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2009.09.29

『GENEZ(2)』読了

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GENEZ(2)』(深見真/富士見ファンタジア文庫)読了。

作品には関係ないけど、『剣闘士 グラディエータービギンズ』のシナリオを深見真が担当しているそうでちょっとびっくり。ゲームのシナリオなんて書いていたんだ…。これは主人公はマッチョ美女にしてプレイするしかあるまいな。と言うわけで買おう。

それはともかく。正義の傭兵学校(なんて胡散臭い組織だ)を舞台にしたシリーズも2巻目。どうやらそれなりに人気があるらしく、最近のラノベリスト(造語)の趣味も多様化しているなあと思ったが、案外若い人たちはフルメタと同じ箱で消費しているのかもしれないな。正直、フルメタよりもかなりタチの悪い作品だと思うんだけど(自分たちを正義だと確信しているあたりとかね)、まあそのあたりも中二病の一言で決着つけられるのかもしれないなあ。

主人公サイドが自分たちを正義とみなしているあたりは、この作者の場合、本気で書いているのかどうか洒落がよくわからなくて困る。そんなわけは無いとは思うのだけど、本気で書いていないとも言い切れない書き方をしているのが不安をそそるよな…。若い読者に歪んだ価値観を植え付けなければいいのだが、まあよく考えてみれば若さとはすなわち偏狭な価値観を抱えているということでもあるので、この作品はこの作品で正しいのかもしれないと思えてきた。この作品に疑問を覚える人は別のところに行けばいいんだし、心地よさを感じる人は読めばいいんだ。

前置きが長くなったけど内容について。傭兵でありながら平凡な日常(書いていてなんだがなんだそれは)を謳歌している謙吾がハマっているオンラインゲームの販売会社、ウェルトゥスから立ち込める黒い影。その調査に赴いた謙吾たちは、ウェルトゥスのたくらむ陰謀に直面する。と言うわけでウェルトゥスが雇った別の傭兵派遣会社との熾烈な戦い、新しいヒロインの登場、激しいバトルの末のピンチに次ぐピンチ、と言う感じでエンターテインメントを十分にこなしている。レーベルのわりには残酷描写もきちんと力を入れているのも好印象。シビアな世界感をきちんと描こうという誠実さが感じられた。

ただ、ちょっと説明台詞くさいというか世界の暗部はこんな風になんているんですよ的な伝奇的捏造部分が鬱陶しいが、これはまあそういう作品だから仕方が無いのかもしれない。このあたりに拒否反応を示す人もいるような気がするが、読者に対する意識喚起と言う意味ではこれぐらいあざとい方がいいのかもしれない。もちろん作者のバイアスがかかっていることは弁えた上で読まないといえないけどね。

つーか、深見真を読む場合、作者のバイアスをきちんとより分ける目を持たないと作者の偏見に巻き込まれるよなー。いや別に貶しているわけじゃなくて、作者には作者の考えがありそれを否定するつもりはないんだけど。ただ、作者の作品は大好きだけど、自分とは考え方が相当に違うので、そのあたりの切り分けは必要だよね、と改めて思うのだった。

作品そのものはきちんとエンターテインメントをしていて良かったと思いますよ。個人的にはマイルドな深見真だなあ、と言う印象だけど。僕はもっと中二病を極端にこじらせた深見真の方が好きなんだけどね。この作品、作者にしてはちと健全過ぎるかと(自分の価値観を押し付けるなよ)。

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