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2009.10.05

『薔薇のマリア(12)夜に乱雲花々乱れ』読了

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薔薇のマリア(12)夜に乱雲花々乱れ』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

前巻にてその存在が匂わされていたSIXがついに本格的な行動を始めた12巻。相変わらず究極絶対的な悪道を突き進んでいてむしろすがすがしいほどである。もっとも、前巻の段階ではまだ確証はなく、不吉な予感のみを漂わせており、ルーシーの件もあるので、一体どのような登場の仕方をするのか…と期待していたら、アジアンの前に簡単に現れてしまって、びっくりしてしまった。お、お前、ネタを割るのが早すぎるだろうが!…と言うのも実はブラフだったあたり、実にSIXはすげえなあ、と思った。まあアジアンの前に出てきたSIXは本物だとは思っているんだけどね。その後の…おっと、こいつはネタバレなんで言えねえや。ごめんなすって。でも、なんかSIX、またちょっと変わったかね?最低で下品なクソ野郎ではあるんだけど、なんかその…自分以外の人間のことを考えるようになったっつーか。他人をゴミのように考えてはいるんだけど、そのゴミにちょっと興味が沸いて来た、みたいな。他にもなー、突然、えらくまともなラブソングを歌い始めたときは、こやつ気でも狂ったのかと思ったよ。まあアレが本物である可能性も…いやいやこれもネタバレだった。言えねえ。なんだよ、ネタバレだらけじゃねえか!オレはSIXについて語りてえんだよこんちくしょう!クソ、クソ!ああ、ここまで書いていてバレたと思うけど、オレ、SIX好きなんだよ。悪役としてはね、最低に魅力的なクソ野郎だと思うよ。なんつーか、発露の仕方は狂っているけど、こいつ、愛を知っているもん。愛し方が大抵殺意とか嗜虐とか暴力とかで表現されるだけで。愛を知っているのに狂ったキ○ガイってあたりがカッコいいよなー。そんなわけでオレ、SIXがルーシーの父親だって話、わりとありえる話だと思うのでした。僕の中のSIX像ならば、ルーシーの視点から見た父親も、ありえない感じじゃないかなー、と。愛することに躊躇いがない。愛について独自の(狂った)哲学を持っている。そして暴力を行使することを躊躇しない。ほら、SIXと矛盾しないでしょー?まあどっちかつーと別人説の方が有力なような気もするけど、そっちの方が面白いので、ハッキリするまではルーシーの父親はSIX説を支持することにするよ。

SIXについて語り始めるときりが無いのでとりあえずこれまで。さて、11巻の時点で10巻から1年以上が過ぎていたわけだけど、マリアとアジアンの関係の変わらなさにはずっこけるものがあったのだが、再びマリアの視点に戻った12巻を読んで、なんとなく納得してしまったんだ。こいつら、もはや自分の中に相手の居場所を見つけちまったんだな。すでにお互いの気持ちは分かっているところまで来ている。しかし…アジアンよう…お前はどこまで臆病なんだよ!…と言うのはさすがに言い過ぎかもな…。マリアもアジアンも、踏み込むのも踏み込まれるのも苦手だし…、心の距離が近づいたせいで、逆に踏み込めない領域が増したってこともあるのかもしれないしな。本当に不器用な関係。その不器用さが愛おしい、と言えなくも無い。

ここまで書いてきて、内容について全然触れていなかったことに気がついた。そーだなー、秩序の番人やZOOの面々もSIXの動向をうかがっていたけど、先手を打ったのはSIXだった、と言うことで追い詰められてしまうことになる。SIXは本当に相手の嫌がることをするのに天才的と言う感じで、秩序の番人の復讐心を利用して引きずり回し、本拠を落とすことに成功する。多くの人間の心を弄びながら、嘲笑する。怒りと哀しみを抱えて挑むアジアンをからかい、秩序の番人を翻弄する。ZOOは現時点では傍観者でいる以上のことは出来ないようだ。つまり、今回は徹底的にやられた。ヨハンの覚醒も、番人たちの必死の抵抗も無意味だった。一敗地にまみれた。緒戦はSIXの勝利だ。

そう、緒戦。まだ戦いは始まったばかり。奇策によって遅れをとったが、まだZOOたちがいる。彼らとて、独自の思惑からSIXを見逃すわけには行かない。ルーシーの存在は不確定要素ではあるが、彼らとて戦いに加わらずにはいられないだろう。秩序の番人の象徴は堕ちた。だがSIXとの戦いはまだ続くであろう。その戦いがどこに向かうのか、ヨハンの行方は。関わるさまざまな登場人物たちの怒りと悲劇を撒き散らしながら、物語は進まなくてはならないのだった。

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