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2009.05.19

『機動戦士ガンダムUC(8)宇宙と惑星と』読了

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機動戦士ガンダムUC(8)宇宙と惑星と』(福井晴敏/角川書店)読了。

アニメ化も決定してめでたいことこの上ないガンダムユニコーンの新刊。物語は着実に、そして加速をし始めていているようだ。人間と人間が、理解を拒絶し憎しみあい、分かり合えない大人の対立が、主人公たちを引き裂いてきたこの物語も、ついに主人公、バナージ・リンクスとヒロイン、ミネバ・ザビのお互いを求め合う強い想いが、前巻にてついに再会を遂げたことはひどく美しい物語だった。本来ならばそれでハッピーエンドと言っても良さそうなものだが、しかし、物語は終わらない。人間は、たとえ手を取り合うことが最善の道だと理解していても、憎しみを捨て去ることは出来ないからだ。二人だけが通じ合っても、人々が理解しあわなければ、何一つ変わることは無い。憎しみによる対立、それを克服しようとする分かり合うことへの希望。それらを福井晴敏らしいリアリズムの上に描いている。人間のなしえることに、完全なる個でありつづけることでは限界があるのだ。ミネバの平和への希望は、もちろん彼女のジオンの象徴としての立場がなければ誰の心にも響くことはなかったであろう。バナージもまた己の”意思”で何をなすべきかを常に葛藤し、連邦でもジオンでもない自分の道を捜し求め続けている。それらは終わることの無い、彼ら自身が生きる限り必ず付いて回るものなのだ(人間は自分の本質から離れて生きていくことは出来ないのかもしれない)。彼らの試みには、現実の壁の前が立ちふさがっていくものの、それを乗り越えんと欲する衝動があるところを希望とみるか、それは愚かさとみるか。偏見を捨て、あるがままの本質を見定め、お互いを理解する。それのなんと難しいことか。結局はそれぞれが重荷を背負い、葛藤を深めていくことしか出来ないのだ。それを否定することこそ無知なる証。だが、それこそがニュータイプと呼ばれるものなのかもしれない。自身の家系の運命に翻弄され、暗い情念を育てていくリディとバナージの対立は避けられないものになっていくのだろうが、はたしてお互いを背負うものを理解し、通じ合うことができのだろうか。この二人の関係は、新しい風と古い血を、それぞれを代表していることを考えると落としどころはやはり二人の関係であろうか…と言うのは邪推のしすぎかもしれないな。

まあ、なんにせよ、やっていることはガンダムのオマージュに満ち溢れたオレガンダムを大活躍させるという欲望に溢れた素晴らしいガンダムです。本当にありがとうございました。

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