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2009.06.18

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』記憶の形成は作為』読了

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』記憶の形成は作為』(入間人間/電撃文庫)読了。

”みーくん”が”みーくん”になる前の番外編。まだ自分の殻を「嘘だけど」と言うおなじみのフレーズで糊塗することに慣れていなくて、わりとストレートな”みーくん”の心象が語られているのが興味深かった。まあ幼いとはいえやっぱり”みーくん”は”みーくん”であって、筋金入りの相対主義者っぷりは幼き日々からすでに萌芽していたのであった。本当と嘘の間に塗りつぶされる”彼”の想いを綴った日々。これはそんな物語なのである。

「春『嘘が階段を上るとき』」
事件の後、重度のトラウマを背負ったまま入院していた”彼”が、人間嫌いの、ちょっと”彼”と似たところがあるような女性、ヤマナさんに出会って会話する話。死へ憧れを抱えたまま、何故生きなければならないのか、その理由を探して、必死に生きる理由を尋ねて、それでも答えを得られなかった人間は死んでもかまわないのではないのか。生きる理由がなければ死んでってかまわないのではないか。そんな誘惑に抗った”彼”と抗えなかった”彼女”。ミステリ風に味付けをされてはいるが、ようするに「人間には生きている意味がありますか?」と言うただそれだけを問う話。登場人物たちにはわりと切実な問題。生きるのがつらい上に意味がなければ生きる必要性は大分下がるもんな。で、登場人物たちもわりとその辺りはドライと言うか、結論は保留されている感じ。まあ結論なんて出しても興醒めするだけの、問うための問いであるのでそれが正解かな。あー、僕の個人的な意見としては、うぜーよ知った事か、って感じ。

「夏『ともだち計画』」
なんつーか、見方によっては普通の小学生ストーリーだよな。主人公が好きで、それでも素直になれなくて、自分を振り向かせるために手段を選ばなくて、そのために”彼”がひどい目に会うという。まあひどい目と言うかイジメなんだけど。女の子の手段がねちっこい上に容赦ないので、その描写には見るべきものがあるかもしれないが、物語自体は、まあふつー(みーまー的な意味で)。ラストの、嘘つつき方が下手な”彼”の心情はわりと普通に切ないような気がしないでもないが、これも嘘かもしれない。相対主義者ってやーねー。

「秋『蟻と妹の自転車籠』」
”にもうと”がまだ妹だった時代の話。ふつーに妹萌えの話でしたね(みーまー的な意味で)。乱暴者で何でも食う昆虫のようなパーソナリティである妹のキャラがすごく活き活きしていました。ぶっちゃけ萌えます。妹に蹴られたり打たれたりパシリにされたりするのが好きな人にはご褒美みたいな話だと思うよ。まったくこの兄にしてこの妹ありだよなあ。でもまあ、ちゃんと兄は妹を守ろうとするし、妹も兄を心配しているあたり、やっぱり中の良い兄妹だよな。もちろんみーまー的な意味でだけど。もちろんこれも嘘かもしれないんだけどねー。

「冬『Happy Child』」
まーちゃんは本当にまーちゃんだなあ。ひょっとして今まで誘拐を繰り返していたのはこの辺りにスイッチがあるのかしら。きっと、まだ読者に開示されていない押してはいけないスイッチがあるに違いない。一巻で誘拐事件が起こったときに、”彼”がすぐに犯人に気がついた理由がわかったよ。前例があったからなんだね。それにしても、”彼”がまーちゃんを気に掛ける理由が相変わらずわからんぞ。まあこの辺りは共感できる部分ではないんだが。今まで読んできてなんだが、”みーくん”とまーちゃんの関係はさっぱりわからん。僕がこのシリーズを読むときはいつもそこを棚上げしてんのよね。実は”みーくん”はまーちゃんのことは全然好きじゃないんじゃないかなあ、と思ったりする。嘘だけど。あ、あとどうでもいいんだけど、この頃の恋日先生は、本当に”彼”のヒーロー(ヒロイン)だったんだなあ。この頃の”彼”は恋日先生のために生きていると言っても過言ではないよな。彼女はどんなときも”彼”を気に掛け、守り、一緒にいてくれる相手なんだなー。それが本編じゃあすっかりただのニートに…時の流れって残酷よね。

「とってももしもにもしかして『壊れていない正しさのある世界なら』」
IFの世界がパラレルワールドか。どっちにしても本編では決してありえない世界ですな。もしあの事件が起こらなかったら、”彼”の母親が死ななかったら、の世界。あらゆる意味で幸せな世界だよな。あと、”みーくん”の本名がさりげなく明らかになったけど、今まで散々伏線は張られていたから、それほどの驚きはなかったな。まあ、特に言うことはない話ですね。みなさんお幸せにー。もちろんそんなのは全部嘘っぱちなんだけどさ。

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