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2009.05.31

『パラケルススの娘(8)クリスマス・キャロル』読了

51d2kzfojnlパラケルススの娘(8)クリスマス・キャロル』(五代ゆう/MF文庫J)読了。

おー素晴らしい。久方ぶりの『パラケルススの娘』は(本当に久しぶりだ…。作者はいろいろ書いていたようなので、単純に遅筆というわけではないようだが…)、久しぶりに物語世界に吸い込まれてしまうという稀有の体験を得られる素敵な作品になっている。もう、本当に読んでいると、意識が本当にどこか行ってしまって、ふと我に返ったときにはけっこうな時間が経っていたりする。素晴らしいですね。まさに幻想の紡ぎ手。序幕からしてその描写力は遺憾なく発揮され、ゾッとするほどの”物語”を感じさせられた。まさにむさぼるように読みふけり、自分はこんなに五代ゆうの作品を求めていたのか、と自分でも驚いてしまった。

それにしても、遼太郎くんは、もうキャラクターとしては完成されてしまったなー。守るべきものは守る、という一点にはもはやなんのブレもなくなっている。これはハーレムを構築しても仕方が無い。それぐらいのナイスガイ。5巻で登場したシャルロット(なんかすごく久しぶり)もハーレム追加されたけど、ぜんぜん不快感ないもんなー。むしろシャルロットに語りかける言葉は、ロンドンにやってくることで得られた”家族”に対する大切な気持ちが切々の語られており、いやなんとも圧倒させられた。なんか言霊が降りている感じだ。

過去のクリスティーナとレギーネにまつわる物語は、以前にある程度伏線と言うか情報が振られていたので、予想通りと言えなくも無かった。そういえば、確かダヴィンチコードが出たとき作者が悔しがっていたような記憶があったのだけど、そうか、そういうことだったのか、とこの巻を読んで納得した。最初から考えていたとしたら妖怪ネタカブリもいいところだものな。二番煎じになってしまったので驚きとかはなかったね…。たぶん意識して劇的には描かなかったのだけど…。それにしても、テオフィルとクリスティーナの物語は短いながらも、その燃え上がるような愛の物語はまさに五代ゆうの真骨頂。読んでいるうちに、一瞬で物語に吸い込まれるような引力を感じる。愛を知らぬ男、テオフィルが、虐げられることしか知らずとも、決して絶望をしないクリスティーナに心を動かされていく心理にはものすごく深い印象を与えられた。圧倒される。

ラストのまさかの展開は、果たして作者はどこまで手綱を握ってやっているのか…?本当に裏切ったようにも見えるし、実は他の思惑があるようにも思える。最後は遼太郎とクリスティーナの間での意思のぶつかり合いになるのかなー。どう考えても揺れ動いているのはクリスティーナなわけで、遼太郎が完成された分、彼女の葛藤が今後のメインに入ってくることになるのだろう。その意味で、ようやく”クリスティーナの物語”が始まると言えるのだ。このまま行けば、これまでの五代ゆう作品に劣らぬ傑作となりそうな予感をひしひしと感じる。クライマックスを迎えるであろう次巻以降が待ち通しい。…また刊行が一年後とかにならなければいいのだが…。

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買ったもの

1.『密室の如き籠るもの』 三津田信三 講談社ノベルス
2.『クロスレイヤーに僕らはいた』 木本雅彦 トクマノベルス
3.『世界の果てで愛ましょう(1)』 武田すん アスキーメディアワークス

三津田信三はいい加減、感想を書かないとなあ。その前に積読を何とかしないといかんが…。2は作者の前作がわりと好きだったもので…でもなんで徳間書店?ファミ通文庫の方は…?3は、まあなんか評判がよろしく…後悔はしていない。面白いしね。

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2009.05.29

『原点回帰ウォーカーズ(2)』読了

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原点回帰ウォーカーズ(2)』(森田季節/MF文庫J)読了。

超おもろい。いやー一巻に続いて本当に素晴らしいですねー。森田季節がここまでラノベ的記号を使いこなす作家だとは、デビュー作を読んだ時には想像もしませんでしたよ。いや、確かに良く考えれば、デビュー作も構成要素そのものはラノベ以外なにものでもなかったわけだだけど、それでいて明らかに別物だったからなあ。それがこれですよ。もお超ラノベ。記号的に描かれたリアルさの欠片もない登場人物!(褒めてます)荒唐無稽でファンタジーと言うにもおこがましい舞台設定!(繰り返しますが褒めてます)真面目に考えるのがバカバカしくなってくる物語!(しつこいようですが褒めてます)いやー本当に素晴らしい。感動しました。ここまで徹底的にやられるともはや感動するしかない。ここまで徹底してラノベをやっておきながら、これがまた面白いんですよね。なんか、徹底した記号論とご都合主義的な展開の隙間から、森田季節成分とでもいうしかないものがじくじくと滲み出してくる感じ。ようするに頭がおかしい。なあ、冷静に考えて、筆VSイケメンという単語に違和感を感じないか…?感じるだろ?でも読んでいる最中はぜんぜんおかしさを感じないんだぜ!むしろ当たり前の出来事のような気がしてくるですよ。この世界構築力は本当に凄まじいとしか言いようがないなあ…。

以下、各話コメント。

「天ノ下芝蘭よ、愛を描け」
天ノ下芝蘭がイケメン野郎と十哲の座をかけた勝負する話。まあ物語に魂なんてどうでもいいんだよ、みたいな話か?まあそんなことよりも、この世には存在しない男子に恋する芝蘭があまりにもラブかった。なんだこのラブ成分。しかも悲恋っぽい。そんな話ではないはずなのだが…。

「渡会竜太朗は呪い殺す」
ロリ神様と同居したりするどっかのラノベの主人公みたいな元十哲、渡会竜太朗が新十哲、物理火燐に勝負を挑む話…にみせかけたラブ話。え、マジで?まあこの渡会竜太朗は本当にどっかの主人公みたいなんだけど、愛のために過酷な修行に立ち向かう姿は男だったぜ!でもラブ話。お前らちょっといい加減にしなさい。

「久我原いすみはしばかない」
いいっすねー久我原いすみ。暴力的で世話好きな年上の女性なんて最高じゃないですか。まあ暴力の桁が違っているけどな。唯一ラブじゃなくてバカ話のように見せて…え?なに特別な感情って?親友の花笛でさえ持っていない特別な感情ってどう考えても上司と部下の関係を超えているよな…。えーと、つまり、なんだ。百合か。

「足利アキラは嫉妬する」
足利アキラってツンデレよねー。もう典型的なツンデレ。しかもチキン。タイトル通りのお話でごじゃったわ。つまりラブ。お前らとっくに相思相愛なのになんで気がつかねえんだよ二人とも!オレを悶え死にさせるつもりか!ところで総支配人こと森本森とのフラグすら立てる章夫は意外とハーレム体質なのか…。考えてみれば誰でも助ける正義の味方なんてハーレム体質以外なにものでもないよなー。

総括。死ぬほどラブい。

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買ったもの

1.『ムゲンのセンカ(2)』 六塚光 角川スニーカー文庫
2.『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』 河野裕 角川スニーカー文庫
3.『ドロヘドロ(13)』 林田球 小学館

2の『サクラダリセット』は乙一の帯を観て衝動的に買ってしまったのだが、これ本当かなあ…。褒めすぎて逆に嘘くさいぞ。まあどうせコメントを適当に編集してんだろうな。

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2009.05.28

『にこは神様に○○される?(2)』読了

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にこは神様に○○される?(2)』(荒川工/ガガガ文庫)読了。

これで完結かよー。早いよー早すぎるよー(本が出るのは遅かったけど)。なんかもーありとあらゆる意味で勿体無い。”あいん”と”にこ”の成長も、それを見守る人々も、ありとあらゆる部分にまだまだこれからの物語が詰まっているよー。…まあきっとなんか事情があるんでしょうけどね。主に大人の。でも一読者としてぜんぜん納得できないぜー。にこがお父さんの出来事を飲み込むのに、一冊で終わらせてしまったのはいかにも性急であったとしか言えない。他にもいろいろ背負っている人物もいっぱいいるってのに(とくに教団の人たちの心理の推移は納得いかねえええええ)。まあ内容は相変わらず軽快かつリズミカルとさえ言える文体芸が冴え渡る逸品なんですが、その上に、さらに魅力的な物語の断片が垣間見える分、余計に勿体無い。ああ勿体無い。

いや、面白いんだけどね…。壁にぶつかる”にこ”の描写は普通に大変だし、それを乗り越える展開もきちんと手順を踏んで納得の展開。”あいん”とのやりとりも、お互いのどんどん距離が短くなっていくのが良く分かる描写もいいですね。明らかにされる”にこ”のお父さんの真実は、それだけかよ、みたいな印象もちょっと受けたりもしたのだけど(でも、ひどい話なんだけどね。惜しむらくはちょっと描写があっさりとしすぎているので感情が追いつかない…)。

ようするに、すごく面白かったがゆえに、もっとこの作品を読みたかったという意識が強いのです。2冊で終わってしまうことが惜しくなってしまうぐらい。ああ勿体無い(まだ言っている)。

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買ったもの

1.『バガボンド(30)』 井上雄彦 集英社
2.『ユダヤ警官同盟(上)(下)』 マイケル・シェイボン 新潮文庫
3.『魚舟・獣舟』 上田早夕里 光文社文庫
4.『純愛を探せ!』 速水秋水 GA文庫

買った。

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2009.05.27

『鉄球姫エミリー第五幕 鉄球王エミリー』読了

鉄球姫エミリー第五幕 鉄球王エミリー』(八薙玉造/スーパーダッシュ文庫)読了。

最後はもう勢いで押し切ったような展開で、まったくこの作品らしかった。王位継承問題を力技で片付け、王位についたエミリーの、これまたハチャメチャな作戦(…柱壊していた部隊の人って絶対死ぬような…)と、もう一騎当千が比喩ではなく個人戦闘力で戦況を制してしまう超人が乱れ飛ぶもはや荒唐無稽というレベルに突破した戦場。もう、とにかく『鉄球姫エミリー』という作品が持つポテンシャルを凝縮したような最終巻でした。一つの作品としてはあまりに荒削りで、端正さとは程遠い一歩間違えるとジャンクと呼ばれかねない作品になってしまいそうな側面を常に持ちつつも、そのうちに秘めたるパワーは凄まじいな(でもジャンクもわりと好きよ)。欠点は一つ一つ上げればきりが無い。ギャグとシリアスのバランスが悪く、物語の流れを阻害しているようにしか思えないし、会話の掛け合いのテンポもぎこちなく、ようするにぶっちゃけ文体が安定していない。構成的に、一巻ひたすら白兵戦をしているような感じで、おーい戦場の他の要素を描く戦記ものには…あ、ならないのね、みたいな。政治的にも、王位継承問題をこれで解決するとか、ちょっとそこに至るまでの貴族たちのボンクラぶりを見ていると、とても素直に受け入れるとは思えないんだけどなあ…とか疑問を覚えてしまった。

だけどまあ、そんなことは些細な問題だよな。そういった欠点を抱えて、なお、この作品は超面白い。登場人物それぞれが抱える情念を、それこそ敵も味方も、凄まじい熱意をこめてひたすら描きぬいているのだ。自国を蹂躙されることへの、そして誇りを貫かんとするエミリーの怒り、あらゆる人間の盾になりたいと願うグレンの想い、リガードの、セリーナの、ヴィルヘルミーネの、パーシーの、それぞれが願い、掲げる理想と夢。その情念の描写を、作者はまったく手を抜く様子がないどころか、明らかにトップスピードを維持したまま突き進む。細かい枝葉を些事と切り捨て、一瞬の刹那に生きる人間の想いを描き続ける。そこには一切の手加減はなく、見事だと思った。

これは作者の個性であり、美点であると思う。良い作品でした。次回作にも期待しております。

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訃報

栗本薫が死去、と知った瞬間の気持ちは筆舌に尽くしがたい。

正直なところ、ぼくは栗本薫の熱心な読者とはいえない。十代の一時期に著作を読み漁ったことはあるが、自分の中ではそれほど重要な作家と言うわけではなかった。とくに、ここ数年の栗本薫に対しては、作品の品質に疑問を覚えざるをえなかったので、すっかり読まなくなってしまった。血気盛んな時期には、はっきりとした反感と言うか拒絶感めいたものを持っていたことさえあった。

それでも、いつかはグインサーガは終わるのだろうし、さまざまな謎が明らかにされるだろうという信頼がどこかにはあったように思える。今でこそ読んではいなかったが、数年前までは、グインサーガの熱心な読者だったのだ。読まなくなった今でも、まあ、完結したら、読んでみてもいいか、と思ってさえいたのだ。

だが、もはやグインサーガは完結しないのだ。永遠に完結することはないのだ。そんな想いが、心を苛んでやまない。理不尽さ、苛立ち、怒り。どこに向かうともしれないそんな感情が、そこにはある。

そこで初めて、自分は栗本薫と言う作家は、これほどに重要な位置を占めていた作家だったのだということに気くのだ。物事と言うのは、ときに失われたときにその重要性に気がつくというが、まさにそれ。グインサーガの完結とは、ぼくの中では、一つの信仰のようなものだったのだ。

なぜ死んだのだ。あんまりにも無責任じゃないか。そんな風に作者に文句を言いたくなる。

これで終わりだって言うのか。認められない。認めたくない。憎しみにも似た感情を、作者に覚える。

死者に対して、生者は無力だ。どんな嘆きも怒りも死者には届かない。ぼくはただ、失われたものを思い、生まれなかったものを思い、無念さを感じ続けるしかないのだ。

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買ったもの

1.『木でできた海』 ジョナサン・キャロル 創元推理文庫
2.『犬憑きさん(下)』 唐辺葉介 スクウェアエニックスノベルス

買った。

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2009.05.26

『ぴにおん!(3)』読了

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ぴにおん!(3)』(樋口司/MF文庫J)読了。

なんというか…作者としては意図せざることだとは思うのだが、涼宮ハルヒの憂鬱新作「言の葉ラプソディ」が放送されたのと同時期に発売してしまったのは痛恨でしたね。妖怪ネタカブリが出現してしまいましたよ。まあ根本的なアイディアがかぶっているだけで、違う話なのは間違いないんだけどなあ。ちょっと二番煎じの印象は免れない。なにはともあれ、ポスト谷川流の言う印象を裏切らない、すこし不思議系人情話の路線ですね。今回はニーナをヒロインとして、例によってラブコメっぽいドタバタ。ちょっと時間跳躍ネタの回収はスマートとは言えないような気もするので、SFとしてはちょっとマイナス。ラブコメとしてはいつも通りです。ヒカル子という新しいヒロインも加わり、にぎやかになってきました。わりとみんな真面目にラブコメをやり始めているので、そういうのできゅんきゅんしたい人にはおススメできるぜー(適当)。

ニーナはある意味いちばん主人公に素直に好意を示しているキャラクターなので、主人公と一緒にいるといちばん掛け合いが癒されますね。いわゆる男女のそれとは違って、普通に友情のような気もするけど。それゆえのドライさがあるので、なんか無理に萌えさせようというつくりをしていないのは安心できるなーと思った。

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日々の雑記

・うおおおお!たった今、昨日感想を書いた『あやかしがたり』のイラストレーターが『クロザクロ』を描いた夏目義徳であることに気がついた!

・いや…たしかに言われてみればその通りなのだが…。ともあれ、『クロザクロ』はけっこう好きだった…。

・新作は描かないのかなあ。…と思ったら、Wikipediaで『バットマン・デスマスク』なる作品を描いていたことを知る。知らなかった…。

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2009.05.25

『あやかしがたり』読了

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あやかしがたり』(渡航/ガガガ文庫)読了。

おお、なんと言う直球のライトノベル時代劇。昔から言っている(んだけど誰も相手にしてくんなかった)んだけど、時代劇ってむっちゃライトノベルと親和性が高いんだよな。ラノベ読んでいる人はまったく違和感なく読める”軽さ”が時代劇にはある。それは、ライトノベルとは異なるものの、ある一定のお約束を守れば好き勝手やっていいと言うジャンルでもあるし、剣術と言う否応なしにアクションに直結するギミックがあると言うことも言える。池波正太郎なんてライトノベル以外なにものでもなかったもんな。剣客商売じゃヒロインは剣術少女なんだぜ?(メインはジジイ萌えだがな)いま読み直している日向景一郎シリーズなんか、主人公の必殺技が相手の身長ほども跳躍してからの一刀両断と言う飛天御剣流並みのびっくり剣法なんだぜ?(刀で木を切り倒したりする)

まあそういうわけで、時代劇はライトノベルと共通する要素が多いんだよな。なので、時代劇とライトノベルと言う組み合わせはいつかヒットするだろ、と思ってたけど、このラノベ氾濫の時代に導入したのはやっぱガガガ文庫だったか。いやーこの泥臭い感じの読み心地、いいねえ。今までちらほらあったラノベ時代劇と違って、超マジで時代劇っぽい。もちろんその上でラノベっぽいキャラ萌えもあって、なかなかナイスなチョイスだな。さすがガガガ文庫だぜ!ライトノベルとして売れるかどうかわかねえけどな!

えっと、何の話をしてたっけ…って内容について書くの忘れてた。まー最初にも書いたとおり、直球の時代劇ライトノベル。主人公が鬼強くて、ヒロインがいて、オカルト的なファンタジー要素も盛り込んで、どうよ?ってな感じ。まあ文体的にラノベなのか時代劇なのか、作者自身が迷っている感じの不安定感を感じたり(とくにキャラクターの会話劇が中途半端な感じ。まあ誤差の範囲ではある)、キャラクターの感情変化がやや性急で振り落とされかけたり(そんな簡単に裏切られたことを信じられんの?どんだけ荒んでんだ主人公。…そういや不憫な身の上だったな…)、まあ、個人的な趣味の範囲内ではちょっとブレがあったかなーと思ったけど、ここまで直球に描いてくれたことには感謝を述べたい。いやー、ここ数年、ラノベ+時代劇で誰かかいてくんねーかなーと思っていたので、欲しかったものが手に入ったような感じ。ありがとうございました。

つーか、作者、まだ若いのな。まだ大学生くらいか。それでこの作品とは、もっと化けてくれると個人的にはうれしーなー。

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『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』を観てきた

・土曜日は『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』を鑑賞してきたのだった。

・TVシリーズの記憶はすでに忘却の彼方に捨て去ってきたので(本気で内容を忘れてた。キャラの名前と顔がほとんど一致しなかった)、今回の”再構築”だかなんだかも気にせず観れた。

・こっぱずかしいボーイミーツガールでにやにやする映画として大変よく出来ていたのだが、物語のわけのわからなさも相当なものだった。いかん、物語の情報量に追いつけていない。というか、神話と現実をリンクさせるという発想の根本が理解できん。神話とはいったいなんの謂いだ…?

・どうも作中での定義がはっきりしなかったので自分なりに考えてみると、夢とか理想とか、あるいはもっと具体的な理想郷を意味するのかなあ、とか。みんなすんなりと理解しているのだろうか…。だとすると自分のオタクとしての劣化は甚だしいことになる…っ。まあオタクアイデンティティなどにたいした価値はないのでスルーすることにする。

・まあ、幾度か物語を反芻してなんとなくわかってきたのだが、イマージュと言うのは、人類を侵略する存在などは無くて、ただ己が自身を蝕む人間の業そのものなわけですよね(鏡と言う表現がどこかに出てた)。それを、お互いを大切に思う少年少女の恋と夢が、破滅に瀕した人類の業を止揚し、新しい世界を現出させたという話、だと読んだ。そこに、夢も未来も奪われた者たちが、いかにして絶望に抗うかと言う話や、神話の現出の語り部として生きることを選択した女性の話とか、いくつかのラインが、こっぱずかしいボーイミーツガールのラインを主軸としてまわっている感じがする。

・ようするに、なんか物語が並列している感じなんだよなー。そこんところが、面白いなと思った。

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買ったもの

1.『ランドリオール(14)』 おがきちか 一迅社

買った。ちょうおもれえ。

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考えていたこと

・ここ数日、どうしても頭を離れない疑問があったので書いておく。

・男性は(フィクショナルな存在としての)BL(ボーイズラブ)にほとんど興味を示さない(むしろ忌避する)のに対し、女性は(同様にフィクショナルな存在としての)百合(ガールズラブ)にも関心を示す(どころか憧れすら抱いているように思える)のはなぜなのだろうか。

・無論、これは自分の観測点の問題でしかない可能性は高い。世の中には、BLを忌避しない男性もいるだろうし、百合に嫌悪感を示す女性もいるだろう。厳密な調査の結果ではなく、あくまでも印象の問題でしかないことは明記しておく。だが、総体として(むろんぼくの観測結果として)見ると、やはりBLを忌避する男性は多く、百合を愛好する女性は少なくないと思える。すくなくとも、なぜそう見えるのかと言う問題は残る。

・ここ数日、この問題についてあれこれいじくり回してみたのだが、なかなかこれと言った結論が出てこない。まあ、結局、土台が思いつきなので結論などない可能性もあるのだが、なんとなく、それぞれの同性同士における距離感の問題に収斂していくのだろうか、という気がしてきた。

・男性同士、女性同士だと肉体的な距離感の違いがある、ような気がする。男性は、お互い接触型のコミュニケーションを行うことは少ないんじゃないか。これは個人的な感覚になるけど、男にとつぜん手を握られたりしたらびっくりするし、肩を叩かれたりするとあんまりいい気持ちがしなかったりする…のだが、これは男→女、女→男でも同じか?だけど、友達と歩くときも、男同士だとそんなにお互いの距離は近くない感じがある。30cm以内だと、近っ!とか思うくらい。一例を挙げると、『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物の古泉なんかは、やたらと主人公のキョンとの距離感が近くて(顔を近づけたり、肩を並べて歩いたりする)、その度にキョンに「(距離が)近い」と言われたりしているのを見ると、そんなに外れた感覚でもないのかな、と思う。

・んで、女性同士だと、そこまで接触型のコミュニケーションを忌避してる感じがしない。まあ、僕は女性になったことがないので実際のところはわからないんだけど、『マリア様がみてる』シリーズで有名な「タイが曲がっていてよ」のシーンとか、わりと接触を頻繁にしている感じがある(男が男のネクタイをしめたりすると、これは近っ!って感じがするもんなー)。コバルト文庫の本来の読者層が十代の女性であることを考えると、これもそんなに間違っていないんじゃないかな(まあ、そもそもマリみてという作品があること自体が百合関係における女性の寛容さの表れであるわけだが)。

・両方とも例がフィクションであるという点はアレだが、まあどちらも多くの人間に受け入れられた作品なわけなのでそんなに世間を反映していないこともあるまい、と思う。

・この距離感が、そのままBL、百合に対する姿勢に関係してくるのではないか、と思った。おそらく、自分に属する性の場合、接触型コミュニケーションに対するスタンスが邪魔をして、ファンタジーに入り込めないのではないか。結局、性的なファンタジーなんて接触コミュの最たるものであるわけだし。

・まあ、結局、なんでそういう距離感が生まれるのかわからんのだが、この辺はもう生理学の領域なのかなー。その手の本を読んでみればこの疑問も解決するのかしら。

・あー。あと、自分はBLにはわりと寛容。自分でも勉強のためにBLゲームやコミック、小説を多少かじったことがあるけど、別に嫌悪感はわかなかった。リアルだとわりと接触恐怖みたいなものがあるのに、フィクションだとそれがないのは自分でも不思議(逆説的に、リアルで接触恐怖気味だから、ファンタジーで接触を求めている可能性はあるか。まあぼくの話は置いといて)。ただ、「こいつら(登場人物の)コミュニケーションは物理的距離が近いなー」とは思ったな。そのとき感じた距離感の測り方の違和が、この疑問につながってんのかもしれない。だって、BLって基本的に性別反転させても問題ないよね?関係性だけ見ると、女性同士のほうがしっくりくる感じ。女性が作る百合ファンタジーにはぜんぜん違和感を感じないところを考えるとやっぱりリアルにおける距離感が反映しているっぽいなー。男性が作る百合ファンタジーだと、なんかカップルの関係性が男女のそれとあんまり違いを感じないところがあるし。分類すると、男性が想像する関係性は、基本が男→女、女性が想像する関係性は、基本が女→男、女→女になるってことかな。でもそれがフィクションにどう関係してしてくるのかは…うう、よくわからん。

・ちなみに百合はファンタジーとして普通に好きです。

・あとなー。リアルとファンタジーの関係になると、話がさらにややこしくなる感じがするよなー。たぶん、リアルでBLは自分が対象になるのは駄目。でも、誰かがそういう関係になってんのは普通に許容できそうな気もする…が、なにぶん知り合いにいないからわからんなあ。百合はリアルにおいてもファンタジーにおいても自分は観測者以上のものではないんで問題ないかなー。そうすると、結局、主体をどこにおくかの問題なのかも。

・うーん、本格的にわからなくなってきた。とりあえず結論は保留。

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日々の雑記

・「めだかボックス」面白いのー。西尾維新原作漫画で(まあそんなに多くないけど)一番面白いんじゃなかろうか。なんつーか、作画の人が、良い意味でオタクっぽいっつーか、あざといっつー感じであり、そこがむしろ良い。要するに、ジャンクでキッチュなのが西尾維新なので、変に上品なのは良くないわけです。パンクなんですよ西尾維新は。

・「ぬらりひょんの孫」がとにかくえろくて参りました。雪女って『バジリスク』の陽炎だったんだな…。

・「ワンピース」が敵も味方もとにかく信念に満ち溢れていてかっこいい。読者でさえ情報量の多さに混乱しかねないエネルギーを、作者は完全に己が物にしている。なにかが降臨しているとしか思えない。

・ひょっとして「ベルゼばぶ」って面白いのか?と先週と今週を読んで思った。

・「バクマン」はとにかく蒼樹さんが可愛すぎて困りました。別に恋愛的にデレわけではないのがいいなー。しかし中井さんはストーカー過ぎる。過ぎるがとにかく情熱は伝わってきます。

・なんかジャンプ感想になった今日の雑記。

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2009.05.24

『武林クロスロード(4)』読了

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武林クロスロード(4)』(深見真/ガガガ文庫)読了。

相変わらずセックス&バイオレンスが飛び交う作品だったが、大河ロマンとしての側面と、リョウカとシュンライのラブロマンス(…と言うにはエロスに満ち溢れすぎだが…)なども盛り込み、実に贅沢なエンターテインメントだと思う。ほんとうだよ?確かに表紙からしてマッチョな女キャラが血まみれで仁王立ちしているような作品だけど、作者が徹底的にエンターテインメントを突き詰めた作品であることは間違いなく、マッチョガチレズが苦手でなければだれもが楽しめる作品といえるだろう。まあそこが大きな分かれ道ではあるのだが。

作品としては、当初の目的である北天戦への参加資格を得るために帝都に向かうリョウカたちと平行して、ルカン朝を滅ぼそうとする獣神国の侵略が始まる…と言うわけで、まるで金庸ばりの、と言うとやや褒めすぎのような気もするが、個人の物語と歴史ロマンを融合させるかのような一大エンターテインメントとなっている。

個人の物語としては、リョウカがずいぶんと強くなってきたことに加えて、リョウカとシュンライ師弟の精神的結び付きも強調されており、それが物語の最後で迎える別離へとつながっている。二人の別離は、武侠物であることからも、師匠越えの物語としても(本人たちの意図はどうあれ、そういう方向に物語が向かうということ)、必然とはいえ、とある以外な役回りの人物の登場によりその流れが加速していったといえなくもない。

また大河ロマンとしても、獣神国の総大将クバンカサによるルカン朝征服という一大スペクタクルによって、リョウカたちの物語へも大きなうねりを与えている。この点に、深見真のエンターテインメント作家としての面目躍如といっても良いだろう。ルカン朝の大将軍、ユゴ(ほとんど初めて出てきたかっこいい男キャラ。ジジイだけどな。むしろそこがいい)を初めとして、南に亡命をするルカン皇帝の動向など、おそらく金に侵略された宋がモチーフとなっているであろう展開も非常に躍動感があった。

もちろんみんな大好きエロスもいっぱい。バイオレンスもいっぱい。これが面白くなけりゃ、いったい何が面白いってんだ?ってな具合です。

まあ、それゆえに読者を選びかねない作品ですが、続きは売り上げ次第とのことなので、第二部がどうあっても僕は読みたいので、とりあえずみんな買って読めばいいと思う。と言うか読んでください。

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買ったもの

1.『怪物王女(9)』 光永康則 講談社
2.『ヴァルキュリア(1)』 原作:為我井徹 作画:田中克樹 メディアファクトリー
3.『アンダー ザ ローズ(6)春の賛歌』 船戸明里 幻冬舎
4.『GENEZ(1)』 深見真 富士見ファンタジア文庫

1はちっちゃい姫がかわいいのう、な怪物王女の新刊。萌え系でありながら暗く重苦しい絵なんだけど、そのギャップがいい。2の完全に絵だけ見て買った。珍しい。自分は、こういう、なんというか、しゅっ!とした感じの絵に弱いんだよなー。『アンダー ザ ローズ』はあいかわらずちょおおもしろい。つーか描写がえろいなーと思ったりもするのだが、逆に男性の性的ファンタジーと異なり、レイプされたとしても女性はそう簡単に壊れたりしないんだなー、みたいな描写が面白い、と言っていいのかわからんが、思った。しかしこの巻、今まで隠蔽された真実が明らかになる展開は圧巻…。ウィリアムの真意が明らかになるあたりは完全に印象がひっくり返った。すごいぞこれ。

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2009.05.22

『狗牙絶ちの劔(3)-刀と鞘の物語-』読了

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狗牙絶ちの劔(3)-刀と鞘の物語-』(舞阪洸/富士見ファンタジア文庫)読了。

や、まあ、その…なんつったら良いのか…。話がちっともすすまねえぇぇぇぇッ!もうなんなの?いつまで犯人引っ張るの?クローズドサークルもので、ここまできたら犯人は完全に決まりでしょ?それでもまだ引っ張るの?こ、この作者…どこまで…。本当にこれだから趣味で小説を書いている人は困ったものですな(偏見)。結局、物語としては何一つ進んでいないだけど、いい加減、物語を会話で引き伸ばすのにも限界があるんじゃないかしら。まあこの作者の作風なのかもしれないけど、そろそろ物語の動かし方に疑問を感じてきたぜー。正直、イラつかね?他の人はどう思うのかわからないけど、さして複雑ではない物語を、妙に引き伸ばしている感じ。まあ、つまらないというわけではないんだけど、(ラブコメとしてはね?)、はっきり言って狗牙とか完全にどうでもよくなっているよね?なんかこの作品は完全に物語的に迷走していると思うなあ…。まあ読者参加型の企画物らしいから、そのせいもあるのかもしれないけどさ。もうちょっとなー、なんか欲しいよ。作者のこだわり抜いた居合い関係の薀蓄でもいいからさー。現状のヌルイ雰囲気もきらいじゃないけど(クローズドサークルで殺人事件も起こっているのに、この物語のヌルさはどういうことだ?)もうちょっと熱をね、欲しいよね。いや、これが作者の個性なのでどうしようもないと言う可能性もあるのだけど、僕は作者の作品をそれほど多くは読み込んでいないのでそこは判断が出来ないのだけど。あとは作者が悪意でやっている可能性もあるか…。わかってやっているならゆるせるんだけどなー。まあいいや。早く事件は解決させて欲しいよ。

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日々の雑記

・書く時期をすっかり逸してしまったのだが、『カラミティナイト・オルタナティブ』が二巻で打ち切りになったようだ。どうやらショックのあまり自分の記憶を消去していたらしい。

・あれなー、結局、分冊にしたのが最大の失敗だったんじゃないかと思うんよ。信者である自分から読んでも、一巻は盛り上がるところがどう読んでもなかったもん。二巻はさすがに主人公たちへの追い込み方がすさまじさだったけどさ。一巻を読んだ限りじゃ凡庸な学園異能以上のものになるとはとても思えなかったもんなー。前半と後半のそのギャップが面白いのだけど、二冊に分けてしまうとその面白さにたどり着くまでに読者をふるい落としちゃうと思うんだよ。まあ今更言ってもしょうがねーことではあるんだけどー。

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2009.05.21

『よいこの君主論』読了

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よいこの君主論』(架神恭介+辰巳一世/ちくま文庫)読了。

ああ、オレも小学生、せめて中学生のときにこの本に出会えていれば人生変わったかもしれないなあ、と一瞬だけ思ったが、なんとなく進んではいけない方向に人生を捻じ曲げてしまった可能性もあるのでやっぱり読まなくて良かったのかもしれない。でも、小学生に読ませたらどうなるのか気になるぞ。甥が大きくなったら読ませてみるか…(他人の人生をおもちゃにするんじゃありません)。

と言うわけで、タイトル通り、マキャベリの君主論を、子供でもわかるように児童書風に描いた君主論。まあコンセプトからして冗談としか思えないと言うか、実際、冗談のようなネタ本と言えなくも無いのだが、中身はものすごく硬派だよこれ。あらすじを読んだ瞬間はちくま文庫、気でも違ったか?とびっくりするが、実際にはきちんと君主としての心構えをみるみるうちに理解できるようになります。とある小学生の仲良しグループの覇権をめぐる物語になっているので、キャラクターに感情移入すれば理解度も倍増。人間を効率的に支配する方法を子供に教えたければ、この一冊を読んでおけば事足りるのではなかろうか。子供を世紀末覇者にしたい親御さんは万難を排しても買うべき本だと思います。

まあ、たしかどこかでライトノベル的に君主論が理解できる、と書かれていたような気がしたが(どこで書いてあったのかは忘れた)、ラノベとしてはキャラが弱いのが残念なところ。登場人物が今一つ理解しきれなかったので、常時参照すべく冒頭の登場人物一覧は手放せなかった。ひろしくんとりょうこちゃんとまなぶくんはすぐに覚えたんだけどなあ。…何故まなぶくん?話は変わるがこの冒頭のキャラ設定無駄が多すぎ。そもそもひろしくんが一冊の書物に出会ったことから運命を変えることになる--なんて書かれているけど、そんなシーンどこにもねえじゃねえか。他にもなんか意味があるんだろうと思った設定がいろいろあるみたいなんだけどぜんぜん生かされてなかったぜ。まったく…こう言う無駄な熱意大好きよ!(え?)こういう無駄な情熱がこの作品には至るところに溢れており、例えば合間合間にふくろう先生とたろうくんとはなこちゃんによる物語と言うか君主論の解説シーンがあるんだけど、この辺りの会話が大概狂っているのも素晴らしい。息をするように自然と”愚民”なる言葉を使いこなし征服王としての気概を見せ付けるはなこちゃんのポテンシャルには驚愕した。結婚してくれー!(落ち着けよ)クラスの覇権をめぐる息詰まる駆け引きもまたたまらない。まったく最近の小学校は地獄だぜー。オレが将来帝王になれない理由がよくわかったってもんだ。いや、君主論があれば今のオレにも…(無理か)。

それにしても、全体的な(頭の)おかしさに満ち溢れた作品なんだけど、やっていることは真面目なんだよね。真面目なのに(頭が)おかしい…いや、気の毒なことになっているのだけど、この気の毒さが作者のアレンジにあるのか元々の君主論にあるのか、難しいところだ。いや、両方だと思うんだけどね。

ともあれ、これで「最近の読書は?」と質問されたときに、「マキャベリの君主論を少々…」と応えることが出来るようになるので、知的な自分を演出したい人にもおススメだぜ。おもしろいねー君主論(知ったかぶり)。

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買ったもの

1.『鉄球姫エミリー第五幕 鉄球王エミリー』 八薙玉造 スーパーダッシュ文庫
2.『ぴにおん!(3)』 樋口司 MF文庫J
3.『原点回帰ウォーカーズ(2)』 森田季節 MF文庫J
4.『パラケルススの娘(8)クリスマス・キャロル』 五代ゆう MF文庫J
5.『いつも心に剣を(2)』 十文字青 MF文庫J

早売りゲットだぜー。 

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2009.05.20

最近アニメがやけに面白い

・今期のアニメが面白くて面白くてしかたがないのだが、これは今期のアニメが格別に質が良いというわけではなくて、自分のアニメに対する取り組み方が変わっているためだ(と思う)。

・今まで、アニメに対しては片手間で見ているというか、物語の裏を、製作者側の思惑を読み取ろうというところまで気力が沸かなかったので、一度観たら十分かな、と思ってたのだ。

・ところが、今期は繰り返し繰り返し視聴している。意味のよくわからないところを繰り返して観て、物語に圧縮された情報を読み取ろうとしている。

・こうすると、アニメが飛躍的に面白くなる(まあ、どうしても行間を読むことが出来ない作品や、そもそも繰り返し視聴したくなる欲求が沸かない作品もないこともないが…まあそれは今に始まったことでもないし)。

・で、結局、何が言いたいかと言うと…。買いたいアニメのDVDが多すぎるよー!東のエデンは当然買うが(予約した)、亡念のザムド(買ったら猿のように繰り返し見そうだ。今もだが)もバスカッシュ(問答無用に面白いっす)も真マンジガー衝撃Z編(続編を応援するためにも買っとくべきか…)もティアーズ・トゥ・ティアラ(地味だが映像的なセンスがすげえ)もアスラクライン(なんか最近すごく面白いような気がしてきた)も欲しいよー!でも全部は買えないよー!あううー…一体、オレはどうしたらいいんだぜ…。

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日々の雑記

・昨日はひさしぶりに夢を見た。

・もうよく覚えていないのだが、少なくとも日本ではなく、言葉が通じない場所でえらく苦労していたような気がする。どこかでなにかをしなければいけないのだが、そのためになんと話しかければいいのか悩んでいた。で、最終的に身振り手振りでなんとかコミュニケーションするしかないか、と思い定めて、話しかけようと思った…ところで目を覚めたのだった。

・全然話しは違うのだが、今週のサンデーを読んだら『神のみぞ知るセカイ』の神にーさまがテラエロイケメンだった。これはきゅんきゅんだな。

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『風樹の剣 日向景一郎シリーズⅠ』読了

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風樹の剣 日向景一郎シリーズⅠ』(北方謙三/新潮文庫)読了。

はふー…健ちゃんの文章サイコー…。疲れた時には最高の癒し系だぜ…。などと言うのは妄言以外なにものでもないが、言っていることは本当だ。自分は北方謙三の熱狂的ファンと言うわけではないのだが、この人の文章はとにかく好きだ。断ち切るような剛直な文章がなんとも格好良い。とくに日向景一郎シリーズは、派手でありながら静謐ともよべる剣戟アクションがものすげー格好良く、ライトノベル読者にとくにおススメ。”剣術”と言うのは、単純に強いとか弱いとかでは計れない奥深さが実感できるので、ラノベの剣術アクションに飽いた人にもおススメですぞ。達人と言うもののすごさが理解できたようになります。例えば、主人公の景一郎は、臆病者なんですよね。斬りあいを恐ろしがっている。ラノベ的にはヒーローの資格はないんですが、北方謙三的にはちょっと違う。本能レベルで恐怖しているから、無意識の内に相手の斬撃を回避できる。むしろ天凛とみなされる分けです。また、単純に剣技に優れたものが勝つのではなく、剣の戦いと言うのは、まさに己との戦いであると言うことも描写されていて、マジでかっこいい。こういうところに金鉱と言うのは眠っているんだよなあ。

話題が逸れた。内容について語ろう。

一言で言えば、日向景一郎青年の青春、と呼べる物語だ。だが、彼の青春は、あまりにも血塗られ、無残である。病んだ祖父と共に旅をする青年、景一郎は、あるとき謎の刺客たちに襲われる。剣豪である祖父は刺客と戦い壮烈な死を遂げる。そして祖父は、景一郎に一つの遺言を残す。すなわち「父を斬れ」。父親を切らねば、景一郎の生きる世界はこの世に無い、と言う。そして、景一郎の旅は始まる。己の手で父を殺すべく、修羅の道へと。

先ほど、この物語は日向景一郎と言う一人の青年の青春を描いた作品だと書いた。剣の技量は祖父に鍛えられ、人一倍優れているものの、同時に人一倍臆病で、初めての真剣の立会いにおいては小便を漏らすような、そんな青年である。普通ならば、青春物語を描くのであれば、そんな彼が一人前の剣の達人へと成長する物語になるのが誰しもが考えるところだろう。ところが北方謙三はそんな読者の予想を簡単に覆す。言うなれば、この物語は、アンチビルドゥンクスロマンなのだ。

日向景一郎の旅は、凄惨の一言だ。謎の刺客に襲われ、獣のように血と刃の下を潜り抜ける旅。その旅は、彼から”人間としての大切なもの”を、一つ一つ削ぎ落としていく。束の間に得た友誼も、純朴な恋心も、人間的な情愛を、逡巡を、殺戮への忌避を。人間的なものを一つ一つ亡くして行くにつれて、景一郎は一匹の”けだもの”へと純化していく。人間的な情理に囚われぬ、己の本能のままに猛る”けだもの”に。それは明らかに修羅への道。人でなしへの道だ。

彼はけだものの、修羅の道を突き進む。人間的な何かを失いながら。父を追う。人を切り、獣を殺し、肉を食い、女を犯し、また殺す。それでいながら、景一郎の姿には、一点の醜さも感じられない。けだものでありながら、人間的な理を超越し、透徹した眼差しをたたえ続ける。それは、まさに野獣の美しさだ。彼は人ではなく、野獣として生きている。そこには人間的な欲望の一切を捨て去った、一つの悟りの境地でもある。そこに至った景一郎は、紛れもなくけだものであり、非人間的な美しい”なにか”だ。

景一郎の旅は、父と呼べる人と出会ったとき、終わりを告げる。血河を築いてきた親子の最後の対決。そこにあるのは憎悪か悲哀かそれとも愛か。けだものの親子が咆哮を上げて食らい合うクライマックス。

すべてが終わった後に残るのは、無明の風が吹くのみ。景一郎の行く末が語られるのは、また別の物語である。

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買ったもの

1.『超人ロック ニルバーナ(1)』 聖悠紀 少年画報社

例によって超人ロックの新刊だぜ。もういつまで続くのかさっぱりわかんねーな。それはそれとして今回のヒロインであるシルフはラブい。ツンデレ?いやクーデレか?とにかく、作者も好きねえ、と思った。

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2009.05.19

『機動戦士ガンダムUC(8)宇宙と惑星と』読了

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機動戦士ガンダムUC(8)宇宙と惑星と』(福井晴敏/角川書店)読了。

アニメ化も決定してめでたいことこの上ないガンダムユニコーンの新刊。物語は着実に、そして加速をし始めていているようだ。人間と人間が、理解を拒絶し憎しみあい、分かり合えない大人の対立が、主人公たちを引き裂いてきたこの物語も、ついに主人公、バナージ・リンクスとヒロイン、ミネバ・ザビのお互いを求め合う強い想いが、前巻にてついに再会を遂げたことはひどく美しい物語だった。本来ならばそれでハッピーエンドと言っても良さそうなものだが、しかし、物語は終わらない。人間は、たとえ手を取り合うことが最善の道だと理解していても、憎しみを捨て去ることは出来ないからだ。二人だけが通じ合っても、人々が理解しあわなければ、何一つ変わることは無い。憎しみによる対立、それを克服しようとする分かり合うことへの希望。それらを福井晴敏らしいリアリズムの上に描いている。人間のなしえることに、完全なる個でありつづけることでは限界があるのだ。ミネバの平和への希望は、もちろん彼女のジオンの象徴としての立場がなければ誰の心にも響くことはなかったであろう。バナージもまた己の”意思”で何をなすべきかを常に葛藤し、連邦でもジオンでもない自分の道を捜し求め続けている。それらは終わることの無い、彼ら自身が生きる限り必ず付いて回るものなのだ(人間は自分の本質から離れて生きていくことは出来ないのかもしれない)。彼らの試みには、現実の壁の前が立ちふさがっていくものの、それを乗り越えんと欲する衝動があるところを希望とみるか、それは愚かさとみるか。偏見を捨て、あるがままの本質を見定め、お互いを理解する。それのなんと難しいことか。結局はそれぞれが重荷を背負い、葛藤を深めていくことしか出来ないのだ。それを否定することこそ無知なる証。だが、それこそがニュータイプと呼ばれるものなのかもしれない。自身の家系の運命に翻弄され、暗い情念を育てていくリディとバナージの対立は避けられないものになっていくのだろうが、はたしてお互いを背負うものを理解し、通じ合うことができのだろうか。この二人の関係は、新しい風と古い血を、それぞれを代表していることを考えると落としどころはやはり二人の関係であろうか…と言うのは邪推のしすぎかもしれないな。

まあ、なんにせよ、やっていることはガンダムのオマージュに満ち溢れたオレガンダムを大活躍させるという欲望に溢れた素晴らしいガンダムです。本当にありがとうございました。

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買ったもの

1.『ハチワンダイバー(11)』 柴田ヨクサル 集英社
2.『ワイルダネス(7)』 伊藤明弘 小学館
3.『ZETMAN(12)』 桂正和 集英社
4.『鋼殻のレギオス(13)グレー・コンチェルト』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
5.『狗牙絶ちの劒(3)-刀と鞘の物語-』 舞阪洸 富士見ファンタジア文庫
6.『鬼哭の剣 日向景一郎シリーズⅣ』 北方謙三 新潮文庫
7.『ミストボーン-霧の落とし子-(1)灰色の帝国』 ブランドン・サンダースン ハヤカワ文庫FT

買った。

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2009.05.18

買ったもの

1.『武林クロスロード(4)』 深見真 ガガガ文庫
2.『神のみぞ知るセカイ 神と悪魔と天使』 有沢まみず ガガガ文庫
3.『にこは神様に○○される?』 荒川工 ガガガ文庫
4.『あやかしがたり』 渡航 ガガガ文庫
5.『はじめてのあく(1)』 藤木俊 小学館

うーん、眠くて集中力もなくなって、さすがに感想を書けるような状況じゃないな。今日は早めに寝ることにします。もう『武林クロスロード』だけが心の支えだよ。これ読んでいると、自分の読書の原風景はエロスとバイオレンスと言うことがよくわかるな。

…ろくでもねえ原風景だな。

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2009.05.17

『狼と香辛料XI Side Colors2』読了

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狼と香辛料XI Side Colors2』(支倉凍砂/電撃文庫)読了。

今回は短編ニつ+中編一つ。短編の方は…こーのバカップルが!はいはいラブカップルのいちゃいちゃいちゃぶりにケチをつけるつもりなんてカケラもありませんしとにかく幸せになっちゃえよ!と言う話だった。両方とも。つーか、本当にいちゃいちゃする以外に内容がなんにもなかったな…。いや、むしろいちゃいちゃするだけの話なのに、面白く読めてしまうと言う事実に、作者の手腕における卓越さを賞賛するべきなのだろう。他に言うことが何も思いつかないのだが、まあこういう純粋に幸せそうなシーンを描くと言うのもきっと意味があることのだろうな。

中編は未だ未熟であったエーブがいかにして金を至上とする商人となったのか。まだ貴族意識な抜けきらないエーブが、まだフルールと呼ばれていたときの物語。いやー、自分のようなエーブ萌えの読者にとってはご褒美のような話でしたわ。騙されてへこんだり、気になる男性に心を惹かれる初々しいフルールに萌え萌えです。しかし、そんな彼女に大きな試練が。本当に商人と言うのは外道としか言いようがないぜ!彼女に降りかかるのは、そんな商人たちの弱きものが強きものに食らわれる、非情なる世界の論理。その世界の洗礼を受けた彼女が、追い求めるものを見定め、金儲けにすべてをかける。自分の手を汚し、非情なる世界に身を染めた彼女が、最後に何を求めていくのか。彼女の姿は本編にて語られているのだが、その原点が描かれる物語であった。

これまたとても身に染みる話で、切迫感が恐ろしいことになっていた。やっぱり、お金という誰もが共感できる題材であるからこそ、それを失うことの恐ろしさが読者の身にも迫ってくるのだろう。エーブの新たな側面を見出すことが出来る、そういう作品でした。

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買ったもの

1.『よいこの君主論』 架神恭介+辰巳一世 ちくま文庫

いや…作者の人が好きなもので。内容も、おもしろくかんたんに君主論が理解出来る!と言う内容で、まったくそのとおりの内容なのが素晴らしいですね。子供に覇道を歩ませたい人は是非買って読ませるといいよ。

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2009.05.15

『電波女と青春男(2)』読了

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電波女と青春男(2)』(入間人間/電撃文庫)読了。

なんか爽やかな青春ものになっている…。だ、だまされん。だまされんぞー。

と、疑いの気持ちを抑えられないまま読んだものの、やっぱり爽やかなお話なのでした。おかしいなー?しかし、二巻目にしてすでにタイトルに偽りありと申しますか、ぜんぜん電波女と青春男の物語になってないような気がするんですけど。まあ表の主人公格はたしかにこの二人で、さらにヒロイン2名もにぎやかしで登場し、なんだこりゃハーレムじゃねえか青春ポイントダダ上がりでありそもそもエリオとのやり取りだってお前青春ポイント以外なにものでもないじゃねえかこのやろう、と主人公の胸倉をつかみ上げたい気持ちでいっぱいなのだが、まあそれはそれとしてさておく。電波女というか布団女だったエリオが社会復帰めざしてがんばる話はまあ彼女の小動物的なアクションと奇矯な振る舞いからしてライトノベル的には萌えるんじゃないでしょうか(投げやり)。リューシさんは完全に主人公とのフラグが立っておりますし(青春ポイントにうるさいくせに鈍感なのよね主人公!)、変な女性である前川さんも言い感じに魔性の女っぽいし、主人公のまわりもにぎやかになってまいりましたが、しかし、今回はそれは本題ではない。表の物語で主人公たちが動いているところで、裏ではなにやら暗躍している人が。いろいろなことに関わって、なにがしたいんだがさっぱりわからない犯人の行動が、最終的にある一つの気持ちに収斂していく展開は、何と言うか奇妙なまでのカタルシスがあった。表の物語で謎だった部分が、解答編とも言える裏の物語で明らかになる展開を見るに、ああ、これは実は入間人間が本格的にミステリ挑戦した作品だったのだな、と感歎したのだった。ちゃんと伏線やヒントは表の物語にもちりばめられているので、”犯人”の動機や犯行方法もきちんと推理できるようになっているのはすごい。と言うか、今回の物語が全然、ミステリだとは思っていなかったので、裏の物語が始まった瞬間はびっくりしたよ!と言いたかったのであった。うーん、これはびっくりするほど爽やかなミステリ。ラストに犯人の動機が明らかになる展開なんて、美しさすら感じるよ。いやー正直これは高く評価したい。

どうでもいいけど自虐ネタには笑わせてもらいました。ネタにしてすいません。

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年季の入ったエロゲーマーの自分だがエロゲー(ギャルゲー)がいまだにわからない

・タイトルにあまり意味はありません。

・世間一般では(どこの世間だ)アマガミがブームのようで、あちこちで主人公の紳士っぷりが話題になっておりますが、自分としてはいまひとつよくわからず。漏れ聞く変態紳士っぷりも、面白いなーと思いつつ、それ以上の感情が想起されてこない。まあ自分がギャルゲーが苦手だという点を差し引いても(しかし年季の入ったエロゲーマーではある)、アマガミの持つ倒錯したエロティシズムはまだ自分には理解できないものなのだろう、とあちこちのプレイ日記を読んで思った。オレもまだまだ修行が足りないな。

・ちなみに自分がギャルゲーが苦手な理由なのは、ヒロインにまったく感情移入できないため。女キャラに萌えないんだよね。記号論による愛情の喚起と言うものは、10年ほどギャルゲーもエロゲーをやっているので大体理解出来るし、萌えという感情を自分も感じることが出来るレベルには達することが出来たのだが、記号そのものに萌えを感じることが未だに出来ない。僕が萌えを感じるのは、記号にエピソードが付与されたときであり、それ以外だとなかなかに難しい。

・さらに言えば、文章萌えの属性が自分にはあり、文章的な美しさも重要視される。文体のリズムと言うものを独自に持っているところ、キャラクタを魅力的に描写できるところなども重要視している(そのくせ自分は悪文を平気で書いたりするが)。結局、興味があるのはキャラクタよりも作家そのものであるといえるのかもしれない。

・と言うわけで、基本的に自分はエロゲー(ギャルゲー)はメーカーとか絵描きとかは度外視して、シナリオライターでしか買いません。いつのまにかそうなってしまったんだけど、それが一番自分に合ったエロゲーとの付き合い方だということがわかったので。他の人のことは知らない。

・まあこんな風にグダグダ書いてもしょうがないので、そのうち僕の好きなシナリオライター(エロゲー編)とかやるかもしれないし、やらないかもしれない。

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買ったもの

1.『オニデレ(3)』 クリスタルな洋介 小学館
2.『魔法先生ネギま!(26)』 赤松健 講談社

ネギまが熱いわー。でも、バトル編ってアンケート悪いらしいね。まったくこれだから萌えオタクどもは…(自分のことは棚に上げています)。

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2009.05.14

日々の雑記

・今日は感想を書く気力が沸かないのでお休み。なんか疲れた…。

・それにしても、なんか亡念のザムドをむちゃくちゃ繰り返し観ているんだが、自分でもすごいな。一話を三回づつ観てるよ。情報量がものすごく多くて、一見ではぜんぜん読み取れないんだよなー。あーさいこー。

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買ったもの

1.『神曲奏界ポリフォニカ アドレイション・ブラック』 大迫純一 GA文庫

ポリフォニカがあまりにも毎月出すぎるので、どれを読んでどれを読んでないのかわからなくなってきた…。

今日、いつも通り本屋に入ったら、スピリッツの表紙が平野綾だったのに仰天した。平野綾はここまで来たのか…。

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2009.05.13

『ラプンツェルの翼Ⅱ』読了

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ラプンツェルの翼Ⅱ』(土橋健二郎/電撃文庫)読了。

まさか続きが出るとは思わなかった…。前巻で完璧に完結しているものと…。冒頭の始まり方からは、なんとなく土橋、初心に戻ったな、と言う感じの不条理ゲームから始まるところからしてわくわくでした。人間性を削り取るような不条理極まりないゲームを始めるとこの作者は面白いよね…って毎回そんなゲームばかりやっているような気もするが。まあ前巻はちょっと違うイメージがあったからなあ。美少女バトルロイヤルものとしての側面が強いように思っていたので(ラストは除く。ラストの救いようのなさはさすがだった)、このゲーム中心の話になっているのははっきり言って楽しい。試験を潜り抜けたのも束の間、新たな試練にさらされる奈々。彼女の立ち向かう試練は、プレイヤー同士の疑心と対立を促す冷酷なものだった。それに対して消えてしまった奈々を待ち続ける遼一の、不安な日常と、彼と一緒に語り合うジェシカの物語が挿入される。次から次に待ち受けるゲームの残酷なるルールに徐々に人間性をすり減らしていく奈々と、彼女を信じ続ける遼一の間に待ち受ける最後の試練とは。どこまでも残酷な世界を前に、二人で立ち向かっていく展開は、どこか奇跡的なものを感じる。土橋健二郎の紡ぐ物語には、徹底して利害の計算が渦巻いており、そこには善意なるものの入り込む余地はまったく無いのだが、最後の最後でそれを覆すものは、人間の想いの可能性であると言うところがまさに土橋健二郎の真骨頂と言えるだろう。前半部のゲームの凄惨さと、ゆるやかな遼一の日常の対比があまりにも残酷で、二つの流れが最後に合流し、一つの決断につながっている展開は、なるほど、と膝を打った。この作者は意外と(と言うのも失礼だが)物語を紡ぐのに上手さを感じるのだが、このようにテーマ的な部分がきちんと物語に結びついているところなどに、とりわけ強く感じる。ジェシカの決断も含めて、残酷な世界のわずかな希望のようなものを描くことが非常にセンチメンタルで、この作者は本当は相当にロマンチストだよなあ、とデビュー作からの思いを新たにしたのだった。

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2009.05.12

『森口織人の陰陽道 巻ノに』読了

51ofb0herdl森口織人の陰陽道 巻ノに』(おかゆまさき/電撃文庫)読了。

どこからどう読んでもおかゆまさき以外なにものでもないー。前巻でも思ったが、可憐で清楚な献身的なヒロインなのに、初雪の妄想が怒涛のボケにつながっていってしまうという展開は新しい設定のような気がするぜー。ボケているわけではなく、本人は深刻なのだが、彼女の妄想にはツッコまざるを得ない。本人にまったく悪気はないんだけどねー。そんな彼女も、妄想設定さえ覗けばいわゆるラノベヒロインとしての側面をいかんなく発揮し、ラブでバトルに大活躍。そっかー、これ、要素的にはライトノベル以外なにものでもなかったんだなー(今気がついたよ)。

そんなドタバタコメディも、後半に入って少々様変わりする。主人公が現状に甘んじることなく、初雪の隣にい続けるために一つの決意をする。この展開は正直予想外だった。いわゆるハーレムラブコメの方向性には行かない話なんだな。あくまでも森口織人”の”陰陽道の話なわけだ。物語の中心には、主人公の想いが横たわっていて、彼が少女に思う決意こそが、物語を駆動させている。あくまでもギャグ小説の体裁をとりながら、根本的なところでは少年の真摯な想いが物語を駆動させているところが、ライトノベル的にはわりと珍しく感じた。そんなところにおかゆまさきの物語作家としての非凡さを感じるのだった。

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日々の雑記

・土日は寝すぎた。まともに起きている時間が合せて12時間くらいしかなかった。あとは寝ているか、寝ぼけて布団の中でうつらうつらしていた。なんでこんなに眠いんだろうなあ。

・クソー腹が立ったのでデッドライジングでもやってやるぜー。ゾンビ狩りじゃぜひゃっはー!(意味不明)

・とつぜん健ちゃんの小説が読みたいよー病にかかってしまった。北方謙三な。水滸伝でも良かったが、今は安心が欲しい心境だったので日向景一郎シリーズを買ってきたぜ。さっそく読む読む。はう~この切り詰めた文体を読んでいると落ち着くわ~。

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買ったもの

1.『オニデレ(1)(2)』 クリスタルな洋介 小学館
2.『鹿鼎記(6)クレムリンの女帝』 金庸 徳間文庫
3.『とぅ うぃっち せる!』 一色銀河 電撃文庫
4.『厭魅の如き憑くもの』 三津田信三 講談社文庫
5.『風樹の剣 日向景一郎シリーズⅠ』 北方謙三 新潮文庫
6.『降魔の剣 日向景一郎シリーズⅡ』 北方謙三 新潮文庫
7.『絶影の剣 日向景一郎シリーズⅢ』 北方謙三 新潮文庫

オニデレ、なんとなく買ってみた。面白いんですけどー?しかし、これサンデーだったんだな…。なぜかチャンピオンだと思ってた。ほら、なんか雰囲気が…。

三津田信三は買ってはいるものの積読状態になってどっかいっちまったので文庫版を読破することで勢いをつけるぜー。

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2009.05.11

『マスターオブエピック~運命の双子~』読了

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マスターオブエピック~運命の双子~』(鳥居羊/HJ文庫)読了。

鳥居羊もノベライズをやっちゃうのか…。作者の書くMMORPGのノベライズってどうなるのかぜんぜん想像もつかなかったのだけど、うんそうだな、悪くなかったよ。世界観とかぜんぜん知らなかったので、最初の導入部分はよくわからなかったけど、読み進めていく上でとくに困ったことはなかったかな。異邦人と言う設定や、ファンタジーなのに時間跳躍の概念があるなどなかなか独特の設定だなあ。よくわからないんだけど、異邦人と言うのはプレイヤーキャラクターのことを指しているのかなー。まあ知らなくてもこの作品を楽しむのにはまったく困らないけど。

作品としては、おそろしくまっとうなRPG冒険ストーリー。きちんと主人公のローエンテーの成長物語としても成立しているので、非常に手堅い。この主人公、最近のラノベ主人公としてはわりと異端で、思索よりも行動重視、理屈は肉体的感覚の後についてくると言うタイプで、非常に躍動的な主人公だった。ファンタジー小説の主人公としては、行動の人と言うのはめずらしくはないんだけど、ライトノベルとして読むととても新鮮。この主人公は基本的に行動にブレが無いんだよね。正確には、常に行動を優先する。悩むくらいならば行動で示す。肉体的感覚と言うのを重視している感じ。SASで美少女ハーレムものを描きながら、軍事アクション要素にも手を抜かなかった作者らしい、と感じさせられた。なんと言うか、主人公の内面に没入せず、常に外部との接続を果たしているんですよね。その点がものすごく健全で、かっこいい。アクションも、剣と盾という主人公の武装が、彼自身の行動の根幹にある動機と結びついているのも良いなあ。この主人公は、常にだれかの盾になりたい、と言う動機があって、そこからかれの信念のすべてが構築されているんですね。だから、彼が突然現れた謎の少女、フィニュと出会った時も、弱いものは必ず助けるという彼のスタンスがまったくブレることなく描かれているので、非常に納得度は高かった。

やや終盤の展開にご都合主義的な展開が見えたが、これはゲーム小説的にはくすぐりのあった部分なのかな。突然、複数パーティと合流してダンジョン攻略になったけど、ちょっとそのあたりの展開が納得行かないような…。そんなにすぐに合流できるものなのか…?

まあそういった疑問点を覗けば、時間SF的な側面を持ちつつ上手く物語をまとめ手行ったと思う。やや密度としてはゆるいかな、と思わないでもないけど、まあ過剰に心理描写をする物語ばっかりと言うのも多様性に欠けるので、こういうのはこういうのでかまわないだろう。気楽に読める作品と言うのはそれはそれで貴重だしね。

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買ったもの

1.『NAGA 蛇神の座』 妹尾ゆふ子 ハルキ文庫
2.『パレドゥレーヌ~薔薇の守護~』 妹尾ゆふ子 コナミノベルズ
3.『STRAGE FICTION SFマガジン5月号臨時増刊号』 早川書房

妹尾ゆふ子、勢い余ってノベライズまで買ってしまった…。まあ後悔はしていない。3は…なんか紹介されている作家がすごかったので思わず…。衝動買いって怖いなあ。

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2009.05.10

『相剋のフェイトライン』読了

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相剋のフェイトライン』(翅田大介/HJ文庫)読了。

作品の要素として既存の作品群の影響をもろかぶりしていると言うか、翅田大介もついにラノベ作家魔改造の洗礼を受けてしまったのだな、と思うと複雑だ。まあカッティングシリーズはぜんぜんライトノベルじゃなかったし、あれを好む人間と言うのもすごく狭くなってしまうだろうから仕方の無いところもあるのだろう。で、魔改造後のこの作品は、まあその、ようするにどこのスクライド?と言う…。読み始めた当初は、そのあまりのコテコテぶりに正直どうかと思ったのだが、読み進めて行ったら大分印象が良くなってきた。主人公が今までの作者と異なりひたすら権威と権力に反抗する熱血バカと、組織側に身を置くクールな正義漢と言うあまりにもあまりなキャラ設定も、不思議と上手くかみ合ってきている。まあありがちと言ってしまえばそれまでだが、ちゃんとキャラに設定が乗っているので悪い印象を受けない。もっとも、もう一人の主人公ある魔女めいたヒロイン(これもなあ…)を含めた3人のキャラ相関関係を構築するのが少々強引な印象もあるのだが、まあぶっちゃけライバル関係を構築するための布石と割り切ってしまえばそれほど気にならない。ただ、今後も主人公3人体制で行くとすると、処理がすごく大変なような気もするが…まあ、そもそも続巻が出るかどうかもわからないので今から心配してもしょうがないとは言える。ともあれ、今までの作者の作品からすると、世界の残酷さに対して恐ろしいほどにふてぶてしい登場人物ばかりが揃っているので、作者の持つ個性が殺されないかやや心配ではある。今後、作者らしさを保ちつつ、新しい路線を切り開いていけるのか…。おそらく作者にとっても正念場と言えるだろう。とりあえず、作者の将来性に期待して続きが出たら買います。

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日々の雑記

・「アスラクライン」のアニメを一話から3回も観直してしまった。ひょっとしてオレこのアニメ好きなのか…?正直、説明が不足しすぎていてぜんぜん一見さんにはおすすめできないアニメになっていると思うんだが、その説明不足感がなんか気持ちよくなってきた。説明を省いた代わりにテンポがものすごく良いんだよなー。絵的にもかっこいいし。

・なんか本が読めないー…と言いつつ毎日一冊づつぐらいは読んでいるのだが、こういうのは量じゃねえんだ。読み方の質の問題なのだ。きちんと精読すると言うか、作品を受け止めることが出来てねえんだ。あー調子わりい。

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2009.05.09

『RPG W(・∀・)RLD(1) -ろーぷれ・わーるど-』読了

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RPG W(・∀・)RLD(1) -ろーぷれ・わーるど-』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)読了。

吉村夜の新作はオブビリオン的なRPG世界に入り込んでしまった高校生たちの冒険物語。かなり深刻な事態なのにむしろ事態を楽しんでしまっている主人公たちの反応は、吉村夜らしいユーモラスさがあって安心する。どこまでも明るく前向きな精神が基本にあるのだ。それは物語のダイナミズムを、ある一面では妨げる部分もあって必ずしも長所ばかりとはいえないのだが、物語に暗い影を落とさない作者のこだわりのようなものを感じるので自分はそれほど嫌いではない。脱線してしまうが、とにかくこの作者の描く物語は、どんなにつらく苦しい物語であっても、根底には人を信じる気持ち、明るい未来を描く心を肯定しており、世界には光に満ちているのだと言う主張があると思うのだ。

話を戻す。RPG世界にやってきた高校生たちは、かなりのやり込みゲーマーであったため、それまでプレイしていたキャラクターのステータスをそのまま引き継いでいるため、世界観的には圧倒的な戦闘力を有している。しかし、彼らのメンタリティはゲーム好きな高校生以外なにものでもないため、ゲームの世界と言っても痛みも、そしてなによりも死が存在する世界では、ゲームのようには勇敢ではいられない。HPが削られれば痛いということを知っていて、Oになれば死ぬのだと言うことを受け入れられるとは限らない。

その恐怖に立ち向かうことが、この作品におけるメインテーマになっているようだ。手段があり、力もある。その上で動かない理由をさがすのではなく一歩を踏み出す。本当の強さとは力が強いことでも魔法が使えることでもなく、行うべきことから逃げないことなのだ…と言うことを語っているように思える。

正直、僕の価値観からするとその考え方は楽天的に過ぎるとは思う。実際には手段も力もなく追い込まれるのが世の常だ。選択肢がある場合はマシな方で、大抵の場合は選択肢すら選べない。けれど、そんなことは作者もわかっていると思う。本当につらい時と言うのは、本当にどうにもならない時がある。それでも、逃げずに立ち向かうと言う行為は、確かに価値があると言うことを伝えたいのだろう。

その意味では、吉村夜と言う作家は非常に啓蒙的な作家であり、読み手に希望を与えたいという作者の想いが感じられるので、決して否定する気にはなれないのだ。これは、10代の人に読んでもらうべき作品なのかもしれない、と思うのだった。

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2009.05.08

買ったもの

1.『狼と香辛料XI Side ColersⅡ』 支倉凍砂 電撃文庫
2.『ラプンツェルの翼Ⅱ』 土橋真二郎 電撃文庫
3.『森口織人の陰陽道 巻ノに』 おかゆまさき 電撃文庫
4.『電波女と青春男(2)』 入間人間 電撃文庫

電撃文庫の新刊を買った。うーむ、もうちょっと買わないとキャンペーンに応募できないな…。

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2009.05.07

『ミスマルカ興国物語(4)』読了

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ミスマルカ興国物語(4)』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)読了。

林トモアキは…なんて言うか…もう…好き放題だよな…。まさかのゼンラーマン再び!冒頭からシリアスな展開が続いていたと思ったら、クライマックスから突然ゼンラーマン!これが枝葉ではなくメインストーリーでやっちゃうんだから林トモアキはフリーダムだぜ…。

ともあれ、大陸統一を”平和的に”成し遂げようと言うマヒロ王子の物語も4巻目。今回はゼピルム共和国を舞台に陰謀が交錯する。ゼピルムと言えば、林トモアキ読者としてはにやにやするしかない単語であるが、まあ時代がぜんぜん違うので直接的には関係が無いみたい…と思わせておいて、セリアーナとか出てくるんだもんなあ…。子孫とかそういうのじゃなくて本人かよ…。魔人って一体どれくらい長生きするんだ?千年単位で生きていることは間違いないよなあ。大妖怪というのも納得だぜ。まあそんな風にちょっぴり読者サービスをしつつ、物語は陰謀に継ぐ陰謀、錯綜する思惑によって混迷を深めていく。何も信じられない世界の中で、マヒロは自分の信じる道を歩もうとするが…と言うわけでマヒロ王子も正念場だな。ある意味において、彼の”敗北”が描かれた今作であるわけで、彼がここからどのように”取り戻して行く”のかと言うところが興味深いところだ。まあ正直、この陰謀と言うには偶然に頼り過ぎているような気がしないでもないのだが、後半のバカバカしいまでのテンションがあるから、別にいいかと思わせられる。なんかこの作者の新作を読むたびに同じことを書いているような気もするのだが、そう思えてしまうのだからしょうがないよなー。ゼンラーマンなんて出てくる作品にマジになってもしょうがあんめー。いや、別に良いんだけど。むしろ好きなんだけど。じゃあ別にいいじゃん。いいですねえ(ツンデレか)。

あと、ランディルディーが”ロ○の勇者”なのは…あ、みんなわかってますよね。つっこむまでもない話でした。すいません。

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『電波的な彼女』のOADを観た

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・日頃、限定版特別版なんてオタクから搾取するための手段に過ぎないのでオレはあえて通常版を選ぶぜ!とか言っていたこともあったが、細かいことは気にするな。と言うわけで、『紅 kure-nai(3)』はOAD付き限定版を買ってやったぜふははー。

・まあ監督が神戸守、脚本が吉野弘幸と言う時点でおかしなものは出てこないだろうという確信はあったわけだし。むしろこれは買いかな、と。

・で、観た。よく出来ている。OADにふさわしいクオリティ。尺の問題か描写やエピソードを一部はしょっているが、見事な出来栄え。原作を知っている人も知らない人も楽しめて、かつ、知らない人には原作に興味を持たせるレベルには情報を圧縮している。詳しく知りたければ原作を読んでくれ、と言うスタンスは、原作付きアニメの取り組み方としてはある意味正しいよな。無理矢理描写するよりはるかに良い。

・紅香関連のエピソードを全部削除しているのはどうかと思ったが…まあ原作でもほとんど活躍していないので、しょうがないところか。2巻目も期待したい。

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買ったもの

1.『犬は勘定に入れません あるいは消えたヴィクトリア朝花瓶の謎(上)(下)』 コニー・ウィリス ハヤカワ文庫SF
2.『鉄のエルフ(1) 炎が鍛えた闇』 クリス・エヴァンズ ハヤカワ文庫FT
3.『鉄のエルフ(2) 赤い星』 クリス・エヴァンズ ハヤカワ文庫FT

なんか衝動買いしてしまった。コニー・ウィリスはハードカバーを持っていたような気がするのだが、どっかに行ってしまったからなあ。とりあえず読む。鉄のエルフは完全になんとなく。本屋で眺めていたら買いたくなってしまって。なんでなんだろ?自分でも不思議。

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2009.05.06

『ねくろま∞。』読了

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ねくろま∞。』(平坂読/MF文庫J)読了。

ねくろま。シリーズ最終巻を読んだ。うーむ…正直、この方向性は未来が無いと思うので、これで終わらせて正解だったよな…。ひたすら過剰に過剰を重ねていく展開は、やっぱ無理が多すぎるわ。平坂読の方向性として、常に読者の期待を(斜め上か下に)裏切ると言うところがあるわけだけど、やっぱりそれには限界があるんだよな。ひたすら意外性を追求し、物語をエスカレートしていったとしても、どうしても読者に”慣れ”が生じてしまう。過剰に過剰を重ねても、すでに読者にとっては過剰さを感じ取れなくなってしまうんですよね。なんか、「ふーん」という感じ。裸に裸を乱舞させさらに裸塗れにしたところで、この状況、ぜんぜんエロティシズムの無い裸になんの意味があろうか。まあこの作者は、そういった物語の土台を無視して、ひたすら狂騒的に語ることによるパワーを描こうとしているのだろうけど、刺激物と言うのは、新しい刺激を与えてくれないとすぐに飽きてしまうと言うところあって。作者もマンネリを避けるためにいろいろネタの仕込みには工夫を凝らしていたけど、正直、小手先でやりくりしてる感が強かったかな。個人的には、ねくろま。シリーズは、すでにその意味で作品としての寿命を迎えていたと思う。なので、今回の番外編も、正直蛇足の感を否めなかったのだけど、まあ、世界の存亡をかけた戦いのせいで、ソリスたちメインキャラの物語には何一つ決着が着いていなかったので、その補完と言う意味では価値があったかもしれないな。もっとも、本編でネタを使いすぎたせいで、ソリスたちの物語として決着が付けられなかったとも言えるわけだが…。まあなんにしてもきちんと決着が付けられたことは、作品としては幸福だったのかもしれない。ともあれお疲れ様でした。

追記。今回は『人類が衰退しました』の妖精さんネタがあったなあ。他にも読み取れていないネタがありそうだ。そういうのを見つけるのも一つの楽しみなのかもね。

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ニトロプラスの新作が発表されていた

・僕が贔屓にしているニトロプラスの新作『装甲悪鬼村正』(リンク先18禁注意)の体験版が配信されていた。GWで時間があったのでやってみた。で、感想。

・うーん…冗長。いや、途中までは別にそんなに気にはならなかったんだけど、クライマックスシーンの冗長っぷりはただごとではない。いちいち戦闘の駆け引きを説明台詞で教えてくれるところなんか、読みながら「カンベンしてくれー」と思った。あとバトルが突然敵側視点で繰り広げられるのもちょっと謎だよな。村正の強さを見せたかったのかもしれないけど、負ける側がいちいち失策をする場面を読ませられてもどうしたらいいのかわからない…。無責任な意見だけど、せっかくのクライマックスなんだから、もっとこう、ズパッと瞬殺ぐらいの勢いでもよかったと思う。シナリオライターのこだわりがあるのかもしれないけど、たぶんそこは求められてないところなんじゃないかなあ…。

・あれよね。エロゲーのテキストにも校正をする人って絶対必要よね。漫画や小説だったら明らかにカットされている部分もそのまま乗っかっているんだもん(まあ縛りがゆるいからこそとんでもない傑作が出ることもあるのだから、一概には言えないが)。

・ところで今回のシナリオライターは『刃鳴散らす』の人かな?こだわっている部分と表現したい部分のミスマッチ感がそんな感じ。『刃鳴散らす』は剣術に関するこだわりは見事だったが、物語としてはバランスが悪すぎたからなあ。ちょっと不安材料かもしれない。

・あとこのラストはアレだよね。具体的な作品名を上げるとネタバレになりそうなので書かないけど(別に直接的に似てるわけじゃないけど)、昨年放送されたあるアニメ方式だよね。観た人間にショックを与えたアレ。

・えーとこの体験版の評価としては、あまり高くはつけられないかな。それほど購買意欲をそそられない。

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最近のアニメ

途中経過ランキング。やや変動あったものの、基本的には予想通りに楽しんでいる。

 1.東のエデン
 2.亡念のザムド
 3.バスカッシュ
 4.真マジンガー 衝撃!Z編
 5.ティアーズ・トゥ・ティアラ
 6.Phantom ~Requiem for the Phantom~
 7.戦国BASARA
 8.夏のあらし!
 9.グインサーガ
10.クロスゲーム
11.アスラクライン
12.クイーンズブレイド
13.リストランテ・パラディーゾ
14.シャングリ・ラ
15.咲 -Saki-
16.蒼天航路
17.鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
18.攻殻のレギオス

やはり東のエデンと亡念のザムドとバスカッシュが飛びぬけている。あらゆる意味で尋常じゃないレベル。全体的な高品質と言う意味では東のエデンがダントツ。伏線の張り方やサスペンスの作り方などまるで映画のようだ。亡念のザムドは作画が圧倒的すぎる。問答無用で気持ちいい。会話がわけわからんのも、読み解く楽しさがあって僕は好きだな。バスカッシュはとにかくなんだかよくわからんがテンションがすごい。毎回圧倒されてしまう。

上記3強は例外として、前回ランキングを作ったときには観てなかった戦国BASARAが予想外に面白かった。戦国時代をファックしすぎだぜー素晴らしい。ほとんどドラゴンボールみたいな世界だ。

シャングリ・ラが良くない。期待があっただけに、現在の展開は受け入れがたい。アトラスと地上の格差がいまひとつピンと来ないために、國子の内面に同調できないんだよな。世界が立ち上がってこないっつーか。うーん、もったいないなー。

アスラクライン、攻殻のレギオスのラノベ原作アニメは、典型的な原作アニメの悪いところを突っ走っている。世界観の複雑さを無理に描写しようとしてやたらと不自然なことになっていて、気持ちよくない。それでいてわかりやすいとはいえないからなあ。どっちも作画は悪くないんだけど(むしろ良いところもあるんだけど)、おはなしがなんとも言えない。どっちも複雑な背景を持っているんだけど、描写するにはアニメだと表現しにくいのかな。

クイーンズブレイドがわりと悪くないような気がするのは自分がおかしいのだろうか…。ちゃんとキャラクターの動機を描いていて印象深い。クローデットの話しなんて、彼女の抱える葛藤が丁寧に描写されていて好印象。まあ半裸でバトルしているのは変わらないんだが…。

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2009.05.05

『剣の女王と烙印の仔(1)』読了

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剣の女王と烙印の仔(1)』(杉井光/MF文庫J)読了。

別に面白くないわけではないんだけど…なんかちょっと感覚にひっかかるものがあるなあ…。などと思っていたんだけど、なんどか読み返して違和感の正体に気がつく。これ、別にファンタジーを書こうとしているわけではぜんぜん無いんだな。なんと言うか、いつも通りの杉井光なんだ。さよならピアノソナタとかあの辺りの感覚で描いている。主人公とヒロインの造型が、いつもの杉井光キャラであるためもあってか、ファンタジー世界を舞台にしているのに、学校の部室内で繰り広げられているのと同じ感覚で会話のやりとりをされている感じがある。もっともこれは杉井光の過去作品を読んでしまったことによる弊害の可能性も高く、まっさらな気持ちで読めばライトファンタジーとしては普通に読めるのかもしれないけれども。なんかファンタジー世界なのに、いつも通りの杉井光的主人公に苛立ちを抑えきれない。戦乱の世界でこんなめそめそしたパーソナリティの人間が生きていけるとは思えないのだが…。世界が変われば人の価値観も変わると思うんだけどなあ。現代の人間性をそのままファンタジー世界に持ち込まれても、ちょっと納得しがたいなあ。この辺りは、自分のファンタジーに対する狭量さが出ているとは自分でも思うが、認められないものは認められない。異世界を描こうと言う気が作者にはまったく無いみたいなんだよなー。ちょっと自分の価値観からは納得し難い作品だった。まあ作者が悪いとは必ずしも言えず、自分の持っているファンタジーに対する考え方にそぐわないだけだと思うんですけどね。ファンタジーじゃなくて、いつも通りの杉井光のへたれモテモテハーレムものと読めば、大丈夫なのかも。2巻を読んで判断するべきか。

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買ったもの

1.『チェンジリング 赤の誓約』 妹尾ゆふ子 ハルキ文庫
2.『チェンジリング 碧の聖所』 妹尾ゆふ子 ハルキ文庫

とりあえず妹尾ゆふ子を買った。魔法の庭シリーズはなかなか見つからんな。どこに行くのが一番確実かなー。

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2009.05.04

『ペンギン・サマー』読了

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ペンギン・サマー』(六塚光/一迅社文庫)読了。

そういえば『エンジン・サマー』を積んでいるんだよな…早く手をつけよう、などと言うことは関係ないのでさておく。

帯に○○SFと書かれていたので、一体どんなSFなんだろうと思ったら、ある意味で直球のリリカルSFの王道だった。ひと夏の、過ぎ去りし不思議な出来事を、作者特有の乾いたユーモアで綴った佳作と言える。一つの事件を、断片的な情報を提示されていくにつれて、全体像が見えてくるという手法は、伏線の張り方が重要なところだけど、この作品は概ね伏線は提示されており、きちんと回収されているところは好感が持てた。読んでいる最中は、つい読み飛ばしてしまいそうな描写が、実は全体に散らばるピースとなっていて、それらつなぎ合わせることで事件の全体像が見えてくるようになっている。この伏線の張り方は、なんの気なく読んでいてもいくつか引っかかる程度にはわかりやすいので、物語の途中である程度わかってしまう人も多いかもしれない。改めて読み直してみると、ものすごくわかりやすく、見え見えに描写しているので、わからない方がおかしい、とも言えるかもしれない。だが、それはこの作品を貶めるものではない。物語の最後に、すべての情報が提示され、唐突にエピローグにつながる。しかし、その唐突さは、おそらく、計算されたものだ。読者はすでに真相には気がついている。気がついているからこそ、最後に提示されるのは、この程度でいいのだ。クビナシ様の真相。あかりが体験した不思議な出来事。隆司が共に過ごした奇妙な同居人。それらがすべてつながったラストは奇妙な余韻を残すのだった。

その余韻を噛み締め、もう一度一章を読み返してみると、以前は感じられなかったあかりと隆司の心のうねりとでも言うものが、ぶわっと湧き上がってくる。ああ、このぬいぐるみは、あかりが掘り出した機械とは。すがすがしくも、どこか切ない、ひと夏の物語が終わったのだ、と言うことを、読者に教えてくれるのだった。

これは切なくもおかしい、不思議なジュブナイルSFとしてきちんと作られていると言うところを評価したい。読み終えた後に、不思議な切なさを残してくれる良い作品だった。

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2009.05.03

『星図詠のリーナ』読了

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星図詠のリーナ』(川口士/一迅社文庫)読了。

これは面白い。マッピングファンタジーってなんだそりゃ、と思ったら本当にその通りの話だった。主人公の王女が地図を愛しているという基本設定そのものが、外の世界への好奇心と、彼女の持つ広い視野に立ってものを見るというキャラクター設定とリンクしているところがまず上手い。マッピングという概念が単純に地図作りだけに留まらず、主人公、リーナの持っている行動理念、そして何より物語にテーマに至るまで貫かれているのだ。つまり、地図を作ると言う行為は、自分の目の前だけを見るのではなく、より俯瞰して世界を見渡すと言うことであり、そのように世界全体に向かって開かれた視野を持っているところが、リーナの魅力であり、根幹にあるのだということをきちんと表現していると言えよう。傭兵として(物語中で明かされるがそれ以外の理由もあって)刹那的な生き方をしているダールとの交流はまさにそのテーマの際たるところであって、彼が世界の広さをリーナを通じて感得していく展開には、まさにこれ以外に考えられない展開だと言ってよい。これはリーナが世界に向かって自分を見出す物語にして、ダールが世界の広さを知ると言う物語になっていて、この二人が物語のテーマ的な部分をほぼ担っていると言ってもよいのではないかと思われる。決してキャラクタ小説的には尖ったところのないこの作品の中で、この二人がとくに魅力的な造型に感じさせられるのは、そのテーマ的な部分と完全に合理している部分が大きい。このようなキャラの立て方と言うのもあるのだよな、と、作者の上手さに唸らされた。これはライトノベル的には盲点と言える。ラノベに限らなければこういう立て方もあるが、それでいてライトノベルとしても成立しているところにこの作品の非凡さがあるように思うのだった。

この作品は非常に丁寧に構築されており、ファンタジー小説としてもなかなかに意欲的な取り組みをしていると思われる。世界観などは既存のファンタジーを逸脱していないように思えるが、おそらくこの作品の語るべき部分はそこにはない。この作品は、ファンタジーの世界を、地図を媒介として地続きに表現しようとしているところに注目するべきであろう。読者は地図を通じて、ファンタジー世界に生きる人々の息遣いを感じることが出来るのだ。まさしく旅人たちが語る物語を聞くが如く。その表現に取り組んでいる、まさに作者の確かな力量を感じさせられる良い作品だったと思う。実を言うと、この作者はデビュー作が今一つ面白くなかったのでいささか構えて読んでいたのだが、そんな杞憂を笑い飛ばしてくれる見事なものだった。昔の自分の目はやはり節穴だったようだ。すいません。ともあれ続きを非常に待ち望みたい快作といえので、よろしくお願いします。

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2009.05.01

『薔薇のマリア11.灰被りのルーシー』読了

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薔薇のマリア11.灰被りのルーシー』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

新章開始に伴い、一度物語をリセット。新たなる登場人物ルーシーの視点から、改めて現状のエルデンを見る内容となっている。初めてのエルデンで、右も左もわからないルーシーを救ったのは、我らが主人公マリアローズ。ルーシーはマリアローズに導かれて、エルデンの街で新たな生活を始める。しかし、自分で生きる糧を得るのはなかなか大変なことで…。と言うわけで、いつも通りの十文字青、生きることの孤独と苦しみと喜びを謳う物語になっている。未だ何者でもないルーシーは、可能性こそ無限だが、それは未熟であること同義だ。ルーシーは自分一人で生きていくためにさまざまな仕事につき、さまざまな人物と出会う。薔薇マリ読者にとってはおなじみの人物やそうでもない人物が登場するのだが、ルーシーの視点から見る彼らの姿はなつかしく、また新鮮でもある。相変わらずだなあ、とか今はそんなことをやっているのか、と読者にとってはとても嬉しい。もちろんそれだけではなくて、ルーシーにとってはエルデンの人々の生活を実感し、自分の生き方を探していく過程になるわけだ。いろいろな仕事に手を出して、エルデン流の奇人変人に巻き込まれて散々な目に合い、ひどい目にあったり、自信を喪失して落ち込んでしまうときもある。そんな彼に救いの手を差し伸べてくれるのが、マリアローズ。以前まで、マリア自身が壁にぶち当たったり落ち込んでしまったりしていたマリアが、だからこそルーシーに手を差し伸べられる。そこには、壁を越えてきた者が持つ確かな成長であり、読者にとっても、マリアはこれまでの物語で確かな成長を遂げてきたのだ、と言うことがよくわかると思うのだった。

マリア周囲の関係性についても、トマトクンの家に下宿するようになっていたり、仲間の呼び方も変わってきていたりと、ずいぶん変化してきているようだ。ルーシーに手を差し伸べるあたりも、以前のマリアからは想像も出来ないことだものな。ラストにおける不穏な気配に、どのようにZOOの面々が向かい合っていくのか。期待して待ちたい。

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買ったもの

1.『以下略』 平野耕太 ソフトバンククリエイティブ
2.『魔人探偵脳噛ネウロ(21)』 松井優征 集英社
3.『クレイモア(16)』 八木教広 集英社
4.『よくわかる現代魔法(1)』 宮下未紀 集英社
5.『紅 kure-nai(3)』 山本ヤマト 集英社

平野耕太が出たーと言うことで喜べる自分は相当に安い人間だなと思う。ネウロは近年のジャンプ漫画として傑作なんじゃないかと思うんですがどうだろう。

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買ったもの

1.『この世界の片隅に(下)』 こうの史代 双葉社
2.『彩雲国物語 黄梁の夢』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫
3.『惑星のさみだれ(7)』 水上悟志 少年画報社
4.『さらい屋五葉(6)』 オノナツメ 小学館
5.『相剋のフェイトライン』 翅田大介 HJ文庫
6.『マスターオブエピック~運命の双子~』 鳥居羊 HJ文庫

惑星のさみだれの新刊だわーい…とばかりに幸せな気持ちになるオレは安い人間だ。

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