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2009.12.07

『ドラゴンランス(3)城砦の赤竜』読了

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ドラゴンランス(3)城砦の赤竜』(マーガレット・ワイス&トレイシー・ヒックマン/角川つばさ文庫)読了。

ついにドラゴン卿と直接対決を行わなくてはならなくなったタニスたち一行は、ドラゴン卿ヴァルミナァルドそのレッドドラゴンパイロスの待つ、レッドドラゴンの砦に進入することになる。かれらの目的は砦にドラゴン軍が奴隷としてつれて来た人々の救出し、反乱を起こさせること。しかしそのためにはドラゴンを打ち破らなければならない。限りなく成功の低いその作戦を、エルフ族からの依頼によって遂行しなければならなくなったタニスたちの運命は。

と言う感じで、ドラゴンランス、第一部の完結です。あくまでも暗黒の女王軍との戦いは始まったばかりで、それどころか一地域における局地戦でしかないんですが、砦に忍び込むために地下ダンジョン進むパーティ、トラップにはまって離れ離れになる一行、そして最後の大合戦と大河ファンタジーとしての迫力はたっぷり。そこにパーティ内で繰り広げられる不信と愛憎が絡められ、実に骨太な物語になっています。と言うか、このパーティは本当に仲が悪すぎだぜ!タニスがなんとか全員に影響力を持っているからまとまっているけど、一歩間違えればすぐに空中分解をしかねないパーティだよ!とくに魔術師レイストリンに対する態度は、褒められたもんじゃないよねー…。とくに騎士リヴァーランドスタークとドワーフのフリントの態度は良くない。最初から不幸の源はレイストリンだと決めてかかっている。まあこの二人の倫理観からすると怪しげな術を操り、いつも皮肉と冷笑をもって接してくるレイストリンが気に入らないのはわかるんだけど…今まで何度も助けられているんだから少しは態度を改めた方がいいんじゃねえかなー…。そしてレイストリンもまたその誤解を解こうともしないで自ら孤立を選んでいるところもあり、タニスの頭が痛いところだよな。レイストリンは人間が嫌いで何より弱い自分を憎悪しているのだが、それは逆に強いものが弱いものを虐げることに対して激烈なまでの怒りを持っていることと同義なんだけど、そこが仲間に理解されて無いんだよな…。少しは分かっているのはタニスだけだけど、タニスも理解者には程遠いし…。

そして、ただでさえ歪なバランスで成立しているパーティに、新しい仲間も加わった。キャラモンに淡い恋心を抱く元ウエイトレスのティカ、謎の老魔法使いフィズバン、タニスの幼馴染にしてエルフの王子ギルサナス、一心にタニスを慕う幼馴染のエルフの王女ローラナ(話は違うけど、今作中最萌え!のキャラです。まあいわゆる世間知らずの深窓のお姫さまなんですが、タニスを兄と慕い、無垢な愛情を向けるローラナは、その、さすがに抵抗が出来ない!第一、第二階層が突破されました!なんと言う威力だ…)、旅の戦士エーベンを加えて、冒険に旅立つ。

で、今回新しく加わった人たちもまた、パーティーの不協和音を引き起こします。…正直、連れて来てもデメリットが大きすぎて役になった印象がないな…。ギルサナスはタニスを愛憎半ばでタニスに接してくるし、エーベンは事あるごとにパーティの不信を煽る。誰が裏切り者なのか分からないところがいやらしい展開だった。その中でとぼけた魔術師フィズバンと天真爛漫なタッスルホッフのコンビが一服の清涼剤になっているものの、パーティー内で疑心暗鬼。お互いの不信を抱えた上で、人質たちの救出と反乱の指揮をとらなくてはならないわけで、そこに至るまでは本当に重苦しい展開でした。老いた、ただ子供たちと遊ぶことだけが慰めのレッドドラゴンマータフルールと出会い、レッドドラゴンの中にもさまざまな存在入る事を知りつつも、不確定要素を考慮した上で、それでもなお当初の予定通りに作戦を決行するタニスたち。

結果はやはり裏切り者の存在によりピンチに陥ってしまうわけですが、ここで活躍するのがタッスルホッフとフィズバン。自分は世界を救うとかはわからないけど、目の前の出来事はなんとかしようと考えるタッスルホッフはそれまでの賑やかしから一点、なにものにも挫けない強い心の持ち主と描かれてました。かろうじて罠を潜り抜けた一行が立ち向かう激烈な合戦は、レッドドラゴン・パイロスに対して、錯乱したレッドドラゴン・マータフルールが襲い掛かるなど、さまざまな幸運に見舞われ、かろうじてドラゴン卿ヴェルミナァルドとの対決を実現させるもの、奴は暗黒の女王の加護を受けており、圧倒的な力を振るい始める。ここから逆転につぐ逆転のどんでん返しが続いていくのが圧巻でありました。味方とは言えないマータフルールの、子供を失った慟哭にみちた吠え声が胸を打つ。たとえ悪の属性を持つものであろうとも、子供を失えば悲しみ、異種族に対しても優しげな姿を見せる。ドラゴンランスが素晴らしい作品であるのは、善悪二元論に落ち込まないバランスであろうとおものだが、今回はこのマータフルールが体現していたと思う。すべてを失ったレッドドラゴンが、かの”ドラゴンランス”の騎士に子供をすべて奪われてた過去を思い出し、嘆き悲しみながら最期の戦いに向かっていく姿は、決してそれがタニスたちを助ける意図は無かったとしても、どこかしら胸を打つものであったと思うのだった。

最後に。まあいろいろ言いたいことはあるが、とりあえずローラナ可愛い。表紙イラストの超萌えエルフ娘のローラナが目印だぜ!以上。

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コメント

読みました。ちょう面白かったです。蛮族の姫ゴールドムーンが29歳というのがたまりませんです。
ところで騎士はスターム、蛮族の戦士がリヴァーウィンドですよね。

投稿: hatikaduki | 2010.01.09 23:39

あ・・・素で間違えてました。ありがとうございます。修正します。

投稿: 吉兆 | 2010.01.10 09:44

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