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2009.05.01

『薔薇のマリア11.灰被りのルーシー』読了

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薔薇のマリア11.灰被りのルーシー』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

新章開始に伴い、一度物語をリセット。新たなる登場人物ルーシーの視点から、改めて現状のエルデンを見る内容となっている。初めてのエルデンで、右も左もわからないルーシーを救ったのは、我らが主人公マリアローズ。ルーシーはマリアローズに導かれて、エルデンの街で新たな生活を始める。しかし、自分で生きる糧を得るのはなかなか大変なことで…。と言うわけで、いつも通りの十文字青、生きることの孤独と苦しみと喜びを謳う物語になっている。未だ何者でもないルーシーは、可能性こそ無限だが、それは未熟であること同義だ。ルーシーは自分一人で生きていくためにさまざまな仕事につき、さまざまな人物と出会う。薔薇マリ読者にとってはおなじみの人物やそうでもない人物が登場するのだが、ルーシーの視点から見る彼らの姿はなつかしく、また新鮮でもある。相変わらずだなあ、とか今はそんなことをやっているのか、と読者にとってはとても嬉しい。もちろんそれだけではなくて、ルーシーにとってはエルデンの人々の生活を実感し、自分の生き方を探していく過程になるわけだ。いろいろな仕事に手を出して、エルデン流の奇人変人に巻き込まれて散々な目に合い、ひどい目にあったり、自信を喪失して落ち込んでしまうときもある。そんな彼に救いの手を差し伸べてくれるのが、マリアローズ。以前まで、マリア自身が壁にぶち当たったり落ち込んでしまったりしていたマリアが、だからこそルーシーに手を差し伸べられる。そこには、壁を越えてきた者が持つ確かな成長であり、読者にとっても、マリアはこれまでの物語で確かな成長を遂げてきたのだ、と言うことがよくわかると思うのだった。

マリア周囲の関係性についても、トマトクンの家に下宿するようになっていたり、仲間の呼び方も変わってきていたりと、ずいぶん変化してきているようだ。ルーシーに手を差し伸べるあたりも、以前のマリアからは想像も出来ないことだものな。ラストにおける不穏な気配に、どのようにZOOの面々が向かい合っていくのか。期待して待ちたい。

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コメント

Ver.0のころは、マリアもルーシーとさして変わらなかったんですよね。ほんと、大人になりました。シリーズを長らく追いかけていると、感慨深いものがありました。

マリアの対応を読むたびに、あの巻のああいう経験がもとになってんだろうなぁ、って容易に想像できちゃうんですよね。そういうところ、作者の筆力がすごいなぁと思います。今まで積み重ねてきた"今"があるからこそ、現在のマリアがあるんでしょうね。

投稿: ub7637 | 2009.05.01 22:46

主人公の成長がここまで明確にわかる作品と言うのも十数巻も続いてきたシリーズであるからこそですね。マリアの成長を見届けられるのは長期シリーズの醍醐味と言えるのかもしれませんねえ。

投稿: 吉兆 | 2009.05.03 00:37

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角川スニーカー文庫のラノベ、『薔薇のマリア11.灰被りのルーシー』(十文字青先生原作、BUNBUN先生イラスト)が発売中です。 表紙は髪型が変わって可愛さ&凛々しさアップの主人公マリアローズと、今巻が初登場の新キャラクター『ルーシー・アッシュカバード』の2人。 今巻から新章突入という事で、ニューカマーであるルーシーには要注目!ですね。 あの意外な設定にはカタリ同様、驚かされました。 (^〜^) とある事情でエルデンにやって来たルーシーですが、到着早々、可愛い顔と世間知らずが原因でトラブルに巻き込... [続きを読む]

受信: 2009.05.02 19:23

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