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2009.05.11

『マスターオブエピック~運命の双子~』読了

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マスターオブエピック~運命の双子~』(鳥居羊/HJ文庫)読了。

鳥居羊もノベライズをやっちゃうのか…。作者の書くMMORPGのノベライズってどうなるのかぜんぜん想像もつかなかったのだけど、うんそうだな、悪くなかったよ。世界観とかぜんぜん知らなかったので、最初の導入部分はよくわからなかったけど、読み進めていく上でとくに困ったことはなかったかな。異邦人と言う設定や、ファンタジーなのに時間跳躍の概念があるなどなかなか独特の設定だなあ。よくわからないんだけど、異邦人と言うのはプレイヤーキャラクターのことを指しているのかなー。まあ知らなくてもこの作品を楽しむのにはまったく困らないけど。

作品としては、おそろしくまっとうなRPG冒険ストーリー。きちんと主人公のローエンテーの成長物語としても成立しているので、非常に手堅い。この主人公、最近のラノベ主人公としてはわりと異端で、思索よりも行動重視、理屈は肉体的感覚の後についてくると言うタイプで、非常に躍動的な主人公だった。ファンタジー小説の主人公としては、行動の人と言うのはめずらしくはないんだけど、ライトノベルとして読むととても新鮮。この主人公は基本的に行動にブレが無いんだよね。正確には、常に行動を優先する。悩むくらいならば行動で示す。肉体的感覚と言うのを重視している感じ。SASで美少女ハーレムものを描きながら、軍事アクション要素にも手を抜かなかった作者らしい、と感じさせられた。なんと言うか、主人公の内面に没入せず、常に外部との接続を果たしているんですよね。その点がものすごく健全で、かっこいい。アクションも、剣と盾という主人公の武装が、彼自身の行動の根幹にある動機と結びついているのも良いなあ。この主人公は、常にだれかの盾になりたい、と言う動機があって、そこからかれの信念のすべてが構築されているんですね。だから、彼が突然現れた謎の少女、フィニュと出会った時も、弱いものは必ず助けるという彼のスタンスがまったくブレることなく描かれているので、非常に納得度は高かった。

やや終盤の展開にご都合主義的な展開が見えたが、これはゲーム小説的にはくすぐりのあった部分なのかな。突然、複数パーティと合流してダンジョン攻略になったけど、ちょっとそのあたりの展開が納得行かないような…。そんなにすぐに合流できるものなのか…?

まあそういった疑問点を覗けば、時間SF的な側面を持ちつつ上手く物語をまとめ手行ったと思う。やや密度としてはゆるいかな、と思わないでもないけど、まあ過剰に心理描写をする物語ばっかりと言うのも多様性に欠けるので、こういうのはこういうのでかまわないだろう。気楽に読める作品と言うのはそれはそれで貴重だしね。

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