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2009.06.17

『偽物語(下)』読了

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偽物語(下)』(西尾維新/講談社BOX)読了。

えーと…やっぱりアレ、書かなきゃ駄目かなあ。この作品を語る上では外せない台詞だもんなー。でもなーちょっと西尾維新に踊らされているような気もするんだけど…いいや、書いちゃえ。

お兄ちゃん、妹のおっぱい触り過ぎ!

さすが西尾維新さすがだな。300頁ほどしかない話なのに、本筋が始まるのが200頁を過ぎたあたりからとか構成からして気がくるっとる。それまではひたすら延々と変態紳士こと我らが阿良々木さんの素晴らしいセクハラスキルを眺めることになる。いや、この人本当にぱねえ。もう呼び捨てなんてとても出来ないレベルの男だぜ。阿良々木さん、いや兄貴と呼ばせてもらおう。かの兄貴ときたら、妹の粘膜の中に棒状の代物をつっこんでかき回すなんて序の口よ。妹の寝込みを襲うわ、妹の頭部に股間を押し付けるは、妹を押し倒すは、この人は一体どこまでいっちゃうの。八九寺好き過ぎっぷりは相変わらずだけど(しかし、八九寺が出てくると途端にメタ発言が多くなってしまうのは何故なのか…)、今回は(も)妹に対するセクハラはハンパなかったね。すごいよ兄貴。

まあ、それはともかく。きちんと偽物な物語になっていて、なかなか感心させられた。偽物ってのは本当じゃないってことだけど、本当じゃないから価値がないとは限らない、と言うところをきちんと押さえているので、物語にブレがないんだよね。たとえ阿良々木さんがどんなにセクハラに走っていたとしても、根本的なところでスジが通っている。良い話です。まあ、メインはそういうストーリーよりも物語の掛け合いの部分なんだけどー。

あと、今回の物語で、戯言シリーズでも見られた西尾維新の人間観(つーかキャラクター観かな?)が良く出ていて、その辺も面白かった。まあ、ものすごく乱暴な言い方をすると、人間、いつまでも中二病じゃあ生きていけないのだ、と言う話だ。うーん、この言い方をすると大切なものをいくつか取りこぼしているような気もするけど、概ねそんなイメージを感じる。つまり…西尾維新は、キャラクターを恐ろしく記号的に描くけど、キャラクターを必ず記号から外れる”人間”として最終的に描いているんだよね。戦場ヶ原はも羽川も神原さえも、極端すぎるキャラクター性から、平凡な人間性への変化が描かれている。それにすごく自覚的だな、と思うのは、やっぱり火燐と月火のファイヤシスターズの描き方なんだな。火燐は、正義を為すために正義を為すというおよそありえない人格なんだけど、月火の視点から、そういったあり方は、いつまでも続けられるものではないという認識を持たせている。いつまでも人間は”キャラクター”ではいられないのだ。と言うか、キャラクターでいることは、”不幸”であることと同義なんだよな。キャラクターと言うのは、極端な方向性と戯画的な個性をもたされた存在なわけで、そんな存在がまともな人生を送れるはずが無い。鋭利過ぎる刃物は折れやすいのと同様に、現実に砕かれてしまう。だから生きるためには、柔軟に、しなやかに、いくつもの矛盾を飲み込んだ人間らしさを持っていく必要があるのだ。西尾維新は、そういった人間の捉え方に、すごく意識的に行っているところが、非常に興味深いところだと思うのだった。単なるキャラクター小説を書く人ではないね(過大評価かもしれないけど)。

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» 偽物語 (上・下) [本 映画レビュー]
化物語のシリーズの第三弾(通巻4, 5巻目)の『偽物語』を読んだレビューをお届けします。 上の画像は、アニメ化の際に利用されたものみたいですが、残念ながらアニメを見てなかったので・・・本当に利用されたかどうかはわかりません。悪しからず・・・ 今回の上下巻ですが、主人公の阿良々木暦の妹達・・・ 阿良々木火憐 (上巻) 阿良々木月火 (下巻) 2人合わせて「栂の木二中のファイヤーシスターズ」という通り名を持つ妹達が登場しての物語となっています。 概要 『偽物語』は21世紀初頭、直江津高校の周辺に出没する... [続きを読む]

受信: 2011.06.28 23:06

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