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2009.11.08

『白夢(2)白雲学園の姫巫女』読了

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白夢(2)白雲学園の姫巫女』(瀬尾つかさ/富士見ファンタジア文庫)読了。

作者にしては随分余裕のある作り方をしているなあ、と言うのが第一印象。いつもだったら過剰なまでに設定と物語を突っ込み、キャラクターを犠牲にするほどに密度の濃い作品だと思うのだけど、今回はキャラクターを描写するのに余裕を持っている感じ。はっきり行って、この2巻は、かすみと言う新キャラの紹介と神楽と榮一の関係性の強化が中心になっていて、物語の世界観担当である雪姫サイドの話はあまり動いていない気がする。いや、まあ、すでに霧使いと<はぐれ>の関係とか、重要な部分は明かされているのだけど、作品の焦点がそこにあっていないと言うか…。やっぱり今までの手法だと売れなかったのかなあ。作品の作り方を見直してきているんだろうか…。あの圧倒的なインフレ感がなんとなく懐かしい(まああれは壮大なプロットを無理矢理4巻ぐらいでまとめなくてはならなくなったことの副作用だったんだろうけど)。今回は将来を見据えてプロットに余裕を作っているところなのかもなー。まず最初にキャラで売り出して、これでシリーズ継続が出来れば世界観を強化して行く感じか。あーなんつーか、十文字青とかもそうだけど、こういう根本的にライトノベルに向いてない作家がラノベ業界に生きるのって大変そうだなー。本人の本当に書きたいこととズレがある感じがするだもん。瀬尾つかさは早くハヤカワ文庫とかに新しい道を探した方がいいんじゃねえかな、と言う気がいたします。無責任な意見ですね。

今回はキャラクターの関係性強化の話と言うとおり、新ヒロインキャラ登場(天才少女も人外ロリも出てきます)に加えて、榮一と神楽を中心に話が進む。榮一はこの手の学園異能主人公の比べると覚悟完了のスピードが極めて高く、今回で自分が人間ではないということを知ってもすぐに受け入れた上で、自分の守るべきものの守ることを決めるナイスガイぶりを発揮しているのだけど、同様の境遇でありかつ自己を確立できていない神楽と対立と和解のシークエンスを経るのは納得感は高かった(ちょっとバトルに入る感情の流れがよくわからないところがあったけど)。一方でキャラを動かしながら、”向こう側”の舞台設定も明らかにされつつあり、物語が停滞している印象はなく、物語はどんどん動いているのも良い。個人的にはあまりキャラに偏重しないで欲しいものだけど、まあそのあたりは事情もあるのだろうし、バランスをとってやっていて欲しいな。

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