『末代まで! LAP1 うらめしやガールズ』読了
『末代まで! LAP1 うらめしやガールズ』(猫砂一平/スニーカー文庫)読了。
スニーカー文庫学園小説大賞受賞作。まだ学園小説大賞ってあったんだな…それがなにより一番の驚きだ…。まあそれはともかくとして、小説とイラストを両方を作者が担当しているってわりと珍しいんじゃないかね。僕の知っている限りだと、安彦良和くらいだなー。まああの人はどっちかと言うと漫画家、なのかな?それはともかく気になるのは小説とイラスト両方とも担当していると、原稿料ってどうなっているのかなー(最悪だ)。
それはそれとして。タイトルからはさっぱり内容が読み取れなかったのだけど、えーと、一応、霊能モータースポーツもの、と言うジャンルと判断すればいいのだろうか。老婆走(ババアレース)なるケッタイなレースのためにスカウトされた主人公、三号(本名不明)が、お岩さんや花子さんなどの霊に振り回されつつレースの楽しさに目覚めていく、と言う王道ストーリー。王道なんだけど、それを意識させない語り口は長所なんだろうなー。一方で、クラスメイトとの気楽な日常もあって、ああこれは学園異能の文脈に沿っているのかもなーと思った。でも、ラブは正直なかったので表紙裏のあらすじは嘘だと思います。
キャラクターはそれほど奇抜ではなく、物語は王道で、たしかに(良くも悪くも)大賞をとるタイプの作品かもしれないなー、と思った。物語はシリアスとコメディのバランスも良く(ややコメディ多め)、アクのない好感の持てる登場人物たちが織り成す青春ストーリー。その上でやっているのが老婆走(ババアレース)と言う奇天烈な題材になっているのがアクセントになっていると思う。まあよく出来るといわざるを得ない内容ですね。
それゆえに評価の難しいところもあって、特筆して飛びぬけたところが見つからないので、今後の展開次第では評価がどうなるかわからないというところがある。少なくとも自分には、よく出来ているなあとは思うものの面白いなあ、と言うところにはあと半歩足りないと言う感じ。まあまだ一巻目だし、今後も続けていくつもりは十分ありそうなので、判断はまだ保留にしておくのがいいのだろう。
あと、つまんないことなんだけど”さん”付きの幽霊が高レベルの幽霊(お岩さんとか)となると、日本以外だとどうなんだろうね。Mrなんとかって名前なんだろうか…(本当につまんねえ)。
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