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2009.04.28

『薔薇のマリアVer4 hysteric youth』読了

薔薇のマリアVer4 hysteric youth』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

薔薇マリ再読ちゃくちゃくと進行中。最新刊まであと少しだぜ!それそれとして薔薇マリ短編集の4冊目。今回はVer0でマリアローズがZOOに加わってから1巻に至るまでの2ヶ月間の物語。まだまだ仲間と一緒に行動すると言うことに慣れなくて、失敗したり、落ち込んだりしながらも、前を向いて頑張ったりする日々を描いている。10巻まで読んでいると、まだまだマリアが初々しくて不思議な感じなのだが、こういう時期を乗り越えて今のマリアがあるんだよな。こういう風に成長の過程をきちんと描くところがこの作者のえらいところだと思う。

以下、各話感想。

「フテクサレデイ」
タイトルの通り、ZOOに入ったばかりのマリアが自分の居場所が見つけられず自信をなくして落ち込んでしまう日常を、ZOOの仲間たちに支えられながら一歩を踏み出す話になっている。もー本当にそれだけの話で短編一本分になってしまうのだが、十文字青は基本的に長編向きの作家だよね、と思った。短編だと、人物描写が描きこめないじゃないか!とか思っていそう。いや、勝手な想像ですけどね。

「ELDEN☆SWEET☆ANGELS」
スィートなエンジェルたちがだれなのかと言うのは読んでみればわかるとして、今度は仲間との距離感をとることに四苦八苦するマリアの話。…本当に段階を踏んで描写していくんだな…。初めて得た仲間に対して、嫌われたくないと言う気持ちが先立って、空回ったりするマリアの日常を描いたこれまたそれだけの話。そうだよねー、あんまり気心が知れてないと、付き合うのにも疲れちゃうよねー。人間関係に不器用ならなおさらだ。で、マリアは典型的に不器用なタイプだからして…。トマトクンはわりとナイスフォロー。もちろんエンジェルのみなさんのおかげでマリアはなんとかやれているわけですが。しかし、マリアとサフィニア、ユリカの関係って、完全に同性の友達って感じだよなあ…誰も疑問に思わないのだろうか…。

「竜殺しのリュー」
タイトルからして駄洒落なあたり、すでに内容は予測がつくと思いますが、まーどうしようもないドダバタコメディ。なんかこれだけ世界観が違ってしまっているような…。今回のゲストキャラクターであるリューは、明らかにギャグ漫画の住人だよな。その意味では、作者が本格ギャグに挑戦した貴重な作品と言えるのかも知れん…。

「真・鳥人ROOK」
じゃあ真じゃない普通のはどこ言ったの?と思ったらどうやら雑誌掲載分が「鳥人ROOK」と言うらしい。それの加筆修正と言うか全面改稿版みたいな話みたい。例によってアンダーグラウンドに潜ってお宝探してトラブルに巻き込まれて…と言う典型的なダンジョンストーリー。蜥蜴人とか鳥人とか、冒険の途中でモンスターの生態が明らかになったりするのはまさにウィザードリィ小説って感じでとてもよろしいのではないでしょうか。ウィザードリィ小説から始まったわりに、こういう描写は少なかったもんなあ…。

「ラストサマー」
こういう可哀想な子が可哀想なことになってしまう話は、意外と薔薇のマリアでは珍しい。単純に切ない物語を書くのは、この作者は好きじゃなさそうだもんなあ。むしろ、生きることの充足(そして裏腹の孤独)を描くことがメインのように理解していたので、ちょっと驚いた。ただ、ラストシーンの閉じ方まで読んで、ああ、やっぱりこれは間違いなく十文字青の作品なんだと思った。可哀想な女の子なんていないんだ。いるのは、自分の命を十分に使い切って、満足を得た女の子がいるだけなんだ。最後を看取った男が、その価値を知っていることは、素晴らしい救いなのだ、と思った。

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