺人』読了

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月見月理解の探偵殺人』(明月千里/GA文庫)読了。

大変面白かった。初期の西尾維新を思い起こさせる、切羽詰って閉塞感に満ちた暗闇の青春物語として実に良く出来ている作品。ミステリ風味というかコンゲーム的な要素があるけど、そのあたりはあまりメインではないみたいですね。自分はあまりミステリ的な素養がないせいでもあるけど、ガチガチに論理的に物語を進めていくという感じではなくて、けっこうアバウトな扱いをしている。ただ、ゲームの要素は主人公と理解の間のやりとりの緊迫感を高める効果もあるし、なにより、この世は騙しあいで成り立っている、と言う作品世界を象徴しており、物語的には大きな意味があるように思う。

主人公はひたすらに嘘をつく。大切な人を、大事な世界を守るために多くの嘘をつく。彼が守りたいと思った相手も嘘をつく。彼に関わる誰もが嘘をついており、彼を取り巻く世界は嘘によって成り立っている。嘘によって構築された世界は不安定で歪つで殺伐としていて人を傷つける世界なのだが、しかし、主人公にとって大切な世界はすでに嘘なくしては成り立たないものになっている。だけど、嘘と言うのは諸刃の剣なのだよね。嘘をつけばその場は取り繕えるかもしれない。短期的には最大の幸福さえ獲得できるかもしれない。

けれども、嘘と言うのは必ず破綻するのだ。必ず。例外なく。確実に。嘘によって繕われた世界は、必ず崩壊する。そしてその崩壊を先延ばしにするためにさらに嘘をつかなくてはならない。それは崩壊を先延ばしにしているだけではない。より高く積み上げられた楼閣は、高ければ高いほどに崩壊したときに多くのものを巻き込むことになるのである。

月見月理解は嘘を嫌う。むしろ憎んでいると言ってもよい。自分自身が高度な嘘つきでありながら、嘘によって取り繕われる世界を憎悪している。彼女はあらゆる嘘を破壊する。言葉で、態度で、その眼差しであらゆる嘘を破壊する。嘘を破壊された世界は、多くの人を巻き込み、傷つける。理解は、躊躇いもなく嘘を粉砕して、多くの人を傷つけていく。だけれども、それは彼女は残酷だからではない。嘘によって繕われた世界の歪みを知るからこそ、彼女は嘘を打ち砕くのだ。傲慢に、不敵に、嘲笑いながら。

しかし、彼女は最後の最後に嘘をついた。それは小さな、とても小さな、けれども優しい嘘。嘘はいつかは必ず破綻する。けれども、真実もまた残酷で人を傷つけるもの。嘘は真実を受け入れるまで人を支える杖でもあるのだ。その嘘をついたことは、理解の本質的な優しさであろうと思う。少なくとも、彼女は真実の重さを知っているのだ。

それゆえに、この作品は残酷で無残でありながら、どこか優しい物語である。それは月見月理解が持つ矛盾した人物像がもたらしているものだと思うのだった。

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買ったもの

1.『朝霧の巫女(6)』 宇河弘樹 少年画報社
2.『ワールドエンブリオ(6)』 森山大輔 少年画報社

買った。

しかし朝霧の巫女は2年ぶりの新刊か…。完結してから一体何年経っているんだっけ?どんだけ修正をかけているんだろうね。

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2009.12.27

「2009年ベスト/ワーストアニメ」

「2009年ベスト/ワーストアニメ」企画に参加してみることにする。

なお、ベスト/ワーストの判断基準は、自分の感情を揺り動かした度合いによって判断した。肯定的なものをベスト、否定的なものをワーストとする。

「2009年ベストアニメ」
・「真マジンガー 衝撃!Z編」
あまりにもイマガワ作品でありつまるところ最高。最終回は投げっぱなしというにも生ぬるい驚愕の落とし方。これは原作がマジンガーZでありかつイマガワ作品であったから受け入れられるレベルであって、そうでなかったら放送事故に等しいと思う。つまり最高。

・「東のエデン」
これも見事な投げっぱなしエンド。映画についてはまだコメントできないけど、とにかくドラマとして高品質すぎる。アニメのレベルを一段上げたとさえ思うが、後続がいなさそう。つまり最高ってこった。

・「化物語」
断言してもいいが、しばらく化物語の二番煎じ作品が続くだろうね。そして当然のごとく全部失敗するであろうことも容易に想像できる。と言うかこんなアニメが主流になったらアニメ業界は滅ぶだろうな。頂点は常に一つ!

「2009年ワーストアニメ」
・「鋼殻のレギオス」
ふふ…アニメを観て頭痛がしてきたのなんて久しぶりだぜ…。原作の持つあらゆる要素をとっちらかして粉砕したある意味芸術的なラノベのアニメ化。アニメにするにあたって新基軸をやろうとして全部滑ったというのがすごい。

・「宇宙をかける少女」
オリジナルアニメとしてここまで出来るのか、と思った(悪い意味で)。キャラも物語もむちゃくちゃで、ある意味壮観。

・「バスカッシュ!」
前半だけ(10話くらいまで)なら傑作。前半に積み上げたものを華麗に無視していく展開には唖然とさせられた。最初がよかっただけに、最終回の脱力感は筆舌に尽くしがたいものがあった。

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買ったもの

1.『”文学少女”見習いの、傷心』 野村美月 ファミ通文庫

買った。

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2009.12.26

『ソードアート・オンライン(3)フェアリィ・ダンス』読了

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ソードアート・オンライン(3)フェアリィ・ダンス』(川原礫/電撃文庫)読了。

相変わらずオタク妄想をドストレートにブチ抜く豪腕がすげえ。顔が良くて才能もあって運動能力も高くそれでいて一途なキリト先生は当然の如く女の子にモテモテだがそのすべてのフラグをあっさり折るあたりイケメンの余裕なのかしら。本当にぱないの!主人公はあくまでもかっこよくて強く、ヒロインは可愛くもけなげ、悪人は反吐が出るほどクズと、まことに妄想ドリーム小説の面目躍如。いかに読者を心地よくさせるかのみを追及されており、そのエンタメの追及のやりかたの衒いのなさに、作者は本当にエンタメ大好き作家なんだなー、と感心するのでした。川原礫は基本的に小説を書いて自己表現することにはあまり興味がないみたいですねー。基本的に”絵空事を紙面に表現する”ことにしか興味が無いみたい。フィクションを構築することそのものが好きなタイプ、って感じ。構築したものに意味は求めない。ただ構築することだけに力を注いでいる。うーん、かっけーなー…。しかも、その構築の手つきにありがちな自己装飾がほとんど見られない(ように感じる)のがまたすげえ。「オレはこれが好きなんだ!」ってのがダイレクトに伝わってくる。ちょっとねー、この辺り作者が異常に上手いから”ただの職人”と考えられているケースが多いみたいだけど、自分はそっちの意見には賛成できないな。ただの職人にはここまで妄想ドリームを構築できないよ。キリト先生のドリームっぷりの構築力は、生半可の妄想では作れない。四六時中、妄想を張り巡らさなくては出来ない領域だと思う(自分でも妄想したことがあるからわかる)。作者の場合、本来は自分の中でこっそり育むはずの妄想(ヘンリー・ダーガーみたいなもん、と言うのはさすがに言いすぎかな)を、ノーガードで作品に仕上げてしまっていると言うところが、まあその、なんと言うか、えー非凡だなあ、と思いました。だってオレ、これ読んだ時に最初に感じたのは、「エロ過ぎる!18禁にしなきゃ!」だもん。エロいシーンはほとんどないけど、設定があまりにも妄想エロを掻き立てる内容なんだけど(オレだけかもしれん)、それを隠そうと言う意図が全然見えないもんなー。洗練されているとはお世辞にも言えないけれど、これはこれですごい。『アクセル・ワールド』はこれに比べればまだラノベとして作られていたんだなー。

とりあえず妹ちゃんがエロい。非常にけしからんので今後も活躍して欲しいものだと思いました。

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買ったもの

1.『アンシーズ(2)~刀侠戦姫言想録~』 宮沢周 スーパーダッシュ文庫
2.『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』 石川博品 ファミ通文庫
3.『ミスマルカ興国物語(6)』 林トモアキ 角川スニーカー文庫
4.『魂追い』 田辺青蛙 角川ホラー文庫
5.『保健室登校』 矢部嵩 角川ホラー文庫
6.『友達100人できるかな(2)』 とよ田みのる 講談社
7.『DON’T TRUST OVER30』 TAGRO 講談社

買った。耳狩ネルリがこれで終りと言う事実に憤りを抑えきれない。まあしょうがないけど…。

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2009.12.24

『野武士のグルメ』読了

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野武士のグルメ』(久住昌之/晋遊舎)読了。

『孤独のグルメ』の原作者による一人飯の風情に溢れた作品。まあやっていることは孤独のグルメとなんにも変わりません。街をぶらぶらし、その街の空気を感じ、おもむろに飯屋に入って食う。ただそれだけ。ただそれだけなんですが、これがすごく面白いんですね。なんと言っても主人公の器の小ささが最高。この人、本当に人間がちっちゃいです。初めて入る店には勇気が出なくて尻込みしたり、お店のおススメを断りきれずに大量に頼んでしまったり、冷やし中華を食いにいくのに、とりあえず近所の当たり前の出来合いのものに拘ったり、お腹が空きすぎてしまって適当に中華料理屋に入ってみたらこれがヒドイのが出てきて絶望したり。とにかく、つまらないことで一喜一憂しすぎです。どうでもいいことにこだわりが強いので、こだわりがなってないところには文句を並べ立てる(でも口には出さないあたりが小市民)。全編を通じてそんな感じなんですが、いろいろな店に行って飯を食って、思い通りのものが出てきてホクホクしたり、まずいものが出てきてガッカリしたりする姿に、作者の人格が滲み出てくるので読んでいるこちらがホクホクしてきます。

僕が一番面白かったのは「生野菜定食、焼肉付き」。およそありえないこの定食に好奇心から頼んでしまった作者の苦心惨憺ぶりが面白い。「肉って栄養があるんだな」とかしみじみ言っているあたりに思わずニヤニヤしてしまった。冷やし中華の話とかもいいですね。後から来た客がどんな食べ方をしたのか気になってしょうがないけど、知らないほうが夢が広がるよな。「悪魔のマダム」とかもそうだけど、個人的には失敗談の方が楽しい。叙情的、感傷的に語られる話にもなかなか味わい深いものがあるけど、途中に失敗談があるからそうした叙情が際立つと思うんだ。

”野武士的”な食事を理想としながらも、なかなか野武士になれない作者の自意識がとても面白いグルメ小説でした。一応グルメ小説なんだと思います。

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買ったもの

1.『15×24 link five ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック』 新城カズマ スーパーダッシュ文庫
2.『15×24 link six この世でたった三つの、ほんとうのこと』 新城カズマ スーパーダッシュ文庫
3.『呪街(4)』 惣本蒼 講談社
4.『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!(1)』 ひろやまひろし 角川書店

買った。プリズマイリヤの第二期は実はけっこう嬉しい。

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2009.12.22

『狗牙絶ちの劔(4)―刀と鞘の物語―』読了

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狗牙絶ちの劔(4)―刀と鞘の物語―』(舞阪洸/富士見ファンタジア文庫)読了。

完結した、らしい。…だけど、全然納得いかねえぞこれ!?結局、4巻をかけてやってきたことと言えば、合宿所の殺人事件を解決しただけじゃないですか。いや、別にそれでもかまわないといえばかまわないんですが、これって何が結局やりたかったのか全然わかんねえ…。ミステリがメインであるのならそれでもかまわない。じっくりと事件を解体していって欲しい。けどこれは伝奇アクションではなかったのか…?無論、こちらの考えているジャンル意識と異なっていたと言うだけに過ぎず、読み間違えた自分が悪いと言われれば反論できないけどさ…。でも、冷静に考えてみて、4巻まで書いておきながらやっていることと言えばクローズドサークルに巻き込まれて、それを解決するだけなんですよ。別にミステリとして面白いわけでもアクションを楽しめるのでもない、とにかく読みながら眩暈がしてくるほどに迂遠な(犯人はとっくにわかってんのにいつまで引っ張るつもりだオラァ!)展開にはもはや殺意に近いものさえ覚えた。まったくラノベを読んでてここまでブチ切れたのも久しぶりだぜ…。このグダグダさえ楽しめるのであれば、キャラを消費すればよいわけで面白がれるのかもしれないけど、自分には無理!ほんと、マジ勘弁してください。

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買ったもの

1.『鋼の錬金術師(24)』 荒川弘 スクウェア・エニックス
2.『変ゼミ(3)』 TAGRO 講談社
3.『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(8)』 環望 メディアファクトリー
4.『パラケルススの娘(9)メフィストフェレスは踊る』 五代ゆう MF文庫J
5.『オウガにズームUP!(4)』 穂史賀雅也 MF文庫J
6.『銃姫(10)』 高殿円 MF文庫J
7.『銃姫(11)』 高殿円 MF文庫J
8.『死神姫の再婚-私の可愛い王子様-』 小野上明夜 ビーズログ文庫
9.『死神姫の再婚-微笑みと赦しの聖者-』 小野上明夜 ビーズログ文庫

買った。

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2009.12.21

『双竜記(3)機械じかけの竜と闇の咆哮』読了

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双竜記(3)機械じかけの竜と闇の咆哮』(安彦薫/電撃文庫)読了。

電撃三大入替り王子もの(四つかもしれない)の一角らしいけど良く分からない。まあそれだけオーソドックスな設定なのだろうと思うのだけど、このシリーズにおいて顕著なところは、主人公の”王子”は完全に狂言回し的な役割に留まっており、積極的に物語に関わることはほとんど無い。あくまでも主人公の周囲にいる人々の物語になっているように思う。戦いによる流血に苦しむ妹姫、いかに戦うべきかを競い合う反抗軍の指揮官、将軍、軍師たち、主人公の持つ決戦機の技師たち、それに秘められた謎を追う騎士。それらさまざまな登場人物たちが、ひしめき合い軋み合いながら葛藤していく。わりと俗物な人物もいれば、人間的な利害を超越した人物もいるし、超人的な武功を誇る戦士もいたり、臆病な小人物もいる。こうしたいわゆるモブキャラの描写が非常に丁寧なところには好感を感じずてしまった。また多数の登場人物を丁寧に描写しているだけでも相当なものだが、世界観を描写する手つきも実に丁寧な仕事をしており、もはや重厚と言っても良さそうだ。文章から世界観を作り上げるつもりのようで、実に頼もしいと思うのでした。

さて、そのように実に楽しんで読んだ双竜記シリーズの三巻目だけど、実は大きな方向性の変更がある。先ほど狂言回しとして存在している主人公が、自己主張を始めてきたのだ。流されるままに戦ってきた主人公が、ついに自分の意思を発揮しようとして、弱々しくあるものの自分の意見を述べ始めるところなどは、ついに主人公が物語の主人公として動き始めたのか!と驚いてしまった。前巻において、たしかに主人公のライバル役とも言える存在が登場していたのだが、それに対しては主人公の主体性のなさが目立っていたものの、ついに一個の人格として動き始めたのだとすると、この物語は大きく様変わりすることになる。あるいは作者は元々この予定だったのだろうか?あくまでも最初は物語の舞台を整えるだけ、と。だとするとこれから本番と言うことになるわけだが、さて。ともあれ、主人公自身が動きだして、その行動に惹かれてきた人々が存在していることで、これから流されるだけではない、彼自身の責任と言うものが生まれてくるのだろう。それが物語をどのように引っ張っていくのか、期待は尽きない。

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2009.12.20

買ったもの

1.『クシエルの使徒(1)』 ジャクリーン・ケアリー ハヤカワ文庫FT
2.『マギ(1)』 大高忍 小学館
3.『マギ(2)』 大高忍 小学館

買った。

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2009.12.19

『ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット』読了

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ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット』(上遠野浩平/電撃文庫)読了。

霧間さんたちは魔女戦争でド派手なバトルを繰り広げている一方で、ブギーさんはいつも通り世界の敵を淡々と狩っていたのでした。ブギーさんが魔女戦争に姿を現さないのは、魔女たち自身は”世界の敵”ではなく、魔女たちもまた既存の世界に属するものであり、そこから外れて自我を肥大化させていく存在ではないと言うことなんでしょうな。別の言い方をすれば、彼女たちは”強者”であると言うことも出来ます。強い存在は思うがままに自己を貫けばよいだけであって、”世界”をどうこうなんて考えない。”世界”を変えたいと望むのは、いつだって”弱者”なんですよ。弱さこそ、正確には弱さを克服できなかった存在こそが”世界の敵”と呼ばれる存在になるわけですな。つまりブギーポップってのは、基本的なフォーマットはジョジョの奇妙な冒険第4部に良く似ている。敵のあり方と言うのがまんまその通りなんだけど、今回は特にそれを強く感じました。たぶん、”世界の敵”が”永遠の逃亡者”であることに関係があるように思うんですが、このあたりはネタバレになってしまうのでほどほどに。ただ、今回の世界の敵は、己の弱さ、欲望に負けて、困難や試練から逃走すること”だけ”を目的としており、あらゆる行為はすべて逃走にのにつながっている。ありとあらゆる恐怖から逃げて、ついには自分自身からも逃走している”敵”の、存在としてのあり方そのものが、世界の敵としての条件に当てはまってしまうのでしょうね。困難から逃げる、ただその弱さこそが多くの人々を巻き添えにして破滅させる真の邪悪であると言うこと。つまり、世界の危機とは、強さではなく弱さによってもたらされる。ブギーポップの主題とは、すなわち人間の”弱さ”についての者と言うことが出来るのではないでしょうか。ジョジョで例えるならば、敵スタンド使いが主人公になって、条太郎(ブギーポップ)と戦う物語だということですね。弱さゆえに”敵”は攻撃性を有し、弱さゆえに戦い、そして弱さゆえに敗北していく。いいえ、”敵”は”敗北することが出来た”のでした。何一つ積み重ねることの出来ない逃走の中、ブギーポップによって敗北させられることによって、ついに安息を得ることが出来た人々の物語と言えるでしょう。ただ、その敗北により彼らの想いが無になったのかどうかはわかりません。この事件を通じて関係者の心の中になにかを残したのかもしれないし、あるいはこのまま忘却されるのかもしれません。それさえも受け入れたまま、ブギーポップは去る。そうして、後のことは当事者たちの物語となるのでした。

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買ったもの

1.『機動旅団八福神(10)』 福島聡 エンターブレイン
2.『蜻蛉迷宮(2)』 原作:谷川流 作画:菜住小羽 アスキー・メディアワークス
3.『テルマエ・ロマエ(1)』 ヤマザキマリ エンターブレイン
4.『千里伝 五嶽真形図』 仁木英之 角川書店
5.『難民探偵』 西尾維新 講談社

買った。

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2009.12.18

買ったもの

1.『世界の果てで愛ましょう(2)』 武田すん アスキーメディアワークス
2.『CLOTH ROAD(8)』 脚本:倉田英之 漫画:okama 集英社
3.『このはな(1)』 松本ドリル研究所 秋田書店
4.『史上最強の弟子ケンイチ(36)』 松江名俊 小学館
5.『結界師(27)』 田辺イエロウ 小学館
6.『絶対可憐チルドレン(19)』 椎名高志 小学館
7.『花守の竜の叙情詩(2)』 淡路帆希 富士見ファンタジア文庫
8.『Le;0-灰とリヴァイアサン-(2)』 六塚光 一迅社文庫

買った。

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2009.12.17

『死神姫の再婚』読了

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死神姫の再婚』(小野上明夜/ビーズログ文庫)読了。

夫が死んで出戻った貴族のお嬢様が安く買い叩かれて”暴君”と呼ばれる新興貴族の元に嫁がされる、と書くとエロゲ展開しか思いつかないのだが、主人公の死神姫ことアリシアさんが大変に器の大きい人物だったので実に愉快な話になっています。とにかくキャラ小説としてレベルが高くてびっくりしました。こういう作品だとは思わなかったなー。アリシアさんはけっこうアクの強いヒロインだと思うんですが、本当に女神のような人物ですね。恐怖小説好きで(マイナー趣味に理解があり)、”暴君”相手にも物怖じせず(相手の肩書きや見た目に囚われない)のんきなお嬢さん。最高ですね!

物語としては、とにかくのほほんとしていて怖いもの知らずなアリシア嬢が、そののほほんぶりを発揮して、<強公爵>(ってすげえ中二センス溢れる称号よね。一周回ってアリなような気がしてきた)ライセンを初めとする気難しい男たちを片っ端からたらしこんでいく…じゃない、心を開かせていく展開でござる。ライセンさんはなかなかに見事なツンデレでして、強引な辣腕を振るう”暴君”でありながら、その裏には人間らしい心を隠し持っていると言うまあいわゆるアレな感じ(なにそれ)(いやほら…ハーレクイン的と言うか)(読んだこと無いくせに)(うるせえなあ)なんですが、そんな人物がヘンテコなヒロインに振り回されるのは、まあ確かに萌えるよねー。他にも貴族のぼっちゃんや執事とか凄腕の暗殺者とか(…羅列してみるとものすごいな)(ベタっちゃベタだな)男性キャラクターも登場したりするので安心です。彼らの織り成す異常にテンポの良い、しかし軽薄にはならない絶妙なセンスは作者の美質でしょうか。とても気持ちよく読むことができます。

キャラの話ばかりしてしまったけど、物語の方もなかなかカタルシスがあるのには、意外と言っては失礼だけど驚いてしまいました。本当にすいません。実は物語途中であるキャラクターにちょっと不自然な動きをしているなーちょっと良くないなーとか思っていたんですが、てっきりヒロインのハーレムを構築するご都合主義だと思ってすっかりスルーしてたんですよ。そしたら実はそれが伏線だったりして最後に仰天。そしてその後の主人公の行動にも唖然。そして結末にまたびっくり。全部にちゃんと伏線が張ってあって、物語としての完成度もかなり高いことにようやく気がつきました(ついでに、自分がきちんと物語を読んでいなかったことが明らかになってしまいました)。アリシアとライセンがお互いの孤独に気がついて惹かれ合って行く過程など、端正な物語が軽快さの裏にあって、よく出来ている作品だな、と思うのでした。

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買ったもの

1.『[映]アムリタ』 野﨑まど メディアワークス文庫
2.『カスタム・チャイルド ―罪と罰―』 壁井ユカコ メディアワークス文庫
3.『太陽のあくび』 有間カオル メディアワークス文庫
4.『アイゼンフリューゲル(2)』 虚淵玄 ガガガ文庫
5.『風に乗りて歩むもの』 原田宇陀児 ガガガ文庫
6.『ささみさん@がんばらない』 日日日 ガガガ文庫
7.『とある飛空士への恋歌(3)』 犬村小六 ガガガ文庫
8.『ほうかごのロケッティア』 大樹連司 ガガガ文庫
9.『夜が来るまで待って』 小木君人 ガガガ文庫

買った。今月のガガガ文庫を全部買ってしまったよ。自分でもびっくりだ。

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2009.12.16

方針

某所で読んだ『つまらないことについてつまらないと語ることほどつまらないことはない』という言葉にいたく感銘を受けたので、本の感想については基本『スゲー面白かった!絶対に面白れえからみんなも読んでみ!?な!』と言うレベルはまあ無理としても、少なくとも面白かった作品を対象にして行こうと思う。というか全部書くの無理だしストレスも貯まるしね。

でも、そうすると”つまらない”の定義が難しくなるんだよな…。なにを持ってつまらないと判断すればいいのか…。まあ適当にやるか。

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『僕の小規模な奇跡』読了

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僕の小規模な奇跡』(入間人間/アスキーメディアワークス)読了。

ちょっとユーモラスな…なんだ?恋愛小説?青春小説?ミステリ風味?まあ良く分からないけどいつもの入間人間だった。登場人物たちの思想とかにはあまり触れるつもりはないけど、一見、奇矯な言動、行動をしていても、根っ子の部分は常識人と言うあたりも作者らしい。そうそう、最近、気がついたんだけど、この人の書く物語は実は良識的だよね。ちょっと違うか。物語は非常識で悪意に満ちているかもしれないけど、人間そのものには愛がある、って感じかな。青臭かったり、偏狭だったり、断定的な部分もあったりするけど、根本的なところには愛があるので、まあいいんじゃないかな、と思えるのです。

物語は、空気の読めない青年と、引きこもりの少女の視点から語られる。なんかこの二人の描写がとても丁寧で(作者らしい韜晦に満ち溢れているものの)、ペダンティック…ともなんか違うけど、そう、村上春樹っぽいというか、内相的な印象を受けた。青年は本当に感受性があるの?と思えるぐらいに空気を読まないのだけど、それでも彼なりには自分の人生について思うところがあり、そして彼女に惹かれ、行動する。少女もまた戯言が多めで閉鎖的な性質ながらも、日々を過ごしている。それぞれちゃんと自分の青臭さ、未熟さを自覚しているところが今までの入間作品とは異なるところかもしれませんね。まあ入間キャラだけあってペシミスティックで悲観的な人生観の持ち主(とくに女の子)ではあるんですが、まあそれでもなんとかやっていきましょう、と言う前向きさを感じる。まあ前向きだからなんだ、と言う感じではあるんですが…(本当に作者は厭世主義的だな!)。

二人の物語は交互に描かれ交差して行くことになるのだが、あまりその交わり方に感心は、残念ながら出来なかった。ストーカー事件を経由して、ある一つのミスリードが仕掛けられているのだけど、その結果がなあ…。ネタバレになるので詳細は書かないけど、もうちょっとミステリ的になんかあるのかと思うじゃない、普通。ところが伏線無しで済ませたりと、すごく残念感が漂う。これから読む人はミステリとしての期待はしない方が楽しめるでしょう。自分はちょっと期待してしまったのでガックリ来てしまった。まああくまでもミステリは味付け程度に考えて、前向きなのか後ろ向きなのかわからない若者たちの青春劇として捉えるのが良いのではないでしょうか。

あと、細かい事なんだけど、いや、そんなに細かくも無いところなんだけど…最後に出てきた女の子はなんだったの?最後に突然出てきて物語を締められても困ってしまうんですが…。え?あなたなんかフラグありました?みたいな。どっかで読み落としたのかもしらないけど…わからんなあ。この作者は全作品の間にクロスオーバーを仕掛けることがあるから、別作品の登場人物だったりするのかもしれない。まあその辺りはだれか他の人が頑張って調べてくれることを期待したい(他力本願ですね)。

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買ったもの

1.『死神姫の再婚 -薔薇園の時計公爵-』 小野上明夜 ビーズログ文庫
2.『死神姫の再婚 -腹ぺこ道化と玩具の兵隊-』 小野上明夜 ビーズログ文庫
3.『プールの底に眠る』 白河三兎 講談社ノベルス
4.『龍盤七朝 ケルベロス(1)』 古橋秀之 メディアワークス文庫
5.『すべての愛がゆるされる島』 杉井光 メディアワークス文庫
6.『探偵・花咲太郎は閃かない』 入間人間 メディアワークス文庫
7.『おーい!キソ会長』 柴村仁 TOKUMA NOVELS Edge

買った。書き漏らしていたものも含む。

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2009.12.15

『スプリング・タイム』読了

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スプリング・タイム』(蕪木統文/ガガガ文庫)読了。

最初に書いておくけど、自分はまだこの作品をきちんと咀嚼出来てない。書きながら考えている感じ。なので結論が出ないでグダグダになる可能性が非常に高いけど、あんまりウダウダ考えているのも飽きたのでとりあえず書くことにする。

これはなんつーかノスタルジーの話、なんだろうたぶん。よく、過去の自分自身のエピソードを思い出して、本当にそれが自分のことなのかわからないと言う経験がだれしもあると思うのだが(自分だけかな?)、昔の自分って本当にわけわからんことを考えていたと思うことがある。今思えば、なんでそんなことを真面目に信じていたの?みたいな。例えば、自分は中学生時代、マジで人類にはコールドスリープが可能だと思ってた。病気になったら未来の科学力に期待してコールドスリープする、と言う小説を読んだせいだと思うんだけど、その時はマジで出来ると思い込んでいた。ちょっと調べてみればわかることなのに、なんでそれに気がつかなかったのか自分でもさっぱりわからないんだけど、ただ、その時に考えていたことはただの間違いに過ぎないのか、って言うとどうなんだろうなあ?いや、客観的には間違いだとは思いますよ?少なくとも今の自分はそれが間違いだと判断しますよ?ただ、その時、その瞬間の自分にとってはそれが本当の事であり世界を理解するフィルターだったと思うんだよね。そのフィルターを通して人間は世界を理解する。そのフィルターってのは、実は成長した今もある。ただ違うフィルターを使っているだけ。いわゆる常識と言う名のそれだ。そのフィルターそのものは、実は正しさは誰にも証明できない。ただ、いくつかあるフィルターの中から、まあ妥当だろうと思われるものを選択しているに過ぎない。まあ選択の余地が無い場合もあるけど。成長して余計な知識をつけてくると余計に選択することが出来なくなってくる。これがいわゆる頭が固くなると言います。で、一般常識に縛られないうちは、いろいろなフィルターを選択できる。今の自分とは異なる論理で世界を見ているんですよね。子供のうちは。その時の自分がどのように世界を見ていたのか。世界はすごく輝いていたかもしれない。もっと薄暗かったかもしれない。少なくとも、今よりも世界に対して希望とか夢とか、まあなんつーか常識では計り知れない”何か”を観ていたはずなんですよ。

で、ようやく話はこの作品の話に移ります。父親が最近死んで、不良に絡まれたりしてなんとなく苛立っている主人公がいます。とくに父親が死んだことは、取り返しのつかないトゲのように彼の心に突き刺さっています。世界は取り返しはつかないし、やり直しもきかない。そんな感じで達観して、あるいはふてくされています。そんな彼が、10年前に行方不明になったはずの幼稚園時代の友達に出会うことになります。10年前、行方不明になったその時の姿のままで。なんだかんだでいろいろあって、その友達、ショウキと暮らし始める主人公なんだけど、かつての親友との間にある10年間の断絶と言うものをしばしば感じるのですね。あの頃の自分たちは、ヘンテコな歌を作って歌い、近所の公園で冒険していた頃のことを語るショウキに主人公は戸惑うわけです。そんなこと、今ではすっかり忘れてしまった。主人公はショウキと供に過ごすことによって、すでに失ってしまったあの頃の記憶を、少しずつ取り戻していきます。ただ世界が輝きに満ちていた頃のこと。不思議が不思議なこととして存在していたときの事を。そうして少しずつかつての世界に対するフィルターを取り戻して行くことになります。言ってみれば、これは世界に対しての信頼を取り戻して行くという流れなんですね。

まあ最終的にタイムトラベル的な展開があるんですけど、まあこれはそんなに作品の主題としては関係ないっぽいので省きます。と言うか、この辺り良く分からないんですよね。おそらく、世界に対する信頼を取り戻した主人公が、世界に対する別の観方を得ることによってタイムトラベルを果たすことになると思うんですが、それが最後とどのようにつながってくるのか…。世界に許された、と言う解釈でいいのかなあ。どうもこのラストはいくつかの解釈が出来そうで悩ましいんですよね。最終的には、”いつかあの頃に戻りたい”と言うノスタルジーに回収されてしまったとも読めるし、世界と和解した主人公が新たな現実を手に入れたとも取れるし…。すいません、この辺りはまだ良く分からないです。でもまあ、そういう多様な読み取り方が出来るよい作品だったんじゃないかな!(無理矢理)

あ、あとヒロインの女の子がいるんですけど、この子もなんだか良く分かりません。なんつーか、すごく面白いキャラなんですけど、すごく良くわからないキャラなんですよね。ただ、主人公の傍にいて、なんだかバカな事を言ったり時々良い事…はそんなに言わなかったかな?まあ主人公にとっては、自分の変化を他者から観てもらう必要があったのかもなーとか思ったりもします。つまり外部の視点であると。うーん、でもそれだけかなー?

まあ、そんな感じですごくつかみどころの無い作品ですけど、良い作品ですね。ふわふわとして不思議な雰囲気に支配されていて、今の自分を肯定してくれる優しさがあり、すでに失われてしまったことへの愛惜がある。そんなような作品だと思います。

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2009.12.14

『シュガーダーク 埋められた闇と少女』読了

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シュガーダーク 埋められた闇と少女』(新井円侍/電撃文庫)読了。

スニーカー大賞<大賞>受賞作。まああらすじとかから暗い話なのかな、と思っていたのだけど、思ったより”甘い”話だった。いわゆるボーイミーツガール。運命を背負った少女と出会った少年が、少女とともに運命に立ち向かおう、と言う話だ。その意味ではびっくりするぐらい王道なストーリーであると言える。少年と少女のどこか不器用なやりとりも微笑ましいしね。

ただ、”ダーク”とあるだけあって、甘さの中に禍々しいものがあるのが大賞の由縁なのかなー。結局、少年は少女を救うことは出来ない。ただ出来ることは少女の抱えている闇を一緒に支えることだけなんだよな。光の中に少女を連れ出す話であると共に、少女と共に闇に生きようという物語でもある。

少女の運命と言うのは、これは完全に”生贄”としての存在だと思うんだ。人類が近代化の光が隅々まで行き渡ると同時に生まれる闇。それをなだめ、鎮める事がまさに少女の役割。日常の裏にある非日常。そこに少年が迷い込んでしまったと言う身近な異界の描写がなかなか良く出来ているように思った。

細かい話。少年が少女対して為す決断の経過にはびっくりしてしまった。結論自体は意外性はないのだが、その過程にものすごい驚いた。これは完全にミスリードされたなあ…。これは見せ方がものすごく上手かったと思う。技巧的と言ってもいい。ただこの技巧は完全に叙述トリックなので(ミステリーの文法のような気がするので)、半分反則のような気もしないでもない。

その辺を考慮しても、すごく古典的な話を現代的にきちんと語りなおしていて良かったように思います。

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2009.12.13

買ったもの

1.『電撃☆SSガール』 至道流星 講談社BOX
2.『minor club house(1) マイナークラブハウスへようこそ!』 木地雅映子 ピュアフル文庫
3.『minor club house(2) マイナークラブハウスの森林生活』 木地雅映子 ピュアフル文庫
4.『minor club house(3) マイナークラブハウスは混線状態』 木地雅映子 ピュアフル文庫
5.『百姓貴族(1)』 荒川弘 新書館
6.『一年生になっちゃったら(5)』 大和昌和 芳文社
7.『マツロイの剣(2)ミミノヒメ浮上!』 田代裕彦 ファミ通文庫

買った。

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2009.12.12

『地球保護区』読了

51jfh6lgx1l__sl500_aa240_地球保護区』(小林めぐみ/ハヤカワ文庫JA)読了。

環境汚染によって人類が地球から退去してから数百年。”天才の出来損ない”として生み出されたシウは、地球退去時代から生きる賢者コーリンとともに、調査のために地球に降りる。そこは許可無く再開発を行う人々が住んでいた―――。と言うわけで、どの派の人間も地球を愛することについては同一していながら、それぞれのスタンスの違いによって争い憎みあう姿を、ややシニカルな視点で描いている。

いわゆる地球環境を”保護”するというお題目の皮肉さ、みたいなものが出ているような感じ。地球に居住することに拘る人たち、あくまでも地球保護を最優先と考える人たち。どちらも間違ってはいないけれども、決して正しいわけでもないという作者のスタンスが見受けられますね。保護なんてただのお題目。単に人類が”正しい”と思う価値観を地球に押し付けているだけに過ぎない、と言うことが作中でコーリンによって読者に伝えられてきます。まあもっとも彼女自身それを信仰しているわけではなく、決して自分が正しいと考えているわけでもなく、また彼女のその対応によって多くの人間が(間接的にしろ)犠牲になっているという事実もあって、なかなか作者の意地の悪さ(と言うかバランス感覚なんでしょうね)が伺えますね。

まあこの手の話は水掛け論になってしまうのであまりしたくはないんですが、コーリンのスタンスが一番しっくりくるかなあ、と思います。地球にとって何が一番良い事なんてわかるはずもないので、汚染も突然変異もひっくるめて受け入れるしかないんじゃないかなー、と言う。勿論、人類が自らが生き易い環境を作っていくということ自体は肯定されるべきなので(自殺をしたくないもん。地球環境より人間が大事とは思えないね)、その辺りを見極めつつ、ですかね。まあそれが一番難しいんだけどー。

あと、シウのオリジナルである天才科学者が、本当に傍迷惑なことしかしなかったのは興味深かった。この手のマッドサイエンティスト的な天才って言うのは、大抵は凡人には計り知れないスケールで物事を考えたがゆえの奇矯な人物だったりするのが物語的なセオリーだと思うのだけど、この人物は、おそらく科学と言うものの残酷な無邪気さの象徴なのか、発明するものはすごいのに、結果が迷惑にしかならない(研究そのものはすごくても、その結果を考えない)。結局、科学さえも生かすも殺すも担い手次第なんだよなー、と言うところを体現しているキャラクターでした。

人間が人間らしく生きようとするだけで、さまざまなものを食いつぶし、影響を与えるのであって、人間に出来ることはせいぜい謙虚に生かしてもらっているということを自覚するしか出来ない、と言うのもシニカルではあるけど、どこか清々しさを覚えます。結局、最終的になにも解決しなかったけれども、それでも人間は今を生きていくという、どこか開放的な印象をラストに受けました。投げっぱなしと言えば、まあそうなんだけど、それはそれでいいんじゃないかなー。

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買ったもの

1.『純愛を探せ!(3)』 速水秋水 GA文庫
2.『月見月理解の探偵殺人』 明月千里 GA文庫

買った。

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2009.12.11

『えむえむっ!(8.5)』読了

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えむえむっ!(8.5)』(松野秋鳴/MF文庫J)読了。

図らずも”はがない”2巻との共通点としてバーチャルゲームが…どういうシンクロなんでしょうね。まあそれは別にどうでもいいことです。本編の方はいよいよ煮詰り始めて大変なことになっていますが、今回はその辺りは忘れて、第二ボランティア部のハチャメチャなアドベンチャー。今度はバーチャルゲームの世界で冒険だ!+α、とのこと。

しかし、なんと言うかこの作品はすごいですねえ…。読みながら改めてしみじみと思ってしまいました。あちらこちらにギャグを仕込みながら、ストーリーそのものは極めて真面目。友情と努力と勝利のジャンプ主義で構成された王道ストーリーになっています。…が、ただ一点、太郎が”変態”であるということだけでそのシリアスなストーリーが全部台無し。太郎の職業が”変態”だというだけで大概ですが、その後順調にランクアップして”ド変態”になったりして、もうその過程があまりにもバカバカしくて最高すぎました。なんだこりゃ。

後半に進むにつれてどんどんインフレしてくる物語のスケールに正比例するかのごとく太郎の変態レベルも上昇し、もはやこの上なくシリアスかつ熱血なシーンであるはずなのに大爆笑シーンでもあるという後半のテンションは異常。いや、いつも通りといえばいつも通りなんですよ。しかし、この上なく熱い、なんの役にもならないと思っていた太郎の力がギリギリが覚醒!大逆転!しかし、大魔王には更なる力が!!絶望に打ちひしがれる太郎!だが!だが!!仲間たちの熱い想いが奇跡を呼ぶのだ!!!!…と言う熱い展開に僕はただ腹を抱えてのた打ち回って笑っていたのでした。死ぬかと思いました。挿絵も超カッコいい(本当)のに、カッコよければカッコいいほどに爆笑してしまうのです。久しぶりに松野マジックを堪能いたしました。ありがとうございます。ラストのオチも含めてすべてが予定調和でありながら、なぜか笑えてしまうのは、本当にマジックとして言いようが無い気がします。

ところで、以前から本編とは関係の無いところで従妹の七葉さんがプッシュされているんですが、一体これはなんなんでしょうか?最初は腹黒ツンツンキャラに見えて、太郎の優しさ、凛々しさ(本当にこれで変態でなければねえ…)に触れてデレモードに突入しています。でも、全然本編とは関係ありません。メインキャラとのからみもありません。

…本当になんなんだろう?

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2009.12.10

『僕は友達が少ない(2)』読了

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僕は友達が少ない(2)』(平坂読/MF文庫J)読了。

”はがない”シリーズの2巻です。主人公は相変わらず自覚なしにリア充生活を送っていますけど、まあそのあたりはいいです。ある意味お約束ですからね。ラブコメにおいて主人公が鈍感スキルを極めているみたいなものでしょう。重要なことは、その上でどのような話を作るかと言うことですが…いやーこれは本当に楽しいですね。楽しいだけだけど。他に何を書けっちゅーねん!(逆ギレ)

一風変わったキャラクターたちが延々と掛け合いをやっているだけと言う、山場も無ければオチは…まあかろうじてあるか、ぐらいの本当になんにも起こらない話なので、楽しかった以外に書くことがないねえ。勿論、これは貶しているわけではなくて、これほどにただ楽しい作品を書いたことは特筆に価します。値しますが、語るところの少なさも特筆に価します。これってせいぜいどれそれのキャラが萌える、とかそういう話しか出来ないんじゃないですか?やっていることといえばキャッキャウフフとキャラたちが戯れるだけで、ここまで”物語”と言うものを排除するのはある意味ものすごく先鋭的だと思います。おそらく西尾維新の化物語の系譜を継ぐとすれば、平坂読以外にありえないのではないかとさえ思います。化物語の方向性を真似した作品はいくつか散見しましたけど、結局、物語性を排することが出来ず、エンタメ的お約束に堕した作品が多かったので(まあ悪いとは言わないんだけど、だったら最初からやるなよと言う)、平坂読のこの試みには敬意を表したい。ただまあ、正直この方向性は茨の道以外なにものでもないと思うので(ハリウッド的な物語の手続きを無視していますからね)、どこまで続けられるのかさっぱりわからんのですが(作者も書き易いと思ったのは勘違いだったって書いているしなあ)、まあともあれ頑張ってほしいと思います。無理してこの方向を続けなくても、それなりに事件を起こしても誰も責めないよ…と作者には言ってあげたい気もしますけど、ビックなお世話なのでやめておきます。

登場人物も一通り揃ったので、今後の展開をどうするのか興味が沸いてきます。おそらく次巻あたりが作品の方向性が固まるのではないかなー。

あ、そうそう読んでて気がついたんだけど、実は夜空って隣人部の部員を募集する気はまったく無かったみたいですね。理科が入部した時にそれらしいことをつぶやいていた。つまり本当は小鷹と二人っきりで一緒の放課後を過ごしたかっただけだった、と…。

小鷹は犬のウンコを踏めばいいと思いました。

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読書メーター始めました

このブログの左下に読書メーターを使って読んだ本の表示をしてみることにしました。最近、自分でも何を読んだのかわからなくなっているので、これを機に管理していきたいな、と。またコメント機能があるので、漫画とかにもコメントしていこうかなーとか。まあ使い道は利用しながら考えます。

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2009.12.09

買ったもの

1.『ブレイクブレイド(7)』 吉永裕ノ介 ソフトバンククリエイティブ
2.『仮面のメイドガイ(11)』 赤衣丸歩郎 角川書店
3.『トリアージX(1)』 佐藤ショウジ 角川書店

買った。

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2009.12.08

『コトノハ遣いは囁かない』読了

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コトノハ遣いは囁かない』(木村航/MF文庫J)読了。

これは評価がすごく難しいです。まあ木村航にライトノベルを期待するのが間違っているんだろうけど、物語の要素はすごく学園異能らしいガジェットを使用しているので、どうしてもそちらに目が向いてしまう。そして、学園異能を期待しているとそちらの方には行かないので、おそらく読み手にはそれ相応のストレスがかかるでしょう。少なくとも”魔女”の然葉(さらば)による退魔物、と言う形にはなかなかなりません。自分も当初は木村航がどういう方向に物語を持っていくのかわからず、半分くらいまで読むまで戸惑ってしまいました。

ただ、沼岸先輩のエピソードの辺りから少しずつ解釈が出来るようになってきました。これは人間の”情念”を巡る話ですね。良きにつけ悪しきにつけ、人間の情念と言うものはものすごい力を持っている。愛、友情、憎悪、嫉妬、嫌悪、人間の持つありとあらゆる情念、それはもはや業と言っても良いものだと思いますが、そういった情念に支配された人々の事を、この作品においては”ナイトメア”にとり憑かれると表現している。ナイトメアとは、作中では魔女が対抗するべき存在と言うように最初は説明されておりますけど、実のところこれは滅ぼすものではないと言うことが物語の中で語られています。もちろん最初は単純な退魔物の体裁をとっていて、負の感情を抱え込むことによってナイトメアに支配された人々を浄化するという展開なんですが、先ほども述べた沼岸先輩のエピソードのあたりから、だんだんナイトメアの持つ、人間の業そのものについてクローズアップしていくことになります。ここで一つの逆転現象が起こるわけです。つまり”善良な心にさえナイトメアはとり憑く”のだと言うことです。人間の情念とは、単に負の感情とは限りません。優しさ、好奇心と言った前向きな感情さえも情念になりえるのです。これもまた先ほど書きました、人間にまつわるあらゆることを指し示すという意味で、”業”と言う表現が正しいものになるのでしょう。

善人さえも、悪意など欠片も持たない人間さえもナイトメアにとり憑かれる。そのような事態に陥ったことで、主人公たちの活動はその意味を変える必要に迫られるわけです。人間の情念をむやみに否定するのではなく、受け入れること。善良な心も、負の感情も、それらすべてをひっくるめたものが人間であるということを、です。しかし、それを認めることは出来ても、受け入れることが出来るかどうかと言うのは別の問題です。どんなに善意に満ちた行動をしても、お互いの意思疎通にすれ違いがあれば、それは恐るべき惨事を引き起こすことになりかねません。好意が、実は人間を破滅させることさえあるのです。作中では、ある一人の人間の持っていた”利己愛”が、主人公たちに致命的な出来事をもたらそうとしていました。

しかし、すべてが破滅していく予感を漂わせたその瞬間に訪れたのは、まさしく”愛”によってもたらされた”ナイトメア”。それがすべての問題を解きほぐしてくれます。もつれ合い、すれ違い、誤解のあった関係を正しく並べなおします。人はすべての愛をもって根気強く接することによって、相手の独善愛に陥ってしまった彼女の心の内にある本当の気持ちを探り出すことが出来るのです。

はたしてこれをどう表現したらいいのでしょう?確かに異能です。バトルと言うか”祓い”のシーンもあります。でもそれは本質じゃありませんよね。あくまでもガジェットです。本来はもっと簡単なものです。例えば沼岸先輩に真弥が語りかけた言葉、それこそが本当の魔法だったのだろうと思います。決して諦めずに手を延ばし続けること、相手の悪い面をひっくるめて受け入れること、それこそが。

この作品において、魔女の力は確かに存在しています。しかし、魔女の力はモラトリアムの時にしか最盛期のピークを維持できないという設定から、思春期における他者との拒絶を意味する”セカイ”を意味しているように思えます。この作品内で、もっとも救われるべき存在は、ナイトメアに取り付かれた人々ではなく、おそらくこの小さな魔女さんでしょうね。そのことに気がついた主人公の結貴は、魔女の然葉を常に気に掛けていたけれども、その奥まで踏み込むことは出来きませんでした。おそらく続巻があるのならば、小さな魔女さんの孤独とを癒す物語が必要になるのだろうと思います。なぜなら人間にはすべからく”業”があり、業を元にナイトメアをもたらすのならば、ナイトメアとは共存をして行く必要があるからです。そのことについては、結局、今作のラストで方向性が示されていますね。すでにナイトメアは一方的に退治する存在ではなくなっています。それに対して魔女は共存を受け入れることが出来るのかどうか。結貴は彼女の心を拒絶の闇から解き放つことが出来るのでしょうか。

必要なのは、おそらくは”愛”(恥ずかしいですね。でもこの作者の描く作品は基本的にど真ん中の剛速球なので、読み手としても恥ずかしがっていては対抗できません)。生み出される情念を拒否するのではなく、受け入れること。それこそが愛なのだろうと思います。男女の愛ではなく、もっと大きなものへの愛を志向しているのではないかな。この物語はその意味で、少年少女たちの大人への階段を上っていく過程を描いた作品なのかもしれません。

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買ったもの

1.『僕の小規模な奇跡』 入間人間 アスキーメディアワークス
2.『ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット』 上遠野浩平 電撃文庫
3.『機械じかけの竜と闇の咆哮』 安彦薫 電撃文庫
4.『ソードアート・オンライン(3)』 川原礫 電撃文庫
5.『紅 kure-nai(4)』 原作:片山憲太郎 脚本:子安秀明 漫画:山本ヤマト コンテ構成:降矢大介 集英社

買った。

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2009.12.07

『ドラゴンランス(3)城砦の赤竜』読了

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ドラゴンランス(3)城砦の赤竜』(マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン/角川つばさ文庫)読了。

ついにドラゴン卿と直接対決を行わなくてはならなくなったタニスたち一行は、ドラゴン卿ヴァルミナァルドそのレッドドラゴンパイロスの待つ、レッドドラゴンの砦に進入することになる。かれらの目的は砦にドラゴン軍が奴隷としてつれて来た人々の救出し、反乱を起こさせること。しかしそのためにはドラゴンを打ち破らなければならない。限りなく成功の低いその作戦を、エルフ族からの依頼によって遂行しなければならなくなったタニスたちの運命は。

と言う感じで、ドラゴンランス、第一部の完結です。あくまでも暗黒の女王軍との戦いは始まったばかりで、それどころか一地域における局地戦でしかないんですが、砦に忍び込むために地下ダンジョン進むパーティ、トラップにはまって離れ離れになる一行、そして最後の大合戦と大河ファンタジーとしての迫力はたっぷり。そこにパーティ内で繰り広げられる不信と愛憎が絡められ、実に骨太な物語になっています。と言うか、このパーティは本当に仲が悪すぎだぜ!タニスがなんとか全員に影響力を持っているからまとまっているけど、一歩間違えればすぐに空中分解をしかねないパーティだよ!とくに魔術師レイストリンに対する態度は、褒められたもんじゃないよねー…。とくに騎士リヴァーランドスタークとドワーフのフリントの態度は良くない。最初から不幸の源はレイストリンだと決めてかかっている。まあこの二人の倫理観からすると怪しげな術を操り、いつも皮肉と冷笑をもって接してくるレイストリンが気に入らないのはわかるんだけど…今まで何度も助けられているんだから少しは態度を改めた方がいいんじゃねえかなー…。そしてレイストリンもまたその誤解を解こうともしないで自ら孤立を選んでいるところもあり、タニスの頭が痛いところだよな。レイストリンは人間が嫌いで何より弱い自分を憎悪しているのだが、それは逆に強いものが弱いものを虐げることに対して激烈なまでの怒りを持っていることと同義なんだけど、そこが仲間に理解されて無いんだよな…。少しは分かっているのはタニスだけだけど、タニスも理解者には程遠いし…。

そして、ただでさえ歪なバランスで成立しているパーティに、新しい仲間も加わった。キャラモンに淡い恋心を抱く元ウエイトレスのティカ、謎の老魔法使いフィズバン、タニスの幼馴染にしてエルフの王子ギルサナス、一心にタニスを慕う幼馴染のエルフの王女ローラナ(話は違うけど、今作中最萌え!のキャラです。まあいわゆる世間知らずの深窓のお姫さまなんですが、タニスを兄と慕い、無垢な愛情を向けるローラナは、その、さすがに抵抗が出来ない!第一、第二階層が突破されました!なんと言う威力だ…)、旅の戦士エーベンを加えて、冒険に旅立つ。

で、今回新しく加わった人たちもまた、パーティーの不協和音を引き起こします。…正直、連れて来てもデメリットが大きすぎて役になった印象がないな…。ギルサナスはタニスを愛憎半ばでタニスに接してくるし、エーベンは事あるごとにパーティの不信を煽る。誰が裏切り者なのか分からないところがいやらしい展開だった。その中でとぼけた魔術師フィズバンと天真爛漫なタッスルホッフのコンビが一服の清涼剤になっているものの、パーティー内で疑心暗鬼。お互いの不信を抱えた上で、人質たちの救出と反乱の指揮をとらなくてはならないわけで、そこに至るまでは本当に重苦しい展開でした。老いた、ただ子供たちと遊ぶことだけが慰めのレッドドラゴンマータフルールと出会い、レッドドラゴンの中にもさまざまな存在入る事を知りつつも、不確定要素を考慮した上で、それでもなお当初の予定通りに作戦を決行するタニスたち。

結果はやはり裏切り者の存在によりピンチに陥ってしまうわけですが、ここで活躍するのがタッスルホッフとフィズバン。自分は世界を救うとかはわからないけど、目の前の出来事はなんとかしようと考えるタッスルホッフはそれまでの賑やかしから一点、なにものにも挫けない強い心の持ち主と描かれてました。かろうじて罠を潜り抜けた一行が立ち向かう激烈な合戦は、レッドドラゴン・パイロスに対して、錯乱したレッドドラゴン・マータフルールが襲い掛かるなど、さまざまな幸運に見舞われ、かろうじてドラゴン卿ヴェルミナァルドとの対決を実現させるもの、奴は暗黒の女王の加護を受けており、圧倒的な力を振るい始める。ここから逆転につぐ逆転のどんでん返しが続いていくのが圧巻でありました。味方とは言えないマータフルールの、子供を失った慟哭にみちた吠え声が胸を打つ。たとえ悪の属性を持つものであろうとも、子供を失えば悲しみ、異種族に対しても優しげな姿を見せる。ドラゴンランスが素晴らしい作品であるのは、善悪二元論に落ち込まないバランスであろうとおものだが、今回はこのマータフルールが体現していたと思う。すべてを失ったレッドドラゴンが、かの”ドラゴンランス”の騎士に子供をすべて奪われてた過去を思い出し、嘆き悲しみながら最期の戦いに向かっていく姿は、決してそれがタニスたちを助ける意図は無かったとしても、どこかしら胸を打つものであったと思うのだった。

最後に。まあいろいろ言いたいことはあるが、とりあえずローラナ可愛い。表紙イラストの超萌えエルフ娘のローラナが目印だぜ!以上。

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2009.12.06

今週末でやったこと。

一日偏頭痛に悩みイライラしながらも、東のエデンを観に行ってきた土曜日。友人と待ち合わせをしたが、池袋は待ち合わせにマジむかねえのが困ったもんだぜ。人が多すぎる。頭痛がまたひどくなってきた。

まあ飯を食ったり虎の穴に行ったりとありがちなオタク的行動をとった。その後、喫茶店に入って、まあ最近のアニメについていくつか意見交換。たんにだべっているだけともいえる。そのまんまだな。しかし、酒も飲まないのに、会話した内容をすっかり忘れた。まあそれぐらいどうでもいい内容だったのだろう。

で、時間が来たのでようやく映画館へ。東のエデン劇場版1について、とりあえず言いたいことは一つだ。ジュイスさんと通話は出来る携帯電話をどこに売っているんだろう。ジュイスさん無双だった。玉川紗己子すげーぜ。さすがタチコマさん!(よく考えたらジュイスって完全にタチコマと対比的な存在だ…。同一のパーソナリティを持ちつつ、差別化(個性の獲得)が始まっている)

んで、その日はそのまま帰って寝た。

翌日も相変わらず偏頭痛でどうしようも無かった。頭の中でベルでも鳴っているような、自分がベルになったような感じで意識が飛ぶ。吐き気もする。これはなんかまずいかも…。

本の感想を書こうかとも思ったのだけど、どうにも意思と言うもの出てこないので、なんかゲームとかやってみようかと思うけど、その気力も沸かず。仕方が無いので、無目的にだらだらとネットを眺める。考えうる限り最悪の時間の使い方だよな…。

まあそんなことをしているうちに、ガンダムUCのPV3が公開されていたのを見つけた。ああガンダムだなーって思った。ガンダムに対する福井の愛(妄執)がついにここまで来たのか、と思うと本当にすごいことですな。実力も行動力もあるガンオタとはここまで出来るのか…。

なんてことを一日考えていた。能の機能が低下しているなあ、と思ったよ。

感想を書くのはまた明日。なんか今日はでてこねーす。

(追記。翌日、文章を見返したらおよそ文章の体をなしていなかったので全面的に書き直し。なんか意識が飛んでたみたいだな)

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2009.12.04

『カンピオーネ! 剣の巫女』読了

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カンピオーネ! 剣の巫女』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)読了。

相も変わらず夢いっぱいのスーパーエンターテインメント。美少女たちに囲まれて困惑している我らが草薙護堂のハーレム物語も5巻目。そしてまたしても新たなヒロインが!…ふ、まったく護堂さんはさすがだなあ。4人目の愛人が登場ですよ。それに伴い、護堂のハーレムの中における序列関係も浮き彫りに…!紅の悪魔ことエリカさんはさすがの序列一位っぷりを発揮して、ハーレムの人間関係を調整しつつ、バトルにおいても日常生活においても護堂を的確にサポートする良きパートナーぶりを見せ付けるものの、”本妻”こと祐理さんがついに覚悟完了!今まで素直になれなかった自分を改め、本格的に護堂との距離を縮めていく!今まではエリカにとっては都合の良い”妾”扱いをしていた祐理がついにそのポテンシャルを発揮したことによって、エリカの優位性はどこまで維持できるのか?二人の対決は予断を許さないぞ。そして今巻より媛巫女筆頭、恵那が登場。見た目は完璧なお嬢様にして中身は自由気儘でマイペースな性格ゆえ、今後の活躍が期待される。現時点において、エリカの支配下にはいない唯一の女性ゆえに、その立場の先行きが気になる。ぶっちゃけ次のバトルより気になる。少なくともエリカの言う事は聞きそうにないぜ…?そして前巻において護堂の騎士として生きることを誓ったリリアナは…うーん、正直、ダメ子ちゃんですねー…。初心で初恋であり思い込みの激しさのために、護堂を取り巻く”政治力学”が理解出来ていません。残念!ひたすらに押して押しまくるだけでは相手の心は手に入れられないぞ!今のままではエリカの掌の上で転がされるだけだ!どうするリリアナ!

…と言うわけで、正直なところバトルよりもハーレムの人間関係が気になってしょうがなかった5巻です。まあ恵那の登場と言うイベントと、なにやらきな臭い”眠れる御子”とやらの存在を示唆する巻であり、まああまり盛り上がるという展開でもないみたい。いや、それはバトル面だけであり、恋愛面においては恐ろしいまでの盛り上がりを見せていますがね!恐ろしくダイナミックな人間関係の躍動があり、なかなかびっくりさせられました。護堂のパワーアップイベントも兼ねているみたいですが、まあ正直そっちの方は霞んじゃったかな…。

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買ったもの

1.『めだかボックス(2)』 原作:西尾維新 漫画:暁月あきら 集英社
2.『ぬらりひょんの孫(8)』 椎橋寛 集英社
3.『ワンピース(56)』 尾田栄一郎 集英社
4.『ミツヨシ完結編(上)』 上山徹郎 集英社

買った。やっぱりめだかボックスは風紀委員長との対決編あたりから面白くなってきているなー、と思った。『ミツヨシ完結編』については、あの隻眼獣ミツヨシの続編がキター!!!とものすごく嬉しいものの、あと一冊で終わってしまうのが残念すぎる。この漫画が評価されないとか、おかしすぎるだろ常識的に考えて…。

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2009.12.03

『神剣アオイ』読了

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神剣アオイ』(八薙玉造/スーパーダッシュ文庫)読了。

エミリーで好き勝手やってた感のある作者が、真面目に伝奇バトルをやってみましたという感じ。ラノベのフォーマットは抑えつつ、きちんと作者らしいハードな展開やサプライズの仕込みなどが描かれており、なかなかに見事だと思いました。冒頭の展開がきちんとミスリードになっていたのはちょっと驚きましたね。いや、僕だけかも分かりませんが。

真っ直ぐに愚直に生きたいという願いを持つ主人公が、人間には手の届かない賓(まろうど)との戦いに巻き込まれてしまうことから、自分ではどうにも出来ない領域に苦悩する、というのはなかなか端正であると思う。少なくとも主人公の動機付けとしては十分であるし、むしろその葛藤こそがメインになっているので、終盤に”奇跡”が起こって乗り越えるという展開にも納得的。ヒロインの少女との関係性をきちんと積み上げているし、キャラ付けもはっきりしているので、無理筋を通している感が少ないんですよね。伝奇アクションとしてはきちんと道理が通っている。だけどなーちょっとラストの展開はテンプレートに逃げちゃった感じもするので勿体無いなーと思った。正直、主人公が戦闘美少女の力を借りて超人になるとかそういう展開はもういらんのですよ!などと書いてしまうと学園異能を全否定することになりかねないので自重したものかしら。でもいい加減、何でもかんでも一般ピープル主人公に異能を与えようとする展開はあんまりわくわくしないよなー。これは学園異能の弊害かも。とは言え、バトルそのものは相変わらずの迫力はあるんで、面白いことは面白いかな。一巻目だし、とりあえずは無難な滑り出しをしたのだと考えることにします。キャラクターのストックもまだまだあるし、いろいろ発展性がありそうだしなー。

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買ったもの

1.『FIRE FIRE FIRE(トリプルファイヤー)(1)』 佐藤ショウジ 集英社
2.『竜王女は天に舞う』 北元あきの MF文庫J
3.『死神姫の再婚』 小野上明夜 ビーズログ文庫

買った。

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2009.12.02

『まよチキ!』読了

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まよチキ!』(あさのハジメ/MF文庫J)読了。

執事系女子コメディーの登場です。って何それ?と問う言葉は我ながら空々しいのだが、男装少女の系譜は割合昔からあるので別に目新しいものではない、ハズなんだけど、女装系男子の昨今の隆盛を鑑みるに、何かが一周して新しいものになっているのかもしれない。いや、まあだからなんだって感じなんですけど。まあ現代において執事系女子を登場させたという着眼点そのものが偉い…のかな?うん、ライトノベルの古くて新しい領域を歩みだしている作品とも言えるだろう。たぶん。きっと。

内容は、そうだなーこういう書き方をするのは適切かどうかわからんのだけど、ひたすらアップテンポなボケ(ヒロインズ)とツッコミ(主人公)で構成されているボケツッコミ小説(バトルもあるよ!)って感じ。まあ西尾維新の化物語系の話を想像すればそんなに外れてはいないんじゃないかな。こっちは物語を駆動しているのが男装女子の秘密を知ってしまった主人公がその秘密を共有するというオーソドックスなギミックなのだけど、そこに主人公の体質を伴って、怒涛のボケが炸裂して行くと言うわけですね。化物語で言うところの怪異が男装女子に置き換わっているといえるかと思います。ちなみなんで化物語を例に挙げたかと言うとたった今するがモンキーのAC(オーディオコメンタリー)を再視聴していたからです。はいどうでもいいですね。

まあ構造の話はいいや。そんなに面白い話にはならないしな。キャラ小説としての観点から言うと、さすがライトノベル大賞<最優秀賞>をとった作品だけに、なかなかレベルが高いです。メインとなる執事系女子、上品でクールで性格の悪いお嬢様、暴力的で兄大好きな妹と、ボケキャラとしてのレベルは高い。萌え的な観点から見ても悪くないんじゃないかしら。わりあい広い範囲の嗜好に応えているような感じだ。

まあ個人的には、このタイプの作品は、化物語と言うあまりにも強大な先駆者あるので、どうにも分が悪く感じてしまうのは損なところではあるよなー。特にバトル要素の取り込み方に、まだまだ色気を出しすぎているところがあって、作者としてはもうちょっと頑張って欲しいと思う。まあそのあたりは時間が解決してくれると思うので、今後には期待していきたい。

どうでもいいんだけど、改めて見るとすげー表紙だな…。帯で下半分が隠れているところがまたにくい。昔のパンチラ表紙をさらに推し進めたハイエンドなデザインと言えるでしょう(言えるでしょうじゃないよ)。

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2009.12.01

『ゴミ箱から失礼いたします』読了

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ゴミ箱から失礼いたします』(岩波零/MF文庫J)読了。

MF文庫ライトノベル大賞の優秀賞受賞作らしいです。まあ手堅いっちゃあ手堅いのかなあ。コメディと言われればコメディのような、まあラノベらしいジャンル不定の作品です。主人公がゴミ箱男になるシークエンスの意味不明さには見事なものがあって、一応、それが異常なことという認識があるのが不条理感をかもし出していたのが良かった。まあそんな主人公の前に美少女が現れて部活に誘うという展開事態は、もはや使い古されたという他ないちょっと不思議な学園ラブコメのパターンであり、またかよ…と言う印象を持つことは避けられなかった。このパターンはそろそろ脱してもいいんじゃないかなあ…。あと個人的には後半に主人公がなぜ妖怪化したのかについて理屈が付けられてしまったのはガッカリ。なんでわざわざそんなことを説明するんだろう?屁理屈でもやっつけでもとにかく理屈が通らないと納得しない読者がいるんだろうか?それって面白いのかなあ…。物語がすごく小さく感じられてしまったのが残念でした。冒頭はわりと好みだったんだけどね。まあ個人的な趣味には合わなかったけど(つーかどうも僕は学園ラブコメそのものにはあまり興味がないみたいだな。それを上回るインパクトがあれば別なんだけど)、コメディとしては水準ではあると思うので、悪くはないのではないでしょうか。

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買ったもの

1.『天地明察』 冲方丁 角川書店
2.『夢魘祓い―錆域の少女』 牧野修 角川ホラー文庫
3.『彩雲国物語 暗き黄昏の宮』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫

買った。

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