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2009.11.25

『あやかしがたり(2)』読了

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あやかしがたり(2)』(渡航/ガガガ文庫)読了。

ライトノベル時代劇(正確には伝奇)としてそれなりに面白いのだがなぜか乗り切れないものを感じる。何でかと言うと、おそらくそもそも時代劇そのものがラノベ的側面を多分に持っており、わざわざライトノベル的にカスタマイズする必要性を僕があまり感じてないせいなのだろう。そもそも普通の時代劇で良いと思うところを、ラノベ的にヒロインを立てたりしているところが、逆に作品を浮つかせているように感じてしまうのだ。どうしても時代劇として読んでしまうので、ちょっと違和感を感じてしまう。さして作中で強くないラノベ臭がすごく強調される感じがするんだよなー。普通に時代劇をやれ、と思ってしまう。また、読者層を意識しているのだと思うのだが、いくらなんでも主人公がモノを知らなすぎるのではないかと思わないでもない。ラノベ読者の大半は時代劇は読んでいない可能性が高いので、いろいろ前提となる知識を説明していかなくてはならないとは思うのだが、それにしたって主人公は常識なさすぎなんじゃねえかなあ。山人の扱いってこんなもんでいいのかと言う疑問もあるし…。ラノベ的にはこんなもんでもいいのかな。

個人的な感覚はともかく、作品としてはそれなりに堅実な作り。ただ、ヒロインの描写よりも主人公の葛藤や剣戟アクションが主体になっているあたりに作者の時代劇への愛情を感じるとともに、ラノベとしての弱点も感じた。まーガガガ文庫なんだから、読者に媚を売ることなく好き勝手男くさい世界を描いてくれても良いと思うのだが、キャッチーなキャラがいないのは売り上げ的に大丈夫なんだろうか。どう考えても一番クローズアップされているのが、胡散臭い拝み屋ふくろうさんと言うところが、本当にストイックだなーと思う。新之助とは道の異なる、しかし、人生における先達として描かれ、彼の超えるべき存在としての役割を担うだけの存在感も示しつつある。今後のライバル的な立ち位置に立つであろう彼がどのような役割を担っていくのか楽しみであります。

ただ、全体的になんとなくぎこちないというか荒削りさが残るのは前作同様。どうもラノベで行くのか時代劇として行くのか、作者自身がバランスを取りあぐねている気がする。ヒロインの立ち方が中途半端だし、その割りに男キャラが目立っているわけでもない(黒衣の男が一番目立ってた気がする)。時代劇的な習俗の描写もないし、アクションに力が入っているというわけでもなく、なんかなーラノベ的にも時代劇としても煮え切らない気がします。どっか突き抜けてしまってもいいんじゃないかな、と言うのは読者としての無責任な意見でござる。

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