« 買ったもの | トップページ | 『宇宙をかける少女(下)』読了 »

2009.08.30

『Le;0-灰とリヴァイアサン-』読了

51ynweub84l__ss500_

Le;0-灰とリヴァイアサン-』(六塚光/一迅社文庫)読了。

正直読み始めた当初は、「え?海からやってくる怪獣?」「その怪獣と戦うのが吸血鬼?」「なにその必然性のない展開は…」と言う感じの印象だったのだが、夏の海辺に日傘をさした吸血鬼、というイメージにやられてしまった。本当に作者はよくこういうイメージを思いつくな…感心するぜ。明るく鮮烈な太陽の下で、海獣(リヴァイアサン)と戦う吸血鬼と言うアイディアだけで回しているという印象があるのだが、実際、そのアイディアが実に魅力的であることは否定できない話だ。常に海獣に襲われ続け、人を食らう獣たちに対して対抗できるのは吸血鬼たちだけ、と言う世界観もかなり終末を感じさせる設定なのだが、深刻でディープな世界を、南国の明るい太陽の下で描写されているため、奇妙な明るさを感じさせるのはさすが。ただ、物語としては(この作者はいつもそうなのだが)小粒で、大きなスケールは感じられないのだが、その小粒感を補って余りあるのが世界設定の妙であろう。六塚光はこうしたアイディアを形にするのがすごく上手い作家であると言う印象があるのだが、その手腕が十全に現れた良い作品であろうと思いました。

ただ一方でやや危惧するところでは、やや物語のダイナミズムに欠けるところがある作家でもあるので、どうやらこの作品は続編が出るようなのだが、テンションが落ち込まないかどうかが心配ではある。はたして、物語の面白さを維持出来るのか…。まあ作品としては、この設定を作り上げただけでかなりの成功を約束されている感じもあるので、それなりに期待しておきたい。

|

« 買ったもの | トップページ | 『宇宙をかける少女(下)』読了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/46054493

この記事へのトラックバック一覧です: 『Le;0-灰とリヴァイアサン-』読了:

« 買ったもの | トップページ | 『宇宙をかける少女(下)』読了 »