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2009.08.10

『世界平和は一家団欒のあとに(8)恋する休日』読了

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世界平和は一家団欒のあとに(8)恋する休日』(橋本和也/電撃文庫)読了。

なんつーか、この世界って親父程度の能力者はごろごろいるのな…。どうやら根本的に我々とは異世界みたいだぞう(いや、悪の組織とかある時点で異世界なのは間違いないんですけどね)。一見、普通の学園異能っぽかったから騙されたよ。…よく考えたらクラスメイトに普通に治癒魔術の使い手いたりするわけだから、本当に今更の話だよなあ。驚くほうがむしろ筋違いか…。

えー今回は美智乃メインながらも、星弓家の過去話。登場シーンは少ないけど、実質、織花おばあちゃんのお話だと言ってもいいでしょう。軋人と香奈子が順調にイベントをこなしていくうちに、おばあちゃんにかつて思慕を寄せていた、大三郎おじいちゃんの部下、煉次さんに来るべき覚悟を試される美智乃。フラグ体質の軋人は当然の如く巻き込まれ、煉次に覚悟を試されることになる。

煉次は徹頭徹尾、美智乃の将来を心配しているんだけど、やり方もまた徹頭徹尾不器用極まりなく、覚悟を試すのにいちいち拳に物を言わせないとなにも語れないという、ある意味、渋い男のラプソディを奏でているのだが、まあ、端的に言って迷惑極まりないよな。基本が見事な老紳士なのに、なんで中身がいつまでも仁義無き戦いなんだ…。と言うわけで、基本的にもうちょっとやり方があんだろーが、と言うツッコミを無効化するのが、「自分、不器用ですから」を地で行く煉次さんなので、まあしゃあねえのかな、と思わされた時点で僕はこの物語を拒否することは出来ませんね。

やり方はむちゃくちゃだけど、常に命の危険にさらされる可能性の高い星弓家の一員として、無事でいられるとは限らない。軋人自身は強いけど、守るべき人もすべて守りきれるかと言えばそうではない。香奈子を守り続ければ美智乃は守れないかもしれない。その逆もまたしかり。そこの覚悟はあるのかどうか、と言うことを、手荒い方法で教えようとしているわけですね。そしてその裏では、かつて織花を守れなかった自分自身の悔いが残っており、それゆえに強引な方法をとらせたとも言える。

しかし、煉次の(やや一方的な)試しに対して、美智乃はただ守られるだけじゃない、誰かと一緒に歩いて行きたい、と言う答えを出しているわけで、まったくこれは煉次の性急さがあらわになった感じだよな。結局、”自分が守りたい”と言う欲を優先しているに過ぎないわけだ。

だからまあ、最後に美智乃がおばあちゃんの言葉を伝えるシーンは、彼の中にわだかまっていた悔いを洗い流す意味もあって、落ち着くべきところに落ち着いたんじゃないかなと思う。美智乃自身が答えを出して、その上でおばあちゃんの気持ちを代弁しているわけだし。めでたしめでたし、と言う話でした。

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